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2004/10/16

人類史上かつてない実験の旅へのガイドブック

人口減少社会の設計―幸福な未来への経済学 松谷 明彦 (著), 藤正 巌 (著),価格: \798

Jinkou_Gensho_Shakai_no_Sekkeiまもなく先進工業国と中国は超高齢化社会を迎え,人口が減少する社会に突入します.これは人類史上かつてない経験であり,そういう環境に果たして人類は耐えられるのか心配する向きも多いと思います.しかし人口が少なくとも平衡状態に達することは歴史の必然であって,それが悪いことであるかのように不安をあおる論者は,たとえ過渡期の歪を強調しているに過ぎないとしても,人類の長い未来に対する洞察を欠いており,思慮が足りないと非難されるべきだと私は強く思います.人口減少社会は事実として確実にやって来るのです.

その社会をどのようにすれば幸福に過ごすことができるのか,一つの方向性を示したのがこの本です.私が最も評価できるのは「幸福」の定義をきちんとすることで,著者の主張は軸がぶれずに常に明確になっていることです.そのうえで著者は人口減少社会の社会経済学を論じています.特に医療費と医療制度に関する洞察は重く,全ての日本人が一読するに値する内容だと思います.

われわれの子供たちが否応無く直面する人口減少社会を幸福な社会にするために,われわれが「今」何をなすべきか,考えさせられる本です.

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