2020/09/22

チカラシバとキクイモ

ようやく日中散歩できる程度の気温になり,自宅の周辺を歩くようになりました.夏の間に茂った草の丈が高くなり,視界が遮られて遊水池の水鳥たちの姿を十分に見ることができないのが残念.それにしてもオオブタクサというのは背が高くなるのですね.人の背丈よりもはるかに高く,3 m ほどにもなるので,これが道の両側に群生しているとまるで竹矢来の中に居るよう.この草の花粉症の人も多いのではないでしょうか?

茂るだけ茂ったクズの花は終わり,今はキクイモの花がまだ残っているのですが,その一方でチカラシバは力強く穂を伸ばしています.

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台風が近づいているのがちょっと心配.

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2020/09/12

Refsort on Excel v2.11 Released

辞書参照型ソーティング・フィルタ Refsort/Ruby(新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5)を表計算ソフトの Excel から使うためのインターフェースである Refsort on Excel v2.11 をリリースしました.

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先月,8月8日に Refsort/Ruby v3.20 のリリースと同時に Refsort on Excel v2.10 もリリースしたのですが,その後軽微なバグが見つかったので,改訂版をリリースしたものです.機能やインターフェースなどに変更はありません.

Refsort/Ruby とそれに関するソフトウェアのアーカイブを Microsoft One Drive に置いています.画面右側コラムの "Archive" の中の "Refsort/Ruby Archive" をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます.

来月初めには,Refsort/Ruby 3.22 をリリースするつもりです.バグの修正や機能の追加は一切含まれておらず,ソースコードを多少スリムにしただけですので,現状の v3.20 を使い続けても構いません.

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2020/09/07

PCR 検査狂想曲

ここ半年ばかり,新型コロナウィルスこと SARS-CoV-2 に関する報道があふれていて,中でも感染の有無を判定するための PCR 検査に注目が集まっています.これまでメディアも一般の人も PCR というものがどういうものか,全く知る機会が無かったことに加えて,この種の検査につきものの統計的過誤に対する理解が(いまだに)低いため,狂想曲のようになっています.

PCR をはじめとする遺伝子増幅法には,今から15年ほど前に仕事で関わったことがあるのですが,その話は置いておいて,今回は PCR 検査結果の解釈について議論したいと思います.キーワードは母集団とその事前確率です.

PCR(ここでは RT-PCR のこと)検査の品質は,プライマーの選択や塩基長,試薬メーカー,温度サイクルのパラメーター,バイオクリーンルームの運用,検体の採取法や取扱いの巧拙などで変わるのですが,ここでは感度 70 %,特異度 99.9 % とします.

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Belova59によるPixabayからの画像

まず,パンデミックの初期段階で全国民を無作為抽出して 10 万人の被験者を選び,PCR 検査をしたとします.このとき感染率はまだ低いでしょうから,全国民の 0.1 % が感染していると仮定しましょう.つまり母集団は全国民,事前確率は 0.1 % です.

次にパンデミックが進行した段階で,発熱などの症状がある人だけを対象に再び 10 万人を対象にして PCR 検査を行ったとします.このときの事前確率はそれなりに高いはずなので,例えば 10 % としてみます.すると検査結果は以下のようになります.

事前確率 0.1% 10%
被験者数 100,000 100,000
感染者数 100 10,000
真陽性者数 70 7,000
偽陽性者数 100 90
陽性者合計 170 7,090
適合率 41.2 % 98.7 %
真陰性者数 99,800 89,910
偽陰性者数 30 3,000
陰性者合計 99,830 92,910
偽陰性率 0.03 % 3.23 %

まず注目していただきたいのは適合率です.これは陽性と判定された人のうち,本当に感染者である人の割合です.1 番目の検査でこれが 41.2% しかないということは,「あなたは陽性です」と言われたとしても,本当に感染している確率は 4 割しかないことになります.従ってこのような段階で陽性者をすべて隔離したり入院させたりすべきかどうか,そのために医療資源がひっ迫するのであれば非常に判断が難しいでしょう.現実には陽性者に再検査,再々検査を受けてもらうことになると思います.ところが 2 番目の検査では適合率は 98.7 % ですから「あなたは陽性です」と言われたらまずほとんど確実に感染していると言えるので,直ちに必要な医療措置を取る必要があります.

次に注目していただきたいのは最後の項目の偽陰性率です.これは陰性と判定された人の中に紛れ込んでいる感染者の割合です.1 番目の検査では 0.03 % に過ぎないので,「あなたは陰性です」と言われたらほぼ確実に感染していないと言えますから,陰性者は無罪放免,場合によっては「陰性証明(非感染証明ではない!)」なるものを出してもよいでしょう.しかし 2 番目の検査では偽陰性率は 3.23 % もあるので,100 人の陰性者の中には実は 3 人は感染者がいることになります.これではとても陰性証明など出せないでしょう.

このように,全く同一の検査を行っても,母集団の事前確率によって結果の解釈を大きく変えなければなりません.問題は,感染症の場合,事前確率は事前にはわからない点です.これは事後に推定するしかありませんので,パンデミックの進行途中では手探りで複数の事前確率を想定しながら慎重な解釈を行うしかありません.ここに専門家の間でも大きな意見の差異が生まれる原因があります.

特に母集団の選び方は重要です.日本は PCR 検査資源に乏しいため,できるだけ事前確率が高い母集団(有症状者や夜の街関係者)を選んで検査を行う傾向にあります.すると適合率は高くなるので医療措置を取るかどうかの判断はしやすくなります.しかし同時に偽陰性率も高くなるので,陰性者には複数回の再検査を行って検査資源を消費することにもなっています.

一方,巷には無症状者にも幅広く検査を行う意見も強いのですが,これは事前確率が低い母集団で検査しろと言っているわけなので,適合率が低くなり,陽性者への再検査の必要性が高まり,ただでさえ乏しい検査資源がさらにひっ迫します.このあたりの一般への説明は大変難しいので省略しがちですが,私はワイドショーなどの時間が取れる番組では丁寧に説明すべきと思います.もちろん検査資源が膨大にあれば話は別です.しかし RNA の検出が簡単ではないことはあまり知られていないのではないでしょうか?

