伸びやかなTrad Bluegrass
Fiddler's Green [from US] [Import] - Tim O'Brien
Tim O'Brien の近作です.Tim O'Brienは,正調派 Bluegrasser とでも呼ぶべきでしょうか,音楽のルーツを大切にしている Bluegrass の大ベテラン.このアルバムも大変有名なアルバムなので,すでに御存知の方も多いと思います.Bluegrass の源流であるケルト音楽や伝統的なフォークソングの影響を濃厚に引き継ぐ曲作りが特徴的ですが,多種類の楽器を弾きこなし,力まず伸びやかなテノールで淡々とパフォーマンスをこなす姿には独特の魅力があります.これについては,昨年12月のコンサートの様子をお伝えしたばかりですが,このアルバムでも共演している Dirk Powell との二人のステージは,素朴な楽器の響きに伸びやかなテノールが見事に溶け合った独特のものでした.
このアルバムには全体に哀しげな調子の曲が多いのですが,第3曲目でアルバムタイトルにもなっている "Fiddler's Green" は明るい感じの名曲.第7曲目の "Buffalo Skinners" は Tim 自身のギターの伴奏が素晴らしい短調曲.そして第10曲目は有名な "Long Black Veil" を大人数のセッションで楽しく聴かせます.ゲストの中には Dan Tyminski,Jerry Douglas,Stuart Duncan,Chris Thile らが含まれていますが,あくまで脇役に徹しているのでそれとわかるのはなかなか難しいです.しかし,最終曲の "Early Morning Rain" で聴かせる Chris Thile のきらめく宝石のようなマンドリンはさすが!と言うべきものです.
このアルバムは 2005 年に Best Traditional Folk Album としてグラミー賞を受けています.
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