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2004年9月

2004/09/28

ブルーグラスの革新を告げたアルバム

New Favorite Alison Krauss + Union Station,価格: \2,095

Alison_Krauss-New_Favorite.gif今や人気絶頂の Alison Krauss + Union Station ですが,彼らの音楽性の真髄が決定的に顕在化したのがこのアルバムと言って良いのではないでしょうか.大げさに言えば現代のブルーグラスの方向を決定付けたアルバム!それくらい画期的な音作りをしたアルバムと絶賛されています.私は彼らのアルバムによってブルーグラスに開眼したと言っても良いくらいです.感謝!

Alison Krauss の心に染み渡るヴォーカルと,一流のアーティストたちによるアコースティック楽器の響きの良さの組み合わせは絶品です.録音とミキシングも素材の良さを最大限に生かしています.

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2004/09/26

Alison Kraussに開眼させられたアルバム

Now That I've Found You Alison Krauss,価格: \2,095

Alison_Krauss-Now_That_Ive_Found_You.gif最初はあまり気にせずに,初めて聞くアーティストなのでコンピレーションでも買ってみようと思ったのが始まりでした.しかしこのアルバムによって Alison Krauss というアーティストに開眼し,どっぷりとハマることになった記念すべき一枚です.

もともとはフィドルの名手.しかもまだ少女,として有名になりました.レコード会社と契約したのは彼女が14才のとき.最初のアルバムは彼女が15才のときのリリースですから,LeAnn Rimes 同様いかに早熟の天才だったかがわかります.

アルバムタイトルとなっている Now That I've Found You はいつ,何度聞いても素晴らしいです.彼女の歌声は繊細で清楚で,胸に染み入り,一度聞いたものを麻薬のように虜にします.入院中,静まり返った深夜の病室で聞くと,どうしようもなく心が休まります.

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現代的で引き締まった音楽性

レッド・ダート・ガール エミルー・ハリス,価格: \2,394

Emmylou_Harris-Red_Dirt_Girl.gif現代的で引き締まった音楽性!このアルバムはこの言葉に尽きます.エミルー・ハリスは数多くのアルバムを出してきたカントリーのアーチストですが,商業的な主流とは一線を画し,フォークソングやワールドミュージックなどとの接点を持ち,独自の音楽性を確立してきました.このアルバムはその一つの到達点.しかし実験が好きな彼女のこと,また新しい方向性も試みることでしょう.とにかく拍手.シマロンもいいですよ.

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2004/09/25

私にとってのEmmylouのベストアルバム

シマロン エミルー・ハリス,価格: ¥2,835

Emmylou_Harris-Cimarron.gif長い期間にわたって様々な試みを続けているEmmylou Harrisですが,このアルバムはまるでアメリカ土着のフォークソングを聞いているような錯覚に捕らわれます.しっとりと落ちついていながら,一本芯が通っている歌声はさすがです.「シマロン」と「スペイン語は・・・」はそれが最もよく現れている二曲.近作の Red Dirt Girl も素晴らしいですが,私はこちらのほうがよりお好みです.

もともとは1981年のアルバムなのですが,最近のお決まりのデジタルリマスター&ボーナストラック付きのreissueです.私にとってのEmmylouのベストアルバム.

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2004/09/24

企業内ベンチャーの必読書

アントレプレナーの戦略思考技術―不確実性をビジネスチャンスに変える リタ マグレイス (著), イアン・マクミラン(著),ダイヤモンド社,価格: ¥2,940

現在,大企業の中でベンチャー組織を任されている人はかなりの数に登るはずです.そのような人たちのために系統的に「起業の方法論」を説いたものが本書です.すなわち,自腹を切って会社を起こす,というよりは,大企業が自らの変革のためにあえて別組織で新しい何かを始めるときの方法論です.

逆財務諸表の考え方は,ベンチャのみならず既存の事業にも応用できる面白い考え方です.花王のフロッピーディスク事業を例に新事業をどう設計したかというエピソードは大変参考になります.花王自身はその後,黒字事業にもかかわらず撤退したことを知った上で読むと,さらに深く考える機会となるでしょう.

しかしリアルオプションに中途半端に触れているため,論旨の流れが乱れているのが難.最近はビジネススクールでも企業内ベンチャの講座を設けて起業方法論の試行錯誤を始めています.その際の参考書としての価値は十分にある本です.

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2004/09/23

経済物理学は経済学の大前提を覆せるか?

エコノフィジックス 市場に潜む物理法則 高安 秀樹 (著), 高安 美佐子 (著),日本経済新聞社,価格: ¥2,310

近代経済学とは,難しすぎてわからないもの,複雑すぎて記述できないものは,それが仮に重要であっても,自分には無視する権利があると信じて成り立っている学問である,と誰かが言っていました.金融工学もその大前提を外してはいません.経済学では,自由な市場における価格は需要と供給の均衡で決まると論じますが,著者はそれは違う!とまず断定します.いかなる市場においても需要と供給が均衡していることなど無い,と.

私は少々修正意見を持っていまして,それは「価格は供給者と需要者のそれぞれの思惑が妥協できる値で決まる」というものです.いかがでしょうか?

