2019/09/13

咲き誇るセンニンソウ

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台風の熱気が去ってようやく涼しくなってきたので,久しぶりに近所を散歩.気温は高くても秋は確実に進んでおり,クズの花はそろそろ終わりで,キクイモ花もいつの間にか盛りを過ぎ,今はセンニンソウが花盛りを迎えていました.

マント群落に絡まるように多数の白い花が群れて咲くので非常に豪華に見えます.白い十字の花弁(実は萼片)と多数の雄蕊が優雅さを盛り立てます.

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今日は厚い雲に覆われて光は良くなかったのですが,暗い林縁でも非常によく目立っていました.

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2019/09/10

台風の高分解能風予報を

アジア名 FAXAI こと台風15号が関東地方を直撃しました.数日前から天気予報の進路予想を見ていると,当初予想よりも西寄りの進路を取る傾向に変わってきたので,これはやばいと警戒をしていました.台風は(北半球では)反時計回りの渦なので,進行方向に対して右側に強風・強雨域が発達し,逆に左側は風も雨もさほど強くなりません.この性質は台風の進む速度が大きければ大きいほど強調されていきます.従って台風の進路の左右どちらに自分が位置するかで天と地ほどの差が出るのです.台風が西側のコースを取れば,我が家が台風の右側に位置するようになるので警戒を強めたのです.

台風が我が家に最接近していた昨日の午前6時ころは,風は強いものの暴風というほどではなく,何とか外も歩ける程度だったので,ひょっとして東に逸れたか?助かったかな?と思ったのですが,後刻の天気予報の台風の経路を見ると,確かに東京湾に入ってから東に大きく向きを変えたことがわかりました.そしてその進路右側の市原市や君津市には大きな被害をもたらしました.

今回,インターネット上で台風の進路予想を何度も調べたのですが,大縮尺の地図に進路予想を書き込んだものは皆無でした.つまり 10 km,20 km の分解能での進路予想は出されていないのです.しかし前述の通りこの 10 km,20 km の差が大きな違いを生むので,たとえ接近の直前であっても,つまり予報ではなく現状を外挿した成り行きであっても,その情報には高い価値があります.

なぜそのような情報が出されないのでしょうか?考えられる一つの理由は,それほどの予測技術が無いから.台風中心の経路を進路とするのであれば,台風の中心を求めなければなりませんが,そもそも台風の中心を定義するのは簡単ではありません.

いや,本稿の趣旨からすると,台風の中心位置などどうでもよいので,高分解能の強風・強雨域分布の予測があれば,それでよいのです.強雨域に関しては “雨雲ズームレーダー” というものがよく知られており,スマートフォンでも簡単に見られるようになりました.河川情報を加えた国土交通省の XRAIN情報サイトもあります.しかし強風域についてはこのようなものは一つも無いのです.

多地点のドップラー・レーダーの情報を統合し,強風域の現状表示と短期予測をすることは可能だと思いますが,それが一般の気象予報にまで実用化されていないのです.竜巻の少ない日本にはドップラーレーダー自体が少ない(竜巻の本場アメリカには NEXRAD という観測ネットワークがあります)のですが,それでも関東平野は比較的配置数が多いところで,少なくとも成田空港,羽田空港,千葉県柏市の気象大学校(近隣に2棟ほど高層ビルがあるらしく,東側2方向に盲点があるのが明確にわかるのがご愛敬)の3拠点,さらに国土交通省の河川管理用レーダー網も整備中です.自衛隊や在日米軍のドップラー・レーダーの活用は無理として,これらの情報を統合して強風域の分布を 1 km 程度の分解能で予測できるようになればいいと思います.

観測するだけで強風被害が防げるわけではありません.しかし,台風通過時にどの程度の風速が何秒間持続しているか,ガストの分布やその強度が実際に観測できれば,例えば鉄塔や電柱,あるいは建築工事機材の設計・設置基準の向上に役立ち,ひいては被害の低減につながることは確かです.

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2019/09/08

IOC List の属種同名

今回はちょっと悪乗りです.前回の投稿では属は異なるが種小名が同じ種について調べました.今回は,属名と種小名が同一の種がどれくらいあるか調べてみました.これにはもちろん前々回に紹介した反復名 tautonym が含まれますが,そうでないものも多いのです.これを何と名付けようかと悩んだのですが,日本語にすると “属種同名” ということになるでしょうか.うーん,あまり良くないですね.

属名は鳥類の分類体系全体を通して唯一性があるのですが,種小名と亜種名には唯一性はありません.しかし属名と同一の種小名や亜種名が多いのはなぜだろう?と思います.からまでは語尾に規則が設けられているのですが,以下にはその規則がないため,このような重複が起こりえます.やはり種の多様性に対して語彙が少ないということが本質的だと思いますが,いかがでしょう?

IOC List の中で,属名であると同時に最も多数の種に共有されている種小名は “melanotis” です.これはギリシャ語で黒いという意味の melano から採られた言葉ですが,これを名前とする属が Melanotis です.和名としては “アオアシマネツグミ属” が当てられています.

小さな属で,含まれる種はたったの2種.一つは “Melanotis caerulescens”,英名が Blue Mockingbird,和名がアオマネシツグミです.この種には基亜種を含めて2亜種があります.もう一つの種は “Melanotis hypoleucus”,英名が Blue-and-white Mockingbird,和名がシロハラアオマネシツグミです.

なお,マネシツグミを代表するのは Mimus マネシツグミ属に属する種で,Melanotis とはやや離れた位置にあります.下のリストに1種だけ Mimus 属の種が出てきますので確認してください.

一方,種小名が melanotis である種は全部で11種.反復名はありません.下にリストを出しておきますが,どうやら耳が黒いという名前を持つものが多いようです.

属名 種小名 英名 和名
Odontophorus melanotis Black-eared Wood Quail ミミグロウズラ
Hapalopsittaca melanotis Black-winged Parrot クロガタインコ
Ailuroedus melanotis Black-eared Catbird ミミグロネコドリ
Manorina melanotis Black-eared Miner ミミグロミツスイ
Pteruthius melanotis Black-eared Shrike-babbler クリノドモズチメドリ
Oriolus melanotis Olive-brown Oriole チモールコウライウグイス
Mimus melanotis San Cristobal Mockingbird サンクリストバルマネシツグミ
Coccopygia melanotis Swee Waxbill キバラカエデチョウ
Basileuterus melanotis Black-eared Warbler ミミグロアメリカムシクイ
Hemispingus melanotis Black-eared Hemispingus ミミグロモリフウキンチョウ
Coryphaspiza melanotis Black-masked Finch マミジロシトド

同様の分析を亜種名に対しても行うことができるのですが,あまり意味がなさそうなので,詳細は省略します.

