2024/12/11

枯れ葉

今週は日曜日から急に寒くなり,毎朝厚い霜が降りるようになりました.いよいよ冬本番です.とは言うものの関東地方は例によって能天気な冬晴れ.洗濯物干し放題.雪国の人たちから見れば何とうらやましいことかと思います.

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数日ぶりに散歩コースを歩いてみると,大部分の落葉木は葉を落とし,残っている葉も風前の灯といった感じです.夏の間あれほど隆盛を誇ったクズの葉も,枯れてしおれてくしゃっとなっています.

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地面には大量の落ち葉.これを集めて堆肥にすればいいだろうなとは思うものの,バラの園芸家以外はなかなかそういう人はいません.

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今年は12月が結構忙しくて,まだ年賀状や大掃除のことまで頭が回っていません.特に年賀状をどうするか,一年休んでみようかなどと思案中です.

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2024/12/01

師走入り

早や師走.このところ毎朝霜が降りるようになり,朝晩はストーブを付けるようになりました.しかし昨日あたりから絶好の快晴に恵まれて日中の気温は15度まで上がり,日向を散歩すると汗ばむほど.まだ師走の寒さにはなっていません.

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しかし草木は確実に冬支度を進めています.散歩コースの木々はいまこんな感じ.

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コセンダングサは大部分がひっつき虫になってしまいました.

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セイタカアワダチソウもいい感じになってきました.

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擁壁の水抜き穴に巣を作ったニホンミツバチはいまが最後の追い込み.まだ咲いているコセンダングサや,咲き始めたサザンカ,そして今頃大輪の花を咲かせるコウテイダリアなどから蜜と花粉を集めているようです.

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2024/11/19

Joby はアルバトロス号の夢を見るか?

先々週あたりに,ドイツのスタートアップ企業 Lilium GmbH が経営破綻したというニュースが入ってきました.それから一週間ほど遅れて日本の Web でもこのニュースが見られるようになりました.Lilium はいわゆる空飛ぶタクシー,すなわち少人数が乗れる垂直離着陸が可能な固定翼機を開発してきたスタートアップ企業です.

仕事がらこの手の技術やニュースにはアンテナを張っているのですが,実際には投資詐欺まがいの泡沫スタートアップが多い中で,ほとんど唯一と言っていいくらいまじめな会社だっただけに非常に残念です.どこかアラブの大金持ちがポンとお金を出して買い取って開発を継続してくれないものかと思います.

もう一つのニュースはアメリカのスタートアップ Joby Aviation 社にトヨタが追加出資したという話です.今日はこの Joby 社が開発中の空飛ぶタクシー Joby S4 が本当に飛べるのか,簡単に見積もってみたいと思います.Joby についてはこの記事が詳しい.

1082pxjoby_aviation_s4_experimental_evto 写真は Wikipedia の記事より引用


eVTOL では離着陸時には必ずホヴァリングが必要となりますが,この見積りではホヴァリングのみを扱います.Joby S4 は固定翼を持っているので,巡航時は固定翼の揚力に助けられ,モーターはそれほど大きなパワーは必要としないはずですが,ホヴァリング時には全重量をプロペラの推力のみで支えなければならないので,プロペラやモーターはそれに合わせた最大性能を持つ必要があります.

離着陸時のホヴァリングにどの程度の時間を要するかは明確ではありません.ここでは離着陸で合計 5 分間のホヴァリングを行うことにします.使用するパラメータは以下の通りです.

質量 m  1815 kg モーターと電池を含むと仮定
ローター数 n 6枚  
ローター径 d 2.34 m 平面図から読み取り
空気密度 rho 1.225 kg/m^3 海面値
重力加速度 g 9.807 m/s^2 海面値

6 個のローターの総面積 S_d は,

S_d = 6 * pi * d^2 / 4 = 25.80 m^2

ホヴァリング時に必要な誘導パワーは,

P_ind = [ (m * g)^3 / (2 * rho * S_d) ]^(1/2) = 298.7 kW

合計 5 分間のホヴァリングに必要な力学的エネルギーは,

E_ind = 5 * 60 * P_ind = 89.61 MJ = 24.89 kWh

ファン効率をひいき目に見て 70 %,モーター効率をこれもひいき目に見て 95%,ホヴァリングに許される放電深度を多めにとって電池容量の 25% とすると,必要な電池容量は,

E_ind / (0.70 * 0.95 * 0.25) = 149.7 kWh

ただし 5 分間で電池容量の 25% を放電するので,放電レートは 3C とかなり大きくなることに注意する必要があります.

