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2007年2月

2007/02/26

フォーク・ロック有望の新顔

Migrations [from US] [Import] - The Duhks

比較的新しいフォーク・ロックのグループです.男性3人,女性2人という構成.初めて彼らの CD を購入して聴きましたが実力十分ではないでしょうか?乾いた声の女性ヴォーカルがバンド全体の雰囲気を作っています.このヴォーカルですが,二人ともなかなかの実力派で,音程の安定感はもとよりリズム感が素晴らしいです.また楽器のパフォーマンスも欠点を探すのが難しいほどです.特にフィドルはなかなか良いです.曲はいろいろな人の作品を持ってきているようですが,全体としての統一感もありアルバムとして良くまとまっています.

これからどういう方向に行くのか,トラディショナルでいくのか,それとも前衛へ走るのか,まだ何ともいえませんが,しかしこれだけの基礎的な実力があれば,どの方向へ行くにせよ音楽性をいかに高めていくかが課題ですね.そのためにも自ら曲作りに励んでいくべきなのかもしれません.

このアルバム自体は,なんと Tim O'BrienGary Paczosa の共同プロデュース作品.生みの親というか助産婦というか,超一流の人たちの後ろ盾があったのですね.道理で妙に録音とアレンジが良いと思って聴いていました.

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2007/02/25

やっぱり最高だったFame!

フェーム 特別版 - 出演: Irene Cara, Lee Curreri, Laura Dean, Antonia Franceschi, Boyd Gaines, etc. 監督: Alan Parker

1980年の作品.当時私は20台半ば.映画自体はハイティーン向けの内容なのですが,映画館で見て大変感動したことを覚えています.そんな作品を今頃紹介するのはつい最近テレビで放映されたからで,もちろん私は録画して楽しみました.これほどの有名作は当然 Wikipedia でもエントリーされています.

シナリオが大変良く出来ています.ニューヨーク市の公立の芸術専門高校の入学試験から始まって卒業式までの4年間のエピソードなのですが,何人かの学生に焦点を当て,彼らの野心,悩み,苦しみ,そして希望を,彼らの若さに寄り添うように描きます.共通しているのは,若さゆえに荒削りで素朴な "有名になりたい!" という衝動.それが痛いくらいに上手に描かれています.またストーリー自体は少しもハッピーなことばかりではなく,つらく痛ましいことも多いのですが,適度に笑えるギャグが散りばめられていることもあって,それほど沈うつな気分になることもありません.

この映画を改めて見て思うのは芸術の中に占めるダンスの比重の大きさです.人間の肉体の躍動は五感を刺激しますね.映画中で何回かミュージカル仕立てで大勢の若者が歌,楽器,ダンスの全てを爆発させるシーンがあります.学校のカフェテリアでの "Hot Lunch Jam" は前半の代表作です.また Bruno の父親がタクシーの屋根のスピーカーから音楽を流したことから,学生たちがストリートを埋め尽くして踊り騒ぐ場面も大変刺激的で有名ですね.

初めてこの映画を見てからもう25年以上も経ち,あのような若者たちに共感できるような年齢ではないはずなのだがなぁと思いつつも,見るとやっぱり血が騒ぐ!この作品の素晴らしさはそこなんでしょうね.映画の成功を受けて,連続物のテレビドラマが制作されたり,オフブロードウェイやロンドンのウェストエンドのミュージカルも人気を博したそうです.

えー!?と思ったのは,自らのホモセクシュアリティに悩む繊細な赤毛の青年 Montgomery McNeil 役の Paul McCrane って,確か ER で辣腕医師の Robert Romano を演じていたんじゃないの?改めて両役の写真を眺めてみると,おーっ!確かに!

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2007/02/24

トサミズキ開花

Springhome_feb2007081m

自宅の庭の春告げ花であるトサミズキ2005年には3月21日に開花したとこのブログに書き込みました2006年にも偶然なのか同じく3月21日に開花の様子を書き込んでいます.どうも変だと思ったら,この日が祝日だからなのですね.家にいて時間に余裕があるので写真を撮ったりブログの書き込みが出来るというわけです.

