2018/10/16

Refsort on Excel v1.40

新しく開発しているソフトウェアにはどうしても想定不足が付きまといます.これでもう十分にテストしたと思っていても,非常に意地悪な入力やオプションの設定を与えると破綻してしまうことが多々あります.この Refsort on Excel もご多分に漏れず,毎日バグとの戦いが続いています.

出力の再構成に異常に長い時間がかかることは v1.30 で解決したのですが,その再構成のプログラミングのときに,出力の多様な書式を十分に処理しきれていないことが発覚.VBA の Like 演算子ではどうしても役不足だったので,処理時間を犠牲にして VBScript正規表現を使うことにしました.ところが VBScript の正規表現たるや Ruby の正規表現を使い慣れた者にとっては非常に貧弱で,一度では一意的な切り分けができず,仕方がないので複数の正規表現の評価順序に気を遣いながら場合分けを行わなければなりませんでした.それでも何とか正しい場合分けができて,今の想定範囲ではかなり意地悪なオプションでも破綻せずに走ります.幸いなことに速度の低下はわずかです.

Refsort_excel_v140

これを v1.40 としてリリースすることにします.スピードは十分なので今後はバグの潰し込みに注力していくつもりです.それにしても便利ですよ.使用方法は改訂済みのユーザーズガイドをご覧ください.

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2018/10/13

Refsort on Excel をリリースしました

このブログで先々週,そして今週と前振りしてきた Refsort/Ruby の Excel Interface である Refsort on Excel をついにリリースします.今週後半に開発を集中して行い,ようやくリリースできるレベルに仕上げることができました.

そもそも,VBAはほとんど触ったことが無いため,基本的な考え方も,制御構造も,構文も良くわからないまま,WebでQ&Aを検索しながらの開発だったので,だいぶ遠回りをしてしまいました.特に,ベータ版としていたものでもイベントドリブンの考え方に不十分なところがあり,それがようやく解決したのが一昨日のことです.しかし,わかってしまえば非常に単純で便利な仕組みがあらかじめ用意されていたのです.

スクリーンショットを下に示しますが,これまでフラフラとさまよっていたユーザインターフェースはコントロールパネルに統一し,さらにこのコントロールパネルをワークシート上に常駐させて完全なイベントドリブンでプログラムが走るように実装することができました.我ながらなかなか快適です.自画自賛ですがミニコンソールもよくできています.

Execute_sort

このリリースに合わせて付録を追加した新しいユーザーズガイドもリリースします.使い方や制約事項,注意点などはこのユーザーズガイドの付録をご覧ください.Rubyのインストールは相変わらず必要なのですが,コマンドコンソールを開いてコマンドを打ち込むという古典的なユーザーインターフェースはもう必要ありません.この新しいユーザーインターフェースによって,Refsort/Ruby の敷居がぐっと下がり,生産性が劇的に向上することを期待しています.

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2018/10/09

Refsort on Excel ベータ版

このブログの9月末のこの記事で,長年の懸案だった Refsort/Ruby を Excel 上で利用するインターフェースを開発していることをお知らせしました.この時はまだアルファ版とでも言うべき状態で,使い勝手が良いとはお世辞にも言えなかったのですが,その後開発を続けた結果,ベータ版と言っても良さそうなものが完成しました.

以下に画面キャプチャを示しますが,まず,このマクロを搭載したブックを開きます.Sheet1 には左上にボタンが付いており,このボタンをクリックするとマクロが動き始めるようになっています.まず並べ替えの対象としたい領域をマウスで選択しておいて,このボタンをクリックします.するとコントロールパネルというダイアログボックスが現れます.(下図)

Select_and_activate

ここで,各種ファイルの同定とオプションの指定を行い,Start と書かれたボタンを押すと,Refsort/Ruby が背後で動き,エラーや参考情報などのメッセージなどを表示した後で,並べ替えた結果がシステムのクリップボードに保存されます.クリップボードの内容を貼り付けたい領域の左上端のセルをマウスでクリックし,Ctrl-V をタイプすると出力が得られます(下図).出力内容はクリップボードに保存されているので,他のワークシートや,エディタなどにも簡単に貼り付けることができるようになっています.

Result_pasted

また,コントロールパネルの設定情報は実行の度ごとに保存され,次回立ち上げたときに初期値として読み込まれるようになっています.

