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2007年3月

2007/03/31

正統派コンテンポラリー・ブルーグラスの星

Marbletown [from US] [Import] - Blue Highway

聴いてすぐにわかる正統派のコンテンポラリー・ブルーグラスです.しかも実に現代的で質が高い!感激しました.テクニックも申し分なく,聴いていて実に安心感があります.このアルバムは Grammy にノミネートされたそうですが,さもありなんという感じです.Wikipedia で引いてみると,Blue Highway とはまさにそのようなバンドであることがわかります.最初のアルバム "It's a Long Long Road" が1995年のリリースですから,もう10年選手であるのですが,不勉強でつい最近までその存在すら知りませんでした.ここで紹介しているアルバムは彼らにとっては7番目のアルバムで2005年のリリース,この後2006年に8番目のアルバム "Lonsome Pine" がリリースされています.

特徴的なことは Mandolin と Dobro の存在感が高いことです.まさに正調のブルーグラスと言ってよいでしょう.特に Dobro はメンバーの一人である Rob Ickes という人が弾いているらしいのですが,これがなかなかいけます.Jerry Douglas のような叙情的な泣きは入りませんが,流麗な響きが見事です.

アルバム冒頭のタイトル曲 "Marbletown" でいきなりこの Mandolin と Dobro の威力を聴かされるので,そのあとは引き込まれるようにアルバム全曲に聴き耳を立てるようになります.第4曲目の "Tears Fell on Missouri" と,それに続く第5曲目の "I Used to Love Parades" も Mandolin と Dobro が美しく響く名曲.またヴォーカルが思いのほか良いのが収穫でした.彼ら自身の作曲による曲がほとんどで,その意味でも実力を思い知らされた思いです.

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2007/03/25

サイト内検索機能を付けました

もうかれこれ2年間以上もブログを続けているとだいぶ記事も貯まってきて,自分の過去の記事へのコメントやらトラックバックやらを打つときに,探し出すのに苦労していました.以前 Google が提供しているサイト内検索サービス機能をサイドバーに置いていたのですが,なぜかある時点から取り払っていました.やはり不便なので再び設置しました.ちょっと体裁が整っていなくて見苦しいのですが,今日は時間が取れなかったのでそのままにしてあります.いずれ左右の揃えを美しくしたいと思います.まずはお試しください.検索結果は別ウィンドウで表示されるように設定してあります.

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2007/03/24

豪華ゲストが盛り上げるブルーグラスアルバム

Fair Weather [from US] [Import] - Alison Brown

最近このブログでたびたび取り上げている (*1 *2 *3) Alison Brown ですが,これは2000年にリリースされたアルバム.1995年に設立された彼女自身のレーベル,Compass Records から出されています.彼女自身は Banjo 弾きなのですが,曲作りも精力的に行っており,このアルバムの曲も大半は彼女自身の作曲.現代的なブルーグラスを数多く生み出している才能は見事としか言いようがありません.

このアルバムの特徴はゲストが豪華なこと.主なメンバーだけでも

とまあこんな感じで,Alison Brown 自身は Banjo 一本です.特に,Sam Bush や Tim O'Brien のマンドリンが加わることでアルバム全体に繊細で華やかな雰囲気が添えられ,それが Alison の柔和な Banjo の音色と交じり合って見事です.これが最もよく現れているのが第8曲目の "Everybody's Talkin'" で,Tim O'Brien のヴォーカルとマンドリンが実に素晴らしいでき.

Fiddle を弾いている Stuart Duncan は Alison がハイスクールの学生だった頃からの音楽パートナーですが,さすがにぴったりと息が合ったところを聴かせてくれるのもまたうれしいところ.Dobro の大御所 Jerry Douglas はいろいろな人のアルバムにちょこちょこ顔を出している人なのですが,やっぱりここにも!てな感じですね.こんな感じで一流のゲスト連中が楽器やヴォーカルで加わっているので,大変豪華なアルバムに仕上がっており,大変お買い得感が高いです.

