謹賀新年 2006
明けましておめでとうございます.21世紀も今年で6年目を迎えることになります.例年にならって私自身の昨年を振り返り,今年の展望や希望を簡単に書いてみたいと思います.
まず昨年は3月に職場がかなり遠くに移転となり,毎日特急電車で通勤することになってしまいました.これはこれでなかなか楽.しかし1ヶ月も経たない4月には今度は都心へ転勤となり,仕事の内容も大きく変わりました.本社スタッフの一人として,これまでとは異なる視点と価値観で物事を見る必要に迫られました.これまでずっと現場のラインにいた者としては,驚いたり認識を新たにしたりと気の抜けない日々が続いています.また会社の中枢で幹部と日々接しながら仕事をするという経験もこれまでに無かったことで,当初は大変緊張して我ながら情けない思いをしました.今ではこういう仕事のスタイルにもようやく慣れてきましたので,ようやく自分なりのスタイルで仕事が出来るようになりつつあります.
バブル崩壊後の長い不況をようやく抜け出しつつある日本の経済界ですが,それぞれの会社には特有の課題が残っています.私が勤める会社では,長く続いたビジネスモデルが通用しなくなったにもかかわらず,新たな経営環境に適応することが出来ずにもがいている場面が多く見られます.より具体的に言うと,規制に守られた業界を最重要顧客としてきた長い歴史があるため,それに合うように会社の組織や経営の仕組みが最適化されていたのですが,規制緩和とともに顧客が従来とは異なる動きをするようになり,その変化にいまだ適応することが出来ずにいるというのが実情です.変化にすばやく適応するには,これまでのようなボトムアップの官僚機構手続きでは限界があります.強いリーダーシップが期待されるのですが,それは危うさとも紙一重のところがあるために決断が付かず,外からはぐずぐずしているように見えるというのが実情です.経営環境からのもっと強力な圧力がかかり,いったんは解体して業界再編を含めて出直すくらいの荒療治が必要なのかもしれません.
約3年ぶりの都心勤務となったわけですが,当時勤めていたビルは目の前で解体されて建て替え中です.長く続いた基礎工事が終わり,毎日鉄骨が組みあがっていくのを見ていくのは楽しみなものです.今はまだ見下ろす立場なのですが,しばらくすると見上げることになるのでしょう.完成すればかなりの高層ビルになると思いますので,また少し人の流れが変わるのかもしれません.
一昨年は日本での自然災害が大変多い年でしたが,年末にインドネシアで大地震が起き,津波で大勢の人命が失われました.それを皮切りに昨年は世界中で大規模な自然災害が多く起きました.アメリカ南部のハリケーンしかり,パキスタンの大地震しかりですが,自然災害の被害を見るにつけ,その半分以上は人災もしくは人間社会の不備により発生しているような気がしてなりません.援助物資が海外から送られても,現地の "劣悪な統治" のせいで物資が闇市に流されて被災者には届かず,代金は腐敗した役人と地域の実力者の懐に入るという話はよく聞きます.
このような国家や地域では "テロリスト育成の三条件" である "貧困" と "差別" と "劣悪な統治" がセットで揃っている場合が多く,将来に絶望した純真な若者たちがプロのテロリスト集団に絡め取られ,自らの命を差し出して国際社会に訴えるという行動が生じます.開発援助に関する西水美恵子さんの論文を読むにつけ,世界にはまだまだ正義と希望を待ち望んでいる人たちがいかに多いかということを思い知らされます.昨年は久しぶりに UNICEF に寄付をしました.
一昨年の2004年11月に2台目のコンパクトデジカメを買い,それからほぼ一年後の昨年2005年11月にはデジタル一眼レフを買いました.これにより写真を取る機会が増え,このブログにも一部を載せるようになりました.一眼レフを触るのは久しぶりでしたが,やはり長年慣れ親しんだ感触はうれしいですね.今回買い求めたカメラはクイックリターンミラーの動作が遅く,像の消失時間が長いのが玉にキズですが,コンパクトデジカメとは次元の違う写りには大変満足しています.現在市場に出回っている大部分のデジタル一眼レフは,APS-C サイズと呼ばれる 35mm フィルムよりは一回り小さな撮像素子を使っています.これは撮像素子が高価なためですが,昨年あたりからいよいよアマチュア向けの 35mm フルサイズのデジタル一眼レフが世の中に出始めました.まだまだ私にとっては高嶺の花なのですが,広角レンズを多用したりボケ味を楽しんだりする向きにはうってつけです.早く安くならないでしょうか.来年の今頃は手に入れているかも・・・?欲しいなぁ.