Refsort/Ruby はフラットなテキストファイル,主として CSV を想定してフィールド分割などのアルゴリズムを構成していますが,それを表計算のワークシート上で無理やり使うために,いくつかの機能が制限を受けます.例えば,辞書ファイルのコメントを -o オプションで指定して出力することはできません.また,入力ファイル中のコメントは独立したセルに入力しておくことが推奨されます.制限しないと動作がおかしくなる点はすべてつぶしたつもりですが,まだバグが残っている可能性があるため,ベータ版としています.

近日中に簡単なドキュメントを添えて公開するつもりです.これで Refsort/Ruby を利用する敷居の高さがぐっと低くなることを期待しています.

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2018/10/04

神宿る巨木

昨日の記事の続きです.筑波山神社拝殿からちょっと下ったあたりで,斜面が切り開かれて,建物の基礎工事が行われていました.表示を見ると,護国寺の別院(大御堂)の本堂を建て替えているようです.筑波山の3合目当たりの南側が開けた斜面なので眺望は大変良く,完成したら人気が出るお寺になりそうです.その周囲に,何本かの巨大な樹木が立っていました.

Mttsukuba_oct2018_0040m

その中にひときわ目を引く一本がありました.どうやらスダジイの巨木のようです.しめ縄だったと思しき縄が巻き付けてありますので,ご神木の一種なのかもしれません.とにかく大きくて節くれだっていて力強く,まるでジブリのアニメに出てくる巨木のようです.何かの精霊が宿っていると思わずにはいられません.光の条件は悪かったものの,つい何枚も写真を撮ってしまいました.背景右側の白い石垣のようなものが,護国寺別院の擁壁ですので,そのすぐわきに立っていることになります.

この辺りは一昔前に比べると民家がなくなって駐車場になったりして,開発が進んでいる様子が気がかり.まさかこれらの巨木たちを切ることはないと思いますが.

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2018/10/03

筑波山神社拝殿

昨日,10月2日は朝から快晴に恵まれました.気温は高めながら湿度は低く,これならちょっと遠出をするには絶好のお天気と思いたち,まだ行ったことが無かった筑波山神社に参拝してきました.

筑波山の3合目くらいに位置するこの神社は,大変立派な山門と,これまた立派な本殿からなっていますが,実はご神体は筑波山本体.筑波山は双耳峰で,男体山,女体山のそれぞれの山頂に小さな本殿があり,これらはすでに何度もお参りしていたのですが,俗に筑波山神社と呼ばれる麓の拝殿にはこれまで一度もお参りしたことが無かったのでした.

Mttsukuba_oct2018_0002m

山体自身がご神体というのは富士山と同じで,日本の山岳信仰ではごく当たり前の建付けなのですが,奈良時代からの歴史のある信仰なので,男体山,女体山の使い分けや,男女川(みなのがわ),さらに歌垣など,この山にはいろいろと特異な歴史があります.

Mttsukuba_oct2018_0012m

拝殿の周囲にはスギスダジイの巨木が多く,歴史ある神社の風格を作り出しています.拝殿そのものも千木がなかなか良くて立派なのですが,目立つのは拝殿正面にぶら下がっている巨大な鈴.これはどうやって鳴らすのか,綱はつながっていないのでわからないのですが,下から見上げると鈴の中にはちゃんと玉があったので,鳴らそうと思えば鳴るのでしょう.

Mttsukuba_oct2018_0014m

おや?と思ったのは,「魚がし」と書かれ大きな賽銭箱.築地の魚市場の関係者が奉納したものでしょうか?青銅張り?なのでしょうか,大変立派なものがデーンと置かれていました.

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2018/09/29

Refsort/Ruby の Excel インターフェース

またまた Refsort/Ruby(リリース実績は新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 *10)ネタになってしまうのですが,引退して暇ができるとこのような事も出来てくるという見本です.かねてから,Refsort/Ruby を Excel 上で使えるようにしたいと思っていました.なぜならば,コマンドコンソールを立ち上げてコマンドを打ち込むとか,出力をファイルにリダイレクトしてエディタで編集しなおすとか,ふた時代ほど古いユーザー体験を強制するユーザーインターフェースは自分でも不満に思っていたのです.

数年前の現役時代に Visual Basic for Applications (VBA) の入門本を買ってきて読んでみたのですが,あまりに初心者向きの本でやりたいことまでの距離がありすぎると気が付き,かといってより高度なプログラムを書けるほどの知識もないという状態が続き,大変欲求不満を感じていました.

