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2005年6月

2005/06/26

洗練の度合いを高める現代ブルーグラスの頂点

Lonely Runs Both Ways [FROM US] [IMPORT] Alison Krauss & Union Station,価格: \2,235 (税込)

Alison_Krauss_And_Union_Station-Lonely_Runs_Both_WaysAlison Krauss and Union Station の最新アルバムです.2004年の11月にリリースされました.彼ら自身は寡作なのですが,最近の他のブルーグラスのアーティストのアルバムを聞いてみると,たいてい1, 2曲は Alison がゲストで参加していることに気づきます.そうです,今や Alison Krauss and Union Station は客寄せパンダと言っても良いほどの人気を獲得してしまったのです.従って,要するに,彼ら自身のアルバムは少ないながらも,彼らのパフォーマンスは実に良く耳にするのです.

さてこの最新のアルバムは,コンテンポラリー色を非常に強く出したものになっています.これまでは洗練されているとはいえ,まだ草の匂いがしたり,どこか田舎のゆったりとした雰囲気が感じられるものが多かったと思いますが,このアルバムでは都会的な雰囲気がはっきりと前面に出てきました.それは Alison の衣装からも感じることができるといってよいでしょう.

透明度の高い Alison の歌声は相変わらず素晴らしく,また Union Station の各メンバのパフォーマンスも申し分ありません.ブルーグラスは21世紀の初頭において実に高度な進化を遂げた,その成果がこのアルバムに結実しています.アルバム最後の名曲 "A Living Prayer" は賛美歌ですが,Union Station のメンバー Ron Block の作詞作曲.彼の才能が光る一曲です.

私が気になるのは彼らのこれからの方向性です.このままコンテンポラリーの方向に進み洗練の度合いを深めていくのか?それとも再び草臭いブルーグラスに回帰していくのか?はたまたフォークやケルトの要素を取り入れていくのか?商業主義に堕することだけは避けてほしいと思いますがその誘惑が大変強いこともまた事実.ここ数年は目が離せません.

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2005/06/25

せつなくほろ苦いロードムービーの傑作

ペーパー・ムーン ピーター・ボグダノヴィッチ(監督),価格: \1,575 (税込)

Paper_Moonロードムービーの傑作です.何年も繰り返し見ているのですが飽きることはありません.ロードムービーのご多分に漏れず舞台は1930年代大恐慌時代のアメリカ.その時代の雰囲気を出すためにわざとモノクロ・スタンダード画面でプリントされています.劇中の音楽やラジオ番組もその時代のもの.

母親が死んで孤児になった女の子を,聖書行商の詐欺師が親戚に送り届ける役を仰せつかります.女の子はひょっとすると自分の父親はこの男ではないかと期待を寄せるのですが,男のほうはこの女の子を厄介払いしたくて仕方ありません.詐欺の旅を通して二人の関係は疑似親子関係に近づいていくのですが,この関係は実に危うく,近づいては離れ,離れては交わるを繰り返します.このあたりはおそらく,ブラジル映画の傑作 "セントラルステーション" がぱくっていますね.

ところがこの女の子はしたたかな商才と交渉力を発揮します.旅に出る前に詐欺師が女の子をネタに他人からカネをゆすり取るのですが,女の子がそのカネは私のものだ,返済しろと迫ることから旅が始まります.孤児にとっては頼りになるのはカネしかないということでしょう.その借金の残高が物語の進行とともに上下していく,というのが話の重要な伏線になっています."You still owe me two hundred dollars!" などという台詞がリズム良く出てきて一つ一つのエピソードを締めくくるのが何とおかしいことか!

しかし移動遊園地の紙のお月様の写真館で,カネでは父親の愛は買えないことにも気が付く彼女.ラストで親戚の家を飛び出し再び詐欺師との旅を続けることを決断する彼女は,やはり親子の愛情を信じたかったのでしょうか?

疑似親子を演じるライアン・オニールとテイタム・オニールが実の親子ということを誰もが知っていてこの映画を見るという点が実に重要でうまく出来ているところです.このテイタム・オニールが実に可愛くて小憎らしくて演技がうまい!彼女はこの映画でアカデミー助演女優賞を獲得しましたがそのとき10歳.きっとライアンは撮影のあいだ心配のし通しだったと思いますが,同時にわが娘が可愛くて仕方がなかったはずです.それを劇中ではわずかな表情にも出していないのがまた面白いところです.

とにかく飛び切りのお勧めロードムービーです.音楽もいいですよ.

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2005/06/14

Fedora Core 4 リリース

5月14日にこのブログで予告した Fedora Core 4 ですが,ついに6月13日にリリースされました.かなり早い開発ピッチです.今回のリリースの特徴は,リリース間もない gcc-4.0.0 を使ってカーネルを作っていることでしょう.普通,真新しいコンパイラは不安が残るため,カーネルのコンパイルには使用しないのが普通なのですが,さすがは先進性を売りにする Fedore Core だけあって,果敢にこの新しいコンパイラ,しかも Major Version-up されたばかりのコンパイラを用いています.この決断が吉と出るか凶と出るかはわかりませんが,だめな場合には gcc-3.4.3 などを使用すればどうという事は無いでしょうから,クリティカルなミッション以外の実験的システムには大いに使ってみるべきでしょう.Fedora Core は元来そのような目的の開発シリーズなのですから.

で,人柱からの報告が楽しみ.