さて著者の論を進めると,経済の生のデータを素直に「観測し」物理学の視点で「解釈する」と,経済学の拠って立つ基礎が実に怪しいものであることがわかります.金融工学では,例えば為替レートの変動は正規分布に従うことを前提としています.これは特に観測に基づく根拠があるわけではなく,数学的な取り扱いが最も楽だから,という理由に尽きます.しかし実際に為替レートのTick Dataを観測してみると,実は正規分布とは似ても似つかぬ「べき分布」をしていることがわかります.これは金融工学の屋台骨を揺さぶるに十分に足ります.もうブラック・ショルズ式は使えないからです.ブラック・ショルズ式が算出するオプションの理論価格は高すぎるか低すぎるかいずれかにバイアスがかかっています.

産声を上げたばかりの経済物理学ですが,経済学の主流にどこまで切り込めるか前途は多難ではないでしょうか?本書はその先駆けとなるものですが,経済学が専門の人には読みにくいでしょう.これはあくまでも経済学に興味を持っている物理屋さん向けの本です.研究成果を蓄積した時点で,系統的な解説が可能な解説書の出版が望まれます.

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2004/09/22

フランス中世の一断面を活写する良書

フランス中世の社会―フィリップ・オーギュストの時代 福本 直之 (翻訳),木村 尚三郎 (翻訳),東京書籍,価格: ¥3,059

La_Societe_Francaise.jpgフランスを旅行するだけでも目に付くおびただしい数の古い城砦や教会,細く迷路のような石畳の小道.それらが形作られた時代の基礎を作ったさらに古い時代が Philippe-Auguste に代表される中世です.その社会の制度,習慣,習俗を細部に至るまで平易に記述した濃度の高い本.

封建領主,教会権力,そして下層農民などというそれぞれの勢力について,ミクロな記述が大変面白いのがこの本の特徴です.当時の慣習や習俗には苦笑させられたりギョッとさせられるものも多くあります.領主の初夜権は有名なものですが,本当にこういう事があったのですね.

原著は1909年!の出版で誉れ高い名著.しかしこの翻訳版は1990年の出版にしては活版印刷!しかも挿絵もなく,びっしりと詰まった古めかしい活字の列は読みにくいです.大著なだけに一工夫が必要でしょう.カバーの装丁は美麗.しかしこれがこの価格とは大変お買い得です.現代風に挿絵をちりばめた豪華本仕立てにすれば,ベストセラーになるかも?

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2004/09/21

惑星と共生するための知性が詰まったエッセイ集

惑星の未来を想像する者たちへ ゲーリー スナイダー (著),山と渓谷社,価格: ¥2,100

A_Place_in_Space.jpg前作「野性の実践」の続編とも言うべき本書は,Gary Snyderの最新の思想が濃縮された優書です.禅思想の引用と解釈,ネィティブアメリカンの土着の思想.コスモポリタニズムでもない,博覧強記でもない,啓蒙思想でもない,反体制でもない,急進的エコロジストでもない,その深さが彼の思想の最大の魅力なのです.

一読しただけではその深さはわからないはず.読書百遍!

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2004/09/20

アメリカの野性の知性の結晶

野性の実践 ゲーリー スナイダー (著),山と渓谷社,価格: ¥2,100

The_Practice_of_the_Wild.jpgGary Snyderは知る人ぞ知る現代アメリカ最高の詩人であり,優れた禅の実践者であり,エコロジストでもあります.これは著者の思想を知る上ではおそらく最も優れた著書の一つ.「野性」とは何か,この一見単純だが深遠な問いに読者は引きずりこまれていくことでしょう.

第5章の「青山はいつも歩いている」は禅思想を生み出した日本人でもそう簡単には解釈できないほどの真骨頂のパートです.若い頃日本の禅寺に修行した著者ならではの深さと暖かさが感じられます.アメリカの知性の最高レベルを知る上でも貴重な一冊.この本の続編ともいえる「惑星の未来を想像する者たちへ」と合わせて読むとさらに感動が深まります.

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日本の経済学の羅針盤

移りゆくこの十年 動かぬ視点 青木 昌彦 (著),日経ビジネス人文庫,価格: ¥700

日本の経済学者にもこういうまともな人がいるのだとわかっただけでも私にとっては収穫でした.著者の大著「比較制度分析に向けて」を読み始める導入としてもお勧めです.一般人がこれからの経済を考えていくための羅針盤としても価値は十分.将来に対して希望を与えてくれる手軽な良書です.

著者が「失われた10年論」に疑問を投げかけ,実は10年間かけて日本は「大いなる制度変革」に乗り出したのだという主張に私も賛成です.日本は決して足踏みをしていたわけではありません.表層下では地道な改革の動きが始まっていることは,現場に身を置いている人であれば実感としてわかることでしょう.また,米英流の経済学はそもそも米英の歴史や文化の特殊性に基礎を置いておいているのであって,日本や他の国々の経済に内在する普遍的要素も考慮に入れなければならない,という主張も至極まともです.

しかし,昨今の郵政改革のような大規模な変革に関していうと,この国の組織も人々のマインドもなんと後ろ向きで既得権護持に汲々としていることか?10年後に再び青木氏の評価を聞いてみたいと思います.

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Blog開始

長い間思い悩んでいたBlogをついに開始することにしました.といっても更新はたまに,という程度です.書評を中心にした日記にしようと思っているのがその理由ですが,これとても更新をサボる言い訳ですね.

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