しかし,時間ができるということは非常に良いことで,新たに教科書を読むことなく,Web の上でやりたいことの解決法を検索しながら,いわば見よう見まねでプログラムを書き始めてみると,VBA の作法には手を焼いたものの,意外と短い日数で何とか動くものができてしまいました.

Refsort_excel

上にその画面を示しますが,並べ替えをしたいリストを Excel 上に作っておき,それをマウスで選択したうえで,右上のボタンを押します.すると Refsort/Ruby が背後で動き,並べ替えた結果をクリップボードに書き出してくれます.あとは,出力したい場所のセルをクリックして,Ctrl-V とキーを叩いてクリップボードの中身をワークシートに張り付けるだけです.クリップボードは汎用なので,エディタ上に張り付けることだってできます.

Refsort の各種オプションのうち,M オプションだけはインデントをどう扱うのか決めかねているのでサポート外としていますが,それ以外のオプションは問題なく動きます.また,フィールド区切り記号をカンマに固定しているため,複数列にまたがるリストの扱いなど一部に制約は残りますが,これで生産性は劇的に上がったのではないかと思います.ドキュメントを書き上げたうえでリリースしたいと思います.

残る課題は,Ruby のインストール作業と,Ruby や Refsort の場所の指定をいかに簡単にするかですが,これらについてはなかなか良いアイデアが思い浮かびません.しばらく考えてみたいと思います.

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2018/09/18

鳥類の分類目録が統一されるか?

やや旧聞に属しますが,この時点で情報を共有しておきたいと思います.

このブログでは,IOC が発行している World Bird Names という世界の鳥類の分類目録をもとに編集した Refsort/Ruby 用の辞書ファイルを配布しています.最新版は今年6月25日にリリースされた IOC List v8.2 をもとにして作成した辞書ファイルで,これをほぼ即日でアップロードすることができました.画面右側のカラムの “自作コンテンツ” から最新版を直接ダウンロードできますし,またその上部の “Archive” の中にある “IOC List Archive” をクリックして,One Drive のアーカイブから過去分を含めてダウンロードすることも可能です.

さて,世界にはこの IOC List 以外に, “The Clements Checklist of the Birds of the World„ , “The Howard & Moore Complete Checklist of the Birds of the World, 4th Edition” , “Handbook of the BIrds of the World Alive” という代表的な鳥類目録があります.私は IOC List 以外の目録については詳しくないのですが,それぞれ目録作りの考え方や内容が少しずつ異なっているそうです.それら目録の間の比較は鳥類分類のデータベースである Avibase に集約されています.わたしも辞書ファイルを編集するときにまず頼りにするのがこの Avibase ですが,目録間の相違は微妙だなぁといつも感じていました.

実は今年に入って間もないころアナウンスされていたのですが,8月にカナダのバンクーバーで開催された IOC 総会(4年に一度開催,前回は2014年,池袋の立教大学が会場でした)で,これら目録間の差異を議論し目録の統一を目指す円卓会議が開催されることになり,それが実際に8月22日に開催されたようです.

その結果,統一目録を作成しようという広範な合意がなされ,8月24日にそのための作業部会を設置することが IOC 理事会に提案された模様です.部会長候補は Les Christidis という人.この部会がどの程度の日程で統一目録を提案し,それが関係者間で合意されるのか,まだ何もわかりませんが,早ければ1年後には新しい統一目録が提案されているかもしれません.

期待されると同時に,これまでの分類体系に対する何らかの変更や,地域群や交雑群,分化途中の個体群のような新しい概念が持ち込まれるか否かなど,要注目です.

蛇足になりますが,日本鳥学会が発行している日本鳥類目録も,今後は何らかの整合性を取る必要が出てくるのではないかと思います.こちらも動向を注意して見守りたいと思います.

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2018/09/17

キクイモ

初秋の今頃,河原や耕作放棄地などで黄色い花をつけているのがキクイモ.クズに覆い隠されそうになっても,その高い背丈のおかげで花を突出させることができています.電車の車窓からこの花が一面に咲いているのを見ることもありますので,日本に定着した代表的な外来植物の一つであることは間違いありません.

Fallaroundhome_sep2018_0045m

イモというからには,地下にデンプンを蓄えた塊茎か塊根があると思うのですが,自分で掘り出して確認したことはありません.

ところがWikipediaの記事によれば,キクイモの根茎にはデンプンは含まれておらず,多糖類のイヌリンを含む食物繊維が主成分であるとのことです.もちろん食用になり,飼料や果糖の原料にもされているそうです.

