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2008年1月

2008/01/29

豊かなバリエーションに心洗われる

The Collection [Best of] [from US] [Import] - Natalie MacMaster (アーティスト)

Natalie MacMasterこのブログでもしばらく前に紹介したばかりの正統派女性フィドラーです.カナダは Nova Scotia の出身.このアルバムは2枚組みのベストアルバムで,2007年2月のイシュー.Disc 1 から聴き始めたのですが,トラディショナルな曲がトラディショナルな奏法で淡々と続き,ちょっと面白くありません.もちろんテクニックは抜群ですし,Jig が所々にはめ込まれていてリズムの躍動感もあるのですが,全体として単調さは否めません.

こんな音楽性のはずはないのだがなぁ,と思いつつ,Disc 2 に移ってみてビックリ.こちらは大変豊かなバリエーションに彩られた楽しい一枚.ジャズやラテンのバリエーションもこなすなど,その多彩多才ぶりには驚かされます.第5曲の "Get Me Through December" は,何と Alison Krauss の近作 "Hundred Miles or More" の第14曲目からのカット.いきなり知っている曲が Alison の歌声で聞こえてきたのはうれしい驚きでした.Disc 2 でもトラディショナルな曲は少なくないのですが,豊かな音楽性に彩られた奏法が素晴らしく,古臭さや単調さを全く感じさせない現代的な音楽に仕上がっているところが見事.というわけで,2枚組みのベストアルバムなのですが,わざと対照的な構成を狙っていたというわけです.

苦言を呈するとすれば,最近の2枚組みにしては Jewel Case が分厚くて収納に不便,またライナーノーツが無く,一枚ものの曲リストがあるのみ,というのはいささかサービス精神に欠けます.ジャケット写真も,もっとましなものを撮れよなぁ・・・と言いたくなるような出来.商売っ気ないですね.もったいない.

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2008/01/27

冬来たりなば春遠からじ

冬は今が一番厳しい時期なのですが,木々の冬芽はだいぶ色づいてきました.春は必ず来るという前提のもとに,秋に葉を落とした直後から着々と準備を進めているわけです.植物の越冬戦略です.下の写真は庭のドウダンツツジの冬芽.この時期にもうこんなにピンクに色づいているなんて,随分気が早いですね.しかし日差しは毎日どんどん伸びているので,植物のセンサは刻一刻と春へのカウントダウンを進めていることでしょう.

Winterhome_jan2008008m

近所のコブシの大木では,ふさふさした毛に覆われた冬芽が大きく膨らんできて,遠目にもはっきりとわかるようになってきました.それでもあとひと月以上は我慢が必要でしょうね.しかし,春遠からじという感覚は高まってきます.

そういえば今を去ることン10年前,高校入学直後の最初の英語の授業のまさに冒頭で,中年長髪の先生がいきなり「冬来たりなば春遠からじ」を英語で言ってみろと問うてきたときにはどぎまぎしました.なにしろ日本語の意味すらよくわからなかったもので.模範解答はもう忘れてしまいましたが(正解はこちら),今にして思えばレベルの高い授業を受けさせてもらったものです.

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冬枯れの田んぼに栄養源?

当地の水田農業は,いかにも兼業農家の農業という感じで,初夏の短期間に代かきと田植えを済ませ,夏の終わりに稲刈りをしてしまうと,田んぼは7ヶ月ほど放ったらかしです.せめて冬期湛水をするとか,何らかの工夫をお願いしたいところです.理想的には不耕起栽培ですが,これは専業の稲作のプロでも二の足を踏むので,兼業農家には無理でしょう.

Winterhome_jan2008020m

この厳冬期,田んぼに多数のもみ殻の袋が持ち込まれました.これを田んぼに撒いて肥料にするのでしょうか?そもそももみ殻って肥料になるもの?上手く腐敗させることができるのでしょうか?それとも稲刈り後によく行うように燃やした灰を肥料にするのかな?

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2008/01/26

冬ごもり

ここ2週間ほどは全国的に気温が低く,まさに厳冬期に相応しい気温が続いています.当地では毎朝の最低気温がマイナス4度ほど,日中の最高気温も6度くらいまでしか上がりません.快晴の日中でも部屋の暖房は必須です.

