Tasha Tudorの真髄を伝える
2006年12月25日にNHK総合で放映された番組 "ターシャからの贈り物 魔法の時間の作り方" をご覧になった方は少なくないと思います.この番組は,アメリカの有名な絵本作家,そして究極のナチュラルガーデンのガーデナーとして有名な Tasha Tudor (*1 *2) の最晩年を描いたものです.彼女の居宅にカメラを持ち込み,彼女のひ孫までを含む家族との交流を通して,彼女が大切にしている価値観を余すところなく語らせている,ドキュメンタリー作品としても最高レベルの番組です.第一作目は2005年8月31日に NHK BS-hi で放映された,喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー 四季の庭で,今回はその第二作目.この第二作目もきっと DVD 化されることでしょう.
広大な美しい庭もさることながら,彼女が大切にしている19世紀初頭のアメリカの生活様式や価値観,そして四季と年中行事を大切にする心,家族とのつながり,人生の喜び,これらのものが渾然一体となって彼女の世界を語りかけてきます.現代の日本で彼女がこれだけ多くの人々から共感を受けるのは,日本人が失いかけているある種の普遍的な価値感を,彼女がしっかりと,どんな境遇においてもぶれずにもち続け,語り続けてくれるからでしょう.
私が最も心打たれたのは一族総出で行うろうそく作りです.蜜蝋を溶かし,それをタコ糸に吸わせ,表面に蜜蝋の薄皮を幾度となく重ねては乾かすという作業をくりかえして作られる昔ながらのろうそく.ターシャが必要とする一年分をまとめて秋に作るのですが,その数なんと1,000本.このろうそくが Tudor 家の大きなクリスマスツリーも照らします.まさに19世紀初頭の生活様式そのものなのでしょう.
この番組を作成したNHKの功績は大したものです.世界的に有名なカリスマ絵本作家であり,世界中のガーデナーが憧れる庭には,世界中から取材が殺到しているはずですが,NHKだけが彼女の信頼を勝ち取り,そしていかにも彼女が納得しそうなドキュメンタリーに仕上げています.私はこの作品を見ただけで NHK の受信料を払う気になりました.これだけ高い質の作品を作ることができる番組制作会社は,世界広しと言えども片手で指折り数えられるくらいしかありません.そのようなコンテンツ・クリエイターを持っている私たち日本人は,NHK を誇りに思うべきですし,その実力を世界に向かって活用すべきです.
第一作は2007年1月29日20時から,第二作は翌日30日の20時から,ともに BS-hi で再放送予定です.
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コメント
まあ,これほど有名なファミリーならば当然なのですが,こんなものもあります.
http://www.tashatudorandfamily.com/
投稿: 俊(とし) | 2007/01/13 21:49
第一作,第二作の再放送は予定通り行われました.
投稿: 俊(とし) | 2007/01/31 21:15
録画した後で比較して気が付いたのですが,第二作目の再放送では,一度目の放送では省略されていたシーンが追加され,作品そのものも18分ほど延長されています.音楽もわずかながら変わりました.
投稿: 俊(とし) | 2007/02/02 22:01