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2005/05/13

メディアは事実と意見を混同するな

リンク: asahi.com: ミツバチ40万匹死ぬ いたずらの疑い 千葉・我孫子?-?社会.

マスメディアでの"いたずら"という言葉の使い方に違和感を感じませんか?よくあるものでは,"少女にいたずら","線路に置石のいたずら",などなど.どう考えても犯罪(それも故意)なのに,それを軽微なものとして済ませようとする場合にこの言葉が使われているように思います.メディアの見識を疑わずにいられませんが問題はそれに留まりません.この"いたずら"という言葉は事実ではなく意見を表す言葉です.このような報道は明らかに事実と意見を混同しています.

木下是雄さんの有名な著書から引用すると,事実とは証拠をあげて裏づけできるもので唯一性があります.一方意見とはあることについて各人が下す判断で,それぞれの主義,主張,価値観などにより異なる場合がありますので,この二つの区別は非常に重要です.例えば,

ジョージ・ワシントンは米国の初代大統領であった
というのは事実ですが,
ジョージ・ワシントンは米国の最も偉大な大統領であった
というのは意見です.

マスメディアの第一の使命は,事実を正確に,しかも漏れなくダブり無く伝えることです.政府に都合の良い事実のみを伝えたのがかつての大本営発表であり,何も嘘は言っていないのですが,漏れが多すぎて情報の質はきわめて低いものでした.今日でも非民主国家(例えば中国)ではこのような報道が日常的に行われています.

第二の使命は立場を明確にした上で事実に対する意見を表明することです.アメリカの新聞はいずれもローカル紙であるせいか旗幟鮮明な意見表明が行われますが,日本では全国紙が一般的であり,社説やコラムを別にすれば本文での意見表明は避ける傾向にあります.意見の表明は,立場を明確にし,事実ときちんと区別されるのであればむしろ積極的に行われて良いと思います.

質の低い報道記事や大衆週刊誌では,事実と意見がごちゃ混ぜにされ,本来は意見のはずのものがさも事実であるかのように誘導・偽装される文章がよく見られますので要注意です.冒頭の"いたずら"についても,事実と意見の混同・すり替えが行われており,注意しないと読者に"いたずらなのだから大したことではない"という潜在意識が植え付けられる恐れがあり,非常に危険です.

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コメント

同感です。
マスコミはこの手の報道を“弱め”に伝えたいのでしょうか。
それでは真実の報道でなく、意図があるものですよね。

投稿: 原色しーぷ | 2005/05/18 02:58

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