Winterhome_jan2008019m

寒いのは人間だけではありません.上の写真は激しく?剪定をしてしまったイボタノキの哀れな姿.しかしいかにも冬ごもりをしているようではありませんか?この木は幹や枝から太い針状の突起が多数突き出して,剪定するときにも気をつけないと大変危険です.もともと自然に生えてきたものなので特に世話はしていませんが,この木はウラゴマダラシジミというゼフィルスの食草なので,家人の要求で邪険にも扱っていません.

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2008/01/23

今日は氷雨

1月21日月曜日の朝の雪の予想は見事に外れ,遠距離通勤の勤め人としてはありがたかったのですが,今日は逆方向に予報が外れ,大して降らないはずの雪やみぞれが夜になっても降り続いています.日中の最高気温は東京都心でも4度程度だったので,外を歩くと厳しい寒さでした.都心では,短い時間間隔で雪がみぞれに変わり再び雪に変わりと,大変慌ただしいお天気.代わりに湿度はたっぷりあったので,風邪をひいている人にはかえって良かったのかもしれません.

それにしても,このシーズンは典型的な冬型の気圧配置が少ないですね.関東が冬晴れで快晴の日というのが数えるほどしかないように思います.お湿りが多いのは風邪の流行にとっては良いことなのですが,冬のピーカンが少ないというのは,ちょっと残念.

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2008/01/20

明朝は雪

天気予報によれば,関東南部では今夜から雪.明日の朝まで降雪は続き,積雪数cmという予報です.ちょうど2年前の1月には20cmほどの積雪があり,雪かきでえらく疲れたことを思い出しますが,今回はそれほどまでの積雪にはならないようです.

子供の頃は雪が降るということは何とも楽しく心踊る出来事だったのですが,大人になってから素直に喜べなくなってくるのは,仕方がないとはいえ,寂しいものです.

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2008/01/19

ひなたぼっこ

気温の低い日が続いています.今朝の冷え込みはそれほどでもなく,日中は日差しもあったのですが,上空まで寒気に覆われているためか,最高気温はなんとかプラス6度.風が無くて幸いでした.

Nonta_2008029m

猫は少しでも楽で気持ち良い場所を探し出す天才です.こういう日は当然日差しがたっぷりの出窓に居座ります.ひなたぼっこでたっぷりと温まった体を触るとポカポカ.楽していますね.

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2008/01/18

マイナス24度!

今晩テレビの天気予報を見ていて思わず目が点に・・・なんと,明日の朝の北海道旭川市の最低気温はマイナス24度,最高気温がマイナス8度.なんという寒さ.それに比べれば,私が普段ぼやいているこの寒さは春の気候ですね.家の構造も,暖房の仕組みも全く異なるようでなければ,この寒さを乗り切ることはできないでしょう.旭川市のこれまでの最低気温の記録は,1902年1月25日のマイナス41度,日本国内観測史上最低気温だとか・・・ダイヤモンドダストがシャリシャリと音を立てて顔に当たることでしょう.

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2008/01/16

秀逸な曲がちりばめられたデビューアルバム

Shiver [Enhanced] [from US] [Import] - Jamie O'Neal (アーティスト)

Jamie O'neal はオーストラリア出身のカントリー歌手.この路線は結構多いですね.かつては Olivia Newton-John が代表でした.まあ元はいずれもイギリスかスコットランドかアイルランドなので,そう区別する必要も無いのですが.

さて,この Jamie O'neal ですが,聴いてみると素晴らしい曲が多くてびっくりします.いきなり第1曲目の "When I Think About Angels" と,第2曲目の "There Is No Arizona" でその曲作りの実力を思い知らされます.この2曲はいずれも Billboard の country chart で第1位に輝いたことからも,その曲の良さがわかります.特に "There Is No Arizona" はなかなかの名曲で,ちょうど Rhonda Vincent が "One Step Ahead" で歌った "Missouri Moon" を思い出させます.第3曲目の "Where We Belong",さらに第5曲目の "She Hasn't Heard It Yet" も素晴らしい曲です.

歌手としての彼女は可もなく不可もなくといったところですが,一定の水準をクリアしていることは言うまでもありません.しかし,アメリカのカントリー・シーンでは実力あるアーティストがひしめき合っていますので,残念ながら特に目立つと言うほどではありません.

