涙が出るほどのGladys
Platinum & Gold Collection [Original recording remastered] [from US] [Import] Gladys Knight & The Pips 価格: \1,641 (税込)
Gladys Knight & The Pips は Motown レーベルの売れっ子スターとして,1960年代には盛んにラジオから歌声が流れてきたグループです.特に日本名で "夜汽車よジョージアへ",オリジナル名" Midnight Train To Jeorgia" は大ヒット曲として当時小学生だった私の脳味噌へもしっかりと刻み込まれている名曲です.
それから時は流れて約20年後の1980年代後半,AIDS救済キャンペーンの代表曲となった Dionne Warwick, Stevie Wonder, Elton John らとのジョイントキャンペーン曲 "That's What Friends Are For" のアーティストに彼女が含まれていたことに敏感に反応したのは私だけではなかったでしょう.あっ Gladys!ってね.
本アルバムは,膨大な数が出ている彼女のアルバムの中で Buddha レーベル時代のベスト盤だそうで,一応オリジナル盤のリマスターということになっていますが,何しろ録音は60年代.レコーダは Studar か Revox か Ampex かわかりませんが(多分 Ampex でしょう)所々音がクリップされているのがはっきりとわかったり,お世辞にも良い録音とはいえません.ですが当時のAM放送や45rpm盤ではこれでも十分だったのですね.
しかし録音が良くなかったとしても当時の感動は全く損なわれることはありません.弦楽器をふんだんに使った当時のアレンジは今ではとても贅沢で新鮮に聞こえます.そして何よりも Gladys 彼女の張りのある歌声は素晴らしく,聞き返していると当時の時代感覚がよみがえってきて涙が出てくるほどです.冷戦真っ只中の,ベトナム戦争と,毎年夏になると Washington D.C. で黒人暴動が起きていたあの時代です.
このアルバムの第一曲目は大ヒット曲 "Midnight Train To Georgia" ですが,第5曲目の "Best Thing That Ever Happened To Me" も彼女のソウルフルな歌声を楽しめる名曲です.そしてアルバム最終の第12曲 "The Going Ups and the Coming Downs" はこのベストアルバムを締めくくるにふさわしい感動の一曲.名曲は時代を選びませんね.
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コメント
俊さん、こんにちは。
「音楽」ジャンルにソウル系のartistを登場させたのは初めてではないでしょうか。それも、Gladys Knight & The Pipsというのが"深い"ですねぇ。
ところで、Buddahとの契約は1973年からでしから、録音は1970年代になっています。60年代とさほど機材が代わっているともおもいませんが(^^;。
個人的には、彼女らは何といってもBuddah以前のMotown後期に惹かれます。70年代前半ではもっとも充実していたLady Soulの一人はGladysだったと断言してしまいましょう。ただ、MotownのCD化は量がありすぎるためか、あまり進んでいないんですよねぇ。
投稿: 伊 謄 | 2006/03/09 00:39
伊さん,コメントありがとうございます.いつも教えられることが多くて感心します.それにしてもGladysは素晴らしいソウル歌手だと思いますよね.
投稿: 俊(とし) | 2006/03/10 21:59