武漢では SARS-CoV-2 に対する PCR 検査の特異度は 99.997 %,オーストラリアでは 99.97 % あったという報告もあります.試しに武漢の数値を入れてみると,事前確率が 0.1 % であっても適合率は 95.9 % という高い値になるので,陽性判定は非常に楽になります.しかし偽陰性率はほとんど変わらず 3.23 % のままです.偽陰性率を下げるには感度を大幅に,例えば 95 % 以上に上げるしかないのですが,これは現在の遺伝子増幅法ではなかなか難しいようです.

当座の私の結論は,今からでも遅くないので PCR 検査資源を拡充すること,特に民間の臨床検査センターの質と量を向上させること.さらにこれまで行ってきたすべての検査データを一元管理できる体制を整え,事後の検証を厳密に行うことです.検査と医療の間をつなぐには再検査を増やして統計的過誤を減らすしかありませんので,検査資源の拡充と統計値の随時更新が最も本質的です.

一般社団法人「日本疫学会」のこのページに Q and A が掲載されていますので,参考にしてください.

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2020/09/06

年金請求書が来ちゃった

先週ポストした記事で介護保険証が来ちゃったという話をしましたが,今度は「年金請求書」というものが来ました.65歳というのはいろいろな制度の節目になっているようです.

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このはがきに記入して提出しないと年金を受け取ることができません.また年金を繰り下げて(その分増額されて)受け取るためには,該当箇所にチェックして提出しなければなりません.どうしたものかなぁ?受け取りを繰り下げると年金は増額されるのですが,その分,健康保険や介護保険の保険料が増額されるので,手取り額があまり増えないことはあまり知られていません.これら保険の会計は大変苦しいので,取りっぱぐれがないように非常に細かく保険料体系が作られています.

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2020/09/05

台風のエネルギー

一昨日ポストした記事では,台風のエネルギーについて大雑把に評価して,それが従来言われてきたものとオーダーが異なるという悩みを書きました.その後もう少し視野を広げて評価をやり直したところ,だいぶ従来の定説との整合性が得られるようになりました.

まず従来の定説を調べてみると,以下の3つが見つかりました.

  1. 一昨日の記事に載せた「台風の正体」(朝倉書店,2014年)に 4.5 x 10^19 J という記載があるそうです.
  2. 国土交通省中部地方整備局が設置した「中部地方の天変地異を考える会 第6回検討会」による「天変地異のエネルギー(試算値)(2006年)」があります.オリジナル資料には当たれないのですが,1976年の台風17号の降雨量を 837 億トンと見積もり,それをもとにこの台風のエネルギーを 1.8 x 10^20 J と推算しています.
  3. 放送大学愛媛学習センター客員教員の岡野大氏による推算が,同センターのニューズレター「坊っちゃん」(第98号,2019年12月)に掲載されており,降雨量を 1,000 億トンとしてエネルギーを 2.2 - 2.5 x 10^17 J と見積っています.

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skeezeによるPixabayからの画像

次に台風の持つ力学的エネルギーですが,台風のモデルを修正し,ある半径より内側の剛体回転するコアと,その外側の渦なしのポテンシャル流れという2層構造にしました.そしてコア半径を 10 km,コア外周部の最大風速を 80 m/s,台風の外縁半径を 1,000 km,台風の鉛直方向の広がりを 8,000 m として計算をやり直し,全力学的エネルギーを 7.8 x 10^16 J と見積りました.前回の評価よりも値が小さいのは,コアを導入したので,中心の特異点周辺の非現実的に高い風速を評価せずにすんだためです.なお鉛直方向の温度や密度は一定と簡略化していますので,上記は過大な評価になっており,もう少し厳密に計算すれば,この半掛けくらいが良いところだと思います.これは以下の見積もりでも同様です.

で,このままでは潜熱との関係が不明なので,次に潜熱の評価を行いました.台風が半径 1,000 km,高さ 8,000 m の円柱状の空気の塊であるとして,その内部が飽和水蒸気で満たされていると仮定すると,そこに含まれる潜熱は 1.4 x 10^21 J という膨大な量になります.これは定説 (1) の 4.5 x 10^19 J よりもずっと大きな値ですが,これはあくまである瞬間に保持可能な最大の潜熱なので,水蒸気が凝結して熱が解放されなければ外部に対する作用はありませんし,時間が経つとともに放出されていく潜熱の時間積分を評価できているわけでもありません.

それでは放出される潜熱をどうやって見積もるかというと,降雨量を見積ればよいのです.つまり以下のようなモデルを考えます.海面から水蒸気が台風内部に補給されますが,そのうちのある割合が凝結して雲となり潜熱を放出します.雲の密度には上限があるはずで,それを超えた分が雨となります.そのような定常状態を想定すると,単位時間当たりの降雨量を見積れば,単位時間当たりに放出された潜熱がわかることになります.

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WikiImagesによるPixabayからの画像

そこで台風の半径 1,000 km の範囲のうち,5 % の面積割合で 10 mm/h の降雨があると仮定します.これがどれくらい実際の現象と整合しているのかわかりませんが,まずはオーダーを見積ってみます.すると降雨量は 1.6 x 10^9 t/h,潜熱の放出は 3.8 x 10^18 J / h であることがわかります.つまり上記の割合で降雨があり,途中のエネルギー変換効率が 100 % であれば,1時間もしないうちに運動エネルギーを賄えることになります.このことから,降雨量の多寡と変換効率の大小によって台風が発達する速さが変化することもわかります.実際の変換効率は非常に小さい,おそらく数 % 程度のオーダーだと勝手に想像しています.すると台風の発達には少なくとも 24 時間程度は必要だということになります.