このアルバムは2001年に出された彼女のデビューアルバム.それでいきなり大ヒットを飛ばした実力と幸運の持ち主.それから7年が経ち,その間に "Brave" というアルバムで再びヒットを飛ばしましたが,他のアーティストのための曲作りでもカントリー界に貢献しているようです.

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2008/01/14

冬本番

当地の今朝の最低気温の予想は -7℃でした.ここと50kmしか離れていない東京都心とは 9℃ 程度の開きがあります.これはとりもなおさず東京のヒートアイランド現象のなせる業です.朝の最低気温が -7℃ ともなると,さすがに屋外の水道管の凍結を心配しなければならなくなりますが,昨夜は予想とは異なり上空を雲が覆っていたようで,これほどまでは冷えなかったようです.しかし私が子供の頃の九州中部の都市郊外では,屋内!の水道が毎朝凍りつき,そのため寝る前にはポタポタと水を流しておかなければならなかったことを考えれば,当時と比べて日本全体として温暖化が進んできたことが如実に実感できます.

今日の日中は風はおさまったものの,雲が上空を覆って日差しが乏しく,あまり気温が上がりませんでした.午後遅く,庭に出て木々の剪定を少しばかりやってみたのですが,気温が低くて体を動かしている割には寒さがこたえました.

おそらく今週が寒さのピーク.先週が異常に暖かかったために,この寒さは身にしみます.しかし,全体としては暖冬傾向が続いています.今年の寒肥はいつごろにしようかな?

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2008/01/13

父と子の間に詩情豊かな橋を架けるロードムービー

山の郵便配達 - 出演:トン・ルゥジュン (滕汝駿),リィウ・イェ (劉燁),監督:フォ・ジェンチイ (霍建起)

2007年12月に開局した新しいBS放送チャネルである "BS11デジタル" の番組 "高野悦子の名画劇場" で放映されたものを録画して楽しみました.1999年の作品.監督のフォ・ジェンチイは中国第6世代と言われる実力派.見た目の派手さやアクションなどは全く無く,淡々と,しかし美しい映像で,父と子の心の交流を詩情豊かに描くことに成功し,数々の賞を受賞しました.日本でも岩波ホールでの上映が口コミで評判を呼び,多くのファンを生みました.

中国湖南省西部の山間地帯には,徒歩で郵便物の集配を行う郵便配達人がいます.一日約40kmの山道を歩いて少数民族の村々を訪ね歩き,郵便集配だけではなく,孤独な老人の相談相手になるなど人々との交流を計ることを自らの仕事と任じている父親.しかし歳をとり足を悪くして息子に後を継がせます.その引継ぎの2泊3日の旅を,親子二人と道案内の犬一匹が辿ります.その行程で父と息子が交わす会話,心の動き,そして人々との交流が,淡々と,しかし美しく描かれています.ロードムービーとしては大した盛り上がりもエピソードも無いのですが,親子の心のひだを誇張することなく描き,それがかえって見るものに深い感動を与えることに成功しています.

まず感じるのは映像美.黒澤にかなり影響を受けていると思われる美しい映像がそこここに現れます.次に感じるのはキャスティングの贅沢さ.山間部にしては妙に整った顔立ちの主人公や女性たちが出てきますが,これは商業作品として大目に見ることにしましょう.そして,次男坊という名のシェパード犬の驚嘆すべき自然な動き.しかし何といっても父親と息子の心の交流がハイライトです.地味できつい仕事.しかし父親と引継ぎの旅を歩いてみて,息子はしだいにこの仕事の意義を理解していきます.旅を終えて,父親は息子に後を託す安堵を感じ,息子はこれから背負う荷の重さに気分が奮い立つのです.

徒歩で映写機材を担いでチベットの山あいの村々に映画を見せて回る巡回映画隊 "夢の配達人" という職業があることを NHK のハイビジョン特集で知りましたが,この配達人も薬を持ち歩いて僻地の村々で分けてあげたりと,単なる映写技師以上の仕事をすることを自ら任じていました.なんと高潔な職業規範,職業倫理なのでしょう!大変地味で目立たない,しかし世界中にこのような人たちは多いのではないでしょうか?こういう人たちがいる限り,まだまだこの世も捨てたものではありませんね.

