重厚なバリトンのリフレイン再び
American III: Solitary Man [from US] [Import] - Johnny Cash
鬼才プロデューサ Rick Rubin を迎えての American Recordings シリーズ (*1 *2) の第三作です.このアルバムは 2000年の Issue なので,亡くなるつい3年前ということになります.録音はその少し前なのでしょうが,それにしても若い頃から自分らしさを貫いた Johnny Cash にふさわしく,どんな曲も Johnny 節になっているところが見事です.しかも老境の暗さ,重さが加わって聴くものの心にずしりと応えます.あー!来ますね.
ところが第9曲目の "Field of Diamonds" は Sheryl Crow とのデュエット.こういうサービス精神も多少はあるので,重厚なカントリーが苦手な向きもぜひご一聴ください.もっとも私はこのデュエットは失敗だったと思いますけど.
第一作に立ち返る意思があったのか,楽器はほとんどの曲で生ギター一本.しかもオンマイクで高調波成分の多い擦過音を強調して拾っていますので,Johnny Cash の重厚なバリトンとあいまって,独特の深みのある存在感を出すことに成功しています.録音やミキシングは至ってシンプルに聴こえますが,実際には大変丁寧なことをやっているのでしょう.
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