洗練の度合いを高める現代ブルーグラスの頂点
Lonely Runs Both Ways [FROM US] [IMPORT] Alison Krauss & Union Station,価格: \2,235 (税込)
Alison Krauss and Union Station の最新アルバムです.2004年の11月にリリースされました.彼ら自身は寡作なのですが,最近の他のブルーグラスのアーティストのアルバムを聞いてみると,たいてい1, 2曲は Alison がゲストで参加していることに気づきます.そうです,今や Alison Krauss and Union Station は客寄せパンダと言っても良いほどの人気を獲得してしまったのです.従って,要するに,彼ら自身のアルバムは少ないながらも,彼らのパフォーマンスは実に良く耳にするのです.
さてこの最新のアルバムは,コンテンポラリー色を非常に強く出したものになっています.これまでは洗練されているとはいえ,まだ草の匂いがしたり,どこか田舎のゆったりとした雰囲気が感じられるものが多かったと思いますが,このアルバムでは都会的な雰囲気がはっきりと前面に出てきました.それは Alison の衣装からも感じることができるといってよいでしょう.
透明度の高い Alison の歌声は相変わらず素晴らしく,また Union Station の各メンバのパフォーマンスも申し分ありません.ブルーグラスは21世紀の初頭において実に高度な進化を遂げた,その成果がこのアルバムに結実しています.アルバム最後の名曲 "A Living Prayer" は賛美歌ですが,Union Station のメンバー Ron Block の作詞作曲.彼の才能が光る一曲です.
私が気になるのは彼らのこれからの方向性です.このままコンテンポラリーの方向に進み洗練の度合いを深めていくのか?それとも再び草臭いブルーグラスに回帰していくのか?はたまたフォークやケルトの要素を取り入れていくのか?商業主義に堕することだけは避けてほしいと思いますがその誘惑が大変強いこともまた事実.ここ数年は目が離せません.
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