ローマ法王が死去
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <ローマ法王>死去、84歳 激動の国際政治に深く関与
全世界10億人のカトリック世界に隠然たる影響力を持ち続けるバチカンの盟主が死去しました.中世ヨーロッパ以来の世俗権力と宗教権力のせめぎあいの歴史の中で,このヨハネ・パウロ2世は国際政治に深く関与したばかりでなく,カトリックの過ちを認めるなど社会とも積極的に交流してきた法王でした.それはイタリア人ではない初のスラブ出身の法王という出自も影響していたのかもしれません.体制は中枢ではなく辺縁から見たほうがよく見えるということの現われとも思えます.
バチカンの影響力をどう見るかが国際政治学的に正統なのかわかりませんが,昨今のネオコンに対抗する最も強力な良心と道徳の枢軸であったことは間違いありません.資本主義は道具であって従うべき宗教ではないと述べたムスリムの政治家がいますが,冷戦が終わってイデオロギーの対立が無くなった代わりに宗教原理主義が台頭してきたいま,再び世俗と宗教の新しい役割分担が求められています.次のローマ法王には難しい課題が突きつけられているのです.
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