シナリオを再構成してみます.海面から水蒸気が補給され,その一部が凝結して雨となり潜熱が放出されます.そのようにして台風内部に潜熱由来の運動エネルギーが蓄積されていくのですが,変換効率の低さから,台風が十分に発達するにはある程度の時間がかかるということになります.運動エネルギーの一部は粘性で散逸され再び熱に変わりますが,降雨や外部への熱伝達により台風内部に回収されないエネルギーがあるはずです.台風が発達して最大風速が上がるほど回収できない散逸エネルギーも増えるので,どこかで潜熱から供給されるエネルギーと散逸されるエネルギーが均衡して台風の発達は止まり,そこが最大勢力ということになります.

このシナリオで何を以って台風のエネルギーと定義するかですが,私は当初,各瞬間の運動エネルギーのことだろうと考えました.しかし従来の定説とはあまりに桁が異なるので,これは定説で定義されているものとは異なるようです.定説ではおそらく,台風が発達して衰退する数日間の間に,潜熱から供給されるエネルギーを積分したものをエネルギーとして定義しているのではないでしょうか?つまり総降雨量から推定できるということになるので,推算根拠となる降雨量が併記してあることと整合します.このエネルギーが台風の進路に当たる領域で暴風や暖かい雨として散逸されていくので,被害の規模を見積るにはこのほうが適切なのでしょうが,変換効率の低さを考慮に入れないのは気になります.

上記の見積もり例では,潜熱からのエネルギーの補給を 48 時間積分したものが 1.8 x 10^20 J となるので,これでちょうど定説 (2) の値と等しくなります.ちなみに,定説 (2) の総雨量 837 億トンは,私の上記の見積もりの時間雨量 1.6 x 10^9 t/h を 52 時間分積分した量に当たるので,かなりいい線行っています.

この考察がどの程度正しいのか,専門家に評価してもらえないかと思います.上記の本「台風の正体」を読めばわかるのでしょうね.

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2020/09/03

雲湧き立つ

Maysak こと台風9号の余波で,日本の南海上から暖かく湿った空気が押し寄せ,雨雲が湧いてはにわか雨を降らせています.昨日もかなり強いにわか雨が降りましたが,当地では今日も午前中に何度もパラパラと降られました.1,000 km 位離れていてもこのように影響を与えるというのは,やはり台風とはすごい気象現象だと思います.

我が家の2階の窓から南側を見ると,ちょうど千葉から東京にかけて積乱雲が連なって湧いていました.

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台風9号は去っていきましたが,それよりもずっと強い台風10号 Haishen (海神)が週末に西日本に接近するそうです.これは怖いですね.伊勢湾台風級の強さらしいので,送電用鉄塔が倒されたり,車が飛ばされたり,家の屋根が剥がされたりと,竜巻級の災害が起きないかと心配です.


私が子供のころは,台風が持つエネルギーは原爆何10個分あると言われていたものですが,最近はこういう言い方はしなくなりました.比較する対象が適当ではないので,そう言われてもエネルギーが大きいのか小さいのかピンときません.

この記事によれば,一つの台風が持つエネルギーは 4,500 京 J = 4.5 x 10^19 J とあります.これはいくら何でも大きすぎるというのが私の直感ですが,ちょっと計算してみましょう.

核爆発のエネルギーには TNT 換算という単位が用いられ,1 kt が 4,184 GJ = 4.184 x 10^12 J となります.台風1つのエネルギーを TNT 換算で表現すると,4.5 x 10^19 / 4.184 x 10^12 = 1.075 x 10^7 kt ということになり,これは広島型原爆が 15 kt だとすると,1.075 x 10^7 / 15 = 71.7 万個分ということになりますが,やはり大き過ぎる気がします.


台風の力学的エネルギーをものすごく大雑把に見積ってみます.中心に集中した渦度がある2次元のポテンシャル流れが台風だとします.鉛直方向には海抜 0 m から 8,000 m まで一様だとします.非常に強い台風を想定して中心からの距離 10 km で 風速が 60 m/s あるとします.この台風が持っている全力学的エネルギーを,台風の中心に近い半径 0.1 km から 1,000 km の範囲で合計すると,計算の詳細は省略しますが,ごく大雑把に 1.0 x 10^17 J と見積ることができました.

これを先ほどの 4.5 x 10^19 J と比べると,2桁以上の開きがあるので,その差を埋めるのは容易ではないという気がします.もっとも私の計算は力学的エネルギーだけなので,水蒸気が持っている潜熱のエネルギーを考慮に入れていません.しかし,水蒸気量が皆目見当がつかない(無理やり最大可能量を見積ることはできますが)のと,潜熱がすべて解放されるわけではないこと,また解放された潜熱は台風内部で力学的エネルギーに転換されるので,転換された分は上の見積もりに入っているはずです.

従って潜熱のエネルギーを考慮したとしても,2桁以上も異なるとは考えにくく,朝倉書店の「台風の正体」に書いてあるという見積もりがどのような根拠に基づくのか,知りたいところです.海面からどんどん水蒸気が補給されてそれが1週間も続くと,2桁くらい大きなエネルギーが補給できるということなのかなぁ?でもそれが全て解放されるわけではないからなぁ・・・

接地面で粘性によって散逸されるエネルギーを水蒸気の潜熱で補い続けて勢力を維持すると仮定すると,その期間の散逸されたエネルギーをすべて積分すれば,1桁以上は大きな値が出せそうな気はしますが,これはある時点での台風が持っているエネルギーではなく,台風がその生涯を通してばらまいたエネルギーということになります.

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2020/09/01

カモ目がキジ目より前に

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Jan TemmelによるPixabayからの画像

これはちょっとしたニュースです.これまでも IOC は鳥類目録のシーケンス(掲載順序)を修正していたのですが,せいぜいあるの中のの順序を修正する程度でした.ところが次回,2021年1月の v11.1 において,カモ目 (Anseriformes)キジ目 (Galliformes) より前に持ってくるつもりのようです.これは8月22日の作業日誌に書いてあったので,強い反対がなければ実行されると思われます.

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WikiImagesによるPixabayからの画像

北半球温帯地方に住む私たちにとって,これまで鳥類リストの最初に来るものはキジ目,次がカモ目と決まっており,それに長年慣れ親しんでいたのですが,これが入れ替わることになります.

