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2005年9月

2005/09/25

「雷龍の国ブータンに学ぶ」に学ぶ

リンク: 第8回 雷龍の国ブータンに学ぶ(1) RIETI 経済産業研究所.

最近RIETIのフェローになられた西水美恵子さんのこの一連の著作にハマっています.まずは西水さんにお会いして,それからブータンの国王にお会いしなければならない,などと妄想を逞しくしています.

ブータンといえば,かの国で農業指導に当たり国王から最高位の称号"ダショー"を授与された西岡京治さんのことを忘れるわけにはいきません.この逸話は人気テレビ番組"世界ふしぎ発見"でも特集され,奥様がスタジオに招待されて涙ぐんでおられたのを見た覚えたあります.そして現在でもJICAによる開発援助が行われているのを知っている日本人がどれほどいるのでしょうか?

それにしても世界は広いですね.私たちが知っている世界など,たいした広さではありません.そしてより本質的には,"私たちの理解を越えたところにも世界は広がっている" ということを謙虚に認識できているかどうかが一つの試金石なのですが,これに全く落第しているのが近代西欧の思想世界なのです.オマエしっかりしろよ!と言いたくなるほどの自己中心的世界観.しかし日本も近世以降はこれにハマってしまったのですから,あまり悪口はいえません.

こんなことを書き出したのも,誕生日が過ぎて人生の先が見えてきたからにほかなりません.

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2005/09/23

デジカメはこう進化する (2)

デジカメの進化の第一はクイックリターンミラーを廃止することだと書きましたが,その第二は補償光学の採用です.

レンズの収差にはいくつかのモードがあります.まず本質的な収差として球面収差があります.次が色収差です.さらに歪曲収差があります.これらの収差は複数のレンズを組み合わせたり非球面のレンズを使ったりすることによりかなりの程度解消することが出来ますが,それでも撮像素子の一ピクセル以内に収差を抑えることはなかなか難しいことです.さらに本質的な問題として大気の揺らぎによる像の揺れやボケという問題もあります.

銀塩の乾板やフィルムを使っていた時代であれば,話はこれで終わりだったのですが,撮像素子が世に現れ,画像をコンピュータで処理出来るようになってからは話が変わってきました.あらかじめレンズの収差の特性を詳しく調べておけば,その収差を打ち消すような数学的処理が出来るはずだというのが元々の発想です.こうして補償光学という技術が生まれました.歴史的にこの技術の最初の適用先は衛星写真でした.偵察衛星が地上の画像を詳細に捕らえるためにはこの技術は不可欠です.次の応用先は天文学です.衛星天文台であるハッブル宇宙望遠鏡にも補償光学が最大限適用されています.

やっと本題にたどり着きましたが,これをデジカメ本体,あるいはその処理ソフトに生かせばよいということを言いたかったのです.ちなみに代表的なフォトレタッチソフトである Adobe Photoshop の最新版 CS2 では,色収差がかなりの程度補正できるようで,これはかなり画期的なことです.

しかし本当に補償光学を生かすためには以下のことを行わなければなりません.まずレンズ特性のデータベース化です.単焦点レンズの場合には,全ての絞りと合焦距離の組み合わせにおいて,撮像面の全ての位置における収差の情報を測定し,特定のフォーマットでデータ化します.ズームレンズであれば,これに加えて全ての焦点距離に対して上記のデータをそろえる必要があります.次に,カメラに内蔵されたソフトウェア,またはパソコン上で使用するソフトウェアは,撮像素子が捕らえた画像データをレンズのデータベースを用いて演算し,収差を打ち消すような処理を行う必要があります.この処理はかなり重たい処理となることが予想されますので,カメラ内臓のソフトウェアの手に余る可能性が大です.その場合には,カメラからパソコンに取り込まれた後で,Photoshop のようなソフトウェアで処理を行うことになります.

この技術のメリットは,レンズに対する収差補正の要求を大幅に緩和させ,レンズをもっと低コストで小型軽量のもので済ませることが出来るという点にあります.現状では,あらゆる収差を良好に補正するためにレンズの枚数が増え,高価なレンズ材料が必要となり,光学設計も非常に複雑で時間がかかるものとなっています.しかし補償光学を使えば,多少の色収差や歪曲収差は画像処理で救済することが出来ますので,大幅なコスト削減が可能となります.

補償光学が全面的に採用された後のデジカメは,ある意味において画像取得ターミナルです.もはや高価で重たいレンズは必要ありません.生の画像の質は悪く収差だらけですが,それをパソコンで処理することにより収差の少ない十分な画質のデータを再構成できるようになります.こういう世界がきっとそのうちやって来ると思うのですが,いかがでしょうか?

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2005/09/18

実りの秋

CA250076m猛烈な残暑が数日続いて体がまいりかけた頃,やっとまともな秋風が吹き始め,9月15日からは本格的に秋めいてきました.ふと気がつくと,右の写真の栗の木のようにたわわに実をつけている果樹が多いではありませんか!夕方暗くなるのがすっかり早くなって戸惑っている人も多いことでしょう.いよいよ秋になったのですね.今年の夏は暑くてつらかった.仕事もつらかったけど・・・

木々の葉もだいぶ痛んできて,葉を落とす準備に取り掛かっているものが随分あります.あと一ヶ月もするともう紅葉の盛り.日本の秋は短くてもったいないです.

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2005/09/17

アキバが進化する

CA250075m昨日9月16日,秋葉原駅東口でヨドバシカメラの巨大店舗が開店しました.8月につくばエクスプレスのターミナル駅が地下に開業したのとほぼ時期を合わせての開店です.駅西口には4月に高層のダイビルが完成しており,さらにその隣には巨大なフットプリントのUDXビルが建設中です.右の写真は開店直前のヨドバシカメラをダイビルから見下ろした夜景です.

