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2005年7月

2005/07/23

ハルバースタム渾身の力作

静かなる戦争(上)-アメリカの栄光と挫折 デイヴィッド・ハルバースタム (著), 小倉 慶郎 (翻訳), 三島 篤志 (翻訳), 価格: \1,890 (税込)

david_halberstamwar_in_a_time_of_peace_1私がハルバースタムの初期の傑作 "ベスト・アンド・ブライテスト" を読んだのは今から30年ほど前の大学生のときです.当時はベトナム戦争終結からあまり時間が経っておらず,なぜアメリカ最高の頭脳がベトナムの泥沼に引きずり込まれたのか(という言い方は被害者意識が表に出て適切ではありませんが)という視点は実に時宜を得たものでした.しかも膨大な取材をもとにして淡々と事実を描き,しかし本質を鋭くえぐっていくジャーナリズムの手法は当時の日本には無いもので,ハルバースタムというジャーナリストが世界中で注目されることになりました.

さて本書(上巻)はベトナム戦争終結から約20年後,ジョージ・ブッシュ(父)からビル・クリントンへとアメリカの政権が移り変わる時期を舞台にしています.そう,冷戦が終結して核戦争の恐怖から世界中が開放された代わりに,それまで押さえ込まれていた民族主義,部族対立が世界中で解き放たれた時期です.このときアメリカの外交・軍事戦略がいかに難しい局面に立たされたのかを,ベスト・アンド・ブライテストと全く同じ手法で,膨大な取材,政権内部のメンバーや対立する当事者双方のミクロな記述からえぐりだした傑作です.

私自身,バルカン半島で何が起きたのか,ボスニアでどういう悲劇が起き,コソボで何が行われたのか,いまだに正確には知りませんし理解もしていませんが,冷戦終結後の世界秩序がいまだに落ち着きを見せない今日,アメリカという超大国との付き合い方,世界中に多くの火種がくすぶる民族主義に対して,多くの示唆を与えてくれる羅針盤となる優れた著作です.

2001年9月11日の同時多発テロ以降,世界はますます混沌としてきました.根本的には世界中から貧困,差別,劣悪な統治を無くさなければならないことは周知の事実ですが,それを具体的にどのように進めていけばよいのか,誰も良い解答を持っていないところに悲劇があります.そして貧困と差別と劣悪な統治がテロリストを量産する悪循環に世界中が巻き込まれています.今日もエジプトの観光地での爆破テロのニュースが流れました.アメリカの圧倒的な力を "賢く" 使うにはどうすればよいのかがポイントですが,誰も良い解答を持たないのです.

それにしても,日本のジャーナリズムはいったいいつになったらこのレベルに達することが出来るのでしょうか?記者クラブのようなものがある限りそれは不可能なようにも思えます.立花隆さんが唯一の例外でしょうか.

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2005/07/18

1000円理髪店で見つけたもの

半年ほど前から10分1000円がうたい文句の理髪店に行くようになりました.それまでは,シャンプー,顔そり,肩もみまでのフルサービスをやってくれるお店に1回4000円近くかけて通っていたのですが,そのお店の理髪部門は採算が取れなくなったためか閉鎖され,美容室専門となってしまったからです.

10分1000円というとどれほどの質のサービスを提供してくれるのか最初は不安だったのですが,鋏を入れる腕前は普通の理髪店となんら変わりはありません.しかし店は狭くてウナギの寝床のようですし,椅子は高さ調節を手動で行う非常に簡素なものだったり,襟足は電気シェーバーでジャーっとやってしまったり,金をかけなくて良いところには思いっきり金をかけず,作業の合理化を図れるところは徹底して合理化するというやり方で時間とコストを削減していることが良くわかります.

このお店に通いだして発見したことは,意外に女性客が多いということです.さすがに年頃の若い女性が来ることはありませんが,中年以降の女性客が全体の20%ほどはいます.女性の場合,髪の毛の伸びた分をカットするためだけであっても美容室に行くと数千円は取られるので,それを出来るだけ合理化したいというニーズはこれまでもあったはずです.しかしそれを手軽に実現する手段が無かった.それをこの1000円カットがいとも簡単に実現してくれた,ということではないかと推測しています.

今日は母親らしき女性が男の子二人を連れて一緒にカットをしてもらっていました.親子三人で行ってもたったの3000円です.隙間のニーズを見事に突いた新しいビジネス.過当競争気味なのが心配ですが,これで個人経営の理髪店や美容室はより一層経営が苦しくなるのではないでしょうか?お金をかけてもゆったりとした雰囲気を楽しむのか,それとも時間とお金を出来るだけ節約したいのか,将来は二極化した業態に分かれていくのかもしれません.

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2005/07/16

カントリー最源流のすごいアルバム

Long Black Veil [FROM US] [IMPORT] The Chieftains,価格: \2,235 (税込)

The_Chieftains-The_Long_Black_Veil私の世代にとって Chieftain(チーフテン)とは冷戦期に有名だったイギリスの主力戦車.プラモデルを作ったおぼろげな記憶があります.