キジ目とカモ目はともにキジカモ類 (Galloanserae) にくくられており,新顎類 (Neognathae) の中では最も原始的なグループとして分類されていますが,その中の順序が入れ替わるということです.より古い時代に生まれた系統を先に持ってくるという基本方針によるものだと思います.分子系統学比較ゲノミクスの進展に伴って,カモ目の系統確立が先だったと認定されたのでしょうかね?詳しい根拠を知りたいものです.

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2020/08/30

フライトシミュレーターマニア必見

ハドソン川の奇跡 [Blu-ray] - トム・ハンクス(出演),アーロン・エッカート(出演), クリント・イーストウッド(監督)

久々に映画のレビューです.ひところより観る本数は減ったものの,今でも年に50本程度は観ているのですが,ここでレビューしたくなるほどの作品にはなかなかお目にかかれないので,レビューの回数が極端に減っていました.

今回は最近の有名な実話を映画化したもので,CG 使ったアクション,映画のために購入した実機と,実際に救助に参加した人たちを動員したリアルな救出劇はあるものの,全体としては主人公の心理的葛藤を描いた密室劇に近い演出と言ってよいでしょう.ストーリーは爽快に終わり,かつエンドロールに素敵な仕掛けがしてあるのが見どころです.

真冬のニューヨーク.ラガーディア空港を離陸直後の旅客機エアバス A320-214カナダガンの群れに遭遇し,バードストライクによって両エンジンとも損傷・停止.ラガーディア空港に引き返そうとしますが,高度が低く,推力を失ったエンジンで滑空を続けていては着陸できないととっさに判断した機長は,ハドソン川への不時着水を試み,これが見事成功します.

一躍英雄になったものの,安全運輸委員会は,空港に引き返せたのに機長が誤った判断をして乗客と機体を危険に晒したと憶測し,コンピュータシミュレーションや,飛行シミュレーターでの着陸成功の結果を引っ提げてネチネチと攻めてきます.さあ,どうなる?

最近の実話なので主人公の風貌も実話の本人に近づけてあるようで,主演のトム・ハンクスが白髪のパイロットだったのには驚きました.映画前半は,事故直後にホテルに缶詰めにされた機長の心理的葛藤と過去の回顧が交互に繰り返されるのですが,この部分はあまり良くありません.ストーリーラインをもっとすっきりさせてほしかった.

後半は大人数を前にした公聴会ですが,ここが大変面白いこの映画のハイライトです.エアバス社のシミュレーターで何度も着陸を試みさせます.このシミュレーターは本物だと思いますが,最近のジェット旅客機のコックピット,フライトコントロールシステム,パイロット支援システムがどのようになっているのか,よくわかります.高度が下がりすぎると "Pull up" と妙に冷静な声で何度も警告が出るのが印象的でした.

最後はパイロットの直感が正しかったことが証明されて,めでたしとなるのですが,実話では安全運輸委員会が早々にパイロットの判断を支持していたそうです.これはパイロットや航空機に関わる人口が非常の多いアメリカならでは,現場のことを良く知っている人たちが調査に関わっていたということでしょう.実際35秒の遅延時間を入れたシミュレーターフライトが行われて,飛行場に引き返していたら墜落,それも下手をすると市街地に激突という結論を得ていたそうです.これは劇中でもそのまま再現されました.

エンドロールが大変素敵です.事故機は博物館に移送されたのですが,それを記念して当時のパイロット,客室乗務員,そして乗客たちが機体の前で同窓会パーティをやっている様子が音声付きで披露されます.ここが本当に素晴らしい.監督クリント・イーストウッドの粋な演出です.

この映画を見ていると,発売されたばかりの新版の Microsoft Flight Simulator が欲しくなってしまいました.20年ほど前の旧版では,セスナをよたよたと着陸させるだけで精一杯だったのですが.

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2020/08/29

介護保険証が来ちゃった

つい数か月前まで,父親の介護保険の手続きや還付金の受け取りなどでバタバタしていたのですが,まったく不意打ちで私自身の介護保険被保険者証が送られてきました.これは満65歳になる人にはその前月に自動的に送られてくるので,当たり前ではあるのですが,心の準備ができていないのにいきなり被保険者証が来たので,びっくりしてしまいました.

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介護保険はこれまで長い間保険料を納めるばかりで,保険料は今後も払い続けるのですが,いよいよサービスを受ける側に回るのかと思うと,考えさせられるものがあります.実際に要介護や要支援の状態になり介護サービスを受けるのはだいぶ先だろうと思うのですが,毎朝毎夕近所を走り回っている介護サービス事業者の車を見る目が,今後は変わるのかもしれません.

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2020/08/23

3週間ぶりの待望の雨

今年の梅雨は長雨で,あらゆるものが湿気って鬱陶しかったのですが,8月に入ってようやく梅雨が明けてからは好天が続き,気温も高い日が続いて今度はカラカラになってしまいました.しかも各地で雷雨のニュースを聞くわりには,当地にはそのような積乱雲はやって来ず,暑く埃っぽい日々に閉口していました.

今日で梅雨明けから3週間以上経っているのですが,ようやく待望の雨が,それもかなりたっぷりと降りました.本州南海上で発達した熱帯擾乱という低気圧のおかげです.天気予報で予想されてはいたのですが,雨雲レーダーで見ている限りは雨雲はシングルセルが主体で非常に局所的なので,うまく当たるかどうかわからなかったのです.時間雨量 30 mm 程度の雨が30分以上続いたので,これでしばらく大地は潤うことでしょう.

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雨が空振りだったら庭の木々に水やりをせざるを得なくなると思っていたのですが,これで水やりは免れました.また,昨日から茨城沖から北東気流が入って猛暑は収まったので,ようやく雑用のために体を動かす気になってきました.

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2020/08/16

Android 端末を初期化

自分の忘備録としてメモ.