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2019/09/05

IOC List 最多の種小名 affinis

先日の投稿の続編です.IOC List を分析すると,いろいろと面白い トリヴィア が見つかります.

反復名 tautonym のことを調べていたら,以前から気になっていた同名 homonym についての解説に行き当たりました.これは異なる種に同じ学名,つまり同じ属名,同じ種小名が付いているものです.もちろんこれはあってはならない事なので,後から付けられた同名は無効となります.

当然ながら IOC List にはこのような学名はありません.仮にあったとすると,拙作の辞書参照型ソーティングフィルタである Refsort/Ruby がたちどころに撥ねてくれます.

条件を緩めて,属名は異なるが種小名は同じものを “同種小名” と呼ぶことにします.IOC List にこの同種小名がどれくらい含まれているのか調べてみましたが,実に膨大な数があることがわかりました.少なくとも 1,600 組の同じ種小名を共有するグループがあり,それらに含まれている種は合計約 6,600 種に上ります.IOC List 全体が種レベルでは約 11,000 種ですから,半分以上の種が他の種と種小名を共有していることになります.これは実に驚くべきことです.

種小名は,同じ属に属する個々の種を区別するための形態上の特徴や命名者から成っている場合が多いのですが,上記の事実は種小名には実はそれほど多くの語彙が無いということを表しています.意外と多様性が無いのですね.欧州系の人名はキリスト教の聖人から採ることが多く,さほど種類が多くないのとよく似ています.

その中でも最も多数の種を含む種小名は何かというと “affinis” です.この単語はラテン語では「類似」とか「関連」という意味があるのですが,時代が下ってくると「親和性」という意味も持たされるようになったようです.IOC List にはこの種小名を持つ種が30種も登録されています.その全てを以下にリストします.分類は IOC List の順です.日本で見られる鳥がほとんど無いのが残念.

属名 種小名 英名 和名
Aythya affinis Lesser Scaup コスズガモ
Batrachostomus affinis Blyth's Frogmouth コガマグチヨタカ
Caprimulgus affinis Savanna Nightjar シロアゴヨタカ
Aegotheles affinis Vogelkop Owlet-nightjar コウチシマズクヨタカ
Collocalia affinis Plume-toed Swiftlet ケアシシロハラアナツバメ
Apus affinis Little Swift ニシヒメアマツバメ
Treron affinis Grey-fronted Green Pigeon ハイビタイアオバト
Sarothrura affinis Striped Flufftail クリオシマクイナ
Ninox affinis Andaman Hawk-Owl アンダマンアオバズク
Penelopides affinis Mindanao Hornbill ミンダナオカオグロサイチョウ
Coracias affinis Indochinese Roller インドシナブッポウソウ
Veniliornis affinis Red-stained Woodpecker ウスアカハゲラ
Lepidocolaptes affinis Spot-crowned Woodcreeper ホシガシラオニキバシリ
Scytalopus affinis Ancash Tapaculo アンカシュオタテドリ
Empidonax affinis Pine Flycatcher マツメジロハエトリ
Climacteris affinis White-browed Treecreeper マミジロキノボリ
Melithreptus affinis Black-headed Honeyeater ズグロミツスイ
Tephrodornis affinis Sri Lanka Woodshrike スリランカモズサンショウクイ
Colluricincla affinis Waigeo Shrikethrush ワイゲオモズツグミ
Terpsiphone affinis Blyth's Paradise Flycatcher ヒガシサンコウチョウ
Cyanocorax affinis Black-chested Jay ムナグロルリサンジャク
Mirafra affinis Jerdon's Bush Lark インドヤブヒバリ
Thapsinillas affinis Seram Golden Bulbul キンイロヒヨドリ
Phylloscopus affinis Tickell's Leaf Warbler キバラムシクイ
Argya affinis Yellow-billed Babbler キバシヤブチメドリ
Arachnothera affinis Streaky-breasted Spiderhunter ムネシマクモカリドリ
Mycerobas affinis Collared Grosbeak キバシキンクロシメ
Hemignathus affinis Maui Nukupuu マウイカワリハシハワイミツスイ
Euphonia affinis Scrub Euphonia ヤブスミレフウキンチョウ
Emberiza affinis Brown-rumped Bunting コシアカホオジロ

植物にもこの種小名を持つものが多くあるようで,最多の同種小名の一つだろうと思われます.次点以降では色に関する種小名が目立ち,例えば albicollis(白い襟元),bicolor(2色),cinerea(灰白色),melanocephala と melanocephalus(黒い頭部),ruficollis(茶色の襟元),unicolor(単色),versicolor(変色),viridis(緑色),などなど.

ちなみに亜種のレベルで同様のことを行うと,もっとすごい名前が見つかります.それは “minor” で「小さい」という意味ですが,この名前を持つ亜種は IOC List の中に79亜種もあります.こちらのリストは省略します.

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2019/08/22

重連種名,改め反復名

先日の投稿のアップデートです.

まず,私が勝手に “重連種名” と名付けた名前ですが,分類学ではちゃんと “反復名 tautonym” という名前が付いていました.しかも反復名を付けることは動物以外の命名規約では禁止されているそうです.まあ紛らわしいですから当然ですね.でも,Pica pica pica なんて面白いのは確か.

先日の投稿では,IOC List v9.2 のうち,属名,種小名,亜種名のすべてが同一であるもの50種を掲載しました.これは反復名を持つ種のうち亜種名にも反復があるものに限っているので,反復名より厳しい条件になっています.単なる反復名という範囲に条件を緩めると,IOC List v9.2 では92種になることがわかりました.

先日掲載のリストは,種の掲載順におかしなところがあったようなので,それもあわせて修正したリストを改めて掲載します.

