« 丁寧な音作りが光る Dixie Chicks 最新アルバム | トップページ | ブルーグラス期待の新トリオ »

2006/06/18

事例の羅列ばかりで期待はずれ

環境共同体としての日中韓  集英社新書 - 東アジア環境情報発伝所 (編集),寺西 俊一

Teranishi_shunichikankyo_kyodoutai_toshi

タイトルに惹かれて購入しました.2006年4月にポストした書評の末尾に,環境保護を基軸にした国際的な地域協力政策の提案をしましたが,それにぴったりのタイトルだったからです.大いに期待して読み始めました.

この本は日本,中国,韓国で深刻化する環境問題と,それに対する政府や NGO などの取り組みを羅列的に紹介したものです.現在の状況全体を概観するには大変コンパクトにまとまった良い本だと思います.私にとっていくつか新しい発見もありました.たとえば韓国での暗渠化した都市河川を再生する試みや,中国農村でのバイオマスの利用状況などは,へぇー意外に進んでいますねぇ,と感心できるレベルです.

しかし私の問題意識のはるか手前で話が終わっており,期待は見事に裏切られました.個々の事例にとどまらず,日中韓,さらに台湾やロシア,モンゴルも加えて,環境保護を軸にした国際的な地域協力を進め,それがひいては地域の相互利益と政治的安定につながるような骨太の政策提言が欲しかったのですが,そのような全体像を語れる人がまだ育っていないのかも知れません.特に環境問題はエネルギー問題と密接に関係しますので,エネルギー問題と環境問題の両方の専門的知識を兼ね備えた見識,あるいは両者の密接な連携が必須となります.

私の期待はむしろ,総合研究開発機構 (NIRA) の調査 "北東アジアエネルギー・環境共同体への挑戦" によって応えられているような気がします.余裕があればこちらを読んでみようと思います.

| |

« 丁寧な音作りが光る Dixie Chicks 最新アルバム | トップページ | ブルーグラス期待の新トリオ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 事例の羅列ばかりで期待はずれ:

« 丁寧な音作りが光る Dixie Chicks 最新アルバム | トップページ | ブルーグラス期待の新トリオ »