ここ一月ほど,スマホが不調で悩んでいました.どういう不調かというと,Google Play Store でアプリの更新を促す表示が出るので更新を実行すると,端末のストレージ容量が不足しているので更新できないとメッセージが返ってくるのです.

実際にはストレージには十分な余裕があるので,Google Play アプリ の不具合かなと思い検索してみると,Google Play のキャッシュとストレージをクリアすると解消する場合がある,というアドバイスを見つけたので,試してみると実際うまく行きます.

しかし次にアプリを更新しようとすると,再びキャッシュとストレージをクリアしなければ更新できません.アプリの更新は毎日降ってくるので,その都度キャッシュとストレージのクリアをするのでは面倒でたまりません.しかも今日になって,キャッシュとストレージをクリアしても,容量不足と言われて更新できない状況にまで悪化してしまいました.

こういう場合の最終手段は端末の初期化です.私はそれほどたくさんのアプリをインストールしているわけではないので,やろうと思えばやれるのですが,それでもクレジットカードや銀行系のアプリは再インストール時の手続きが非常に面倒.だいぶ躊躇したのですが,待っていても状況は良くはならないので,思い切ってやってみました.

初期化すると,まずは携帯電話の根本であるキャリアの APN を設定するところから始めなければならないので,それなりに大変です.電話帳はさすがにバックアップを取っておいたのですんなりと復元.案の定,銀行系のアプリは認証されるまでに電話応答のやり取りを経なければならないので,手間がかかりました.全体では2時間ほどで初期化と復元作業が終了です.

ストレージの占有率は若干少なくなり,アプリはもちろんガンガン更新できて気持ちの良いことこの上ありません.これで当分はメンテしなくてよいだろうと期待しています.

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2020/08/11

オガサワラカワラヒワが種に昇格

日本に広く分布するカワラヒワ Chloris sinica のうち,小笠原諸島に生息する亜種オガサワラカワラヒワ Chloris sinica kittlitzi が IOC によって種に昇格されそうです.IOC World BIrd List 8月8日の作業日誌で,提案されたことが報告されています.IOC List の次回の改訂(2021年1月)で正式に決まることでしょう.英名は当然というべきか Bonin Greenfinch です.

この亜種は極めて限られた地域,絶海の孤島群に生息する小型陸鳥なので,ひとたびコトが起こると簡単に絶滅しかねません.(ただし海洋上をどの程度の距離連続で飛翔できるかはわかりませんので,ひょっとすると他の島域との行き来があるかもしれません.)環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に分類されており,今後も厳重な注意が必要です.日本鳥学会の次回の改訂(2022年)で種に格上げされるのか,どういう扱いになるのか要注目です.

日本鳥学会では亜種扱いだが IOC List では種に昇格されたものは他にもあって,例えば伊豆諸島南部に生息するオーストンヤマガラ Sittiparus owstoni や,西表島に生息するオリイヤマガラ S. olivaceus などがあります.これらは地域固有亜種の昇格でわかりやすいのですが,広大な地域に広がる複数の個体群をいくつかの種に分割するようなことも行われており,代表的なものはアマサギです.

日本鳥学会ではアマサギは Bubulcus ibis であり,その亜種 B. i. coromandus が日本で見られる亜種アマサギなのですが,IOC はこの亜種を種に昇格させて B. coromandus, Eastern Cattle Egret としています.さらにこの亜種が出て行った残りの B. ibis の英名を Cattle Egret から Western Cattle Egret に変更しています.この場合,和名を再定義するのかしないのか,再定義するとすればどうするのか,大変厄介な問題が発生します.

同じような状況はヒシクイの亜種でも起こっており,広い大陸とその周辺で,複数の個体群をどのように種や亜種に切り分けるのか,意見が分かれやすいところです.しかし最近では遺伝子解析の差異で判定される率が増えている傾向にあります.分子系統学が幅を利かせる時代になってきました.

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2020/08/08

Refsort/Ruby v3.20 Released

このところ頻度高く改訂を続けていた Refsort/Ruby(新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5)ですが,今回のリリースを以て改訂はしばらくお休みさせていただくつもりです.

今回の改訂版 v3.20 の変更点は以下の通りです.

  1. 辞書ファイルを参照して入力レコードを解釈し,出力フィールドの編集までは行うものの,編集後の内容を並べ替えずに出力する新しいオプション --dryrun / -F を導入しました.
  2. 出力を指定する -o オプションに,入力ファイルの行番号,照合された辞書ファイルの行番号を追記する引数 "il" と "rl" を加えました.
  3. いくつかのエラーメッセージの書式や文言を小修正しました.

変更点のうち 1 と 2 は通常の用途では必要のない機能だと思われますが,出力を後続の並べ替えのために再利用したい,あるいは既存の辞書ファイルを元にして新しい辞書ファイルを作るときに役に立つ機能です.ここ数回の改訂では,並べ替え出力を次の並べ替えの入力として再利用しやすいような工夫を重ねてきましたが,今回もその一環と考えていただければ結構です.

現在,思い付いたアイデアで簡単に実装できるものはやり尽くしたと思いますので,これで改訂はしばらくお休みさせていただきたいと思います.

またこの改定に合わせて,Excel とのインターフェースである Refsort on Excel も v2.10 に改訂しました.コントロールパネルに上記改定内容のうち 1 の機能を指示するチェックボックスを設けたのが見かけ上の差異ですが,もちろん内部の VBA のコードは修正されています.

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Refsort/Ruby とそれに関するソフトウェアのアーカイブを Microsoft One Drive に置いています.画面右側コラムの "Archive" の中の "Refsort/Ruby Archive" をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます.Refsort 本体の "refsort.rb" は "refsort_v320.rb" というファイル名でアップロードされていますので,ダウンロード後に適宜 "refsort.rb" に変更するとよいでしょう.改行コードも CR/LF になっていますので,適宜変更してお使いください.Refsort on Excel v2.10 や 日本鳥類目録 v7 に準拠した辞書ファイルもこのアーカイブに収録されています.