さて2007年は何とこれらよりも一ヶ月弱早めの2月24日です.今日は昨日の比較的温かな雨とはうって変わって,冷たく強い北風が吹く冬晴れの一日.まだ花びらが開きかけたという程度で,花穂が垂れ下がるという状態ではありませんが,もうあと一週間もするとだいぶ花穂のボリュームが増えてくることでしょう.今年がいかに暖冬かを物語る現象です.この調子だと他の草木の開花も早そうです.

Pentax K10D と FA31mm/F1.8 AL Limited の組み合わせで撮っていますが,いやぁ,惚れ惚れするような描写力のレンズと,手ブレ防止のボディが効いています.急に腕が上がったかのような錯覚に襲われます.

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2007/02/21

都心のオリーブ

Ca250224m

私はオリーブという木が好きなのですが,日本ではなかなか見ることが出来ず,たまに見つけると写真を撮って帰る習性があります.最近では自宅からほど近い古いワインシャトーの前庭に植えられているオリーブの木を紹介しました.今日は,東京都目黒区の旧エビスビール工場跡地に建設された恵比寿ガーデンプレイスに初めて足を踏み入れたのですが,広い中庭の端にオリーブの木が植えられていましたので,携帯で写真を撮ってきました.

オリーブの木は都会の風景になかなか良く似合います.これでちゃんと実がなり,オリーブオイルを絞ることが出来れば,最高なのですが.ちなみに私がこれまで見たうちで最高のオリーブの木は,実は成田山新勝寺の庭に植えられていた,樹齢200年以上のオリーブです.この木にはもう一度だけでもお目にかかりたいと思っています.変な趣味でしょ?

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2007/02/18

早春の雨

Springhome_feb2007051m

昨夜から降り始めた雨はまとまった雨になり,今日の昼過ぎまで降り続きました.3時頃になってようやく雲が切れて日が差し始めました.昨日に続いて K10D + FA31mm/F1.8AL Limited の試し撮りです.まだ水が滴っているトサミズキの新芽を撮ってみました.ボディ内モータによるオートフォーカスとしてはかなり速い合焦速度だと思うのですが,マクロ撮影になるとどこに合焦してよいのか迷う頻度が高く,こういうときにはクイック・シフト・フォーカス付きのレンズが欲しいなぁと思うことしきりです.

画像をパソコンに取り込んでレタッチをするときに気が付くのですが,このカメラの画像データ生成はアンダー側はかなり粘って階調を残してくれますが,オーバー側はあっさりと白飛びしてしまいます.このあたりはまだまだ銀塩には適わないところです.撮像素子がもう少し進歩して欲しいものです.

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2007/02/17

早春の中の晩秋

Springhome_feb2007030m

今日のお天気は下り坂の予想.朝早い時間帯に,修理に出していたカメラが3週間ぶりに帰ってきたので,お天気が良いうちに庭で試し撮りをしてみました.撮ったのはまだ散らずに残っているマユミの紅葉.早春の中に晩秋が残っていました.このレンズ,やはりなかなかよいボケ味です.

この木には夏の盛りになるとハマキムシとかいう名前の虫が大量に発生し,葉の一枚一枚に糸で巣を作られて葉がほぼ全滅するのですが,この木は秋になって葉を落として虫を一掃した後,再び新しい葉を茂らせ,冬になってもあまり枯れずに葉を残しています.昆虫の捕食圧力に適応した?というか,仕方なく二度も葉を茂らせている姿はいつ見ても不憫なものです.

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2007/02/14

ウグイス初鳴き

今朝7時ちょっと前,毎朝通勤で歩いている切通しの急坂で,すごく下手なウグイスのさえずりが聞こえました.今シーズン初だと思います.完全な "ホーホケキョ" にはほど遠く,最初は何が鳴いているのだろうといぶかったのですが,すぐにウグイスの練習だとわかり,うれしくなりました.これから練習をくり返し,だんだんサマになっていくはずです.私が愛読しているバーダーのブログ "常陸の国の鳥だより" でも,本日ウグイスの初鳴きの便りが伝えられています.一斉にスイッチが入ったかのようです.

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2007/02/12

寒肥(かんごえ)

Springhome_feb2007003m

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今年は真冬でもかなり暖かく,植物の根の活性度がどれくらい落ちているのか,どれくらい深い眠りに落ちているのか怪しいものがあります.寒肥を施すのであれば今のうちでなければなりません.そうしなければ,ちょっと日数が経っただけでも根が動き出して,まだ土に馴染んでいない肥料にまともに当たって悪い影響を与えてしまいます.