電極活物質のエネルギー密度を,これもひいき目にとって 200 Wh/kg とすると,必要な電極活物質の質量は

149.7 * 10^3 / 200 = 748.6 kg

電池モジュールの質量ベースの実装効率を,これもひいき目に見て 70% とすると,電池モジュールの質量は

748.6 / 0.70 = 1069 kg

という結果になります.つまり,電池だけで 1069 kg の質量を占めることになります.全機質量(ペイロード含まず)が 1815 kg なので,残りの 746 kg で機体 (airframe) とモーターやインバーターを備えなければなりません.モーターは 1 台あたり最低でも

P_ind / (6 * 0.70) = 71.1 kW

の軸出力が無ければなりませんが,そのようなモーターの質量は少なくとも 50 kg はするはずです.するとモーターだけで 300 kg を使うことになります.残りの 446 kg でインバーターと機体を作ることができるかというと,私は非常に悲観的です.そしてこれはペイロードがない場合の話です.

この機体の定員はパイロットを含めて5人です.人と荷物の質量で一人当たり 80 kg は必要だと思われるので,ペイロードは 400 kg 程度のはずです.すると上記の見積もりよりもさらに大きな誘導パワーが必要になるので,より大きな質量の電池モジュールやモーターが必要になり,ホヴァリングだけで電池容量の少なくない部分を使い切ってしまいます.

結論として,私はこの機体が乗客を乗せて航続距離 241 km を飛ぶのは非常に難しいのではないかと評価せざるを得ません.空港から市街地までのような短距離の輸送に限定されるのではないでしょうか?むしろそのほうが空飛ぶタクシーという名にふさわしいと思います.

なおこの記事のタイトルのアルバトロス号というのは,ジュール・ベルヌの小説「征服者ロビュール」(私が少年時代に読んだ時のタイトルは「空飛ぶ戦艦」)に出てくる巨大な気球型戦艦で,上昇下降用に37本の垂直軸二重反転プロペラ,前進後退用に艦首と艦尾にに1基ずつの水平軸プロペラを持った,今風に言えば巨大なマルチコプターです.今日の空飛ぶタクシーのような概念はすでに140年ほど前にあったのです.

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写真は WIkiedia フランス語版より

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2024/11/16

秋の顔ぶれいろいろ

昨日の雨は上がりましたが,スカッとは晴れず,薄日が差す程度の曇り空の一日.午後になると雲が厚くなり,暗くなってきました.そうなる前に散歩に出かけ,昨日と同じ面々とご対面.今日は少し違う写真をお目にかけたいと思います.

まずは最強引っ付き虫のコセンダングサの痩果.我が家の周辺は至るところこの猛者に囲まれています.ちなみに我が家の正面の家庭菜園はなぜかこのコセンダングサでいっぱい.

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次は秋の定番の一つのアオツヅラフジ.とてもきれいな果実なのですが,鳥にも食べられず無傷で残っているのは毒があるから.見つけても手を出さない方が賢明です.

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マント群落では色々な植物の紅葉が進んでいますが,これはヤマイモのつるの黄葉です.とてもきれい.実は我が家の庭木にも絡みついています.

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調整池ではカルガモたちがのんびりと昼寝.夜は餌を取りに行き,昼はここで休んでいるのです.中には羽繕いをしたり,盛大に水浴びをしたりする者もいます.

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2024/11/15

ムラサキシキブ

今週の日本列島は南からの暖気に包まれ,暖かい日が続いています.今日は早朝から雨が降っているのですが,昼過ぎには上がる予報.週末まで暖かさは続くようです.

昨日のお昼,散歩コースを歩いてみると秋のご常連が顔を揃えてきたのがわかりました.道端のコセンダングサ痩果になったものが増え,引っ付き虫の本領発揮です.シロダモの赤い果実も目立ってきました.そして毎年楽しみにしているムラサキシキブの果実は美しく色づいてきました.

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調整池のコガモのオスはエクリプスがほぼ終わり,きれいな羽毛に代わっていました.