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2020/07/28

IOC List v10.2 の反復名

IOC List v10.2 がリリースされましたので,例によって反復名 tautonym を調べてみました. 昨年 v9.2 が出たときにも調べたのですが,その続編です.

生物分類学で反復名とは,属名と種小名が同一の綴りである種(つまりその属の模式種)の名前のことです.さらに基亜種も定義されていれば,それは種小名と同一なので,結局3つの同一のラテン語が並んでいる亜種名が存在することになります.

以下の表は,反復名の種と,亜種名まで含めて反復している亜種を網羅したリストです.今回の IOC LIst v10.2 では反復名は 95 種,うち亜種名まで反復しているものが 51 亜種あることがわかります.最もよく知られており,覚えやすいのはやはりカササギの Pica pica でしょうか?私はワシミミズクの Bubo bubo も鳴き声を連想させてとても良いと思います.

属名 種小名 亜種名 英名 和名
Casuarius casuarius   Southern Cassowary ヒクイドリ
Pipile pipile   Trinidad Piping Guan トリニダードナキシャクケイ
Mitu mitu   Alagoas Curassow チャバラホウカンチョウ
Pauxi pauxi Helmeted Curassow カブトホウカンチョウ
Falcipennis falcipennis   Siberian Grouse カマバネライチョウ
Lagopus lagopus Willow Ptarmigan カラフトライチョウ
Lerwa lerwa   Snow Partridge ユキシャコ
Francolinus francolinus Black Francolin ムナグロシャコ
Perdix perdix Grey Partridge ヨーロッパヤマウズラ
Coturnix coturnix Common Quail ヨーロッパウズラ
Gallus gallus Red Junglefowl セキショクヤケイ
Crossoptilon crossoptilon White Eared Pheasant シロミミキジ
Anser anser Greylag Goose ハイイロガン
Coscoroba coscoroba   Coscoroba Swan カモハクチョウ
Cygnus cygnus   Whooper Swan オオハクチョウ
Radjah radjah Raja Shelduck シロガシラツクシガモ
Tadorna tadorna   Common Shelduck ツクシガモ
Histrionicus histrionicus   Harlequin Duck シノリガモ
Apus apus Common Swift ヨーロッパアマツバメ
Coeligena coeligena Bronzy Inca ブロンズインカハチドリ
Ensifera ensifera   Sword-billed Hummingbird ヤリハシハチドリ
Pampa pampa   Wedge-tailed Sabrewing クサビオケンバネハチドリ
Tetrax tetrax   Little Bustard ヒメノガン
Guira guira   Guira Cuckoo アマゾンカッコウ
Crex crex   Corn Crake ウズラクイナ
Porzana porzana   Spotted Crake コモンクイナ
Porphyrio porphyrio   Western Swamphen セイケイ
Leucogeranus leucogeranus   Siberian Crane ソデグロヅル
Antigone antigone Sarus Crane オオヅル
Grus grus   Common Crane クロヅル
Poliocephalus poliocephalus   Hoary-headed Grebe シラガカイツブリ
Himantopus himantopus   Black-winged Stilt セイタカシギ
Vanellus vanellus   Northern Lapwing タゲリ
Jacana jacana Wattled Jacana ナンベイレンカク
Limosa limosa Black-tailed Godwit オグロシギ
Gallinago gallinago Common Snipe タシギ
Ichthyaetus ichthyaetus   Pallas's Gull オオズグロカモメ
Alle alle Little Auk ヒメウミスズメ
Puffinus puffinus   Manx Shearwater マンクスミズナギドリ
Ciconia ciconia White Stork シュバシコウ
Sula sula Red-footed Booby アカアシカツオドリ
Anhinga anhinga Anhinga アメリカヘビウ
Cochlearius cochlearius Boat-billed Heron ヒロハシサギ
Nycticorax nycticorax Black-crowned Night Heron ゴイサギ
Clanga clanga   Greater Spotted Eagle カラフトワシ
Milvus milvus Red Kite アカトビ
Buteo buteo Common Buzzard ヨーロッパノスリ
Bubo bubo Eurasian Eagle-Owl ワシミミズク
Colius colius White-backed Mousebird セジロネズミドリ
Todus todus   Jamaican Tody ジャマイカコビトドリ
Galbula galbula   Green-tailed Jacamar ミドリオキリハシ
Indicator indicator   Greater Honeyguide ノドグロミツオシエ
Pyrilia pyrilia   Saffron-headed Parrot アカメインコ
Mascarinus mascarinus   Mascarene Parrot マスカリンインコ
Suiriri suiriri Suiriri Flycatcher スイリリハエトリ
Tyrannus tyrannus   Eastern Kingbird オウサマタイランチョウ
Rupicola rupicola   Guianan Cock-of-the-rock イワドリ
Cotinga cotinga   Purple-breasted Cotinga ムネムラサキカザリドリ
Porphyrolaema porphyrolaema   Purple-throated Cotinga ハシブトカザリドリ
Manacus manacus White-bearded Manakin シロクロマイコドリ
Tchagra tchagra Southern Tchagra マユジロヤブモズ
Xenopirostris xenopirostris   Lafresnaye's Vanga クロアゴハシボソオオハシモズ
Oriolus oriolus   Eurasian Golden Oriole ニシコウライウグイス
Temnurus temnurus   Ratchet-tailed Treepie キリオオナガ
Pica pica Eurasian Magpie カササギ
Pyrrhocorax pyrrhocorax Red-billed Chough ベニハシガラス
Riparia riparia Sand Martin ショウドウツバメ
Incana incana   Socotra Warbler ソコトラムシクイ
Curruca curruca Lesser Whitethroat コノドジロムシクイ
Erythrogenys erythrogenys Rusty-cheeked Scimitar Babbler ホオアカマルハシ
Regulus regulus Goldcrest キクイタダキ
Troglodytes troglodytes Eurasian Wren ミソサザイ
Luscinia luscinia   Thrush Nightingale ヤブサヨナキドリ
Calliope calliope Siberian Rubythroat ノゴマ
Phoenicurus phoenicurus Common Redstart シロビタイジョウビタキ
Oenanthe oenanthe Northern Wheatear ハシグロヒタキ
Cinclus cinclus White-throated Dipper ムナジロカワガラス
Petronia petronia Rock Sparrow イワスズメ
Quelea quelea Red-billed Quelea コウヨウチョウ
Amandava amandava Red Avadavat ベニスズメ
Granatina granatina   Violet-eared Waxbill トキワスズメ
Coccothraustes coccothraustes Hawfinch シメ
Pyrrhula pyrrhula Eurasian Bullfinch ウソ
Chloris chloris European Greenfinch アオカワラヒワ
Carduelis carduelis European Goldfinch ゴシキヒワ
Serinus serinus   European Serin セリン
Spinus spinus   Eurasian Siskin マヒワ
Xanthocephalus xanthocephalus   Yellow-headed Blackbird キガシラムクドリモドキ
Icterus icterus Venezuelan Troupial ムクドリモドキ
Dives dives   Melodious Blackbird ウタムクドリモドキ
Curaeus curaeus Austral Blackbird ミナミムクドリモドキ
Cardinalis cardinalis Northern Cardinal ショウジョウコウカンチョウ
Cyanicterus cyanicterus   Blue-backed Tanager セアオフウキンチョウ
Melanodera melanodera White-bridled Finch ノドグロシトド
Diuca diuca Common Diuca Finch ジュウカチョウ

