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2007/07/18

バランスを欠くマスコミの災害報道

7月16日のブログにもちょっと書きましたが,台風4号の被害報道で埋め尽くされていた新聞やテレビが,地震発生直後から地震被害一色に塗りつぶされてしまい,集中豪雨や台風の被害の話はどこへやらという状態になってしまっています.これにはマスコミの根深く罪深い体質が関係していると思いますので,少し書いてみたいと思います.

まず,マスコミは派手で絵になる報道を好みます.タブロイド新聞の派手な見出しがその典型ですが,日本の4大紙と言えども整理部の意向次第で大衆迎合的な扇情報道に走る傾向があります.そのほうが部数が稼げるからなのは言うまでもありません.新聞でもこれですから,日々視聴率競争にさらされているテレビはさらにこの傾向が強く,いかに「絵になるか」が報道の現場でも強く問われます.ひどい場合「絵になる」絵が撮れなかったときには,断片的な映像やインタビューを局内の編集でつなぎ合わせて「絵になる絵」を作ってしまうことすらあります.

当初,台風でもかなり「絵になる」報道はできたのですが,地震被害のインパクトに比べると台風被害のワンランク落ちは否めません.より「絵になる」対象に集中してしまったのだろうと想像できます.もしもマスコミにそれなりの良心があるとしたら,ある一定の比率で台風被害の報道も続けるべきだと思いますが,そういうバランス感覚は持ち合わせていないのでしょう.

もう一つ,今回の地震報道で特徴的だったことは,東京電力の原子力発電所で,火災や微量の放射能漏れや,その通報遅れ,そして想定をはるかに超える揺れのデータや,見落とされていた活断層の存在などが派手に報道されていることです.これらはもちろん重大な問題ではあるのですが,相手が日本を代表するお堅い大企業である東京電力であり,しかもこと原子力の安全性に関することだからこそ,マスコミにとっては格好の批判報道の標的に恵まれたことが最大の要因でしょう.この問題は今後しばらくは賞味期限があるので,マスコミ各社としては緒戦で大いに追求の手柄をあげておきたいと考え,派手な報道合戦をしているものと推測します.これによって台風報道の余地は完全に無くなったのではないでしょうか?

台風の被害を受けた地域も,地震の被害を受けた地域もともに大変お気の毒ですが,マスコミの報道によって被害支援やその後の復旧への金の付き方が変わることも事実です.まずは台風の被害地域の人々はもっと声を上げるべきではないかと思います.

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