属名 種小名 亜種名 英名 和名
Casuarius casuarius   Southern Cassowary ヒクイドリ
Pipile pipile   Trinidad Piping Guan トリニダードナキシャクケイ
Mitu mitu   Alagoas Curassow チャバラホウカンチョウ
Pauxi pauxi Helmeted Curassow カブトホウカンチョウ
Falcipennis falcipennis   Siberian Grouse カマバネライチョウ
Lagopus lagopus Willow Ptarmigan カラフトライチョウ
Lerwa lerwa   Snow Partridge ユキシャコ
Francolinus francolinus Black Francolin ムナグロシャコ
Perdix perdix Grey Partridge ヨーロッパヤマウズラ
Coturnix coturnix Common Quail ヨーロッパウズラ
Gallus gallus Red Junglefowl セキショクヤケイ
Crossoptilon crossoptilon White Eared Pheasant シロミミキジ
Anser anser Greylag Goose ハイイロガン
Coscoroba coscoroba   Coscoroba Swan カモハクチョウ
Cygnus cygnus   Whooper Swan オオハクチョウ
Radjah radjah Raja Shelduck シロガシラツクシガモ
Tadorna tadorna   Common Shelduck ツクシガモ
Histrionicus histrionicus   Harlequin Duck シノリガモ
Apus apus Common Swift ヨーロッパアマツバメ
Amazilia amazilia Amazilia Hummingbird チャムネエメラルドハチドリ
Coeligena coeligena Bronzy Inca ブロンズインカハチドリ
Ensifera ensifera   Sword-billed Hummingbird ヤリハシハチドリ
Tetrax tetrax   Little Bustard ヒメノガン
Guira guira   Guira Cuckoo アマゾンカッコウ
Crex crex   Corn Crake ウズラクイナ
Porzana porzana   Spotted Crake コモンクイナ
Porphyrio porphyrio   Western Swamphen セイケイ
Leucogeranus leucogeranus   Siberian Crane ソデグロヅル
Antigone antigone Sarus Crane オオヅル
Grus grus   Common Crane クロヅル
Poliocephalus poliocephalus   Hoary-headed Grebe シラガカイツブリ
Himantopus himantopus   Black-winged Stilt セイタカシギ
Vanellus vanellus   Northern Lapwing タゲリ
Jacana jacana Wattled Jacana ナンベイレンカク
Limosa limosa Black-tailed Godwit オグロシギ
Gallinago gallinago Common Snipe タシギ
Ichthyaetus ichthyaetus   Pallas's Gull オオズグロカモメ
Alle alle Little Auk ヒメウミスズメ
Puffinus puffinus   Manx Shearwater マンクスミズナギドリ
Ciconia ciconia White Stork シュバシコウ
Sula sula Red-footed Booby アカアシカツオドリ
Anhinga anhinga Anhinga アメリカヘビウ
Cochlearius Cochlearius Boat-billed Heron ヒロハシサギ
Nycticorax nycticorax Black-crowned Night Heron ゴイサギ
Clanga clanga   Greater Spotted Eagle カラフトワシ
Milvus milvus Red Kite アカトビ
Buteo buteo Common Buzzard ヨーロッパノスリ
Bubo bubo Eurasian Eagle-Owl ワシミミズク
Colius colius White-backed Mousebird セジロネズミドリ
Todus todus   Jamaican Tody ジャマイカコビトドリ
Galbula galbula   Green-tailed Jacamar ミドリオキリハシ
Indicator indicator   Greater Honeyguide ノドグロミツオシエ
Pyrilia pyrilia   Saffron-headed Parrot アカメインコ
Mascarinus mascarinus   Mascarene Parrot マスカリンインコ
Suiriri suiriri Suiriri Flycatcher スイリリハエトリ
Tyrannus tyrannus   Eastern Kingbird オウサマタイランチョウ
Rupicola rupicola   Guianan Cock-of-the-rock イワドリ
Cotinga cotinga   Purple-breasted Cotinga ムネムラサキカザリドリ
Porphyrolaema porphyrolaema   Purple-throated Cotinga ハシブトカザリドリ
Manacus manacus White-bearded Manakin シロクロマイコドリ
Tchagra tchagra Southern Tchagra マユジロヤブモズ
Xenopirostris xenopirostris   Lafresnaye's Vanga クロアゴハシボソオオハシモズ
Oriolus oriolus   Eurasian Golden Oriole ニシコウライウグイス
Temnurus temnurus   Ratchet-tailed Treepie キリオオナガ
Pica pica Eurasian Magpie カササギ
Pyrrhocorax pyrrhocorax Red-billed Chough ベニハシガラス
Riparia riparia Sand Martin ショウドウツバメ
Incana incana   Socotra Warbler ソコトラムシクイ
Regulus regulus Goldcrest キクイタダキ
Troglodytes troglodytes Eurasian Wren ミソサザイ
Luscinia luscinia   Thrush Nightingale ヤブサヨナキドリ
Calliope calliope Siberian Rubythroat ノゴマ
Phoenicurus phoenicurus Common Redstart シロビタイジョウビタキ
Oenanthe oenanthe Northern Wheatear ハシグロヒタキ
Cinclus cinclus White-throated Dipper ムナジロカワガラス
Petronia petronia Rock Sparrow イワスズメ
Quelea quelea Red-billed Quelea コウヨウチョウ
Amandava amandava Red Avadavat ベニスズメ
Coccothraustes coccothraustes Hawfinch シメ
Pyrrhula pyrrhula Eurasian Bullfinch ウソ
Chloris chloris European Greenfinch アオカワラヒワ
Carduelis carduelis European Goldfinch ゴシキヒワ
Serinus serinus   European Serin セリン
Spinus spinus   Eurasian Siskin マヒワ
Xanthocephalus xanthocephalus   Yellow-headed Blackbird キガシラムクドリモドキ
Icterus icterus Venezuelan Troupial ムクドリモドキ
Dives dives   Melodious Blackbird ウタムクドリモドキ
Curaeus curaeus Austral Blackbird ミナミムクドリモドキ
Cardinalis cardinalis Northern Cardinal ショウジョウコウカンチョウ
Cyanicterus cyanicterus   Blue-backed Tanager セアオフウキンチョウ
Melanodera melanodera White-bridled Finch ノドグロシトド
Diuca diuca   Common Diuca Finch ジュウカチョウ

こうやって見ると,日ごろ目にしている鳥の中にも結構反復種が含まれていることがわかります.