最終第12曲目の Sweet Thing は,Alison の Banjo ソロを聴かせる1分42秒の小品ですが,アルバムの最後を締めくくるにふさわしい美しい響きです.

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2007/03/22

花の種が付いてくるアルバム

Plow to the End of the Row [from US] [Import] - Adrienne Young & Little Sadie

先日紹介したばかりのトラディショナル・ブルーグラス専業?の Adrienne Young & Little Sadie ですが,このアルバムは先日紹介したアルバム "The Art of Virtue" よりも一年前,2004年に出された彼女のデビュー・アルバムです.内容はかなりまとも,と言いますか,トラディショナルなナンバーを多く入れているのと,奏法やアレンジが非常にオーソドックスなために,安心して聞くことが出来ますし変な緊張感を強いられません.悪く言えば特徴やインパクトに乏しいとも言えます.これは今後の彼女にとって大きな課題でしょうが,まだ若いのでこれからあせらず個性を磨き,色付けをしていけばよいと思います.

このアルバムの中では,アルバムタイトルにもなっている第一曲目の "Plow to the End of the Row" と第13曲目の "Lonesome Road Blues" の二曲が特におすすめ.彼女の音楽の特徴が良く現れています.畝の端まで耕せ!というのは何とも田舎の雰囲気が良く出た曲名です.

彼女自身は,自然や故郷や伝統を重んじる良い意味での保守思想の愛好者らしいのですが,それがこれからのアメリカ白人保守層の心情とどのように響きあい,影響を及ぼしあっていくのか,別の意味での興味もあります.Dixie Chicks に対する保守層からのバッシングをどのように感じているでしょうか?

驚いたのはパッケージです.何と,野草の花の種が付いてきます.これが下の写真.ジャケットは紙製で,加えてジャケットの表紙と同じ図案のシールが同封されています.何でもこのアルバム・パッケージはグラミー賞の "Best Album Package" にノミネートされたとか.この花の種,庭に植えてみようか迷っています.アメリカ原産の野草でしょうからうちの庭にとっては外来種.日本固有種を圧迫するような種類だったら困るなぁと思っていますが,そういう日本の野山だって既に外来種に席巻されていると思い直し,うーん,まずはプランターに植えてみようかと優柔不断な心境です.

Cdwithflowerseeds003m

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2007/03/21

ライブ盤の元になった名品

Alison Brown Quartet [from US] [Import] - Alison Brown

以前このブログでも二度ほど取り上げた(*1, *2) MBA ホルダーの女性ブルーグラス・アーティストの Alison Brown ですが,上記 *1 のスタジオ・ライブ録音のアルバムの原型となったアルバムがこれ.まだ彼女自身のレーベルを立ち上げる前,Vanguard 時代のものです.

このアルバムとほぼ同じ曲目で後に上記 *1 がスタジオライブ録音されており,音の粒立ちも,緊張感も,スウィング感も後者のほうがはるかに優れていると感じます.しかし,控えめながらも確かで知的なピッキングはすでにこの時点で十分に確立されており,ナイロン弦のバンジョーの特質がよく生かされた名品と言ってよいでしょう.

ライブで聴いたらどんな感じなんでしょうね?Grand Ole Opry にも時々出演しているようなので,御存知の方があればコメントしてくだされば幸いです.

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2007/03/18

Sand Country Almanac かくあるべし

A Sand County Almanac (Outdoor Essays & Reflections) [ILLUSTRATED] (Hardcover) - by Aldo Leopold (Author), Kenneth Brower (Introduction), Michael Sewell (Photographer)

野生のうたが聞こえる (文庫) - アルド レオポルド (著), Aldo Leopold (原著), 新島 義昭 (翻訳)

タイトルの "Sand Country Almanac" とは,もちろんかの Aldo Leopold の作品のこと.今を遡ること30年ほど前,70年代エコロジーブームの洗礼を受けた私は,生態倫理学の萌芽ともいえるこの作品を実に自然に "発見" し,ペーパーバックの原書を読み進むうちにその概念に酔いしれました.何とかしてこの作品を邦訳しようとペンを取ったものの,あっという間に挫折.ま,無理もありませんね,単なる若気の至りです.

