昔々,AKUSの二人がここに!
Carrying the Tradition [from US] [Import] The Lonesome River Band (Artist)
Lonesome River Band は Wikipedia には載っていません.それほど商業的にはマイナーなバンドということなのでしょうが,今日のブルーグラスを語るうえでは知っておくべきバンドの一つ.ブルーグラスの原点に立ち戻ると同時に,コンテンポラリーな音楽性も追求する硬派なバンドとしての名声は確かなものがあります.おそらく AKUS (Alison Krauss and Union Station) はかなりの影響を受けているはず( AKUS はこのブログでは以下をご参照ください・・・ *1, *2, *3, *4, *5, *6)
私は Lonesome River Band のアルバムは3枚持っているのですが,その中ではこのアルバムが最も古いアルバム,1991年のリリースです.このバンドはメンバーがころころと変わり,人数も変化し,現在も残っているのは Banjo の Sammy Shelor のみだそうです.したがってバンドの同一性を追跡するのがなかなか難しいのですが,最初のアルバムはどうもこのアルバムの一つ前,1989年にリリースされた "Looking for Yourself" らしい・・・のですが確かではありません.
だいぶ長い前置きをしてしまいましたが,このアルバムの最大の特徴は,若き日の Dan Tyminski と Alison Krauss がたっぷりと聴けることです.Dan Tyminski は Mandolin とヴォーカルが主なのですが,驚くべきはゲスト参加の Alison Krauss です.何と Fiddle のみの参加でヴォーカルは無し.今では想像もつきませんが,彼女はライナー・ノーツも書いてアルバムを盛り上げています.音楽性は上に書いたとおり,トラディショナルなブルーグラスをコンテンポラリーな音楽性で止揚すること.Dan のヴォーカルはすでにこの時点で現在のスタイルが確立されていますし,Alison の Fiddle もほとんど完成の域.バンド全体の音楽性も今日のコンテンポラリー・ブルーグラスの源流の一つだったことが感じ取れます.
90年代前半のカントリーの録音なので,ご多分に漏れず音の質は良くありません.このアルバムもアナログ録音,アナログ・ミキシングで,しかも録音自体の質がいまいち.これは AKUS の初期のアルバム全体にも共通する大変残念な特徴ですが,いたし方ありません.ブルーグラスの録音が本当に良くなったのは90年代末期のことだからです.それでもこのアルバムを聴く価値は十分にあります.コンテンポラリー・ブルーグラスが好きな方は必聴のアルバム.
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