ところでこちらの The Chieftains(ザ・チーフタンズ)はアイリッシュフォークの超有名バンド.哀愁漂うメロディーと素朴な音色の楽器群が魅力です.リーダーの Paddy Moloney はどことなく妖精の一族を思わせる風貌をしていて,まさにケルトの香りが濃厚です.しかもこのケルトの音楽はアイルランド移民とともに海を渡り,アメリカ東海岸はアパラチア山系に根を下ろし,今日のカントリーやブルーグラスの源流となりました.しかもこの流れは一方向ではなく,アメリカのマウンテンミュージックがアイルランドに逆輸入されて相互に影響しあい,フィドルの奏法はどうやらそうやって進化してきたものだそうで,これはとても興味深いことですね.私が愛読しているブログ "フィドル少年漂流記"すばらしい解説があります

さてこのアルバムは The Chieftains が超大物ゲストを招いて共演した価値あるアルバム.これまでにもカントリーやロックのアーティストとの共演は多く,DVDなども出ているのですが,このアルバムも相当すごいです.まず一曲目でいきなり Sting がアイルランド語(ゲイル語)で歌います.二曲目で Mick Jagger が登場.Buena Vista Social Club などでルーツ音楽の発掘に貢献している Ry Cooder も中盤の二曲に参加.そして Tom Jones や The Rolling Stones などの超大物が終盤を飾ります.

これほどの大物ミュージシャンとの共演アルバムをいくつも作り出すことが出来る秘密は何でしょうか?私が想像するに,英米のミュージシャンたちにとって,自分たちのルーツはここにあるという確信,そしてそのルーツを守り育て現代に伝える The Chieftains に対する敬意があるからではないでしょうか?それにしてもすごい.世界中のロックファンは驚いたはずです.

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そろそろ梅雨明け

SummerAtHome2005_012m梅雨も終盤です.お天気が良いには気温がぐんと上がり,しかし湿度は高いままなので蒸し暑いことこのうえありません.梅雨の末期から梅雨明け後しばらくはこの蒸し暑さに悩まされます.夏の日本は,煮えたぎる鍋の中に浮かんだ一枚の木の葉のようなものですね.お盆を過ぎて8月も後半に入ると,湿度が下がって過ごしやすい日が増えるのですが.

木々や草花もずいぶんと移り変わりました.庭に咲く花がどんどんと入れ替わっています.それに合わせるかのように昆虫たちも顔ぶれが代わってきました.今年のトンボはまあまあかな?庭先では蜘蛛の仲間が盛んに巣を張っています.

梅雨明けまで秒読みです.

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2005/07/05

雨上がりの朝

CA250059m夜のうちに雨が降り,今朝は早朝から薄日が差すお天気になりました.右の写真は朝6時頃に家を出た直後の風景です.空の青さはもう夏の色で,南方の空気が日本に張り出してきたということが実感される蒸し暑さです.梅雨明けまではまだ2,3週間かかることでしょうが,夏はすぐそこまで来ています.今年の夏の暑さはどれほどでしょうか?暑さは大の苦手なので気にかかります.

それにしても,このあたりの田園地帯では空が広くてとても気分が良いです.お天気の様子や季節の移ろいが実によく感じ取ることが出来ます.

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2005/07/03

飲茶の夕食

SummerAtHome2005_020m
今日の夕食は飲茶.本場のレストランで食べる飲茶のようにはいきません.例えば小龍包はアツアツのしたたるスープが中に閉じ込められていて,それが食べた瞬間に口の中に飛び出して広がり,時として火傷もするという食べ物なのですが,お店で売っているネタを一般家庭の蒸し器で暖めてもなかなかそうはいかないのです.

それでも味そのものはかなり行けて,このような器に盛り付けて和風に演出すると,それはそれでとても楽しい食事になります.中華チマキも加えるとかなりボリュームも増し,夕食としても十分な量を楽しめます.

飲み物はビールで始めて焼酎のお湯割りでしめましたが,飲茶にも相性が良くて満足しました.すっきりした白ワインでも良かったかも.

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イネ育つ

SummerAtHome2005_009m今日は梅雨の中休み.北東気流が入って関東地方はかなり涼しく,日が射さなかったこともあって過ごしやすい一日でした.自宅眼下の田んぼは5月初めに田植えが終わってほぼ2ヶ月が経ちましたが,イネは青々と育ち,とうとう田んぼの水面がほとんど見えないくらいになりました.5月頃にはうるさいくらいだったカエルの大合唱も,ほとんど聞かれなくなりました.高台の我が家から遠くの田んぼを眺めると,まるで一面の芝生のように見えます.これから梅雨が明けるに従い,イネはますます背を伸ばし,出穂し,開花して秋の実りを迎えることになります.季節の移ろいがはっきりと感じられる場所に住むことが出来て大変幸せです.

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2005/07/02

FreeBSD 6.0がリリース予定!

FreeBSD 5.4 が出たばかりだと思っていたら,もう 6.0 のリリースが近づいているのですね.8月後半にはリリースされるような予定になっています.最近の開発ピッチは以前に比べてだいぶ速くなったような気がします.今回のバージョンアップではどのような新機能が追加されてくるのか楽しみです.無線関係がかなり充実するようですが.

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