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2024/11/04

ダイサギがやって来た

今日は三連休の最終日,といっても毎日が日曜日の引退老人にとっては,どこへ行っても人出が多いので出かけるのを避けるのが習性となっています.この三連休は初日が冷たい雨で散々な一日だったのですが,昨日と今日は快晴の素晴らしいお天気.今日は気温も上がって過ごしやすい一日となりました.

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調整池に散歩に出かけてみると,冬鳥として渡って来たダイサギ(亜種オオダイサギ)と,ダイサギ(亜種チュウダイサギ)が同時に見られました.これはここ3年ほど続けて冬に見られる光景です.

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亜種の違う二羽が互いをどのように認識しているのか?別の亜種オオダイサギがやってくるとこの調整池の亜種オオダイサギは必ず追い出しにかかるのですが,亜種チュウダイサギとは喧嘩することなく同居しています.人間にとっては僅かな違いしかないのですが,当人にとっては明確に区別できるのでしょう.

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2024/11/01

ようやく秋らしくなってきた

今日から11月に入りました.今年もあと2か月しかないとわかると月日が過ぎるのは速いと思うものの,まだ暖かい日が多いのでなかなか実感がわきません.特に今日は昨日よりもだいぶ暖かく,しかも湿度も上がってきて,また秋雨が降り出すのか?という感じですが,散歩に出てみると秋の草花が盛りを迎えていました.

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コセンダングサにとまったウラナミシジミ.この季節の典型的な風景ですが,当地でもようやくこういう光景が見られるようになってきました.

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今年はノブドウの実のつきはあまり良くなかったのですが,きれいな色の塊をたまたま見ることができました.実はこれらは虫こぶなのです.寄生されていない実は白く小さいのです.

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2024/10/26

秋が深まってきた

このところお天気はぐずつき気味.本来であれば移動性高気圧がカラッとした空気を持ってきてくれるはずなのに,まだ秋雨前線が日本列島を行ったり来たりしているためです.おかげで暑かったり寒かったり.今日は午後から雲行きが怪しくなって空が暗くなってきました.

そうなる前に散歩に出かけたのですが,我が家の周辺ではようやく秋が深まってきた感があります.耕作放棄地が増えたせいもありますが,今年はクズセイタカアワダチソウが大変元気.クズはとっくに花が終わったにもかかわらず,気温が高いためまだ青々していて,マント群落の木々に覆いかぶさっています.

そのような耕作放棄地の上を,渡って来たばかりらしいオオカワラヒワが群れになって飛んでいました.

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そのわきではコセンダングサが満開.今はきれいなのですが,しばらくすると強烈な引っ付き虫の種ができて,ちょっとでも藪へ入ろうものなら大変なことになります.

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田んぼに足を延ばすと,二番穂が実って頭を垂れています.鋤き込まずにこのままにしておいてくれたら冬の鳥たちの食べ物になるのですが,今年はどうでしょうか?

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あぜではヒレタゴボウの花が咲いていますが,よく見ると背が低いハキダメギクも咲いていました.この可哀そうな和名は牧野富太郎の命名だそうです.

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2024/10/16

ナガサキアゲハ

今日の散歩のスナップ,ナガサキアゲハです.江戸時代までは九州以南にしかいなかったようですが,その後生息域を拡大.当地,茨城県南部では今は普通に見られます.種分化が進みつつあるようなので,亜種の同定は難しそう.

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2024/10/13

紫金山・アトラス彗星が見えた!

2023年1月に発見され,かなり明るくなるのではと期待されていた紫金山・アトラス彗星ですが,9月27日に近日点を通過し,太陽から猛スピードで遠ざかっていく姿が日没直後に見られるようになりました.明るさは当初の期待からは大きく外れましたが,それでも十分に肉眼で視認できます.

今日こそはと計画を立て,事前にソフトで彗星の位置を確かめ,日没直後から西の空とにらめっこを始めました.17時55分頃になってようやく空が暗くなり,ぼんやりと彗星の姿がわかるようになってきました.

双眼鏡で眺めると,コマ(核)は非常に明るいことがわかります.また尾は想像以上に長く,ダストテイルだけでなくイオンテイルもうっすらと見えます.

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デジカメで手持ち撮影を試みましたが,何とかブレずに彗星とわかるショットが何枚か撮れました.

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国立天文台の星空情報によればあと数日は明るく見えるはずなので,できる限り観察を続けたいと思います.この彗星は双曲線軌道で太陽に接近してきたので,再び太陽に戻ってくることはないそうです.