イヌリンは人間の消化器官そのものでは消化できず,大腸内の腸内細菌によってはじめて代謝され,かつ低カロリー.またカルシウムやマグネシウムの吸収を促進し,腸内細菌(特にビフィズス菌)の活動を増進させるとのことです.

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2018/09/16

クズの花咲くころ

今年の夏は猛暑が続いたものの,9月に入ると猛暑はおさまり,初秋らしい日々が続いています.初秋というのは気温は低めながらも秋雨前線がウロウロしているということなので,当然湿りがちで湿度が高い日が多いということになります.

Fallaroundhome_sep2018_0012m

この時期は,夏の間に光合成でたっぷりと養分を蓄えた植物たちの実りの時期でもあります.我が家の周辺では,はびこり過ぎているクズが花をつける時期に当たります.クズは塊根にたっぷりとデンプンを蓄えているはずなのですが,地上では赤紫色の豪華な集合花を咲かせ,ブドウに似た香りを放って存在をアピールしています.

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今日,クズの根茎を掘り出してデンプンを取ることはなく,またクズの長く丈夫な地上茎を農作業用の紐として使うこともないため,クズは大いにはびこり日本全国を覆いつくそうとしているのですが,これを何とか抑制するような手段は無いものかと毎年夏になると思います.日本では古くからデンプン源や薬,繊維として活用され,人名に使われるほど親しまれてきた植物なのですから,名誉ある活用法を考え出せないものかとも思います.

アメリカ南部ではすでに完全に定着してはびこり,有害外来生物の烙印を押されているので,そのうちアメリカで何らかの薬剤か生物農薬が開発されるのではないかと予想しています.

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引退して味わう特殊相対性理論

高校数学でわかる相対性理論(ブルーバックス)[新書] - 竹内 淳(著)

今から5年前にもこのブログで紹介した本です.その時は,双子のパラドックスが理解できたような気がしていたのですが,ローレンツ変換がまだ身に付いていないことは感じていましたし,コンプトン散乱はさっと読んだだけだったので消化不良を感じていました.その時のブログには

私はとりあえず通勤電車の中でさっと読んだだけなので,定年後にもう一度机の上でノートを取りながら,じっくりと読み直してみようと思います.
と書いていました.あれから5年の歳月が流れ,とうとうその時がやって来ました.自分に対する約束を違えることなく,このためにわざわざA4版のノートを買ってきて,ノートで数式を追いかけながらこの特殊相対性理論を読み進めました.

早速ローレンツ変換に取り掛かりました.線形変換であるという前提条件は非常に強力で,非常に簡単に変換形が求まります.ただしこれは光の波面について計算したもの.これがそれぞれの慣性系の時空間そのものであるとは言えないというところで引っ掛かりましたが,慣性系に紐づいた時空の座標の変換公式だと思えば,これで良いようにも思えてきました.ローレンツ収縮や時間の遅れなどもすんなりと頭に入りましたし,ミンコフスキー空間やその上でのダイヤグラムを使った計算もちゃんと理解したと思います.ローレンツ収縮は二つの慣性系で同時の概念が崩れていることから来ることが,ミンコフスキー空間を使うと良くわかります.

最大のヤマは前回と同様双子のパラドックスです.ここはやはり固有時の出番.固有時は非常に強力な道具だということを改めて実感しました.さらに前回は気づかず今回初めて悟ったのは,兄は二つの異なる慣性系を乗り継いで地球に帰って来るということ.反転して地球に戻ってくるときに速度の合成を相対論的に計算する必要があることに初めて気付きました.固有時を使わないとこれらの慣性系の乗り換えを組み合わせた時間の計算が大変です.でもやはり直感と合わせることは難しかった.その理由は,ここでも同時の概念が一致しないからだと思います.地球と宇宙船のそれぞれで相手の時刻を観察しても,それは同時ではないのです.

コンプトン散乱は,光子と電子の弾性衝突の問題なのですが,光量子のエネルギーと運動量の公式さえ受け入れられれば,あとは単なる弾性衝突の計算なので,完全に理解することができました.また,この本の最大の功績であるマクスウェル方程式のローレンツ変換は,実際に手を動かして計算してみると実によくわかります.ローレンツ力は電荷の運動に伴う相対論的な見かけの力だという説明が実にすんなりと頭に入り,マクスウェル方程式が最初からローレンツ変換に対して不変な形で導出されていたことが奇跡のようにも思えてきました.