しかしそんな極東の一読者の勝手な都合とは無関係に,この本の価値が減じられるわけでもなく,エコロジーブームがその後何度となく訪れ,うたかたの薄っぺらな思索と行動がいかに論じられ紙の上に記されようとも,この書物を越えるものはいまだ現れないように思います.そんな思いを胸の奥深く仕舞いこんでいるせいでしょうか,昨日の野外陶芸美術館で見つけた陶器の書物が地面に埋もれているさまを見て,この本のことを思い出したのでした.深い森の中,落ち葉に埋もれるように置かれた陶器の書物の数々.一体何が書かれているのでしょうか?

Kasama_mar2007054m

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2007/03/17

トサミズキが満開

ここ一週間ほどは平年並みかそれ以下の気温の日が続き,異例の暖冬で早めに咲き始めた早春の花々も足踏み状態です.今日も日中の気温はそれほど上がらず最高でも10度前後.明日の朝は氷点下2度くらいまで下がるそうなので,コブシの花は霜焼けするのではないかと心配です.庭のトサミズキの花も咲き始めて三週間目くらいでようやく満開状態になりました.二週間前に紹介したときから花穂がそれほど伸びていないのですが,それでも木全体が大変明るく華やかになりました.明日の朝の低温で痛まなければよいのですが.

Springhome_mar2007035m

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地底への扉

Kasama_mar2007041m

次に見つけたオブジェがこれ.陶板を使って山林の斜面に埋め込むように作られています.オブジェは一通りではなく全部で五種類もバリエーションがあり,いずれも美しい色合いの力作.このような場所ではなかなか人目に触れることも少ないだろうに,大変もったいない気がしますが,しかし大地にしっかりと溶け込んでいるさまは大変見事.非常に優れたモチーフだと思いました.

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地底からニョキニョキ

今日は午後から好天になるという天気予報を当てにして,車でちょっと遠出をして陶芸専門の美術館を訪問.首都圏だと人が大勢繰り出して駐車場も満杯になるのでしょうが,そうはならないのが田舎の良いところ.特に渋滞も無く混雑も無く,ゆっくりと作品を楽しむことが出来ました.

鑑賞の後は昼食をとってから公園内を散歩.ここは野外にも作品の展示があり,中には大変面白いものがあります.まず最初は下の写真.これは何でしょう?実はこれは以前にもこのブログで紹介しているもの.大変美しい色の陶器のオブジェ群です.最初に見たときにはギョッとしましたが,再びまみえてみると大変美しいと感じました.

Kasama_mar2007027m

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2007/03/12

フキの花って意外と可憐

Springhome_mar2007031m

昨日日曜日に撮った写真ですが,タイトルどおりの感想です.結構繊細な花なのですね.フキノトウとして天ぷらなどにして食べる時機を逸すると,このような花が咲き,それからはぐんぐんと葉を広げて,我が家の庭はフキ屋敷になってしまうのですが,北海道の巨大なフキの葉っぱほどにはなりません.

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2007/03/11

ハコネウツギの芽吹き

Springhome_mar2007017m

昨日から今日にかけて,まるで計ったかのようにいろいろな植物が芽吹きだしました.今日の午後は雨が上がって寒冷前線が通過し,寒風とともに日差しが戻ってきましたが,その中で見つけたのがハコネウツギの芽吹き.もう10年以上前に植えた木なのですが,毎年剪定をして大きくなり過ぎないようにしているので,何とかこの大きさに収まっています.よく似た種にニシキウツギがあります.ハコネウツギとの差異は,ハコネウツギは若い枝は無毛ですが,ニシキウツギは若い枝の稜に沿って毛がある,とのことです.はてさて,この木はどちらだったかな?

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ニワトコの芽吹き

Aroundhome_mar2007019m

今日は未明から雨.結構強く降っています.しかし今のところは風も弱く,暖かな温暖前線の雨.これから寒冷前線が通過して寒気が入ってくる予想です.