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日本鳥類目録第8版に準拠したRefsort/Ruby用辞書ファイル

日本鳥学会による権威あるチェックリストで,日本で確認された野鳥を体系的に網羅した「日本鳥類目録」の改訂第 8 版がようやく出版されました.前回の改訂が 2012 年のことだったので,実に 12 年ぶりの改訂です.本来は 2022 年の出版をめざしていたようですが,COVID-19 にぶち当たって作業が停滞してしまったようです.また今回は事前に広くパブリックコメントを募集し,その内容を反映させることも行ったので,余計に時間がかかったのだと思います.

ところが出版されたのは何と印刷製本された紙の本だけ.一体 Excel のワークシートや XML 版のデータベースはどうしたのでしょう?世界のチェックリストはとうの昔に電子データのみの提供に移っているのに.これでは使い勝手が悪くて実用に供されないのではと心配になります.ひょっとすると,まず印刷製本されたものを売って費用を回収してから電子データを提供するつもりかもしれません.

ただし印刷版を見て驚きました.常識的な組版規則が守られていないからです.項目がページ最下行から始まっている箇所が多数.これを出版関係者が見たらかなり首をかしげるはずです.しかし関係者が費やした時間と苦労は大変なものだったものと想像されるので,苦言はここまで.

日本鳥類目録が新しくなったので,Refsort/Ruby用の辞書も新しくしなければなりません.というわけで,昨年リリースされたドラフト版の電子データを使って試作品は作ってあったのですが,今回の正式版リリース後に修正作業を始め,ようやく完成したところです.

今回のチェックリストには,25 の目,91 の科,299 の属,681 の種,439 の亜種が収録されています.これらを忠実に反映させ,さらに目録に記載されている通し番号と,目録中のページ番号もデータフィールドに加えました.またIOC List との大きな差異がある場合はコメントを追記しました.

ちょっと気になったのは命名者表記です.命名者に同姓の人物がいる場合はイニシャルを追加して区別できるようにするのが普通なのですが,イニシャルが付いている命名者は皆無でした.従って,Charadrius placidus イカルチドリの命名者は IOC List だと Gray, JE & Gray, GR, 1863 なのですが,日本鳥類目録では Gray & Gray, 1863 とだけ書かれています.JE Gray とは John Edward Gray というイギリスの動物学者.GR Gray はその弟の鳥類学者 George Robert Gray です.博物学者には兄弟や親子の例が多いので区別は必要なはず. ご多分に漏れず彼らの父親 Samuel Frederick Gray は植物学者でした.


辞書ファイルのエンコーディングは UTF-8 と Windows-31J (SJIS) で,前者が正版,後者は簡略版です.理由は後者では命名者表記に含まれるウムラウトやアクセントを最も近い文字に簡略化しているからです.またこの改訂に合わせてユーザーズガイドも改訂しました.これらのファイルは Microsoft One Drive 上に設けた専用フォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の Japan Bird List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.

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2024/10/12

ススキ開花

日中の気温は 25 度を上回るものの,朝晩は 20 度以下に下がってようやく過ごしやすい季節になってきました.今日は未明から晴れ上がって早朝には霧が出たりしましたが,日中はやはり 25 度まで気温が上がり,日向を歩くと汗ばんできました.

植物たちはどう適応しているのか,クズはとっくに花期を終えたのですが,まだ枯れる気配はありません.住宅地ではキンモクセイが最盛期を迎えています.調整池周辺ではススキの花が咲き始めていました.最盛期になるにはまだしばらく時間がかかりそうです.

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今日はアキアカネが多く見られました.ようやく山から降りてきたのでしょう.でも以前に比べると数は激減しています.以前は掃いて捨てるほどいたノシメトンボは皆無です.水田農業に依存していた生き物が数を減らしているという印象です.

ここにきてようやく,地元の JAネオニコチノイド系農薬の使用を段階的に減らしていくという方針を打ち出しました.遅きに失した感はありますが,湿地の生き物が復活してくれることを祈っています.カメムシに食われて茶色の斑点が出来ても,私はお米を食べ続けようと思います.そういうコメが現時点で流通に乗るとは考えにくいのですが,これは慣れの問題に過ぎないと思うので.