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2019/08/18

IOC List v9.2 の重連種名

ここ数日,IOC List のサイトが何者かにハックされ,巧妙にアダルトサイトへ誘導されるようになっていたのですが,ようやく修正されて再びアクセスできるようになりました.

ところで,2016年5月のこの記事で IOC List に含まれる重連種名を紹介しました.重連種名とは私の勝手な命名で,属名と種小名が同一の綴り(つまりその属の模式種)で,さらに基亜種も定義されているもののことです.基亜種名は定義により種小名と同一なので,結局3つの同一のラテン語が並んでいる亜種名が存在することになります.

幸運が重ならないと属名と種小名が同一になることはありません.仮に属名と種小名が同じ単語に由来していたとしても,ラテン語の語尾変化規則により,属名の語尾と種小名の語尾が一致するとは限らないからです.

前回調べたのは IOC List v6.2 についてだったのですが,今回,最新の v9.2 について調べてみました.すると前回調査とはだいぶ入れ替わっていることがわかりました.このところ IOC は亜種の整理を進めてきたので,様相が変わってきたのです.以下に基亜種名を省略したリストを示します.

属名 種小名 英名 和名
Pauxi pauxi Helmeted Curassow カブトホウカンチョウ
Lagopus lagopus Willow Ptarmigan カラフトライチョウ
Francolinus francolinus Black Francolin ムナグロシャコ
Perdix perdix Grey Partridge ヨーロッパヤマウズラ
Coturnix coturnix Common Quail ヨーロッパウズラ
Gallus gallus Red Junglefowl セキショクヤケイ
Crossoptilon crossoptilon White Eared Pheasant シロミミキジ
Anser anser Greylag Goose ハイイロガン
Radjah radjah Raja Shelduck シロガシラツクシガモ
Apus apus Common Swift ヨーロッパアマツバメ
Amazilia amazilia Amazilia Hummingbird チャムネエメラルドハチドリ
Coeligena coeligena Bronzy Inca ブロンズインカハチドリ
Antigone antigone Sarus Crane オオヅル
Jacana jacana Wattled Jacana ナンベイレンカク
Limosa limosa Black-tailed Godwit オグロシギ
Gallinago gallinago Common Snipe タシギ
Alle alle Little Auk ヒメウミスズメ
Ciconia ciconia White Stork シュバシコウ
Sula sula Red-footed Booby アカアシカツオドリ
Anhinga anhinga Anhinga アメリカヘビウ
Cochlearius cochlearius Boat-billed Heron ヒロハシサギ
Nycticorax nycticorax Black-crowned Night Heron ゴイサギ
Milvus milvus Red Kite アカトビ
Buteo buteo Common Buzzard ヨーロッパノスリ
Bubo bubo Eurasian Eagle-Owl ワシミミズク
Colius colius White-backed Mousebird セジロネズミドリ
Suiriri suiriri Suiriri Flycatcher スイリリハエトリ
Manacus manacus White-bearded Manakin シロクロマイコドリ
Tchagra tchagra Southern Tchagra マユジロヤブモズ
Pica pica Eurasian Magpie カササギ
Pyrrhocorax pyrrhocorax Red-billed Chough ベニハシガラス
Riparia riparia Sand Martin ショウドウツバメ
Regulus regulus Goldcrest キクイタダキ
Troglodytes troglodytes Eurasian Wren ミソサザイ
Calliope calliope Siberian Rubythroat ノゴマ
Phoenicurus phoenicurus Common Redstart シロビタイジョウビタキ
Oenanthe oenanthe Northern Wheatear ハシグロヒタキ
Cinclus cinclus White-throated Dipper ムナジロカワガラス
Petronia petronia Rock Sparrow イワスズメ
Quelea quelea Red-billed Quelea コウヨウチョウ
Amandava amandava Red Avadavat ベニスズメ
Coccothraustes coccothraustes Hawfinch シメ
Pyrrhula pyrrhula Eurasian Bullfinch ウソ
Chloris chloris European Greenfinch アオカワラヒワ
Carduelis carduelis European Goldfinch ゴシキヒワ
Icterus icterus Venezuelan Troupial ムクドリモドキ
Curaeus curaeus Austral Blackbird ミナミムクドリモドキ
Cardinalis cardinalis Northern Cardinal ショウジョウコウカンチョウ
Melanodera melanodera White-bridled Finch ノドグロシトド
Diuca diuca Common Diuca Finch ジュウカチョウ

これらのうち,タシギカササギは有名なので,学名のトリビアとして知っている人も多いと思います.

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2019/08/06

イギリスの神髄を守る者たちの心のひだ

日の名残り [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] - アンソニー・ホプキンス(出演),エマ・トンプソン(出演)

重厚な作品です.第1次世界大戦と第2次世界大戦のはざまの時期に,ドイツに融和的なイギリスの貴族に使えた執事と使用人たちの物語.日本にはこのような職種に就いている人は極めて少数なのでなじみが薄く,執事や使用人たちの仕事の内容や日常生活を垣間見るという意味でも楽しめました.

原作者は日系イギリス人のカズオ・イシグロ.つい最近ノーベル文学賞を受賞したということで,作品の評価も高まったことでしょう.

物語は回想形式で始まります.第2次世界大戦後に,かつて仕えた貴族の屋敷が売りに出され,それをアメリカ人の富豪が買って暮らし始めます.新しい主人への仕え方に悩んでいた時,主人から休暇をもらい,かつての女中頭(ハウスキーパー)を訪ねるという風に物語は始まります.そこから1930年代の回想シーンへ話が飛んでいきます.

イギリス貴族の暮らしぶりを忠実に描いているのだと思いますが,その重厚さがよく表現されています.特に賓客を招いて外交問題を議論する会議を行うときの舞台裏を描くことで,貴族の館を運営するとはどういうことかがよく理解できるようになっています.これは原作のおかげか?それとも演出のおかげか?仕える主人への忠誠,執事としての矜持と誇り,豪華なお屋敷と調度品,古き良き時代のイギリスの神髄を見ることができます.本当にこういう世界があったのですね.