四元ベクトルやテンソルの説明は,前回も感じたように中途半端で,この本の説明範囲では不要だと思いますが,数学的な一般化や一般相対性理論への導入としては,この時点で読んでおくのも良いのかもしれません.

今回は自分の手を動かしながら全篇を読んだので,ようやく特殊相対性理論のエッセンスを理解できたような気がしています.しかし,量子力学ほどではありませんが,日常の常識とは相容れない現象も多く,特に同時性が成立しないということを受け容れるにはまだ時間がかかりそうです.

しかし,引退して時間がたっぷりあるということは素晴らしいです.次はやはり大学時代に悶々としていた熱力学を勉強しなおそうかと思っています.

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2018/09/11

Rersort/Ruby v2.94 Released

このところ Refsort/Ruby(リリース実績は新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 *10)のソースファイルを眺めているうちに,ムラムラと湧き上がるものがあって実装をいじっているうちに,辞書ファイルの重複したレコードやラベル,さらには入力の重複レコードを処理する部分を全面的に書き換えました.ただし仕様の変更は実質的に何もありません.

どういう内容かと言うと,まず辞書ファイルに重複したレコードがあると,同一のものが異なる複数の順位を持つことになるので,そもそもソーティングが原理的に成り立ちません.このため,辞書ファイルの読み込み時に重複したレコードを見つけると,従来は最初の重複ペアが見つかった時点でエラーメッセージを出して即座に処理を中止していました.しかし,これはあまり親切なやり方ではないので,辞書ファイルをすべて読み込んだうえで何々というレコードが何行目と何行目と何行目に重複して存在していると網羅的に報告し,それから処理を中止するようにしました.こうすれば辞書ファイルの作者は辞書の修正が容易です.

同様に,辞書ファイル中のラベル(つい最近までマイルストーンと呼んでいたもの)に重複が見つかった場合は,従来は五月雨式に重複ペアを報告しながら処理を続行していたのですが,こちらも辞書ファイルをすべて読み込んだ後で,重複しているラベルを網羅的に報告することにしました.なおラベルが重複しているとは,そのラベルの文字列(コメントを除く)とレベルがともに同一である場合です.またラベルが重複していてもソーティングに不都合はないため,処理はそのまま続行しますが,ソーティング結果には同一のラベルが異なる複数の箇所に現れることになりますので,本来は望ましくありません.辞書ファイルの修正が望ましいところです.

最後に入力の重複です.入力の重複自体には特に問題はなく,入力データとしては十分あり得る話ですし,ソーティング自体にも影響はありません.ユーザーが重複を検知するには -d オプションを使うことにしていますが,従来は重複したペアが見つかるたびに五月雨式に報告していました.しかしこれでは見にくいうえに全体像が分かりにくいので,これも入力をすべて読み終わった後で重複した入力を網羅的に報告し,処理を続行するように改めました.

これらの改訂を入れ込んだ新しい版 v2.94 を近日中にリリースします.またユーザーズガイドも書き直したものをアップロードすることにしました.ユーザーから見た場合には仕様上の変更は何もありませんが,警告文の出かたが見やすいものに変わるので,気づくことがあると思います.なおこの改訂によって処理速度はほとんど影響を受けないことを確認済みです.

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2018/08/31

Refsort/Ruby v2.93 to be released

暑さにめげてブログの更新が滞っていますが,それなりに活動はしています.明日9月1日付で,辞書参照型ソーティングフィルターをスクリプト言語 Ruby で実装した Refsort/Ruby v2.93 をリリースすることにしました.過去のリリース実績は新しいほうから順に *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 *10 となっています.

改訂と言っても今回は完全に形式的な改訂です.改訂内容は,これまで「埋め込みマイルストーン」と呼んでいたものを「埋め込みラベル」に変更するというものです.これに伴いスクリプト内部の定数や変数の名前を変更していますが,これはユーザーには無関係.ユーザーから見た場合の変更点は,コマンドラインでの埋め込みマイルストーンの出力を指示するための長いオプション名 --milestone と --msindented がそれぞれ --label と --labindented に変更されるというものです.ただし短いオプション名は従来通り -m と -M のままなので,実害は無いと考えています.