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2024/10/06

40 年前に起きた奇跡

U.S.A. for Africa は,1985 年にアメリカのポピュラー音楽界のアーティストが結集して行われたアフリカ飢餓救済のためのチャリティー録音です.曲は We are the world.作詞・作曲はマイケル・ジャクソンライオネル・リッチー

私は当時海外生活を始めたばかりでテレビを持っておらず,街角の電気店のテレビでこのイベントを知ったのですが,映された顔ぶれを見てびっくりしました.アメリカを代表するポップ・アーティストたちが一堂に会していたからです.ちなみに前年にイギリスではバンド・エイドというプロジェクトが起こされ,エチオピアの飢餓救済が叫ばれていたのでした.

後年 YouTube でこの映像を繰り返し見てはいたのですが,どういう段取りで録音したのか興味を持っていました.明らかに別テイクの映像も混じっていたからです.ところが今回このようなメイキングの映像があることを知り,しかもそれがあの小林克也氏の解説で放送されていたことを知り,1 時間を超えるこの映像をじっくり見ることになりました.

まず思ったのは,よくぞこれだけのアーティストを集められたな?ということです.アフリカの飢餓に対してチャリティ企画を提案したのは,何とあの往年の名歌手 ハリー・ベラフォンテ.これは今に至るまで全く知りませんでした.すごい人です.社会活動に熱心だっと言われていますが,こういうことを成し遂げられるとはすごい.当時はすでに引退気味だったと思いますが,このメイキングの中では彼を讃えて出演者全員がバナナ・ボートを合唱するシーンが収録されていて,これは涙ものです.リードしたのはアル・ジャロウ

出演者たちが口々に語るのは,自分があのスーパースターと同じスタジオにいるのが信じられない,自分の隣で歌っているのが本当にあのスターなのか,何度も振り返って確かめたという言葉です.実際,自分の楽譜に互いにサインをもらいあう姿が残されています.自分自身もスーパースターのはずなのにこの謙虚さは素晴らしいです.もっともレイ・チャールズボブ・デイランなど超大御所まで出て来ていて,彼らの音楽を聴いていたからこそ今の自分があるという思いがあるのでしょう.そういう尊敬の念があったからか,自分のパフォーマンスをアピールするのではなく,あくまで一つの目的のために団結してレコーディングを完成させようという熱意が感じられます.実際レコーディングは夜遅くから翌朝にかけて夜通しで行われたのでした.

まとめ役はクインシー・ジョーンズ.映画「夜の大走査線」の音楽が印象に残っています.ちなみにその縁でかシドニー・ポワティエが収録スタジオに来ていました.

80年代中頃のアメリカン・ポップスのスターたちが一堂に会するという奇跡がいかに成し遂げられたか,非常に長いメイキングですが,ここで私がグダグダ説明するより映像を見ていただいた方が良いと思いますので,この辺で.

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2024/10/05

Windows11 24H2 にアップデート

10 月 1 日から一般向けにも配布が始まった Windows11 24H2 が私のマシンにはなかなかやって来ません.まあこれは当たり前で,普通は 1, 2 週間ほど待っているうちに勝手にダウンロードされていて,ある日突然「再起動してアップデートしろ」と表示が出てから気が付くのですが,今回はちょっと試してみたいことがあって早めにアップデートしたかったのです.

しかたがないのでアップデートのサイトに出向いて手動でアップデートをかけます.マシン環境の中に新しいバージョンと不整合なものがあると自動的に検出されてアップデートされないと聞いていたので,安全ベルトはかかっているはず.まずはダメ元でやってみました.

結果的には 1 時間ほどでダウンロードとインストールが終わり,何事も無かったかのように元のままの画面が現れました.しかしアップデートされたツール類はもちろん新しくなっています.またいくつかの古いツールは削除されたはず.期待していた機能はどうも私の環境では使えなさそうだったことがわかって落胆.

Win11_24h2_sys

また Windows Subsystem for Linux としてインストールしてあった Ubuntu 24.04.1 のファイルシステムが Explorer に現れないというトラブルが発生.WSL kernel の最新版をインストールしてみたら復活して一件落着.

ピカピカの新品になったはずなので,これで次の半年間はなんとか生活できそうです.

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2024/10/04

小坂明子の「あなた」

昨日,近所のスーパーマーケットに立ち寄ったとき,カートを推しながら自動ドアをくぐったとたん,何とも懐かしい歌が聞こえてきました.小坂明子の「あなた」です.