西口には以前は神田青果市場がありました.現在のUDXビルの位置です.私は良く覚えていますが,駅から市場に沿って歩く商店街には青果や乾物を扱うお店が軒を連ね,夕方ともなると市場勤めの人たちが路上のカウンターで立ったまま酒を飲み肴をつまむ大変庶民的な街でした.市場は夕方早めに閉まるので街全体も夜は早く,8時を過ぎると開いているお店を探すのが難しいくらいでした.

市場が取り壊され,駐車場と広場になっていたのが90年代です.ストリートフープとスケートボードの若者が駅のまん前の広場で遊んでいたのがつい昨日のようです.などと懐かしんで見せたところで,さらに年配の人たちに言わせると省線の万世橋駅の話が出てくるので,さすがにそれにはついていけません.

ラジオや無線のジャンク市から始まって電気製品と電子部品の街,パソコンパーツの街,オタク文化の街と変遷を遂げてきた秋葉原ですが,つくばエクスプレスとヨドバシカメラの進出で再び大きな変化が生じるのかもしれません.私自身は学生時代から電子部品の調達で足繁く通った街であり,さらに90年代に入ってからはパソコンパーツの街として馴染んできました.90年代にはすでにコスプレ写真スタジオやメイド喫茶のはしりがあり,週末には怪しげな露天商も増え,だんだんとカオスの街の様相を強めてきたように思います.特に芳林公園北側と東側の数ブロックが最もディープな地区で,新しい変化は常にこのあたりから発生してきました.しかし,つくばエクスプレスとヨドバシが東口に出来たことで,アキバの人の流れも変わっていくのかもしれません.

日本の中で最も変化が激しく文化的にも最先端?を走るこの街の変化を,これからも見守っていきたいと思います.

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2005/09/10

デジカメはこう進化する (1)

デジタル一眼レフは成熟期にさしかかっているように思えます.黎明期の陣取り合戦はほぼ終息し,APS-C サイズの撮像素子が主流となることは確実になりました.それを見届けたかつてのカメラファンが続々とデジタル一眼レフに乗り換えつつあります.このカテゴリーですら低価格化は著しく,シェア上位を取って物量がはける上位2,3社しか開発競争を続けることは出来なくなるでしょう.

さて,35mm 銀塩一眼レフに慣れ親しんだ者にとって最大の違和感はレンズの焦点距離と画角の関係です.イメージサークルが小さくなった分,同じ焦点距離でも画角が小さくなり望遠側にシフトしたのと等価になります.その結果広角レンズは 10数mm というごく短い焦点距離が当たり前になり,その光学設計にはかなりのしわ寄せがいったはずです.当然広角ズームは大きく重く高価になってしまいました.

本来であれば,35mm の光学系をそのまま相似縮小すれば良さそうなものなのですが,それを阻むものがあります.そう,バックフォーカス距離です.レンズマウントから撮像素子の間にはクイックリターンミラーがあるため,その間の距離をある程度以上取らざるを得ません.それはレンズ設計にじかに跳ね返り,特に広角系の設計を難しくしているはずです.

しかし,私は数年以内に新しい規格が立ち上がるのではないかと見ています.それはクイックリターンミラーを廃止した新しい一眼レフのアーキテクチャです.この構造においてはミラーはありません.撮像素子が得た画像を小型のディスプレイでファインダー光学系に映すようにすれば良いのです.ファインダー光学系のサイズで VGA(640X480):30万画素のディスプレイが出来るようになればこの問題はほぼ解決します.さらに SVGA(800X600):48万画素や XGA(1024X768):80万画素であれば申し分ありません.現在でもビデオカメラには電子ビューファインダーが搭載されているので,これを高精細にすればよいことは誰でも考えつくことです.

ミラーを廃止することのメリットは大きいはずです.まず上記のバックフォーカス距離の自由度が拡大されます.これによりレンズのサイズ,重量,コストを下げることができます.次にミラーのスプリングをチャージし高速駆動させるメカニズムが不要になります.これによりボディのコストも相当低減できるのではないでしょうか?

欠点は,一眼レフカメラ特有のシャッター音が聞かれなくなることです.これを重要と思う人向けには,シャッター音をスピーカーで出せるようにすれば良いでしょう.また,これまでの規格との互換性はありませんから,しばらくは規格が並立し混乱することになります.しかし技術の方向性は確実にこの方向だと思うのですが,いかがでしょう?

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2005/09/03

一つ格上のカントリーポップ

On Your Way Home [LIMITED EDITION] [ENHANCED] [FROM US] [IMPORT] Patty Loveless,価格: \2,432 (税込)

Patty_Loveless-On_Your_Way_HomePatty Loveless のルーツは,8月にポストしたレビューで説明したとおり土臭いブルーグラス,それもアパラチア山系のマウンテンミュージックにあります.それらをベースにしたカントリーポップをしっかりした歌唱力で歌い上げるのが彼女の一番の特徴でしょう.特に歌唱力の確かさは聴いていて全く危なげがありません.まるで日本のベテラン演歌歌手が歌っているかのよう.それでいて小節のまわし方に Dolly Parton のようなしつこさが無いので,それほどねちねちとは感じず気持ちよく楽しめます.バックの演奏やアレンジ,録音なども全て標準以上のレベルですが,カントリーポップとしては当たり前のことながらフィドルを大変効果的に使っているのが耳にとまります.

このアルバムには特典として DVD が付いてきます.映像の質はアメリカの音楽 DVD としてはまあまあ.数曲分の映像が楽しめますのでなかなかお買い得です.ジャケットも素晴らしい出来.

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