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2008年8月

2008/08/31

ひどい天気だったけど八月は終わり

ここ一週間ばかりは関東地方は本当にひどい天気でした.南方海上にはいくつもの低気圧が連なって暑く湿った空気を吹き寄せてきます.一方,上空には大陸からジェット気流の蛇行に伴って押し出されてきた大規模な寒気が居座っていました.これにより,地表は大変むしむしするものの,あちこちで大規模な積乱雲が発生して集中豪雨を降らせる,ということが数日間も連続しました.

わが家で最もひどかったのは8月28日の未明.激しい雷雨で目を覚まされ,雨の吹き込みを防ぐために家中の窓を閉めて歩きますが,そのうち落雷で停電.最近の住宅は停電後に電気が復旧しても,様々な住宅機器の設定を元に戻さなくてはならないので,それが大変面倒.

8月最後の今日は,朝方は小雨ながらも午後からは日差しが戻り,それとともに北東からの涼しい空気が蒸し暑さを吹き払ってくれましたので,夕方頃には大変気持ちの良い夏の夕方を楽しむことができました.

明日からは9月.湿度が下がってさわやかな秋風を期待したいところですが,どうなることでしょうか?

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2008/08/30

多世界解釈の入門書

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在(ブルーバックス 1600) - コリン・ブルース(著),和田 純夫(翻訳)

量子力学の説く世界は,私たちの日常の常識とはあまりにもかけ離れているため,それを理解するのは物理学の専門家にとっても楽ではありません.もう100年間あまり,量子力学の帰結をどう解釈するのかに関して,専門家たちの間でも議論が続けられています.現在最も主流の解釈はニールス・ボーアたちが発展させた "コペンハーゲン解釈" と呼ばれるもので,これも何だか良くわからない代物なのですが,この本は,コペンハーゲン解釈に対抗する "多世界解釈" を解説するものです.これはコペンハーゲン解釈にさらに輪をかけて不可解なものです.

コペンハーゲン解釈の特徴は波動関数の収縮という難解な代物なのですが,この解釈にも弱点はあります.二重スリットに向けて光子や電子を一つずつ飛ばして自分自身との干渉縞を作る実験や,EPR パラドックスの実験結果に対してはコペンハーゲン解釈はいかにも苦しい.特に後者のパラドックスの主題である量子デコヒーレンスはなかなか手強い.

それを発想の転換で解決しようとしたのが多世界解釈で,波動関数が取りうるあらゆる可能性の中からなぜ特定の一つに収縮するのかという因果関係の不明朗さに対して,それならばあらゆる可能性が実現される世界が平行して発展していくと考えようというものです.この解釈では EPR パラドックスは大きな矛盾無く扱える・・・とのことですが,私には良く理解できません.なぜならば,多世界解釈は量子的揺らぎの時定数であるプランク時間 (5.39 X 10^-44 s) ごとに,宇宙が莫大な数の平行宇宙に分岐していくことを意味しており,こういう世界解釈が適切とはとても思えません.まるで何かの新興宗教のようにすら感じます.また,場の量子論が説く仮想粒子はどのように解釈するのでしょう?

多世界解釈が出てくる背景には,伝統的な西洋哲学が物事の因果関係を異常なまでに重視する傾向があると私は見ています.原因があるから結果がある,原因の無いところに結果は生まれないという考え方で,これは東洋の哲学とは異なるように思います.量子力学が説く揺らぎや,その結果たまたま選ばれる事象,という考え方は西洋哲学には馴染みにくいものです.その結果,彼らにとってはコペンハーゲン解釈は居心地が悪く,それが長い間尾をひいて因果関係と整合性の良い新しい考え方が生まれてくるのではないでしょうか?以前このブログで紹介した非平衡力学系の本にせよ,ダーウィニズムの本にせよ,科学の世界で因果関係の曖昧さを許容する考え方には必ず攻撃が加えられていることからも,この傾向というか病癖というか頑迷さは強力であるように感じます.

全くの素人の思いつきですが,量子世界では因果関係は気にしなくても良い,粒子は互いに過去とも未来とも情報を交換して相互作用していると解釈すれば,二重スリットも EPR パラドックスも解決できるような気がするのですが.私が特に強調したいのは,人間の頭が考える順序と因果関係は異なるということです.人間にとっての考え易さを因果関係と混同している事例が科学の世界にすら多くあります.もっと極端なことを言うと "因果関係は人間の頭の中にだけある" という主張があっても良い.でもやっぱり受け入れられないのでしょうね?

ブルーバックスにしてはかなり難しい本で,翻訳もそれほどこなれているとは言えず,読むのは結構苦労します.まだまだ発展途上の学説なので,今後の発展に期待しましょう.