過去2年間はホームセンタで素人向けの寒肥用肥料というものを買ってきていました.これは肥料の濃度を低めにし,穏やかな効き目の成分を多くして,多少多く与えすぎても悪い影響がないようにしたものです.しかしこれだと多く買ってこなければならず,肥料を埋めるために掘る穴も大きくしなければなりません.

今年はこのような素人向けの肥料が手近に手に入らなかったこともあって,普通の油粕系の配合肥料を買ってきました.与える量が多すぎないよう注意しなければなりませんが,小さな穴を掘って紙コップ一杯程度ずつ与えればよいので作業も楽です.2時間ほど日なたで汗をかいて施肥作業が完了です.使った配合肥料はちょうど 10kg でした.これは 100 m2 の広さの家庭菜園に適した量だそうで,まあまあの按配ではないかと思います.

もうフキノトウは全盛ですし,クロッカスも花が開いています.トサミズキもほころびかけているものがあって,例年よりも半月から一月ほど季節が前倒しになっている感じです.春から夏にかけてどんな陽気になるのかちょっと不安です.

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2007/02/11

春を待つばかりの林床

Ushikunaturefield_feb2007008m

北半球は記録的な暖冬.そろそろ地球が熱暴走を始めるのではないかと心配していますが,それでもちょっと寒気が南下して北風が吹くと,真冬の寒さに震え上がります.昨夜は寒気の南下に伴って夜半に雷鳴がとどろき雨も少々降ったようですが,今日は北風が強かったものの快晴のお天気.近場の里山の森に出かけると,もう林床は春を待つばかりの装いでした.この暖冬だと,もうそろそろスミレが咲き始めても良さそうな感じです.

今年は庭の木々にまだ寒肥を施していません.寒さで根が眠っている間に施すべきものなのですが,この暖冬だと寒肥にはならないかも.今日帰り道に油粕を買ってきたので,明日のうちに急いであげてしまいましょう.

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2007/02/10

ナイロン弦のバンジョー

Out of the Blue [from US] [Import] - Alison Brown

Alison Brown以前にもこのブログで紹介した通り MBA ホルダーの女性バンジョイストなのですが,音楽性はカントリーというよりはむしろジャズ.特に John R. Burr というピアニストとの掛け合いのパフォーマンスは大変素晴らしいものがあります.

また彼女のバンジョーの音色は大変柔らかく,しかもピッキングが知的で確かということを前回に述べました.あの音色の柔らかさは何なんだろうとずっと疑問に思ってきました.まるで金属音が感じられないのです.その謎はこのアルバムのライナーノーツで解けました.バンジョーの弦がスティールではなくナイロンだったのですね.これって常識ですか?

今回紹介するアルバム "Out of the Blue" は 1998 年のリリース.前回紹介した "Replay" が 2002 年のリリースですから,こちらのほうが時代をさかのぼっています.その分全体に慎重さが漂い,スウィング感は弱く,おずおずと弾いているようにも聴こえます.しかし知的で確かなピッキングはこの時点ですでに十分確立されているのですね.全曲が彼女自身の作曲というのは驚異的です.何と素晴らしい才能の持ち主.しかも MBA!天は三物くらいを彼女に与えたようです.

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2007/02/05

方向感が定まらないマンドリンの天才

How to Grow a Woman from the Ground [from US] [Import] - Chirs Thile

このブログではこれまでにも Chris Thile や彼がメンバーになっている Nickel Creek を何回か取り上げてきました (*1 *2 *3 *4) が,最近はどうも伸び悩んでいる様子で,それが最近のアルバムにも現れていると感じ,大変気をもんでいました.今回のアルバムはどうでしょう?アルバムのジャケット見開きというのでしょうか,ディスクをはめ込む面に,アルバムの録音に使われた2本の Telefunken ELA M 251E というビンテージ物のマイクロフォン(左のリンクのサイトでは1本 US$7,995 だそうです)の写真が掲載されています.この2本のマイクロフォンを無指向性となるよう配置して録音したとのこと.どうやらこのアルバムは,この2本のマイクだけを使ってセッション全体を一度に録音したもののようです.これはアーティストにとっては大変な緊張を強いる仕事でしょう.パートごとのテイクは許されず,録りなおしも効かない,大変厳しいものです.それをやろうと決めた当の Chris Thile をはじめとするアーティスト達の心意気には拍手を送りたいと思います.マスタリングはかの Gary Paczosa が務めています.これはほとんどお約束のようですね.