これに伴い,ユーザーズガイドも書き直したものをアップロードすることにしました.スクリプトの内容自体には何の変更もありません.仕様も実装もしばらくは変更するつもりが無いので,このまま毎年クリスマスにリリースされる Ruby の新版(今年は v2.6.0)を迎えるものと思います.この新版の目玉は MJIT と呼ばれる加速機構なのですが,Refsort のような短時間で終了してしまう一発モノのスクリプトにはほとんど効果はないと思われます.

本日中に関連ファイルのアップロードを行いたいと思います.

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2018/08/18

ねぐら探しは空振り

昨日の夕方は夏恒例のツバメのねぐら探し.昨年夏,それまで毎年ねぐら入りを楽しめた湖畔のアシ原にツバメが集まらなくなったので,気を揉みながら再度挑戦しに行きました.

Kasumigaura_aug2018_0004m

例年のように,空の広い湖畔で夕暮れを楽しみ,暗くなるのを待ってツバメの様子を見守っていたのですが,今年も完全に空振り.どうやら昨年からねぐらを移動したようで,このアシ原は今はねぐらとして使われなくなったようです.

Kasumigaura_aug2018_0011m

それでも,サギ類,スズメなどはアシ原をねぐらとして利用し続けており,暗くなるころにはゴイサギの群れが出勤して行ったのですが,全体に鳥影が薄く,生き物の数が減ってきたように感じられるのが大変気になります.

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2018/08/17

ついに秋風

本日未明,ついに待ちに待った秋の寒冷前線が本州を横断して南下しました.大雨に見舞われた東北地方の方々には気の毒でしたが,これで大陸の乾いた秋の空気がどっと本州に流れ込み,今朝はまるで高原にいるかのような快適な気温と湿度です.この幸運を大いに生かして溜まっていた雑事を片付けたいと思います.

もっとも,このさわやかさを味わえるのは本州の東半分.西日本は暖気一掃とまではいかず,これからも厳しい残暑が残るはずです.東日本は真夏でもときどき寒気が入ってくるので,ほっと一息つける日々があるのですが,私の九州での経験では,9月いっぱいは真夏です.

それにしても,今日は久しぶりに気持ちがいい.

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2018/08/15

湿った風でも無いよりまし

昨日の日中は湿度が高いうえに気温も上がって不快なことこの上なく,午後はいつものようにエアコンを点けた室内に閉じこもっていました.夕方近くになって部屋を出てみると,部屋の中とさほど気温差がありません.あれ?

開け放してある窓際に行ってみると南風がびゅうびゅうと吹き渡り,たっぷりと湿った空気ではあるものの結構涼しいではありませんか.強風のおかげで室内や小屋裏にたまった熱気を吹き飛ばしてくれたのでしょう.西の空を見ると,三日月が金星に近づいていたので,久しぶりに星の写真を撮ってみました.

Stars_2018_0014m

湿度が高くても適度に風が吹くのはありがたいものです.おかげで昨晩は扇風機を点けずに眠ることができました.夜半にふと目が覚めて窓越しに空を見上げたその瞬間,太く明るく光る流れ星が空を走りました.ペルセウス座流星群

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2018/08/13

DSMのdockerでUbuntuをインストール

このところ,太平洋高気圧が日本の東南海上に後退しているせいで,その縁を回り込むように湿度の高い空気が関東地方に流れ込んでいます.そのため毎日じめじめした暑さに見舞われており,不快なことこの上ありません.

さて昨日の記事の続きです.今朝の涼しいうちに,Synology NAS の OS である DiskStation Manager (DSM) 上に docker を導入し,docker コンテナのレポジトリの中から Linux のディストリビューションの一つである Ubuntu そのものの最新版を選択してインストール・起動してみました.

恐る恐るだったのですが,これがあっけないくらいに簡単.Ubuntu があっという間に起動できたのにはあきれてしまいました.しかしコンテナのダウンロード時間が妙に短いなと思った通り,この Ubuntu は minimize されたもので,インタラクティブな操作を行うには unminimize が必要とコンソールに表示されました.そこで実際に実行してみると,たくさんのファイルがダウンロードされ,インストールされていき,Perl も Python も Ruby もインストールされていくではありませんか!

再起動して,使いやすいとは言えないコンソールから自作の Ruby スクリプトを走らせてみると,当然のことのように完璧に走ります.へぇー,docker ってこんなものなのかという良い勉強になりました.しかしこの Ubuntu をワークステーション代わりに日常的に使うのは非力過ぎますし,I/O の扱いや X Window System を走らせるのも面倒くさそうなので,今日のところはこれで終了.これまでよく理解できていなかった docker のことが少しわかったような気がしました.TeX サーバにできるといいなと思いますが,誰かコンテナを作ってくれないかなぁ?