使用人たちも人間なので,それぞれの事情があり,考え方があり,人生があります.それを主人の側とどのように折り合いをつけていくのか,みな頭を悩ませながら生きていかなければなりません.しかしこの執事は,自らの内面を顔に出すことはなく,仕事の同僚である自分の父親が屋敷内で息を引き取ったときですら接客を優先したのでした.淡い恋心を抱いていた女中頭から他の男と結婚するので辞めたいといわれた時にも,儀礼的な挨拶をするのみ.しかし内心どうだったのだろうと観る者が思わずにはいられない,そういう演技や演出がこの映画の見どころです.

主演のアンソニー・ホプキンズはまさに適役.この重厚な執事の役を見事に演じました.仕事への献身ぶりを全身で演じたところは見事としか言いようがありません.メソッド演技法に批判的なホプキンズが,それによらずにどのような演技を行えるのか,この作品をじっくりと鑑賞するとよいでしょう.また,この人の演技は表情の作り方が独特ですが,同等レベルの演者としてはメソッド演技法の実現者であるジャック・ニコルソンがあげられると思います.この二人の演技を比較してみることは非常に興味深いです.

エマ・トンプソンも大変良かった.気配りができてちょっと気の強いベテランの女中頭を大変うまく演じました.「いつか晴れた日に」で共演したケイト・ウィンスレットが出演者に入っていてもよかったと思いますが,ちょっと贅沢すぎるか.若いころのヒュー・グラントが軽めの脇役で出ているのですが,よく観ないと本人とはわかりませんでした.あとジュディ・デンチが出てくれば,もう言うことはなかったですね.

映画が大変良かったので,原作を読んでみようと思っています.

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2019/07/10

ひっそりと咲いた貴婦人

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散歩のときにふと見かけたタイザンボクの花です.大変大きく見映えがしますが,谷津のわきの暗いマント群落の中で,人の目の高さでひっそりと咲いていたので,一見すると地味な印象を受けます.しかし,よくよく眺めてみるとなかなか優雅な花ですね.白い花弁が素晴らしいです.

英語では “Magnolia” と言いますが,アメリカのミシシッピ州ルイジアナ州の州花となっているそうで,特にミシシッピ州には “Magnolia State” という愛称があるそうです.車のナンバープレートがそうだったっけな?

以前私が台北で定宿にしていたホテルも旧名が Magnolia Hotel でした.

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ガマとヒメガマ

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我が家の周囲には谷津田が多いのですが,この辺りはもともとは低湿地帯で,そこを土地改良して水田の区画が整然と広がっている,そういうところです.従って,圃場の手入れが緩くなって草刈りの圧力が弱まると,もともとあった植物が顔を出し始めることは当然で,最近ではヨシとガマが田んぼの際や谷津のヘリに多く見られるようになってきました.

特に最近まで谷津田だったところを掘り下げて遊水池を作った場所があるのですが,遊水池になってからというもの,ヨシが急速にはびこりだし,昨年あたりからはガマの群落も見られるようになってきました.

Summeraroundhome_jul2019_0012m

昨年はガマが出てきたと気が付く程度だったのですが,今年はガマのほかにヒメガマのまとまった群落も見られるようになりました.当地で見られるヒメガマは,ガマに比べると細身で色も薄くて優雅.ヒメガマという名前にふさわしい姿です.

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2019/07/07

Windows10をクリーンインストール

フラッシュメモリの在庫がだぶついてきたことから,M.2 タイプの SSD が安くなってきました.昨年末ころから物色していたのですが,ここへきてお目当ての NVM Express 準拠のものが 2万円を切ってきたので先月初めに購入しておいたのです.しばらく放っておいたのですが,先月中旬に Windows10 が 1903 にアップデートされたのを機に,久しぶりに OS をクリーンインストールしてシステムボリュームに長年たまったゴミを一掃しようと思い立ちました.

クリーンインストールには周到な準備が必要です.現状のユーザーファイルやアプリケーションの設定をできる限り完全にバックアップし,OS のインストール直後に何をどのような手順で再インストールしていくのか,その手順書作りから始めなければなりません.

特に昨今サブスクリプション方式のアプリケーションが増えたので,それらについてはライセンスの移動をどうやって行うのか,一つ一つ確認を取りながらの作業になります.

これらの手順をメモに書き留めて印刷し,最終的なバックアップを取り,ライセンス移動のための手続きを終えたら,いよいよ開始です.

まずはハードウェア.久しぶりに PC のケースを開け,積もったほこりを取り除き,不要になった ドライブを取り外し,新しい SSD を M.2 ソケットに取り付け,さらに SATA ケーブルの付け外しを行ってケースのふたを閉めます.

電源を入れ,BIOS のセットアップで HDD 関連のパラメータを修正しますが,BIOS 上で NVMe ドライブが見えません.困ったなと思ったのですが,こんな時のために準備してある Gparted というパーティション・エディタで覗いてみるとちゃんと認識されているので安心してインストール開始です.

インストール用の DVD からブートすると 20 分ほどでまずは立ち上がるようになります.Windows 自体のライセンスとユーザーアカウントがちゃんと移行していることを確認し,セキュリティソフトなどの重要度の高いものから再インストールしていきます.単にインストールするだけではなく,各種設定も復元しなければならないので,骨の折れる仕事です.これを延々と続けて,ようやく元の環境に近づいていきます.アプリケーションは,インストールした後で実際に立ち上げてファイルを読み書きしてみる必要もあるので,いきおい時間がかかります.

午後1時ころから作業を始めて夜10時ころにようやくひとまず完了です.今回は Microsoft Office を 64bit にしてみました.Microsoft はこれまで長い間 32bit 版を推奨してきたのですが,私は特に巷のライブラリやマクロを使っているわけでもないので,しばらくこれを使ってみるつもりです.

いろいろなゴミファイルが無くなり,心なしか Windows のブートやアプリケーションの起動も早くなったような気がするのですが,きっと気のせいでしょう.しかしそれでも,システムをゼロから新しくするのは気持ちの良いものです.

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2019/06/24

梅雨のアジサイ

当地では今年は梅雨らしい梅雨が続いています.定期的にたっぷりと雨が降り,数日前のように蒸し暑くて不快な日があるかと思うと,今日のように冷たい雨が降って肌寒いという事が繰り返されています.