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2008/08/27

キューブリックならではのバリー・リンドン

バリーリンドン - 出演:ライアン・オニール,マリサ・ベレンソン,監督:スタンリー・キューブリック

鬼才スタンリー・キューブリック監督の有名な映画ですが,私は初めて観ました.Wikipedia の解説はこちら

キューブリックの後年のフィルモグラフィからいくと,

1960 スパルタカス
1962 ロリータ
1964 博士の異常な愛情
1968 2001年宇宙の旅
1971 時計じかけのオレンジ
1975 バリー・リンドン
1980 シャイニング
1987 フルメタルジャケット
1999 アイズ・ワイド・シャット
というふうになっていますので,時計仕掛けのオレンジとシャイニングの中間に撮られたフィルムであることがわかります.

話の内容自体は,成り上がり貴族の悲劇的な人生,という一語に尽きますが,当時の貴族の習俗としてまだ決闘が残っていたり,母親の優しさがしみじみと感じられたり,話には結構起伏があって,インターミッションを含んで3時間以上の大作ながら,ダレたり飽きさせたりしません.

時代考証を経て細部にまで妥協の余地無く準備・演出された作品で,いかにもキューブリックらしいこだわりが随所に感じられます.特に豪華絢爛で優雅な18世紀後半の英国貴族の暮らしぶりが良くわかり,ルキノ・ヴィスコンティの貴族的で耽美的な映像美に通じるものがあります.

この映画で特筆すべきなのは,ろうそくの明かりだけの照明で撮影をしたシーンが多用されていることです.この "特殊照明" にはすぐに気が付きますが,本当にすごいことです.ろうそくの巨大なシャンデリアも見事ながら,そのゆらめく影と,ろうそくの光に映し出される室内の絵画,家具・調度品や,レースをふんだんに使った服装などが見事に演出されています.1975年時点では,ろうそくの明かりだけで撮影をするのは困難を極め,特別に配慮された方法がとられたことが上記 Wikipedia の記事で解説されています.

アイルランドの伝統的音楽を,今やアイルランドの重要無形文化財とも言うべき The Chieftains が演奏しています.Chieftains については過去にこのブログでも紹介しましたが,この映画撮影当時は無名に近かったはずです.また時代に合わせたバロック音楽が多用されて,重厚さをうまく演出しています.

ペーパー・ムーン(このブログでの紹介はこちら)を父娘で演じたライアン・オニール(Ryan O'neal)がこの映画の主役.名前からわかるとおり,彼自身がアイルランド系だということもあるのでしょうか,この映画の主人公にうまくはまっています.ペーパー・ムーンを撮って2年後の映画なのですが,まだ若々しくてシリアスな役に挑戦し,十分な成功を収めたと言うべきでしょう.

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2008/08/24

The Mount Washington Cog Railway

NHK のハイビジョンスペシャルで,世界の SL の特集番組が放映されました.録画して観たのですが,きっと取り上げられるだろうと期待していた Mt. Washington のコグ鉄道 (Cog Railway) が見事取り上げられていました.この鉄道は,世界最初のラック式鉄道としてあまりに有名.以前に NHK の別の番組でも詳しく取材されていて,そちらを見たのが私にとっての最初の出会いです.ラック式鉄道は,スイスの登山電車や,日本のかつての信越本線の碓氷峠越えの "アプト式" で御存知の方も多いでしょう.一口にラック式と言っても,ラック・アンド・ピニオンの形式には数多くのバリエーションがあり,その中の一つがアプト式です.

私が The Mt. Washington Cog Railway にこだわる理由は,それが小さな SL によって運転されているからです.この SL は急斜面を登るために,ケーブルカーと同じように傾斜の勾配に合わせてボイラや煙突が最初から傾けて設計されています.もちろん観光用ではあるのですが,100年以上の長い年月を経ながらも今なお多くの人々に愛され,またこの鉄道で働きたいという人たちを惹きつけている,そこが素晴らしいのです.下の写真は,この鉄道会社の公式サイトにメディア用としてアップロードされている写真を拝借してきたものです.

Jacobs_ladder

さて,この山の麓にあるのは,Bretton Woods という高級保養地.ん?ブレトン・ウッズ?どこかで聞いたことがあるような・・・そう "ブレトン・ウッズ体制" という戦後の自由主義世界の金融の枠組みを作ったものがそれです.この高級保養地での会議で "ブレトン・ウッズ協定" が合意され,それにより IMFIBRD(いわゆる世界銀行)が生まれました.日本も戦後の復興期には大変お世話になったはずです.

こういう大変由緒正しい高級リゾートなのですが,そこに100年以上前に篤志家によってこのような鉄道が作られ,それが今でも営業を続けて人々を惹きつけている,ということを大変羨ましく思います.一度行ってみたいものです.

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2008/08/23

やはり凄かった弥生軒の唐揚げそば

昨日の夜は外で夕食を食べて帰らなければならず,それでは,ということでかねてから気になっていた常磐線我孫子駅プラットフォームの立ち食いそば屋,弥生軒(紹介サイトWikipedia の記事,一般紹介記事その1その2)でおそばを食べることにしました.

