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2006/01/21

サダム国際空港でのライブ映像がすごい

Everything [from US] [Import] Chely Wright,価格: \1,849 (税込)

Chely_Wright-EverythingChely Wright の CD と DVD の2枚組ですが,通常の CD のほうは曲数が6曲しかありません.第2曲目のアルバムタイトルにもなっている "Everything" は新曲だと思うのですが,例のざらつきのある彼女の声が聞く者の官能をくすぐるのはいつもの通りです.

しかしこのセットが面白いのは付属DVDに収められている映像がすごいからです.どうすごいのかというと大部分が世界各地の米軍の慰問コンサートツアーのハンディカメラによる記録映像だからです.日本では民間空港に到着後,新幹線に乗ってどこか地方に行っています.空港の感じが成田ではないように見えたので,行き先は横須賀ではないようです.時期は2002年の2月と彼女自身が言っていました.寒そうだったのでひょっとすると三沢かも.

韓国にも行っています.現地の空軍基地で複座のF16に試乗して宙返り飛行をやっています.ソウルでの慰問コンサート会場には何とブッシュ大統領夫妻が登場.非武装地帯でも慰問ライブをやっています.会場は食堂のようなところ.まさに慰問ですね.

しかし,しかし,何といっても圧巻はバグダッドです.サダム国際空港の巨大な格納庫の中での慰問コンサート.集まった観客は相当の数です.大音響の中,軍服の大群衆の中で華奢な女性歌手とバックバンドが危うげに異彩を放つこの光景は以前にも見たことがあります.そう,映画 "地獄の黙示録" の一シーン.プレイメイトたちがジャングルの中の基地を慰問するシーンです.プレイメイトたちが踊った曲は Creedence Clearwater Revival の "Susie-Q" でした.コッポラは戦争の狂気が高まっていく導入にこのシーンをうまく使いました.それから30年ほど経ったバグダッドでの慰問コンサートではベトナムのような狂気は見られませんでしたが,この映像は見ようによっては様々な思いに駆られるものを持っています.なぜアメリカは中東の大国の首都を占領し,その空港でこれほどのやりたい放題をやっているのか・・・あるいは,アメリカはなぜサダム国際空港の "Saddam" という悪名高い残虐な独裁者の名前を消さないで残しているのか・・・でも彼女のメッセージの最後は "みんなお家に帰ろう" で,会場が大いに沸いていました.

カントリーの歌手が世界中の米軍を慰問するのはそれほど珍しいことではないようで,日本にも私たちが知らない間に相当の数の来ているはずです.その途中で基地以外のところにもドロップ・バイしてくれませんかね?

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コメント

CD-Single である "The bumper of my S.U.V." の歌詞から推測すると,日本で慰問に行ったのはヒロシマの近くではないかと思います.そうすると岩国の海兵隊しかありませんね.三沢と書いたのは間違いだったようです.

投稿: 俊(とし) | 2006/01/29 12:03

はじめまして。
私もブルーグラス・カントリー系の音楽が大好きなので
興味を持ってみさせていただきました。

このアルバム&DVD、惹かれますねぇ。
是非観てみたいです。

投稿: Fummy | 2006/02/01 11:17

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