メールサーバやブログサーバを立ち上げることもできるはずなので,これからのお楽しみです.NAS とは言っても,Intel Celeron 4コア (J3455) と 16 GB のメモリを持っていると,できることの幅がぐっと広がります.

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2018/08/12

NASを導入しました

昨晩から涼しい北東気流が吹き出して,湿度が高いことを除けば今朝は快適な気温になりました.暑さにめげてもう1か月もブログの更新をサボっていたのですが,この程度の気温であればなんとか記事を書く気にもなろうというものです.

実は今週から新しいNASの運用を始めました.昨年10月にこのブログで報告した通り,それまで FreeNAS をインストールして運用していた NAS Box が障害を起こして動かなくなり,それ以来 NAS の無い生活をしていました.その間専用 NAS を物色していたのですが,目を付けていた Synology DS718+ の値段が結構下がってきたので,思い切って導入することにしたのです.

Nasbox_0001m

この NAS のドライブベイは2つ.従って RAID5 などの運用はできないのですが,Synology Hybrid RAID (SHR) という仮想化された RAID は使えるらしいので,そのオプションを選択し,かつファイルシステムは先進的と言われておりデフォルトでもある btrfs を選択.これで FreeNAS の ZFS と同様気楽にスナップショットをとることができる,はずです.

Windows PC や Linux マシンとのファイルのやり取りには,とりあえず SMB を使用しています.これまでは WiFi ルータにおまけのように付いていた簡易 NAS 機能を使っていたのですが,こいつはあろうことかセキュリティ・リスクが高い SMB_1 しか解釈できなかったのに対して,この NAS の導入により SMB_3 をデフォルトにすることができるので,ルータの NAS 機能は運用を停止し,Windows の機能からも SMB_1 を無効化してしまいました.

ベンチマークテストは走らせていないのですが,高速の誉れ高いファイルコピー・ツールである FastCopy で Winodws PC のユーザー領域のバックアップを取ってみると,だいたい 90 MB/s 程度の速度が出ていますので,NAS としては十分な性能です.

実はこの NAS は多機能で,いろいろなアプリケーションをインストールして,ネットワーク越しにインテリジェントなバックアップやファイルの同期ができたり,仮想 OS や docker をホストしたり,メールサーバや Web サーバーとしても運用できるようにもなっています.そのために RAM も目一杯追加したのですが,これらのお楽しみはこれからおいおい試みていくつもりです.

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2018/07/16

酷暑の夕暮れ

酷暑が続いています.太平洋高気圧が日本全体を覆うほど勢力が強く,かつ上層にはチベット高気圧が張り出しているから,と説明されているのですが,これだけでは全く理解できません.太平洋高気圧は小笠原諸島付近に形成され,昔は小笠原気団と呼ばれていたものです.これがなぜ勢力を強めているのか,フィリピン東海上はどうなっているのか,日本全体を覆うほどになっているのに,なぜこれだけ湿度が高いのか,上層のチベット高気圧がなぜ影響を与えるのか,などなど疑問に思うことがたくさんあります.気象情報はもう少し解説のレベルを上げ,より正確で論理的な説明をしてほしいと思います.

Stars_2018_0006m

このような暑い日の夕暮れに,三日月と宵の明星が並んでいたので写真に撮ってみました.これから三日月が太っていき,やがて木星や土星,さらに大接近中の真っ赤な火星にも接近してくれると,また面白い画が撮れるのではないかと期待しています.

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2018/07/08

勇気ある追跡とトゥルー・グリット

勇気ある追跡 [DVD] - ジョン・ウェイン(出演), グレン・キャンベル(出演)

トゥルー・グリット [Blu-ray] - ジェフ・ブリッジス(出演), マット・デイモン(出演)

再び映画のレビューを書きたいと思います.今回は二つの映画ですが,後者は前者のリメイクなので,実際は一つのものと思ってよいでしょう.父親を殺された娘が仇を討つために連邦保安官を雇って追跡するというお話です.オリジナル版とリメイク版のシナリオやセリフにほとんど差がないのが意外なところですが,これはどちらもが原作に非常に忠実だったためか,それとも後者が前者の脚本・演出を尊重したのかはわかりません.しかし,西部劇の中ではスタンダードとなったものの一つと言ってよいと思います. “OK牧場の決闘” ほどではありませんが,良く知られた話であることには違いありません.

