情念がこもったカントリー
Pretty Little Stranger [from US] [Import] - Joan Osborne (アーティスト)
気が付いたら Amazon.com から届いた宅配便の中にこのアルバムが入っていました.Joan Osborne は初めて聴くアーティストだったのですが,実際に聴いてみて納得.Lucinda Williams を思い出させる情念系の女性シンガー・ソングライターです.彼女は "One of Us" という曲が大ヒットして有名になったそうで,この曲を含む彼女のアルバム "Relish" は1995年の Grammy 数部門にノミネートされたとか.彼女自身は1962年の生まれなので,もう40台後半にさしかかっているのですが,アルバムは上記 Relish がメジャーレーベルとしては最初のものなので,随分と遅いデビューだったことがわかります.
Amazon.com では Relish の評価は大変高く,軒並み五つ星が並んでいますが,日本でも同様に高評価で,Amazon.co.jp のレビューでも五つ星が並んでいます.サンプラーを聴く限りは,ギターが泣き,情念が高ぶり,汗と涙が臭いを放って,魂が揺さぶられるという音楽なので,好みは分かれるところでしょう.私はこのような情念系の音楽はカントリーもロックもあまり聴きませんが,Lucinda Williams が好きな人は Joan Osborne の音楽にもすんなりと入り込めると思います.
このアルバムは Relish から10年以上も時を隔てていますので,その途中を知らない私にとっては評価するのは難しいのですが,Relish に比べるとカントリー色が強く,情念もおとなしやかで聴きやすく,より万人向けになっていると思います.それがこれまでのファンにとって良かったことなのかどうか?彼女の音楽性がどういう方向を目指しているのかわからないので何とも言えませんが,私のような一般的なカントリーやブルーグラスのファンにとっては歓迎すべきアルバムであることには間違いありません.
アルバムタイトルにもなっている第1曲目の "Pretty Little Stranger" は,これを聴く限りはちょっと陰のあるカントリーポップそのもの.第2曲目の "Holy Water" は一転して Lucinda Williams かと思うほどのスローテンポのロック.そして第5曲目の "Shake That Devil" はこのアルバムを代表する聴き応えのある大曲.彼女自身の作曲です.私が気に入ったのは第10曲目の "Dead Roses" です.彼女らしさが良く出ていると感じました.後半の地声を裏返すテクニックは世界各地の民謡唱法では珍しくありませんが,こんなところで聴くとは思っていませんでした.
ジャケットがちょっとキモイのが玉にキズ.
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