ここ4, 5年ほど買い続けているカントリー,特にブルーグラスの CD がだいぶ増えてきました.これまでは Amazon.com から送られてきたダンボール箱をそのまま部屋の床から積み上げていたのですが,さすがに CD を探すのに不便ですし,地震のときに荷崩れしないかと心配です.そこで決心してCDの収納家具を買ってしまいました.400枚ほどは収容能力があるので,まだ半分ほどしか埋まっていません.これから居間に加えて書斎にも小さなオーディオセットを置こうかと考え,カタログを眺めて楽しんでいる段階です.ピュア・オーディオの世界はもう何十年も死んだも同然の業界なのですが,団塊の世代が引退すると同時にかつての賑わいを取り戻すのかもしれません.デジタル・オーディオにしろスピーカにしろ,当時から比べると技術は進歩しており,音の質は格段に進歩しています.
一昨年2004年9月に書き始めたこのブログも,もう一年以上が経ちました.カウンターをつけたのが昨年の1月なのでそれまでの来訪者の数はわかりませんが,一年経っても1万人はいきませんね.残念.一日平均で30人にも届かないということです.もう少し写真を増やしてビジュアルにすれば,そしてより一般受けする内容を書けば来訪者は増えてくれるのかもしれませんが,まあ自分のための日記ですから,そこまですることもないかと思っています.
今年はまったオンラインサービスに "Google Earth" があります.世界中の衛星写真を Web ブラウザで自由自在に見ることが出来るサービスなのですが,インターフェースというか,ある地点からもう一つの地点に移動するときのズーム・アウト,ズーム・インの動作が素晴らしくよく出来ていて,まるで高度な宇宙船に乗って地球を観察している宇宙人になった気分です.衛星画像そのものは民生用としてはトップレベルで,ある国の軍部からは,軍事施設が丸見えになるのでサービスを休止するよう圧力がかかったほどです.
私は,これまでに自分が住んだことのある家やアパート,そして勤務したことのある建物を多数登録し,連続再生して自分のこれまでの足跡を辿って楽しんでいます.楽しかったこと,つらかったことが次々に思い出されて涙ぐんでくるほどです.年をとったということなのでしょうね.
昨年は自分自身の健康状態は比較的良好でしたが,老化は確実に進行していると自覚しています.飛蚊症がだんだんひどくなり,飛んでいる蚊の数がだいぶ増えてきました.一方で両親が本当に高齢になってきたので大変気をもんでいます.昨年はとうとう父親の体に癌が見つかり,摘出手術をするという事件が起きました.幸い予後の経過は順調なようなので一安心していますが,年末以外の時期に早めに帰省して様子を確かめるということもやりました.
今シーズンの冬は暖冬という予報が見事に外れ,12月早々から厳しい寒さに見舞われています.北極振動という偏西風の蛇行パターンがちょうど日本に寒気をもたらすようになっているのだそうです.この蛇行パターンはしばらくの間は続くはずですが,もう1ヶ月以上続いているのでそろそろ変化が見えてきても良いはずです.年明けの1月,2月はもう少し暖かくなってくれることを期待しましょう.原油の高騰で灯油の値段は例年の2倍です.今年は暖房費がだいぶかかりそうなのでたまりません.北海道では昔から,食費を削っても暖房費は削るなと言われているそうです.どちらが命にとって重要かということなのでしょう.
さて,皆さんの昨年一年間はどのような年だったでしょうか?ひょっとすると楽しい思い出よりもつらい思い出が多かったかもしれません.しかし今年こそは楽しい思い出が多い年であることをお祈りいたします.長いおしゃべりにお付き合いくださり,どうもありがとうございました.
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