古いほうの “勇気ある追跡” は,主演がジョン・ウェイン,助演がグレン・キャンベル,悪役側にデニス・ホッパーという人気俳優を配し,それなりに売れそうな,売れるべき西部劇として仕立て上げられています.しかしそのためか,隻眼でアル中の連邦保安官のダメさ加減やアクの強さは最低限に抑えられており,あくまでジョン・ウェインのファンが見て楽しめる映画,歌手グレン・キャンベルのファンが主題歌とともに楽しめる映画となっています.まあ,1969年の映画なのでこれは当然でしょう.話の結末もハッピーエンドとなっています.

一方,後者はコーエン兄弟監督製作,スピルバーグ製作総指揮というマネジメントからもわかるように,現代的な西部劇として製作されており,前者よりもはるかにリアリティを追求しています.小さなところでは銃の発射音しかり.ガラガラヘビに腕をかまれた主人公の少女が,結局は腕を切断しなければならなかったという結末は前者にはなかったものですし,25年後にワイルド・ウェスト・ショーに出て生計を立てなければならなくなっていた元保安官が死んでしまったという筋立ても,西部開拓時代の終わりを告げるほろ苦い余韻をもたらします.

後者の保安官役ジェフ・ブリッジスは非常に存在感のある俳優なのですね.ジョン・ヒューストンばりです.私はジョン・ウェインよりもこの人の演技のほうが好み.ジョン・ウェインがライフルを回しながら連射するシーンはファンへのサービスとしか思えないので.この人がアカデミー主演男優賞をとったクレイジー・ハートを私は観ているはずなのですが,なかなか思い出せません.

少女役はどちらの映画でも非常にうまい.本来の才能が開花したのか,それとも監督の演出が良かったのか,頭が切れて勇気があり覚悟のすわった生意気な少女を非常にうまく演じています.ちょっと早口過ぎてよく聞き取れないのが私にはつらいところです.

これら2作を立て続けに観るのは非常に面白いので,ぜひ試してみることをお勧めします.

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2018/07/07

Gentle on My Mind が出色のでき

WINDY CITY [CD] - Alison Krauss

本当に久しぶりに音楽 CD のレビューを書きたいと思います.今回は昨年発売の Alison Krauss の久々のアルバム “Windy City” です.ここ数年間は AKUS としてのアルバムを出しておらず,ファンとしては音楽性の変遷も感じられて大変気になるところではあるのですが,しかし AKUS としてのツアーは毎年精力的に行っています.スケジュールを見ると全米をくまなく回っており,非常にタイトなものです.これはものすごい負担になっていると想像します.まあ,AKUS くらいの大物になると,ミュージシャン自身は悪臭漂うツアーバスではなくて,ビジネスジェットで移動しているかもしれませんが,スタッフと機材は当然ツアーバスでの移動でしょう.アメリカのステージミュージシャン稼業は過酷ですね.

さて,このアルバムはブルーグラス色を抑え,どちらかというとカントリー・バラード風の曲が多く,ニューグラスの旗手の復活を願うファンとしてはちょっと残念.また,レーベルが Rounder ではなく Capitol に替わっています.しかし,収録された曲はいずれも素晴らしく,安心して聴いていられるものばかりです.録音エンジニアはまたしても Gary Paczosa のようで,これも安心できる要因の一つ.

実は私が最も気に入り,繰り返しそればかり聴いているのは第7曲に収録された少し古めのスタンダードナンバー “Gentle on My Mind” です.オリジナルは Glen Campbell でしたね.とにかく曲のアレンジが素晴らしく,この曲にはこういう魅力があったのかと再発見させられること請け合いです.特にピアノの間奏がとても素敵です.

アルバムタイトルになっている第3曲の “Windy City” と,第1曲の “Losing You” も素晴らしい曲です.これら2曲がこのアルバムの性格をよく表現していると言ってもいいくらいだと思います.Alison Krauss のヴォーカルは全く衰えを知らず,実に安定した美しさを保っています.いったいどれくらいのヴォイストレーニングや日常生活の節制を強いられているのか知る由もありませんが,とにかく天使の歌声は今も健在です.

私としては,そろそろ AKUS 本来のニューグラスのアルバムが欲しいところです.“So Long So Wrong” や “New Favorite” のような名アルバムが再びリリースされることを願っています.

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