昨日お散歩したときのスナップをもう一枚.ニワトコの芽吹きです.地味な樹木ですが,洋の東西で古くから薬用にも供されていたり,果実酒もあるのだそうです.また顕微標本の薄い切片を作製する際の支持材 "ピス" として古くから利用されているといえば,学生時代にお世話になったことのある人も多いのではないでしょうか?

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2007/03/10

田んぼのタネツケバナ

Aroundhome_mar2007008m

今日の午前中はお天気もよかったので近所をお散歩.風はまだ冷たかったのですが,陽だまりはポカポカして,この季節本来の春のぬくもりが感じられます.周辺の田んぼでは田起こしが盛んです.そんな田んぼのあぜ道周辺には,オオイヌノフグリホノケノザ,そして上の写真のタネツケバナが満開になっています.タネツケバナは大変小さく可憐な植物なので,小さな群落だと見落としてしまいそうですが,この季節には花が目立つのですぐに気が付きます.

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2007/03/07

根津のトマソン「原爆タイプ」

Yanakanezu_mar2007012m

3月4日の日曜日に根津を歩いていて見かけた,日本では珍しいトマソン「原爆タイプ」の写真です.この用語は以前このブログで紹介した "路上観察で歩くパリ" に登場するもので,確かにパリの市中ではそこここに見られる建物外壁のパターンです.要するに,隣接する建物どうしが壁を共有して建てられているために,片方の建物が取り壊されると,もう片方の外壁に壊された建物の壁の断面がくっきりと残る,というものです.

ちなみにトマソンとは,Wikipedia によれば,"超芸術トマソン" とも呼ばれ,赤瀬川源平らの発見による芸術上の概念であり,不動産や建築物に付着していて美しく保存されている無用の長物,なのだそうです.

根津のような木造家屋密集地域で,この原爆タイプのトマソンが発見されたのは,なかなか珍しいことではないかと思うのですが,私の思い込みだけかもしれません.

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2007/03/05

本当に春

今日は日本海で低気圧が発達し,それに伴って全国的に春の嵐になっています.つい先ほど,遅れながらもようやく動いている中距離電車で最寄り駅にたどり着き,横殴りの雨の中,びしょ濡れになりながら帰宅しました.今日は気温も湿度も初夏並みに高く,コートを着ていると汗ばむほどです.

Springhome_mar2007006m

昨日もポカポカと初夏の陽気で,しかも日射も十分だったので,春の花が随分と開花したように思います.東京の谷中や根津ではハクモクレンが五分咲きになっており,春本番という感じでした.自宅の庭のトサミズキですが,先週よりは花穂が長く垂れ下がるようになったと思います.来週には本格的に長くなるのではないでしょうか?

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2007/03/04

根津神社のお稲荷さん

今日はお天気が良く暖かくなるとの予報に釣られて,谷中・根津界隈のお散歩に出かけました.根津は学生時代にはよく親しんだ街なのですが,谷中のほうまでは足を伸ばさなかったので,私にとっては未知の領域.しかし "やねせん(谷中・根津・千駄木)" と略して呼ぶように,山手線の内側にあって,歴史と由緒と庶民的なものがごっちゃになって独特の魅力を持った地域です.

まずは日暮里駅からすぐ近くの朝倉彫塑館を訪問.日本の彫塑界の基礎を作った浅倉文夫の旧アトリエ兼邸宅で,現在は台東区が管理する記念館.浅倉自身が設計した大変に凝った建物と庭園.邸内いたるところにこだわりが見られ一見の価値ありです.それから "夕やけだんだん" と呼ばれる階段を下りて谷中銀座に入り,左折して車道を進みます.この辺りには意外と食べ物屋さんが多く,それも比較的最近になってからお店独自の名物を売り出して有名になったものが多いようです.さらに旧愛染川の上にできた通称 "へび道" をくねくねと進み,それから不忍通りを渡って根津神社へ.

