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2005/05/21

湾岸戦争勃発と人面魚報道

リンク:事件・事故報道で今一度考えたいメディアの責任と体質(下)

このブログで数日前に書いたことと関連する上の記事を読みながら,昔のことを思い出しました.

今を去ること10数年前,第一次湾岸戦争が勃発するかどうかという頃,新聞各紙は,スポーツ新聞も含めて毎日第一面は多国籍軍の準備状況とそれを迎え撃つイラク軍の動向を大きく報じていました.戦争が始まると報道はほぼ戦争一色.ちょうど昭和天皇崩御の時と同様の様相でした.このときほど報道の根深い横並び体質を感じたことはありません."特オチ"を極端に恐れ,"他社に抜かれるくらいだったら不正確でも記事にしてしまうほうがマシ"という報道者の心理は,報道の公正とは全く相容れないものです.

そんな中,一人良識?の気を吐いていたのは当時はプロレス新聞だった東京スポーツ.毎日第一面にはでかでかと人面魚の病気の容態を取り上げていたのです.アメリカがミサイル攻撃主体の"Operation Desert Storm(砂漠の嵐作戦)"を開始したとき,東京スポーツ第一面の見出しは一ページぶち抜きで"人面魚重態を脱す"だったことをよく覚えています.

東京スポーツは当時から娯楽性を重視しており,その後芸能ネタの比重も増えて,"日付以外はすべて誤報"と揶揄されるくらいになってしまったのですが,この湾岸戦争開戦の時にどういう編集方針だったのかぜひ知りたいものです.おそらく横並び報道の中で"いかに目立つか"ということを重視した判断だったのだろうとは思いますが,編集者の心の片隅には"大政翼賛会に組してなるものか"という良識があったと信じたいものです.

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