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最晩年の珠玉の作品

勝利 (ハヤカワ・ミステリ文庫) (文庫) - ディック・フランシス (著),菊池 光 (翻訳)

ディック・フランシスの競馬シリーズは,私が学生の頃からの愛読書であり,特に主人公の性格設定には最大限の敬意を払ってきたものです.ディック・フランシスは自らが騎手であったため,イギリスの競馬会は知り尽くしていたわけですが,それだけではこれほどの奥の深いミステリーの作品群を世に出すことはできなかったはずです.やはり,騎手としての才能とは全く別の,ミステリー作家としての才能を持っていたと考えざるを得ません.神は,最高のレベルで二物を与え賜うたのです.

このブログでは,これまでに2回だけ (*1 *2) 取り上げたことがありますが,著者がすでに晩年のため,今後多くの作品を期待することができません.従って,最近は一作一作を大変貴重な思いで,半ば悲痛な思いで読み進んでいます.それにしても,作品の質の高さには毎回驚嘆を禁じえません.

今回の主人公はガラス工芸職人です.これまでの競馬シリーズでも,主人公は何らかのプロフェッショナルであり,その職人魂が主人公の性格設定と強い関連を持っていたのですが,今回もその「お約束」は裏切られることはありませんでした.ガラス工芸というと,一般には馴染みの無い職業ですが,材料に関する化学の知識と,造形に対する才能が必要な職業ということが読み進むうちにわかります.特に,一流になるためには謙虚さを保ち思い上がらないこと,という叔父の言いつけは,騎手を初めとするプロフェッショナルな職人全てに共通する規範なのでしょう.

今回の悪役は,なんと凶暴な性格を持つ女性,とその取り巻きの小粒の男性たちです.競馬シリーズを読むたびに,本当にこのような破綻した人格を持つ人々がいるのだろうか?と疑問に思うことがありましたが,人生での経験を積むにつれ,やはりそのような人々は本当にいるのだ,と思うようになりました.現実は残酷ですね.

長年,この競馬シリーズの翻訳を手がけてこられた菊池光氏が亡くなられたそうで,この作品が最後の翻訳になるとのこと.「・・・のだ」という独特の翻訳調の文体が日本のファンを魅了し惹きつけた功績は大いに讃えられるべきです.なんと,ディック・フランシス自身が,ミステリマガジンに哀悼の言葉を寄せているそうですから,日本での成功は著者自身にとっても重要なことだったのでしょう.

この作品は2000年に書かれ,妻の死とともにこれが絶筆になるのではないかと言われていたのですが,2006年,2007年と続けて新作が発表されました.高齢にもかかわらず,再起した著者の精神力にはただただ脱帽するばかりです.

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2008/01/12

寒中お見舞い申し上げます

Nenga2008

寒中お見舞い申し上げます

わけあって年末年始に10日間ほど家を空けていたため,皆様に年賀状メールをお送りすることができませんでした.今やっと年賀状の整理がつき,こうやって寒中見舞いをお送りする次第です.御容赦願います.

さて,21世紀も今年で8年目を迎えることになります.例年どおり,私自身の昨年を振り返り,今年の展望や希望を書いてみたいと思います.

昨年は,私にとっては可もなく不可もなくという年だったように思います.仕事のほうは,都心での勤務が3年目を迎え,仕事そのものにはもう完全に慣れ,職場でも古株の部類に入るようになりましたが,長時間通勤は加齢とともにしだいに応えるようになってきました.そのため,最近では座れる可能性が少しでも高い時刻・車両を選んで乗るように心がけています.しかしそれにしても日本の電車の座席は狭苦しいですね.特に冬の季節はみな着膨れしていますから,ちょっと体格の良い人が隣に座るだけでも大変窮屈です.おまけに昨年あたりから再びキルティングのジャケットやコートが流行りだしたので,窮屈さに輪がかかります.中距離通勤電車はもう少し座席にゆとりのある設計に変えてもらいたいものです.

ビジネスの世界でも,昨年初夏を過ぎた頃から,地球温暖化が急速に経営課題として浮上してきました.温暖化対策の技術や制度の開発が大変活発に語られるようになり,1年前とは全くの様変わりです.これは,最も直接的には IPCC第4次報告書 (AR4)が曖昧さを排した形で温暖化を予測したことの効果ですが,ここ数年の間に世界中で起こった異常気象が,ひょっとすると温暖化の効果ではないか,という人々の危機感が急速に高まったことが背景としてあると思います.現在,地球全体としては平均気温の上昇はわずかなのですが,それでもこれだけの異常気象が起きる,ということに人々が気がついたのです.50年後,平均気温が2度上がったときに,どのような気候変動に見舞われるのか,人々はようやく空恐ろしく感じるようになったのでしょう.