この曲は私にとっては大学受験直前の 1973 年 12 月の年末に大ヒットした曲.繁華街を歩けば有線放送はすべてこの曲でしたし,級友に誘われて気晴らしに入った自宅近くのパチンコ屋でも 30 分の間に数回という頻度で流れていて,耳に焼き付いてしまいました.

今となっては古典的な歌詞ですが当時としては自然な心情だったと思います.作詞作曲して自ら歌った小坂明子さんは,それ以降ヒットした曲を聴いたことはなかったので一発屋かと思っていたのですが,実は作曲家として活動を続けており,ミュージカル版の美少女戦士セーラームーンの曲の多くは彼女の作曲.音楽家として立派なキャリアを紡いでいたのでした.自らの不明を恥じるばかりです.ごめん.

簡単な買い物を済ませてセルフレジで精算したら,またあの頃の別のヒット曲が流れてきました.これまでこういう音楽は流していなかったのになぁ?と思ったのですが,平日の午前中の客層は近くの大規模団地に大挙して住みついて老いを迎えた団塊世代の高齢者がほとんど.私も含めて彼らの若かりし頃の記憶にベストマッチする曲ばかり.

うーむ,よく考えたな.でも洋楽は流さないんだな?CCRを流したら毎日でも買い物に行ってやるのにな.

とうとうこんな懐古趣味の記事を書くようになってしまいました.人生も末期ですね.

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2024/10/03

内視鏡受診のコツ

昨日,年に一回の健診,いわゆる人間ドックを受けてきました.一番最後にクライマックスとなる胃の内視鏡の診断を受けます.私は 10 年ほど前からバリウム X 線撮影から決別し,必ず内視鏡診断を受けるようにしています.理由は,X 線の被ばくがゼロで,一度で確定診断が受けられ,場合によっては組織のサンプリングもその場で臨機応変にできるからです.またバリウムの場合のように検査後に面倒なことが何も起きないのも良い点です.

ただし受診は楽ではありません.あんな太くて長くて黒いものを喉からぐいぐい押し込まれるのは不快の極みです.そのために喉の奥に麻酔薬を浸透させたり,鎮静剤を打ったりするのですが,ここ 2. 3 年は慣れてきたせいかだいぶ楽に受診できるようになりました.

コツは二つ.まずは喉の奥の麻酔をしっかりやることです.ねっとりとした咽頭麻酔の薬剤を喉の奥に溜めて 5 分ほど浸透させるのですが,椅子の背もたれを大きく寝かせ,咳き込まないよう注意しながら喉の奥にしっかり届かせます.これが結構難しくて,喉の浅いところだけ麻酔が効いているようだと,内視鏡が喉に入るときに結局オエーッとなって苦しみます.

もう一つのコツは,受診中はとにかく体の力を抜いて筋肉が緊張しないようにすることです.あんな異物が体内部に入って来るわけですから,全身が,特に上半身の筋肉が緊張してしまいがちなのですが,鎮静剤を打たない場合でも,自分で心掛けて全身をダラーっとさせます.すると喉に対する刺激が少なく,するりと食道に入って行ってくれます.私の受診先では鎮静剤は打たないので,自分で心掛けて力を抜くようにしています.看護師さんが背中をさすり続けてくれることも多いと思います.

最近は受診者用のモニター画面が顔の近くにあって,自分で画像を眺めながら診断を受けられるのが普通になっています.医師によってはバスガイドのように色々と説明してくれる人もいます.ハイ今食道を出たところでーすとか,間もなく十二指腸に入りまーす,なんて感じです.

体の中の問題があるところは過去の健診で洗い出されており,それらはすでに定期的にモニターまたは治療しているのですが,今年新たに見つかった問題点はありませんでした.良かった.

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2024/09/23

タカの渡り

一夜明けると北風が強く,どんよりした曇り空.しかし天気予報では晴れ上がるとのご託宣.それならば行ってみようということで,遠出してタカの渡りを見に行くことにしました.同一地点としては今シーズン2回目.

高速道路を北上するに従って雲が切れ,日差しが出て来ました.到着するころには美しい青空に白い雲がぽつりぽつり,北風は強いながらサーマルは形成されているようです.これならば期待できます.

観測点に着くとすでに6人ほどが観察中.朝早めにサシバ十数羽が一斉に帆翔して渡って行ったそうで,さぞ壮観だったことでしょう.