昨年8月に調べた v9.2 の反復名のリストと比較すると,ほとんど同じですね.日ごろ目にしている鳥の中にも結構反復種が含まれていることがわかって面白いです.

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2020/07/27

IOC List v10.2 Released

IOC World Bird List v10.12が2020年7月25日にリリースされました.これは2020年2回目のリリースで,年内にはもうリリースはありません.前回 v10.1 のリリースが2020年1月25日だったので,ぴったり6か月の更新間隔となっています.前回のリリースを最後に編集長だった Frank GIll が引退を表明,新たな編集長 Pamela Rasmussen に交代しており,今回が彼女の最初の仕事となったと私は理解しています.

今回収録されたのはが 40,が 252,が 2,359,現生が 10,787,絶滅種が 158,亜種が 20,003 です.


今回は日本のバーダーにとって大きな変更はありませんが,属の大規模な異動と,多数の収録順位の変更がされていますので,リスト全体としては構造的と言える変化がありました.特に変化が多いものはハチドリの仲間クイナの仲間ヒヨドリの仲間ダルマエナガの仲間メジロの仲間新世界スズメ類 (Passerellidae) などがありますが,多すぎて書ききれません.今回は修正リストが非常に長いため,辞書ファイルの編集にはてこずりました.これらの変更の象徴的なものがリスト最後の種で,ここ数年はショウジョウコウカンチョウ科の Parkerthraustes humeralis, Yellow-shouldered Grosbeak, キガタイカルだったのですが,今回はフウキンチョウ科の Tangara velia, Opal-rumped Tanager, ムラサキフウキンチョウが末尾を飾る種となりました.掲載順位の変更によるものです.

今回,種の分割や英名の変更はさほど多くはなかったのですが,属の移動と順位の変更はかなりの数に上っていますので,例によって多少の混乱が引き起こされるのではないかと思います.ともあれ新編集長は大変意欲的に仕事をしたと言えるでしょう.著名な研究者であり,特にアジアの鳥類の専門家なので,リストのコメント欄には多くの彼女の名前の引用があります.今後の編集長としての活躍にも期待したいと思います.


IOC 本家の Master List(学名と英名を収録した Excel ファイル)を編集して,Refsort 用の辞書ファイル(拡張子が .ref のテキストファイル)を作りましたので,Microsoft One Drive 上に設けた “IOC List Archive„ にアップロードしました.

エンコーディングは UTF-8US-ASCII の2種類です.正版は UTF-8 版で US-ASCII 版は簡易版ですが,詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.


このオリジナル版の辞書ファイルに続いて,全ての掲載種に和名をつけた辞書ファイル 2 種と,IOC Master List の和名追加版(Excel ファイル)も同時にリリースしました.和名追加辞書についても,UTF-8 でエンコードしてあるものが正版ですが,Windows などでの使い勝手を考慮して Windows-31J でエンコードしたものも同時にアップしてあります.詳細についてはユーザーズガイドをご覧ください.

単に種名を調べるためだけであれば,和名追加版の Master List(Excel ファイル)が最も便利です.ただし長大なワークシートなので,目的の名前をスクロールして探すのは非効率です.検索メニューからジャンプするのが良いでしょう.


これらのファイルは前述のとおり,Microsoft One Drive 上に設けた IOC List 専用のフォルダからダウンロードできます.それには,このブログ右側のコラムの最上段の Archive の中の IOC List Archive をクリックしてください.そうすると One Drive のフォルダに入ることができますので,あとは適当に選んでダウンロードしてください.


I am pleased to announce that I have posted reference files for Refsort/Ruby compiled directly from the latest IOC World Bird List v10.2. It contains 10,787 extant species, 158 extinct species and 20,003 subspecies, respectively. Please try it out, and enjoy its capability and speed.

Note that the reference file "ioclist_v102u.ref" is encoded in UTF-8 in order to retain all European accents and umlauts with complete fidelity as they are in the IOC Master List. Therefore, your input file should be encoded in UTF-8 as well, and should contain a magic comment on the top of the file such as;

#!E -*- coding: UTF-8 -*-

For those who want to use Refsort/Ruby in universal ASCII environments, I have posted another reference file "ioclist_v102a.ref" encoded in pure US-ASCII. Note that characters with accents and umlauts have been simplified to their nearest neighbors. So please be careful in particular when you refer to authorities of species.

I have also posted two reference files "ioclist_v102ju.ref" and "ioclist_v102jw.ref" (encoded in UTF-8 and Windows-31J, respectively) which include Japanese names for all species. If you want to refer to Japanese names, please refer to those files. In order to sort a list properly using these reference files, you need to align the encoding of the input file to that of the reference file, and you should add a magic comment specifying the encoding of the input file in the first line of the file, such as UTF-8, US-ASCII or Windows-31J.