ここは何といいますか,由緒正しい大変立派な神社.特に社殿は大変立派です.個々は確か重要文化財のはず.しかしそれよりも私が心引かれたのは境内の端の斜面に作られた二つのお稲荷さん.どうして神社の境内にお稲荷さんがあるのかよくわかりませんが,どうやら徳川将軍家と関わりがありそうです.お稲荷さん特有の赤い鳥居の列.中をくぐるうちにめまいがしてきそうな錯覚にとらわれます.色彩的にも大変刺激的です.

Yanakanezu_mar2007047m

ここから谷中方面へ戻り,昼食をとってから谷中墓地へ.大変広い墓地で,しかもろくに地図が無いので,なかなか有名人の墓所に行きつけません.浅倉文夫夫妻のお墓はすぐに発見.意外だったのは,日立製作所の創始者小平浪平のお墓があったこと.もう一つの発見は,東大医学部が立派な納骨堂を建てていたこと.献体した人たちのものでしょうか?これ以外にも有名人のお墓は沢山あるそうですが,地図も無いので探し出すことが出来ません.谷中墓地に隣接して徳川家の菩提寺寛永寺がありますが,ここはパス.今日は3月の初めにしては異常に暖かく,墓参の人たちも少なくありませんでした.山手線の駅から歩いていける範囲にこんな大きな墓地があるとは,今頃になって発見しました.

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2007/03/03

美徳あふれる?ブルーグラス

The Art of Virtue [Enhanced] [from US] [Import] - Adrienne Young & Little Sadie

Adrienne Young はすでに Wikipedia に詳しいエントリーがあるほど評価が高いブルーグラスのシンガー・ソングライターですが,無知な私にとっては貴重な掘り出し物です.アメリカン・フォークなどの要素を併せ持つ大変トラディショナルなブルーグラスではあるのですが,しかしメロディーラインやアレンジは大変ロマンティックに感じられます.何故なんでしょう?それは例えば第3曲目の "Hills and Hollers" に色濃く現れています.Adrienne Young 自身の歌声は必ずしも伸びやかでも艶やかでもないのですが,バンジョーとフィドルの伴奏の中から浮かび上がってくる雰囲気は実に優しくロマンティック.これはアメリカ中南部の白人保守層には受けそうですねぇ.

アルバムタイトルは Benjamin Franklin の Thirteen Virtues から取ったそうで,アメリカという国が生まれたときの古き良き美徳,それらを大切なものとして深く考えている彼女の姿勢がこのアルバムを作るきっかけになったようです.以下にこの13の美徳をあげてみましょう.

  1. "TEMPERANCE. Eat not to dullness; drink not to elevation."
  2. "SILENCE. Speak not but what may benefit others or yourself; avoid trifling conversation."
  3. "ORDER. Let all your things have their places; let each part of your business have its time."
  4. "RESOLUTION. Resolve to perform what you ought; perform without fail what you resolve."
  5. "FRUGALITY. Make no expense but to do good to others or yourself; i.e., waste nothing."
  6. "INDUSTRY. Lose no time; be always employ'd in something useful; cut off all unnecessary actions."
  7. "SINCERITY. Use no hurtful deceit; think innocently and justly, and, if you speak, speak accordingly."
  8. "JUSTICE. Wrong none by doing injuries, or omitting the benefits that are your duty."
  9. "MODERATION. Avoid extremes; forbear resenting injuries so much as you think they deserve."
  10. "CLEANLINESS. Tolerate no uncleanliness in body, cloaths, or habitation."
  11. "TRANQUILLITY. Be not disturbed at trifles, or at accidents common or unavoidable."
  12. "CHASTITY. Rarely use venery but for health or offspring, never to dullness, weakness, or the injury of your own or another's peace or reputation."
  13. "HUMILITY. Imitate Jesus and Socrates."

なんと,このアルバムにはこれら13の美徳をリストした小さなパンフレットが付いてきますが,これは Benjamin Franklin の時代の復刻コピーだそうです.これも彼女の熱意というか,偏執狂ぶりを表しているのかもしれません.

