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2007/09/04

正統派女性フィドラーを聴け!

Yours Truly [from US] [Import] - Natalie MacMaster (アーティスト)

Natalie MacMaster はカナダ出身の有名な女性フィドル弾きです.その演奏は,一曲だけでも聴いてみればすぐにわかるほど実に端正.まさに優等生的です.有名なミュージシャンとのツアーを非常に精力的に行っているそうで,従って北米の草の根的な音楽シーンにはしっかりと根を下ろしているのでしょう.またカントリーのルーツであるアイルランドの超有名ミュージシャンである The Chieftains ともツアーに出ているそうですから,その実力は確かですね.

演奏スタイルには Celtic が目立ちます.このアルバムでは第4曲目の "Matt and Nat's" が代表的です.また,フィドルですから "Jig" と呼ばれるアイルランドに特有のダンス音楽形式の曲も多く収録されています.第5曲目の " David's Jig: David's Jig/Valerie Pringles's Reel" が代表的.Jig を聴いていると,目の前でアイリッシュダンスを男女掛け合いで踊る姿が連想されます.昨年末に Tim O'Brien のコンサートを聴きに行ったときにも,カナダ人のアイリッシュダンサーが見事なダンスをステージで披露してくれました.カナダとアイルランドは文化的に近いのでしょうか?アイルランドからカナダに移民した人も多いのかもしれません.

彼女のアルバムは数多く,すでに20年近くのキャリアを持っています.というのも,フィドルを弾きだしたのが9歳で,最初のアルバムは彼女が16歳のとき.これは彼女がフォーク音楽の家系に育ったことと無縁ではないでしょう.親族はいずれも有名なフォーク・ミュージシャンだそうです.

それにしてもフィドルの演奏だけでこれだけのアルバムを出し,商業的にも成功しているのは大変珍しいことです.女性フィドラーではもちろん Alison Krauss が有名ですが,彼女の場合は何よりもそのヴォーカルが人気を引っ張っていることは否めません.彼女の場合は演奏のみ.まだ35歳と若いので,これからどのように音楽性を深めていくのか,オーソドックスなスタイルから抜け出せない心配もありますが,注目して見守るだけの価値は十二分にあると思います.

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