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早速探し始めると,平均して数分に一羽という感じでサシバがサーマルに乗って高度を上げては渡って行きます.観測点は小高い山の上なので,ちょうどサーマルリッジがうまく組み合わさって上昇流が起きているようでした.積雲のでき方から判断するとサーマルも盛んに形成されていたようです.

一方,地付きらしいトビも多数サーマルの中を飛んでいます.中には至近距離まで近づくものもいるのでよく観察してみると,ロールのトリム(微調整)を取るのに尾羽をロールしてモーメントを作り出しているのがよくわかりました.大きく旋回するときはもちろん体軸そのものをロールさせるのですが,トリムは尾羽だけでやっています.うまいものです.

途中,アマツバメが群れで見られたり,ハヤブサが出たり,なかなか良い一日でした.

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2024/09/22

ようやく前線南下

今年はいつまでも厳しい残暑が続いてどうなることかと思っていたのですが,平年よりも3週間ほど遅く秋雨前線が南下して,エアコンなしで過ごせる気温になってきました.

昨日は朝からそよそよと北東気流が吹いていたのですが,それが次第に強く,かつ冷たくなってきたので,これはようやく秋雨前線が下がってきたのだと期待に胸を躍らせていたのです.

昨夜は秋本番の涼しさで,タオルケットで寝るには涼しすぎるほどでした.

今日は雨が少し降ったあとは北東気流が弱まり,蒸し暑い南風が少し入ってきたのですが,それでもエアコンを必要とするほどではありません.

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夕方,西の空は真っ赤に焼けて,ようやく秋が来たのだと思わせてくれる空の色でした.

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2024/09/06

暑い夕方の月

今日は日没時にツバメのねぐら入りを見に行ってきたのですが,昼間からの暑さが夕方も残っていて,風が吹いてもあまり涼しく感じませんでした.

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ツバメの数はやや少な目.この時期は日本列島を南下しているツバメが毎日入れ替わりながらねぐらに入って来ているはずなので,日によって数の多い少ないが変動するようです.それでも十分な数のツバメがヨシ原に飛び込んでいくのを見ることができました.

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西の空を見ると月齢 3.3 の細い月が低く見えていました.その少し下には金星も.

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2024/08/31

パリ・オリンピック開会式に寄せて

え?もうオリンピック?つい最近東京でやったばかりじゃないか?と思った人も多いと思いますが,東京大会は1年遅れで開催されたのでした.しかしパリでオリンピックが開催されることは知っていたものの,いつからどういう会場で?ということには全く無頓着でした.そもそもノートルダムの修復が終わっていないのにオリンピックができるの?と頓珍漢なことを考えていたのです.過剰装飾の大聖堂が数年で修復できるはずはありません.

そしてある夏の日の朝,いつものように朝食時にテレビをつけると,雨が降りしきる中で聖火の点灯式が中継されているではありませんか?へぇーと思ってみていると,巨大な気球がぼわーっとあがり,しばらくしてから聞き覚えのある歌が流れてきました.

えー?セリーヌ!病気じゃなかったの?そして相変わらず圧倒的な歌唱力と情感表現で,エッフェル塔の展望台からパリを見下ろしながらピアフ愛の賛歌を歌い上げ,ようやく開会式が終わったようでした.伴奏のピアノは雨でずぶ濡れでしたが,ピアニストの白髪のおじさんは乗りに乗っていました.そりゃそうだよ,セリーヌだよ!しかし放送にピアノ音は含まれず,どうやら録音が使われたようです.このピアノはひょっとするとスタインウェイ・アーティストだそうで,そうだとすると大変高価なもの.でもこのパフォーマンスのためなら惜しくないということなのでしょう.

フランス人からはセリーヌのカナダ訛りのフランス語は揶揄されることもあったのですが,とにかくフランス語の歌詞を見事に歌い上げました.病んでいながらこの圧倒的な歌唱力.これぞトップシンガーの実力.エッフェル塔下で雨に濡れながら聞きほれていた観客の様子を YouTube で見ると,彼女の歌が完全に受け入れられていることがわかります.

通りに出ればエッフェル塔が間近に見える場所に住んでいたこともある者としては,あそこでこんなことが行われたんだ!という感慨がこみ上げてきました.もうパリもずいぶん変わったことでしょう.しかしパリは,

Fluctuat nec mergitur  たゆたえど沈まず

生きているうちにもう一度は訪れてみたいと思っています.

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