その結果は・・・個々の演奏は素晴らしく,特に Chris Thile のマンドリンは相変わらずの冴えを見せていますが,全体としての音楽的統一感には乏しく,せっかくのきらめく才能を,一つの物語を持って語らせるプロデュースは出来なかったものかと,大変残念に思います.第1曲目の "Watch 'At Breakdown" と最終第14曲目の "The Eleventh Reel" は Chris Thile らしい素晴らしい名曲.ところがアルバムタイトルの第7曲目 "How to Grow a Woman from the Ground" は何度聴いてもぱっとしません.ヴォーカルが悪いのかなぁ?その次第8曲目の "The Beekeeper" は一発テイクの緊張感が漂う素晴らしいセッションです.

集ったアーティストたちの演奏もヴォーカルも水準以上であるのは間違いないのですが,宝石の原石や金細工のカタログを目の前に開かれているようで,これらのパーツを用いてどのような工芸品を作りたいのか,それは剣の鞘なのか,小箱なのか,王冠なのか,判然としません.別の言葉で言うと,有り余る才能をもてあまし,どう使っていいのかわからず悩んでいるという状況です.この悩みの状況はいつ解消されるのか,彼自身もっと人生の中で悩み苦しむことを積み重ねていってはじめて新しい境地が開けてくるのかもしれません.気長に見守り続けたいと思います.

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2007/02/03

納豆がだめなら血液型はどうだ?

健康・ダイエット情報を売り物にしてきた人気番組で納豆のダイエット効果を取り上げたら,翌日から納豆が売切れるなどの社会現象が起きましたが,その直後の週刊誌の疑惑追及にあっさり降参.取材内容に捏造があったとして番組は打ち切り,社長は謝罪,番組スポンサーは降板などの一連の騒ぎが起きました.

いくつか思うところがありますので書いてみたいと思います.まずは視聴者としてのリテラシー.こんなもの信じるなよ!と言いたくなるほどの非科学的な検証にやすやすとだまされてしまう,あるいは喜んでだまされたがる,私たち視聴者自身の問題を見過ごすわけにはいきません.

科学というものは対象分野の種類ではなくて思考の手法やプロセスのことです.従って,数学や物理ばかりが科学ではありません.歴史学や考古学も科学になり得ます."なり得る" とわざわざ書いたのは,科学ではない場合も多いからです.日本では,学校教育のレベルから歴史や考古学は "一種の文学" として扱われています.そう,"歴史のロマン" なんですねぇ!科学と文学のどちらが上位でどちらが下位ということを言いたいわけではありません.使い分けが出来ていないのです.考古学の何々論争というものを聞いていると,まるで文学論争."そんなもん,放射性炭素でさっさと決着つけろ!" と言いたくなるのは私だけではないでしょう.そんな単純に決着が付く論争ばかりでないのはわかっていますが,それにしても,事実(証拠)に基づいて論理的に推論する,という科学の基本が軽視されているように感じます.学校教育でも,科学は知識を教える場ではなく,プロセスを身に付ける場になってほしいものです.

次にマスコミへの擬似科学の浸透度合いを考えてみましょう.このブログでも以前,血液型性格判断を取り上げたことがありますが,これは現在でも日本では最強の擬似科学でしょう.いまだに生き残っている健康食品系の擬似科学に "酸性食品,アルカリ性食品" があります.私自身,子供の頃,母親から酸性食品,アルカリ性食品についてとくと聞かされたくちなので,こんなものにだまされてきたのかと内心穏やかではありません.しかしテレビのバラエティ番組を見てください.この手の擬似科学が何と蔓延していることか!ここ10年ほどで特に増えたと感じるものに水や空気に関する擬似科学があります.曰く "アルカリイオン水",曰く "マイナスイオン効果" などなど.こんなものを真面目に信じ,多くの製品が売られているのは日本くらいのものですが,これにも "発掘!あるある大事典" をはじめとする健康バラエティ番組は深く加担しています.