A master list in Excel format containing a column for Japanese names has been posted as well. This would be most convenient for quick reference.

You can download an appropriate file from my area of Microsoft One Drive by clicking "IOC List Archive".

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2020/07/11

Refsort/Ruby v3.11 Released

先月下旬に改訂版をリリースしたばかりの Refsort/Ruby(新しいほうから *1 *2 *3 *4 *5)ですが,軽微なバグが見つかったため,本日修正版 v3.11 をリリースしました.

  1. 辞書ファイルの埋め込みラベルを解釈するとき,レベル表記の数値が2桁以上であると書式エラーと誤認識してしまうバグがありましたので,修正しました.

なんともお恥ずかしい単純なバグです.ただ埋め込みラベルの定義に2桁以上の数値を使っていなければ顕在化しないので,実用上はほとんど問題なかったと思います.

Refsort/Ruby とそれに関するソフトウェアのアーカイブを Microsoft One Drive に置いています.画面右側コラムの “Archive” の中の “Refsort/Ruby Archive” をクリックしていただくと,私の OneDrive 上に設けたライブラリが開きますので,そこから過去分も含めてファイルをダウンロードすることができます.Refsort 本体の “refsort.rb” は “refsort_v311.rb” というファイル名でアップロードされていますので,ダウンロード後に適宜 “refsort.rb” に変更するとよいでしょう.改行コードも CR/LF になっていますので,適宜変更してお使いください.Refsort on Excel の最新版や 日本鳥類目録 v7 に準拠した辞書ファイルもこのアーカイブに収録されています.

まもなく IOC World Bird List v10.2 がリリースされると思います.リリースされたらできるだけ早く和名を追加した版を作成し,これらに準拠したユーザーズガイドも作成してリリースしたいと思います.

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2020/07/06

Excelでも分類順に並べ替え

先日,辞書参照型ソーティングフィルターの Refsort/Ruby v3.10 をリリースしたとお知らせしましたが,同時にリリースした Refsort on Excel v2.00 にわずかに修正を加えたものを v2.01 としてリリースしました.

これは Refsort/Ruby を Excel 上で気軽に使うためのインターフェースで,例えば Excel で作ったフィールドノートの記録を,その Excel 上で辞書の順序に並べ替えることができます.さらに必要であれば,辞書の各種ラベル,例えば科名属名などを付加したリストを作ることもできます.舞台裏では Refsort 本体が動いているので,辞書ファイルさえ準備すれば,どのような分野でも辞書順の並べ替えが可能となります.私は生物分類学以外に天文学などへの応用を想定してます.

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Excel では,ユーザー設定リストを使うか,それでは間に合わない多種類のリストでは VLOOKUP 関数や新しい XLOOKUP 関数を使ってインデックスを引っ張り出し,その数値をもとに並べ替えを行うことが普通だと思いますが,辞書となるリストの管理やメンテナンスが厄介です.この点 Refsort/Ruby であれば,辞書ファイルは単なるテキストファイルなので,長大なリスト(例えば世界の鳥類を網羅した IOC List から作成した辞書ファイルには 3 万種以上の学名,英名,和名,その他情報が収録されています)でもメンテナンスは最小の手間で済みます.

すでに OneDrive 上のアーカイブに収納してありますので,自由にダウンロードしてお使いください.このブログの右側のコラム最上部の “Archive” の中の “Refsort/Ruby Archive” をクリックしてアーカイブに入り,“Refsort on Excel” というフォルダーを開くと最新版の Refsort on Excel とユーザーズガイド(一世代前の版)などが入っています.

まもなく IOC List v10.2 がリリースされるはずなので,それをもとに和名を追加した辞書ファイルを作りリリースする予定です.またこれら最新版を元にしてユーザーズガイドも改訂する予定です.

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2020/07/05

ツノマタタケが育った

このブログで1週間前にお伝えした菌類ですが,その後何度か雨が降ってじめじめした天気が続き,その分育ったようです.下の写真が昨日の様子.だいぶ大きく,太く,しかも先端が鹿の角のように叉に分かれているのがわかると思います.これでツノマタタケというのは確実ではないかと思います.ただ,このキノコは雨のない日が続くと基部が白くなってしまうようです.これが同定を難しくしている一因ではないかと思います.

Summeraroundhome_jul2020_0066m

高温と多湿が続いているので,このような菌類がどんどん育っています.キノコならばまだよいのですが,カビは困りますね.我が家の靴箱の中がアオカビの培養棚になっていないか心配.

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2020/06/27

何という菌類?

朝の散歩のときに見かけた菌類.柵の丸太のてっぺんに生えていたものです.雨が多いので,こういうものがあちこちに出てきます.

Summeraroundhome_jun2020_0142m

きれいなオレンジ色なのですが,背丈は 3, 4 mm しかありません.もう少し大きくなって胞子を飛ばすのでしょうか?ひょっとしてツノマタタケというキノコ?だとしたら食用になるらしいのですが.

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カワウが羽根を乾かす

梅雨も後半に入り,蒸し暑くなってきました.雨の降らない日には散歩コースを歩くのですが,遊水池にはカワウが2羽居付いています.

よく水に潜って魚を捕っているのですが,陸に上がっているときは羽根を広げて乾かしていることが多いです.Wikipedia の記事によれば,カワウの羽根は油分が少なく,あまり水をはじかないため,羽根を乾かす習性があるそうです.これは水に潜りやすい性質とのトレードオフなのでしょうか?潜水ガモの羽根に油分が少ないという話は聞いたことがないので,カワウ特有のものなのかもしれません.

Summeraroundhome_jun2020_0134m

今朝は電柱の上で羽根を広げていました.低空で飛んできて着水するとき,水面を走りながら離水するとき,水面で羽根をばたつかせて水浴びするときには,かなり大きな音と波紋を生じるので,遊水池がにぎやかになります.

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