Jerry Douglas 余裕のパフォーマンス
The Best Kept Secret [from US] [Import] Jerry Douglas
Jerry Douglas は Alison Krauss and Union Station のメンバーであると同時に,それ以前から Dobro の第一人者として知られています.日本ではあまり耳にすることが無い "Dobro" ですが,これは Gibson 社の登録商標で,一般名詞としては Resonator Guitar と呼ばれるように,ギターの胴の部分に大きな金属板の共鳴器があり,独特の金属的な響きを出す楽器としてブルーグラスには欠かせない存在です.以前このブログでも紹介した AKUS のライブ DVD を見ればすぐにわかるのですが,Dobro の奏法はギターとは異なり,胴を弦が水平になるように構え,左手で弦を押さえながら右手で弦をはじきます.上記のライブ DVD では Jerry Douglas のソロが2曲収録されていますが,いずれも彼の実力を知らしめるに十分な,抜群の技法が冴え渡る逸品です.
このアルバムは 2005 年の issue ですが,Alison Krauss や Sam Bush などの一流どころをゲストに迎え,危なげない余裕のパフォーマンスを披露してくれます.演奏している当人たちも楽しんでいるように聴こえます.一方内容の音楽的統一感は乏しく,商業的な匂いが若干するのが残念なところ.アルバム中のベストを上げるとすれば,第8曲目の "Snow's First Fall" でしょうか.見事なアンサンブルが楽しめます.
全編 Dobro のソロというアルバムを出してみる気は無いでしょうか?フィドルくらいはあったほうが良いかな?
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コメント
私もこのアルバムを去年の発売直後に入手しましたが、
実はあまり聴いてませんでした。
「音楽的統一感が乏しい」ということばを目にして納得です。
私もドブロのソロを出して欲しいという意見には賛成です。
客寄せにAlison Kraussが一曲歌うというのは私的にはOKですが・・・
投稿: たいちょ~ | 2006/06/11 12:06
全曲のうち 1/3 程度には Alison Krauss のフィドルが入り,2, 3曲には彼女がヴォーカルを入れる,というアルバムはいかがでしょうか?ヴォーカルとドブロだけではバランスが悪いので,バンジョーやマンドリンも入れるのかな?
投稿: 俊(とし) | 2006/06/11 19:22
俊さん、こんばんは。
Jerryさんのテクニックは、ずば抜けて凄いですね。
カントリーやブルーグラスを聴いて一番感じるのは、
みなさんおしなべて演奏技術が高いということ。
デビュー・アルバムでも驚くほどテクニックあるし、、、
(16才のバンジョーの娘とか、、、)
まだまだ奥が深そうですなぁ。
名盤探索の旅は続くのであった。 (^^ゞ
ではでは。
投稿: nanmo2 | 2009/05/17 18:28
Dobro といえば,Blue Highway の演奏も聴いてみてください.とにかく流麗そのもの.Jerry Douglas が叙情的な泣きの Dobro だとすると,Blue Highway の Rob Ickes の演奏は谷川のせせらぎでしょうか?どちらがお好みですか?
また,Jerry Douglas の演奏は,ぜひとも AKUS のライブ DVD でお楽しみください.これは本当に素晴らしいコンサート DVD です.
投稿: 俊(とし) | 2009/05/17 19:11
俊さん、情報ありがとうございます。
Rob Ickesさんも良いですね。
>どちらがお好みですか?
Robさん聴き込んでいないので、まだ分からずです。
修行は続くのであった。 (笑)
ではでは。
投稿: nanmo2 | 2009/05/17 23:57