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2005/06/13

夜,破綻するサイト

どうもココログのブログページが夜9時を過ぎるあたりから異常に重たくなります.私自身のこのブログも,リンクを張っている他の人のブログも,アクセスして全ての読み込みが終わるのに30秒以上待たされることがあります.Exciteブログなどはこれほどまでにレスポンスが悪いことはありませんので,これはどうもココログ固有の原因がありそうです.最近一般社会でもブログが市民権を得て,ブログの開設が非常に多くなり,そのためにISP側のサーバーやルータなどのITインフラの整備が追いつかなくなっているのではないかと想像しています.数年前アナログモデムやISDNでアクセスしていた時代,テレホーダイの時間帯になるとなかなかサービスが受けられなかった頃を思い出します.

やはり夜のアクセスが困難になっているサイトに,投資関連では最も有名なサイト "モーニングスター" があります.こちらはトップページは何とか開くことができるのですが,ポートフォリオのページになかなかたどり着くことができません.こちらは昼間でも同様の症状が出ることがあるので,インフラのリソース不足ではなく,何らかの障害を疑っています.ちょっとやばいことが起きているのかも.ハックされていなければ良いのですが.

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2005/06/09

会計基準は政治を規律付けるか?世代間の公平を担保する公会計革命

公会計革命 講談社現代新書 桜内 文城 (著),価格: \777 (税込)

KouKaikei_Kakumei公的機関の会計基準を革新することによって,その行動までも規律付けるという野心的な試みを解説した本です.まず会計基準の分類を行い,それぞれの会計基準が持っている意図と長所・短所を整理して解説します.従来は現金主義の単式簿記に過ぎなかった公会計を,発生主義の複式簿記に変えようという世界的な動きが背景にあります.ここで目新しいのは,国家予算の会計的意味をガバナンスレベルとマネジメントレベルに分離して明確に分析しているところです.しかもこの分離が憲法とも合致した思想であると論じるところが実にうまく出来ています・・・ちょっと出来すぎ.

ちなみに,ガバナンスレベルの予算とは,各行政分野にどの程度の予算枠を配分するか,将来世代にツケを回す国債の発行額をどの程度まで許すか,という政治レベルの決断を言います.マネジメントレベルの予算とは,そうやって枠が決まった予算額を,いかに効率よく執行するかという行政執行機関の裁量範囲の予算策定作業のことを言います.この区別は画期的です.次に,ガバナンスレベルの意思決定の内容が誰の目にもわかるように,透明性の高いアカウンタビリティを保証するために考え抜かれたのが "処分・蓄積勘定" という費目です.これにより実資産を生まない費用や将来へのつけ回しが明らかに出来ます.

この斬新な公会計基準のソフトウェアが,実際に会計士やシステムエンジニアの手によってソフトウェアとして開発され,地方自治体で試用されているそうです.数千にのぼる仕分け項目のインプリメンテーションと,三種類の財務諸表でそれらを連関させるプログラミングの作業は大変だったのではないかと思います.これからさまざまな自治体で試用が始まると思いますが,現場からのフィードバックを取り入れてさらにブラッシュアップしたものが,実際の政治と行政で活用され,この国の統治のあり方を少しでも良い方向に導いてくれるように願わずにいられません.はたしてこれで道路行政を改革できるでしょうか?

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光ファイバが断線

先週末,家人からインターネットが使えなくなったと言われ,調べてみると ONU のインジケータ "LINK FX" が消灯しています.これはファイバとの光通信が出来なくなっているか,ONU そのものの故障のはず.しかし ONU のマニュアルには,電源を入れ直し,それでもだめなら連絡しろと書いてあるばかりです.それでも,すぐに NTT に電話.このBフレッツ専用の窓口はフリーダイヤルで365日24時間対応してくれるのが良いところ.結局修理に来てくれることになったのですが,週末は対応できず,週明け月曜日の午後の予約を入れてもらいました.

私は修理に立ち会うことは出来なかったのですが,家人によれば,やはり原因はファイバの断線だったそうです.しかも屋外のクロージャ内での断線.なぜ?修理に来てくれた人の話によれば,光ファイバはデリケートなので,ちょっとしたことで断線しやすいのだそうです.断線というとファイバが物理的に切れることを連想しますが,実際には芯がずれたり,接続面の角度が合わなくなったりしているのでしょう.

これで週末を含めてまるまる3日間インターネットを使えなかったので,とても不便な思いをしました.以前,モデムでパソコン通信をしていた頃に比べると,非常に依存度が高くなっていることを実感しました.こうなると,インターネットも文字通り社会インフラの一部ですね.

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2005/06/01

今朝は濃霧

CA250057m今朝は5時頃には多少朝もやがかかる程度のお天気だったのですが,家を出た6時頃には濃い霧がたちこめ,視界がかなり悪くなっていました.携帯電話のカメラで撮ったのが右の写真です.しかし不思議なことに,電車で一駅も行かないうちに普通の晴天の朝になり,強い日差しで電車の中が蒸し暑くなってしまいました.本当に局地的な地表付近だけの濃霧だったようです.
 パリのロワシー空港(日本ではシャルル・ド・ゴール空港と呼んでいますが)は霧の名所で,秋口には濃霧で飛行機の離発着に障害が出ることが多いので,巨大なファンで地表近くの霧を吹き飛ばす設備が設置されているらしいです.これも,霧が地表近くにだけぺたっと張り付いているからこそ有効な手段のはず.きっと上空から見ると地面が薄いヴェールで覆われているように見えるのでしょう.案外美しいかも.

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