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2005/03/19

激動の時代の庶民を淡々と描く長編

活きる 特別版 チャン・イーモウ (監督), 価格: \2,940 (税込)

Liveチャン・イーモウ監督の作品.94年のカンヌでは審査員特別賞と主演男優賞を受賞したそうです.それまでの赤いコーリャンや菊豆などで見せた強烈な色彩やあくの強いこってりしたストーリーとは一味変わって,毛沢東時代の中国を一庶民の視点で淡々と描いた名作です.長編にもかかわらず中ダレしないのはこの監督のストーリー・テリングのうまさでしょう.

賭博で財産を失った資産家の男は妻から見捨てられ,特技の影絵芝居の旅芸人として生計を立てます.途中,国民党と共産党の内戦に巻き込まれ,たまたま共産党に娯楽を提供したために,帰郷して家族と再会した後も革命の混乱を生き延びることができます.共産党政治の不条理や文化大革命の狂気もエピソードに取り入れられているのが目を引きます.

この映画の最大の良さは,強烈なメッセージや問題提起をするのではなく,時代に翻弄されながらもどうにかこうにか懸命に生きていく庶民の「活きる」さまを,見るものに共感を与えながら淡々と描いた点でしょう.どんなにつらいことがあっても明日は来る,皆で力を合わせて活きていこう,きっと今より良い明日が来る,というのが主題でしょうか.

コン・リーは庶民の妻を見事に演じきっていますし,主演男優のグォ・ヨウは愚かな資産家から家族に尽くす父親,そして最後は母のいない孫を育てるよき祖父を好演しています.この二人,なんとなく桃井かおりと竹中直人に見えてしまうのは私だけでしょうか?それから子役の好演が光っています.この監督は子役の使い方が本当にうまいですね.

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