豊かなバリエーションに心洗われる
The Collection [Best of] [from US] [Import] - Natalie MacMaster (アーティスト)
Natalie MacMaster はこのブログでもしばらく前に紹介したばかりの正統派女性フィドラーです.カナダは Nova Scotia の出身.このアルバムは2枚組みのベストアルバムで,2007年2月のイシュー.Disc 1 から聴き始めたのですが,トラディショナルな曲がトラディショナルな奏法で淡々と続き,ちょっと面白くありません.もちろんテクニックは抜群ですし,Jig が所々にはめ込まれていてリズムの躍動感もあるのですが,全体として単調さは否めません.
こんな音楽性のはずはないのだがなぁ,と思いつつ,Disc 2 に移ってみてビックリ.こちらは大変豊かなバリエーションに彩られた楽しい一枚.ジャズやラテンのバリエーションもこなすなど,その多彩多才ぶりには驚かされます.第5曲の "Get Me Through December" は,何と Alison Krauss の近作 "Hundred Miles or More" の第14曲目からのカット.いきなり知っている曲が Alison の歌声で聞こえてきたのはうれしい驚きでした.Disc 2 でもトラディショナルな曲は少なくないのですが,豊かな音楽性に彩られた奏法が素晴らしく,古臭さや単調さを全く感じさせない現代的な音楽に仕上がっているところが見事.というわけで,2枚組みのベストアルバムなのですが,わざと対照的な構成を狙っていたというわけです.
苦言を呈するとすれば,最近の2枚組みにしては Jewel Case が分厚くて収納に不便,またライナーノーツが無く,一枚ものの曲リストがあるのみ,というのはいささかサービス精神に欠けます.ジャケット写真も,もっとましなものを撮れよなぁ・・・と言いたくなるような出来.商売っ気ないですね.もったいない.
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