現実生活では Food Routes Network という運動を支持しているらしく,ライナーノーツにも記述があります.これは日本では食べ物の地産地消とほぼ同じ意味で,ローカルな食べ物,地域に根ざした生活を大切にしようということのようです.良い意味での保守主義やエコロジーにつながります.Food Mileage という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが,食べ物を遠くの産地から輸送するのにどれだけのエネルギーが消費されているか,そのことを良く考えましょうという運動です.日本人は世界でも飛びぬけて Food Mileage の高い食生活を送っているので,大いに反省すべきですね.

このアルバムは2005年のリリースで彼女の第2作目のアルバムだそうですから,まだまだこれから期待できます.録音に関して特筆すべきは,全曲を Otari の2インチ・24トラックのレコーダでアナログ録音し,それからデジタルでマスタリングしたこと.後者のエンジニアはこの業界のお約束の Gary Paczosa です.少し注文をつけるとすれば,曲作りやバンドの構成などに関して,もう少し商業的に当たりを取る方向を目指しても良いように思います.彼女の禁欲的な姿勢は好感が持てるものですが,しかし商業音楽として仕事をしている以上,その受け手であるリスナーを楽しませることにも心を砕くべきでしょう.その結果として商業的に当たりを取ることがあっても少しも恥ずかしくはないと思います.

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ゼロ成長社会設計序論

持続可能な福祉社会―「もうひとつの日本」の構想 (新書) - 広井 良典 (著)

大変刺激的なタイトルの本なので,書店でも手にとって見た人は多いのではないでしょうか?経済成長はいずれ鈍化し,どこかでゼロ成長になるのは自明の理ですが,そのような社会を地球環境の制約の範囲内で長期間持続させ,しかも個人の生活の保障や富の分配の公正さを保つにはどのような社会制度を作り上げればよいのでしょうか?21世紀の私たちに突きつけられた最も基本的な命題.これに対する有効な回答を今世紀中に得ない限り,人類が22世紀を迎えることはありません.

著者は元厚生官僚で現在は大学教授.そのキャリアに基づく長年の思索が詰まった本です.まず前半で,著者は富の再分配の問題を取り上げます.そして "人生前半の社会保障" というユニークな概念を提案します.これは欧米各国ではある程度制度化され,慣習として許容されている仕組みですが,これを日本にも取り入れようという構想です.私は基本的には賛成ですが,この仕組みを取り入れただけでは,若者の失業率を下げたり,世代間でのワーク・ライフ・バランスが自動的に均衡されるわけでもないので,追加の施策がいくつか必要になるだろうと想像しています.

後半は,政治哲学と社会経済政策とを対応させ,社会が持続可能であること,すなわち経済活動が地球環境の制約の範囲内であることと,そのような中で,個人が健康で文化的な生活を保障され,しかも富の再分配の公正さが保たれるにはどうすればよいのか,という本質的な課題を論じます.著者の提案は,ヨーロッパの社会民主主義的な政治哲学に基づきながらも,生態系との調和という本来の保守主義の要素も取り入れた,いわば折衷的なものですが,このあたりはもっと議論が行われてよいでしょう.著者も本書は序論に過ぎないと考えているようなので,続編が期待できます.また,以前にこのブログで紹介した "人口減少社会の設計" と合わせて読むとさらに理解が深まると思います.

このような社会に関する本質的な議論を行わずして,個々の政策を立案することは出来ないはずなのですが,現在の日本で行われているのは,"美しい国" という極めて情緒的で非論理的な言葉遊びに基づく,既得権保護の政策補強でしかありません.グローバル・ビジネス・リアリストの意見すら十分には入っておらず,ましてや本書のような骨太の社会制度設計の思想など欠片すらもありません.しかも,そのような為政者に迎合してしまう情緒的な有権者が多数派であるという点も悲劇的です.それを打ち破れるかもしれない著者らに声援を送りたいと思います.

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