平均気温が上がると,夏が暑く長くなります.ちょうど日本列島全体が南西に500kmほど移動した姿を考えればよいと思います.夏の暑さは不快でつらいことではあるのですが,人々の生存に関わるほどではないでしょう.最も深刻になるのは水と食物だと思います.日本の雨量が増えるのか減るのかわかりませんが,仮に雨量が大幅に減るとしたら,日本の都市では節水のための懸命の努力が必要になります.水道料金は当然大幅値上げとなるでしょう.また,ジャポニカ種の収穫は大幅に減るので,ジャポニカ種を世界のどこからか輸入するか,インディカ種を作ってそれを食べるよう食生活を変えていくかしなければならなくなります.他の野菜や果物も同様です.これらの問題が厄介なのは,長い期間をかければ産地を移動したり人々の食生活を変えたりできるのですが,過渡的には,慣れ親しんだ食べ物が大幅に不足する事態に見舞われる点です.その結果,世界中で水と食料を巡る紛争が増えます.今日,アフリカで起こっている民族紛争は,見方を変えれば食料資源を巡る部族間紛争ですが,これが他の地域にも波及していくことでしょう.

ということで私の未来予測は,地球温暖化に伴って飢餓と紛争が増える,というものです.暗い未来ですが,長い人類の歴史では飢餓と紛争はデフォルトでしたので,未知の事態ではありません.ただし大規模な伝染病が加わったりすると,大惨事が発生するかもしれません.災厄を最小限にするためには,国際間の協力が不可欠となります.これからは,軍事のみならず水と食料に関する地域安全保障の枠組み作りが必須となるでしょう.それを作れた地域は災厄を免れ,作れなかった地域は経済の衰退,人口減,難民流出などの困難に直面するでしょう.本当の意味での人類の智慧が試される時代がやってくるのです.私たちはもう一皮か二皮,精神的に剥けなければなりません.

昨年は音楽を楽しむ時間をあまり作ることができませんでしたが,それでもブルーグラスの世界では素晴らしい新人たちが現れ,中堅やベテランたちが腕に磨きをかけて素晴らしいアルバムを作り,業界は活況でした.年に何枚かは,これは素晴らしいというアルバムに出会えるのは大変な喜びです.最近は,音楽をダウンロードして楽しむ市場が急速に伸びていますが,私はやはりジャケットやライナーノーツを楽しみながら,アルバム全体を一つの作品として楽しみやり方のほうが性に合っています.

もう一つの趣味の写真のほうですが,PENTAX K10D の扱いにもようやく慣れてきました.レリーズのタイムラグ,レリーズの音とショックの感触,オートフォーカスの速度,などには不満が残りますが,露出や色ののせ方などにはほぼ満足がいきます.昨年末には,憧れだった FA77mmF1.8 Limited を思い切って購入.そのボケ味には改めて感心しています.これで,純正レンズが DA21mmF3.2AL LimitedFA31mmF1.8AL Limited と合わせて3本になりました.いずれも優秀で特徴のあるレンズばかりですので,これからもできるだけ良い被写体にめぐり合えるようにあちこちを歩き回ろうと思っています.そうそう,ズームレンズが一本も無いのですが,今年は DA16-50mmF2.8ED AL を買うかどうか悩む年になりそうです.今年は PENTAX から新しいボディが発売されるでしょうから,それとのバランスも見なければ・・・

今シーズンはどうやら暖冬ですね.原油価格が WTI で100ドルを越えたので,我が家の暖房の主力である灯油は100円/リットルに高騰していますが,この程度の寒さであれば,灯油の消費量はそれほど多くはないのではないかと期待しています.

さて,皆さんの昨年一年間はどのような年だったでしょうか?ひょっとすると楽しい思い出よりもつらい思い出が多かったかもしれません.しかし今年こそは楽しい思い出が多い年であることをお祈りいたします.長いおしゃべりにお付き合いくださり,どうもありがとうございました.

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