今回,納豆のダイエット効果がこれほど問題にされるのであれば,血液型性格判断や,アルカリイオン水や,マイナスイオン効果などもことごとく糾弾されて良さそうなものですが,はてさてその気配はありませんね.マスコミもそこまで踏み込む自信はないのか,そもそも擬似科学がどういうものかわかっていないのか.日本のマスコミの科学リテラシーは高いとは言えませんからねぇ・・・もっとがんばってほしいのですが.

先ほど科学の基本は,証拠に基づいて論理的に推論することだと書きましたが,新薬の承認プロセスはまさにこれです.最近では治療の分野でも Evidence-based medicine ということがうるさく言われるようになってきました.これは実はなかなか大変なことで,多数の被験者に対して実験を行い,薬や治療法の効果がある誤差以内で統計的に有意であることを証明しなければなりません.これまで長く習慣として行われてきた治療法が,EBM の観点から否定され,新たな治療法に取って代わることも起きてくるはずです.ちなみに EBM の直接の結果ではないと思いますが,日本の外傷の治療法は最近ずいぶん変わりました.ご存知でしたか?

さて,EBM 自身は結構なことなのですが,最後にちょっと別の方向からの味付けをしましょう.アフリカでは病気の治療は長らく呪術師の仕事だったそうです.それは,高級な言い方をすると,病気を個々の臓器の不調と捉えるのではなく,精神面を含めた全身のバランスが崩れた状態と捕らえたからです.薬草などの生化学的療法と合わせて,精神面からも治療を施すことで全身体的なバランスを回復させたのだと考えられます.アフリカでは現代でも西洋医学の医者と呪術師が協力して患者を治療することがあるのだそうです.これは最初に長いヒアリングとカウンセリングを行うインドの伝統的治療法と良く似ていますし,漢方の考え方とも通じるものがあります.

だいぶ長い前置きをしてしまいましたが,EBM が大事とはいっても,人間の健康を司る要素が全てわかっているわけではありませんし,EBM による検証には長い長い時間がかかりますので,EBM が万能というわけにはいきません.そのとき,数千年の経験から生まれた伝統療法の中にも何がしかの真実と効用があるのではないかと思うのです.人間の身体と脳との関わりはまだまだわからないことだらけですし,伝統療法にはなかなか魅惑的なものもあるようですから,可能性を全て否定するのは早計だと思うわけです.ちょっと腰砕けでしたね.

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伸びやかなTrad Bluegrass

Fiddler's Green [from US] [Import] - Tim O'Brien

Tim O'Brien の近作です.Tim O'Brienは,正調派 Bluegrasser とでも呼ぶべきでしょうか,音楽のルーツを大切にしている Bluegrass の大ベテラン.このアルバムも大変有名なアルバムなので,すでに御存知の方も多いと思います.Bluegrass の源流であるケルト音楽や伝統的なフォークソングの影響を濃厚に引き継ぐ曲作りが特徴的ですが,多種類の楽器を弾きこなし,力まず伸びやかなテノールで淡々とパフォーマンスをこなす姿には独特の魅力があります.これについては,昨年12月のコンサートの様子をお伝えしたばかりですが,このアルバムでも共演している Dirk Powell との二人のステージは,素朴な楽器の響きに伸びやかなテノールが見事に溶け合った独特のものでした.

このアルバムには全体に哀しげな調子の曲が多いのですが,第3曲目でアルバムタイトルにもなっている "Fiddler's Green" は明るい感じの名曲.第7曲目の "Buffalo Skinners" は Tim 自身のギターの伴奏が素晴らしい短調曲.そして第10曲目は有名な "Long Black Veil" を大人数のセッションで楽しく聴かせます.ゲストの中には Dan TyminskiJerry Douglas,Stuart Duncan,Chris Thile らが含まれていますが,あくまで脇役に徹しているのでそれとわかるのはなかなか難しいです.しかし,最終曲の "Early Morning Rain" で聴かせる Chris Thile のきらめく宝石のようなマンドリンはさすが!と言うべきものです.

このアルバムは 2005 年に Best Traditional Folk Album としてグラミー賞を受けています.

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