改めて知る味わい深さ
イル・ポスティーノ - 出演:フィリップ・ノワレ,マッシモ・トロイージ,監督:マイケル・ラドフォード
別にどうということは無いはずだったのですが,思いがけずもその味わい深さを思い知らされました.ストーリーはそれほど複雑ではありません.チリ政府から国を終われて逃れてきた世界的な詩人パブロ・ネルーダをイタリアの離島がかくまうことになり,そこでこの詩人に郵便物を届けることになった島の素朴な青年との心の交流が映画の主題です.
光っているのは2点.一つは,詩人が復権して島を去りチリに帰っていった後,島の魅力を伝えるために青年が風や波の音を録音している風景.地中海の島の美しい風景が心を打ちます.時代は1950年代なので,録音といってもそれほど近代的な機材を使っているわけではありませんが,とにかく,地中海の離島の素晴らしさ,波の音,風の音に心を洗われます.
もう一つはこの映画の美しい音楽.ルイス・エンリケス・バカロフという人が担当したのですが,この映画はこの音楽で持っているという気がしてなりません.この音楽が,最近の "世界ふれあい街歩き" のフィレンツェの一場面で採用されているのを聴いて,にわかに萌え上がりました.本当に素晴らしいメロディです.
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コメント
最近再放送されたので,録画して楽しんでいます.朴訥な青年を見事に演じきった Massimo Troisi は撮影時にすでに病魔に冒されているにも拘らず撮影を優先し,撮影終了後間もなく41歳で亡くなったそうです.そういえば,そういう覚悟が見て取れますね.音楽は何度聴いても素晴らしいです.
投稿: 俊(とし) | 2008/11/24 09:49