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我が家には何株かもらってきて植えたアジサイがあるのですが,今日は未明からの雨でしっとり濡れて,いかにも梅雨らしい風情を演出してくれています.

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私自身はガクアジサイのほうが好みなのですが,我が家の株は弱ってきて花付きが良くありません.周囲の木を剪定して日光を入れてあげないといけないのでしょうか?

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2019/06/23

IOC List v9.2 Released

IOC World Bird List v9.2 が2019年6月22日にリリースされました.これは2019年2回目のリリースで,年内にはもうリリースはありません.前回 v9.1 のリリースが2019年1月20日だったので,今回は約5か月の更新間隔となっており,比較的短期間でのリリースとなっています.担当者が夏休みに長期間不在になることを示唆しているように見えます.うらやましい(勝手な想像).

今回収録されたのはが 40,が 250,が 2,320,現生が 10,758,絶滅種が 158,亜種が 20,034 です.これまでと同様,上目 (Superorder) の PALEOGNATHAE(古顎類)NEOGNATHAE(新顎類)や,系統群であるNEOAVES がリストの最上位の階層に載っています.

今回は非常に大きな変更が行われていますので注意が必要です.このブログで4月に掲載したニュースで予告した通り,目の順番が大幅に入れ替わりました.一例でいうと,NEOAVES 最初の目は,従来のアビ目 GAVIIFORMES からヨタカ目 CAPRIMULGIFORMES に変更になりました.ただしヨタカ目とアマツバメ目 APODIFORMES はまだ統合されておらず,提案段階です.詳しくは,IOC の Web Site のこのページをご覧ください.

今回は日本のバーダーにとって,一つややこしい変更が入っています.冬の海ガモの代表格であるビロードキンクロです.従来の分類では(日本鳥類目録 v7 も準拠),

  属名 種小名 亜種名 Authority
ビロードキンクロ
  Melanitta fusca   "(Linnaeus, 1758)"
亜種ヨーロッパビロードキンクロ(基亜種)
  M. f. fusca "(Linnaeus, 1758)"
亜種アメリカビロードキンクロ
  M. f. deglandi "(Bonaparte, 1850)"
亜種ビロードキンクロ
  M. f. stejnegeri "(Ridgway, 1887)"

となっていました.IOC List では従来から M. f. deglandi 亜種アメリカビロードキンクロを種に昇格させていたのですが,今回はさらに M. f. stejnegeri も種に昇格させてしまいました.するとその和名が問題になります.

従来通り M. fusca をビロードキンクロと呼び続けるのはもはや適当ではありません.日本で見られるのは M. stejnegeri なので,こちらをビロードキンクロと呼ぶべきでしょう.すると,従来ビロードキンクロと呼んでいた M. fusca の和名が無くなります.従って今回はこちらには「ヨーロッパビロードキンクロ」というやや長ったらしい名前を付けることにしました.従来も亜種としてはそう呼ばれていたので,この変更は自然だと思います.従ってまとめると次のようになります.

  属名 種小名 Authority
ヨーロッパビロードキンクロ
  Melanitta fusca "(Linnaeus, 1758)"
アメリカビロードキンクロ
  M. deglandi "(Bonaparte, 1850)"
ビロードキンクロ
  M. stejnegeri "(Ridgway, 1887)"

日本のバーダーにはあまり関係ありませんが,毎度のことながら,熱帯地方の地域固有種が新種として登録,あるいは亜種から種に昇格しています.ニューギニア周辺やアマゾンの流域が主なものです.さすがに温帯地域では新種はありませんが,しかしセグロカモメ類やメジロ類,ウグイス類のように分類が流動的なものも多いので,日本のバーダーになじみのある種で今後再編が行われる可能性は高いと思われます.楽しみ半分,不安半分というところでしょうか.


IOC 本家の Master List(学名と英名を収録)を編集して,Refsort/Ruby 用の辞書ファイルを作りましたので,Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive„ にアップロードしました.

この辞書ファイルの正式なエンコーディングは UTF-8 です.従って,Linux 上で使う分には問題は生じませんが,Windows 上で使う際には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というおまじないを書いておかないとエンコーディングの解釈がうまくいきませんのでご注意ください.

しかし,Windows 上でのデフォルトのエンコーディングである US-ASCIIWindows-31J でも手間なく使えるように,エンコーディング指定なしの汎用 US-ASCII 版もアップしておきます.これはどのようなプラットフォームであっても,そのプラットフォームのデフォルトの Locale が無条件で US-ASCII を解釈できることを利用したものです.ただし,欧文のアクセントウムラウトを含む文字は,それらを含まない最も近い文字に置き換えられています.正版はあくまで UTF-8 なので,特に人名を含む種や,種の Authority を見るときにはご注意ください.


このオリジナル版の辞書ファイルに続いて,和名追加辞書 2 種と,IOC Master List(Excel ワークシート)の和名追加版も同時にリリースしました.和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.ただし人名や地名のアクセントやウムラウトなどは,それらを含まない最も近い文字に置き換えてありますのでご注意ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,スクロールして探すのは無理.検索メニューからジャンプするのが便利です.

和名追加版の辞書ファイルのうち,UTF-8 でエンコードしてある ioclist_v92ju.ref は,Linux などで UTF-8 でエンコードした入力ファイルをソートするときに使うことを想定しています.Linux 上で使う際には,入力ファイルの最初の行に上記のようなエンコーディング指定を書く必要はありませんが,Windows 上で使う場合には,入力ファイルは UTF-8 でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ入力ファイルの最初の行に

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

というエンコーディングを指定しておく必要があります.

逆に,Windows 上で Shift-JIS や Windows-31J でエンコードされた入力ファイルを,Windows-31J でエンコードされた辞書ファイル ioclist_v92jw.ref を用いてソートする際には,入力ファイルの冒頭にエンコーディングの指定は必要ありませんが,逆にこの辞書ファイルを Linux 上で使う場合には,入力ファイルは Windows-31J でエンコードされ(辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃える),かつ入力ファイルの冒頭に

#!E -*- coding: Windows-31J -*-

とエンコーディングを指定しておく必要があります.要するに,どのような場合でも辞書ファイルと入力ファイルのエンコーディングを揃え,かつそれぞれの入力ファイルのエンコーディング指定を冒頭に書いておくのが無難です.

これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の “Archive„ の中の “IOC List Archive„ をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.

さて 2 年ほど前から Master List に多国語版が登場し,ちゃんと和名も載っているのですが,最近の種の分割などに対応しているようには見えず,和名の無い種もたくさんあるようです.そういう場合には,今回アップした各種辞書ファイルか,和名を追記した Master List を参照してみてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest IOC World Bird List v9.2. It contains 10,758 extant species, 158 extinct species and 20,034 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v92u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List. Therefore, your input file should be encoded in UTF-8 as well, and should contain a magic comment on the top of the file such as;

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v91a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two reference files “ioclist_v92ju.ref” and “ioclist_v92jw.ref” (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names. If you want to refer to Japanese names, please refer to those files. In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding of the input file in the first line of the file, such as UTF-8, US-ASCII or Windows-31J.

A master list in the Excel format containing a column of Japanese names has been posted as well. This would be most convenient.

You can download an appropriate file from my area of Microsoft One Drive by clicking “IOC List Archive„.

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2019/06/11

初夏の華

 真夏のような暑い日が続いたかと思うと,冷たく湿った北東気流が流れ込んで,まるで春先のような肌寒い日々が続いています.まあ,これは梅雨時の典型で,夏と冬が前線を挟んで行きつ戻りつしているという事なのでしょう.

それでも季節の歯車は確実に回り,当地でもようやくホトトギスがやってきました.オオヨシキリも必死になって縄張りを宣言しています.ホトトギスに托卵されるなよ!

Aroundhome_jun2019_0006m

地面に目をやると,見事に咲き誇ったタチアオイが目立ちます.これはもちろん植えられたもので,園芸家の女性が道路わきの空き地に作った花壇の中の一群です.それにしても背が高く色も鮮やかで目立ちます.いかにもこの季節の華というべきものでしょう.

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2019/06/03

現代的に再構成された熱力学

熱力学―現代的な視点から(新物理学シリーズ) - 田崎晴明(著)

昨年 9 月にこのブログで特殊相対性理論を学びなおしたことを紹介しましたが,その記事の末尾に

次はやはり大学時代に悶々としていた熱力学を勉強しなおそうかと思っています.

と書きました.そして年が明けて今年の2月中旬から,今回紹介するこの教科書を読み始めました.

何度かつまずきながらも6月3日に演習問題を含めてすべて読了.A4 版のノート 2 冊を費やしました.結局 3 か月半程度かかって読み終えたことになります.それなりに分量の有る教科書なので,まあほどほどの速さだったと思います.やはり引退して時間がとれるということは素晴らしい.没頭して 3 時間以上数式と格闘した日もありました.

この教科書は,私が学生時代に習った(伝統的な Clausius の流儀に従った)熱力学とは構成が異なります.従来は,理想気体の状態方程式をよすがに,ときどき分子運動論などの知識も密輸入しながら,内部エネルギーエンタルピーエントロピー,そして Helmholtz や Gibbs の自由エネルギーと進むのが普通です.しかしこの本では最初に「等温操作」というものが定義され,そこから「最大仕事」を通していきなり熱力学第二法則と Helmholtz の自由エネルギーが公理として導入されます.最初は非常に面食らうのですが,これが実は全体の理論体系にとってキモになっていることが後でわかります.

内部エネルギーが出てくるのはその後の章で「断熱操作」を定義してからなのですが,驚くべきことに「」という明確な概念は最後まで出てきません.え?熱力学に熱が出てこないの?そうなのです.熱はエネルギーの一形態ではあるものの,操作できないもの,制御できないもの,明確に定義できないものとして,いわば「残差」のような扱いしかされません.あくまで便宜上の補助変数なのです.ではエントロピーはどうやって定義するのかというと,内部エネルギーと Helmholtz の自由エネルギーの差として,つまり絶対に外部に取り出せないエネルギー(を温度で割った量)として定義されます.

こんな具合に,少数の公理から極めて論理的に,理想気体に浮気をしたり統計力学から知識を密輸入したりせずに,純粋にマクロな物理学の体系として公理的に再構成された熱力学なのです.読み始めてしばらくすると,非常に美しい建築物を作っていく一つのプロジェクトに自分が参加していることに気がつきます.このような熱力学の再構成は 1990 年代末から盛んになり,今では日本人が書いた教科書だけでも 2, 3 種類あるようなので,これから少しずつ広まっていくのかもしれません.

私がこのような教科書を読み始めた理由は,学生時代に習った熱力学があまりに未消化,かつ納得できるものではなかったという事につきます.大学院の受験には熱力学も含まれるので,有名な演習書を買ってきて計算のテクニックだけは習得したのですが,自分が理論体系の本質的な部分を理解しているとは感じられませんでした.このような大学卒業後 40 年以上も悶々としてきた気分を解消したかったのです.定年・引退でようやくその思いが叶いました.

今回は助走として,朝永振一郎先生の「物理学とは何だろうか(岩波新書)」をまず読んで,産業革命時代の天才 Carnot の発想に触れた上で,いったん頭をリセットして読み始めたのですが,等温操作という概念が非常に広くて強力で,その効用を最大限生かした体系になっていると再確認できました.また,従来の教科書ではあまり説明の無い 凸関数Legendre 変換についても,巻末の付録で非常に丁寧に導入されているので,初学者でも戸惑うことはないでしょう.ただし,全体のレベルは高いので完全な独習はややつらいと思われ,私は数人の仲間と勉強会形式で読み進められたらいいなと思いました.

この教科書の特筆すべき点は,出版後20年近く経っている現在でも,刷を重ねるたびに誤植の修正が続けられており,さらに読者から寄せられたコメントを基に内容をアップデートする(Carnot の原理の証明に見事に結実しています)という現代的な取り組みがされていることです.おかげで最新刷を買った私はほんのわずかの誤植を WEB サイトで確認するだけで済みました.著者と出版社には敬意を表したいと思います.

この著者は私とほとんど同い年.ということはまもなく定年を迎えるはずです.するときっと時間がとれるようになるので,高評価の統計力学の教科書ともども,さらに充実を図るとともに,分野は何でも良いので新たな教科書を書いてくれないかなぁと思う次第です.量子力学なんてどうでしょう?

