大御所だけどまだまだ現役
It Always Will Be [from US] [Import] Willie Nelson,価格: \1,849 (税込)
カントリー界では無形重要文化財と言っても良いくらいの歌手なのですが,最近の姿かたちはますます渋くて格好いい不良老人を気取っているように見えます.2002年に出したアルバム "The Great Divide" にもそれが色濃く出ていましたね.日本の音楽界で言えばかまやつひろしかな?
さて押しも押されもせぬ大御所の近作は,上記の The Great Divide 同様に豪華なゲストをちりばめた秀作.Lucinda Williams や Norah Jones との共演と聞けばすぐにでも買いに行きたくなるでしょ?この辺りのマーケティングのセンスが実に良いんですよね.でも少々商業主義的やりすぎの感がしないでもありません.
ま,いずれにせよ,端正で伸びやかなテノールの切れ味は全く衰えておらず,相変わらずの危なげない歌声に安心して聞きほれることが出来ます.この人の歌声は,良くも悪くもカントリー男性歌手の一つの "標準" なので,よく聞き込んでおくと良いと思います.世の中には,この鼻にかかったテノールが嫌いでだから男性カントリー歌手は聞きたくない,という人もいるのですが,私はむしろ Norah Jones の薄っぺらで深みの無い歌声のほうが聞いていて気になりました.まだ若いのでこれからを期待するしかありませんが.
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コメント
しばらく時間をおいて再びこのアルバムを聞いてみたのですが,第9曲目のNorah Jonesとのデュエット"Dreams Come True"に関する感想は変わらず.
しかし,第10曲目のLucinda Williamsとのデュエット"Overtime"には目を開かされました.最初の数フレーズはいかにもLucinda節で,このまま行くとLucinda色に染まった曲になるのかと思いきや,直ちにWillie節が追いついて,しかもしばらくするうちにその二つが見事に融合していくではありませんか!素晴らしいの一語に尽きます.このアルバムは傑作かも.
投稿: 俊(とし) | 2006/02/26 21:09