ナイロン弦のバンジョー
Out of the Blue [from US] [Import] - Alison Brown
Alison Brown は以前にもこのブログで紹介した通り MBA ホルダーの女性バンジョイストなのですが,音楽性はカントリーというよりはむしろジャズ.特に John R. Burr というピアニストとの掛け合いのパフォーマンスは大変素晴らしいものがあります.
また彼女のバンジョーの音色は大変柔らかく,しかもピッキングが知的で確かということを前回に述べました.あの音色の柔らかさは何なんだろうとずっと疑問に思ってきました.まるで金属音が感じられないのです.その謎はこのアルバムのライナーノーツで解けました.バンジョーの弦がスティールではなくナイロンだったのですね.これって常識ですか?
今回紹介するアルバム "Out of the Blue" は 1998 年のリリース.前回紹介した "Replay" が 2002 年のリリースですから,こちらのほうが時代をさかのぼっています.その分全体に慎重さが漂い,スウィング感は弱く,おずおずと弾いているようにも聴こえます.しかし知的で確かなピッキングはこの時点ですでに十分確立されているのですね.全曲が彼女自身の作曲というのは驚異的です.何と素晴らしい才能の持ち主.しかも MBA!天は三物くらいを彼女に与えたようです.
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コメント
ナイロン弦だったんですか~!!
って私は バンジョーの本来の弦の材質は知りませんが・・・
私もこのアルバムは持っていますが なにせライナーノーツとかあまり読まないもので・・・
勉強になりました。
ところで彼女の生写真、未だにゲット出来ていません。
今年こそ。。。
投稿: たいちょ~ | 2007/02/11 11:50
生写真,期待しています!
彼女も,もう少し乱れというか,遊びというか,味わいというか,そういうものが加わってくるとさらに素晴らしくなるのではないかと思います.
投稿: 俊(とし) | 2007/02/11 20:15
俊さん
ナイロン弦のバンジョーというのは、懐かしいですね。高校生の時、キングストントリオスタイルのフォークグループを組んでいて、友達がバンジョーを弾いていました。
ある時、アメリカのバンジョーの手作りの本を買ってきて、見せてくれましたが。弦をナイロンの釣り糸で作るというように書いてありました。
彼は一人でこつことつとバンジョーを作っていましたが、途中であきらめたようでした。
バンジョーには4弦と5弦があって、彼はブルーグラスに使われる5弦を使っていました。
ナイロン弦は、相当マニアでなければ使わないので、日本では手に入らないかもしれませんね。
最近はギターを手に取ることもありません。
投稿: きたきつね | 2007/03/03 17:26
ははぁー,きたきつねさんの過去が少し垣間見えましたね.
そうですが,ナイロン弦のバンジョーにはなかなかお目にかかれないのですね.同じナイロン弦でもギターは,私自身若い頃に何度も目にしています.
投稿: 俊(とし) | 2007/03/03 19:15