最後にこの著者があとがきで紹介している先輩の言葉を引用します.この教科書の執筆の動機となり,この教科書の本質を最もよく表している言葉だと思います.

統計力学が熱力学を基礎づけるのではない。熱力学との整合性こそが,統計力学を基礎づけるのである。

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2019/05/30

ジューンベリーの実がなった

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我が家の玄関わきに3年ほど前に植えたジューンベリーが今年も赤い実を付けました.一昨年昨年もこのブログで紹介しましたが,今年は木が成長してだいぶ大きくなったおかげで,たくさん実がついたように思います.そろそろ剪定して形を整えることを考えなければなりません.

4月下旬に白い花が沢山咲いていたのは知っていたのですが,その後あまり注意を払わなかったところ,ある日突然赤い実が目立ち始めました.あまり長く実をつけてはおらず,鳥たちも盛んに食べているので,あと数日で見られなくなると思います.

Earlysummerhome_may2019_0018m

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2019/05/20

高原で鳥見

Okunikko_may2019_0001m

昨日は10数年ぶりに懐かしい高原を訪ね,夏鳥の姿と声を楽しんできました.標高 1,500m ほどもあるのでようやくカラマツの芽吹きが始まったところ.ミズナラなどの新緑はまだこれからなので,林の中で鳥の姿を追うにはベストシーズンです.

しかし季節の移り変わりが遅れているのか,期待していたほど鳥の密度は高くなく,またお目当てのオオジシギには会えなかったのですが,幾度もキビタキの姿を間近に見ることができたり,コサメビタキの交尾が見られたり,エゾムシクイの声を聞いたりと,楽しい高原歩きを楽しみました.

Okunikko_may2019_0024m

まだ山の上には雪が残っており,杜鵑(とけん)類ではジュウイチの声が聞かれたのみだったことからも,本格的な夏鳥の到来はもう少し先という感じでした.鳥合わせの結果は39種.オオアカゲラも出たそうです.

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2019/05/05

Refsort/Ruby v2.97 & Refsort on Excel v1.80

辞書参照型ソーティングフィルタの Refsort/Ruby(新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5)の小改良版をリリースしました.同時に Excel 上で Refsort を使用するためのインターフェースである Refsort on Excel(こちらも新しいほうから *1 *2 *3 *4)も改良版 v1.80 をリリースしました.Refsort on Excel から Refsort.rb のバージョンをチェックするためのマイナーな修正なので実質的にはほとんど何の変化もありませんが,この二つのソフトウェアを組み合わせて使う際の設定チェックの強化の一環ですので,できるだけこの新しい組み合わせをお使いください.

数万レコード規模の長大なリストの並べ替えを行っても数秒程度で処理は終了しますので,非常に快適に作業がはかどります.辞書ファイルの入れ替えやオプションの変更も,コントロールパネルの設定を GUI でいじるだけなので簡単です.辞書参照型ソーティングの新しい標準としてお使いいただければ幸いです.

さて,従来ですとこのブログの右側のカラムにある “自作コンテンツ” にダウンロードのためのリンクを張っていたのですが,ココログのシステムが更新(改悪)され,ファイルのアップロードができない状態が1か月以上も続いていますので,このブログへのファイルの掲載はあきらめました.その代わりに画面右側コラムの “Archive” の中の “Refsort/Ruby Archive” をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます.お試しください.

同時にユーザーズガイドも更新しました.内容はほとんど変えていませんが,Ruby 本体,Refsort スクリプト,Refsort on Excel のそれぞれの最新のバージョンに準拠するよう修正しています.実は,リリースされたばかりの TeXLive 2019 で組版しているので,若干妙な版面が残っているかもしれませんが,ご容赦ください.

ちなみにココログはこのまま敬遠され消え去ってしまうのではないかと思えるほどの惨状です.更新後の不具合の解消が遅々として進まないこと,不具合を解消するためのリソースが(わかっていながら)投入されていないように見えること,あきらめ始めているユーザーが増えていることなどから,すでに斜陽を通り越して濃いもやの中を落日中であるように見えます.長年つき合ってきただけに残念です.株主が変わったことの影響かもしれません.富士通であれば,IT 企業の名誉をかけて取り組んだのではないかと思うのですが,中規模家電量販チェーンのノジマではそうもいかないのでしょう.

それでは,この新しいインターフェースが皆様の作業の生産性を向上させてくれることをお祈りします.

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2019/04/22

ノウサギと遭遇

昨日自宅の周辺を散歩していたところ,公園のはずれでニホンノウサギに遭遇.あまり人を恐れず 10 m くらいの距離を保って新緑の草を食べています.新しく瑞々しい草が豊富に生えている時期なので,きっとおいしいのでしょう.なかなか逃げようとしません.

Springaroundhome_apr2019_0014m

この辺りの畑ではノウサギの足跡がごく普通に通年で見られるので,個体数はそれなりにあると思われるのですが,日中姿を見ることはほとんどなく,昼下がりに全身の姿を見られたのは幸運でした.

二ホンノウサギは世界中に分布しているノウサギ属 (hare)の仲間で,「ピーターラビット」や「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」に代表されるアナウサギ属 (rabbit)の仲間とは異なります.家畜化されペットとして売られているカイウサギは実はアナウサギの系統です.

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2019/04/21

ウラシマソウ

今日の散歩でもう一つ目についたのは,雑木林の林床にたくさん頭をもたげていたウラシマソウです.長い髭のようなものがびろーんと出ているさまが面白いですね.これを浦島太郎が持っていた釣り竿の釣り糸に見立てて,ウラシマソウという名前が付いたそうです.

Springaroundhome_apr2019_0027m

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ウワミズザクラ

このところ自宅の周辺を散歩していなかったので,今日は久しぶりに一回りしてみました.すると,春の花はすでにほとんどが終わり,初夏の花が沢山咲いていました.

Springaroundhome_apr2019_0005m

まず目についたのはウワミズザクラ.試験管ブラシの花という異名を持つ集合花ですが,近づいてよく観察してみると大変美しい造形であることがわかります.普通,この花は高いところに付いているので,下から見上げる形になるのですが,たまたま斜面の低いところにこの木が生えており,人間の目の高さに樹冠が来ていたので,良い写真を撮ることができました.

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