私は通勤で毎日この駅を通過しており,ときには特急の通過待ちで,弥生軒の目の前あたりの車両に乗ってお店を眺めていることもあるのですが,従来はこの弥生軒がそれほど凄いお店だとは全く知りませんでした.このお店のことを知ったのは,朝日新聞土曜版に連載されている荷宮和子さんの "食べテツの女" の第1回目で紹介されていたからです.このお店,かの山下清画伯が5年間も働いていたことがあり,その当時売っていた駅弁の包み紙には山下清の絵が使われていたという,大変由緒正しい立ち食いそば屋.

常磐線下り線のプラットフォーム(1, 2番線)には弥生軒が2店あります.そのいずれもが人で一杯.うーん仕方ないな,と思って下り方面のお店の列に並び,券売機で食券を買います.どれにしようかと迷ったのですが,有名な唐揚げそばは,唐揚げ1個入りのものが320円,二個入りでも400円しかしないので,それならば大したボリュームは無いだろうと思って二個入りにしたのが大間違い.出されたどんぶりを見て目が点に.唐揚げ1個が通常の唐揚げの3個分くらいあります.お箸で持ち上がらないほどの重さ!これが2個も入っているので,そばとは言っても,口の中に入ってくるのはほとんどが唐揚げ.たまにそば麺を食べるのが幸せに感じられるほど,唐揚げばかりをがつがつと食べなければなりません.

これが噂に聞いた唐揚げそばか!との感慨を胸に,次の電車がやってくるまでの短い時間でおつゆまで全て平らげ,どんぶりを文字通り空にして厨房のおばさんに返しました.しかしお腹は唐揚げで一杯で苦しい・・・たしかに,マニアックなファンができるほどのボリューム.あれでどうして400円でやっていけるのでしょう?

お店のメニューで目に留まったのは "穴子天ぷらそば".私は元々は上野駅構内の立ち食いそば屋 "喜多そば" で昔出していた "穴子天丼"(当時500円)のファンだったのですが,現在はこのメニューが途絶えており,それで穴子天ぷら欠乏症になっているのです.次回の弥生軒では,ぜひこの穴子天ぷらそばを賞味してみたいと思います.

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2008/08/19

「加速化する」は誤用です

最近の日本語には誤用と思われるものが数多くあります.かなりの部分は慣用句の意味の取り違えで,これは文法上の誤りではないために,正しいと信じて使っている人も多く,私自身,時々間違いを指摘されることがあります.私自身が誤解していた例には,

おっとり刀で
誤:のんびりとあわてずに
正:刀を脇に差す余裕も無いくらい急いで
先憂後楽
誤:先に苦労をしておけば後で楽ができる
正:天下の安危について,人より先に憂え,人より後に楽しむ
などがあります.特に後者の真意,皆さんは大丈夫ですか?

これ以外に用法の誤りと言われるものも数多くありますが,最近とみに増殖して気味が悪い用法に "・・・化する" があります.さて,次のうち正しい用法はどれでしょう?

1. 加速化する
2. 多様化する
3. 共有化する
4. 寡占化する
5. 専有化する
明確に正しいのは 2 で,4 はまあ正しく,1, 3, 5 は明らかな誤りです.正しい用法は
1. 加速する
2. 多様化する
3. 共有する
4. 寡占化する
5. 専有する
でしょう.

理由は,"・・・化する" という接尾句は,名詞形容詞形容動詞に付いてそれらを動詞にするものだからです.英語で言えば "...ize" に相当します.従って,まず 2 は正しい用法です.次に 1, 3, 5 はいずれも元の語は名詞ですが動作を意味しており,動作に対して "化する" とは動作が重なるので誤りです.この場合には名詞に "する" をつけてサ変動詞にするのがふつうです.名詞でも動作を意味せずサ変動詞にできないものに対しては,"化する" を使うことができる場合があります.例えばそれこそ "動詞化する" が良い例です.

微妙なのは 4 です.寡占は名詞ですが,"独占する" とは言うものの,"寡占する" というサ変動詞は聞いたことがありません.単に用例が少ないだけかもしれません.一方,形容動詞かというと,"寡占な" という連体形では用いられませんのでこれも怪しい.で,判定は微妙ですが,ここでは名詞と形容動詞の中間あたりで,"化する" を付けても良い,ということにしておきましょう.

最近のホワイトカラーの書く文章にはやたらと "加速化する" や "共有化する" という言葉が目立ちます.私が添削をする立場の場合にはいちいち直しますが,大半は放っておかれるようで,訂正されないということがこのような誤用を増徴させる最大の原因になるのだと思います.既に社会人の書く文章では多用されていますが,そのうち新聞でも使われるようになるのではないかと心配です.まあ,こうやって時代とともに言語は変わっていくものですし,その可塑性が大きいところが日本語の面白いところでもあります.そう言えば "多用化される" というのは正しいでしょうか?誤りでしょうか?

英語でも用法の誤りは数多くあるようで,そのための用法辞書も豊富です.有名なものに Fowler という人が書いた "Fowler's Modern English Usage" があります.Fowler の没後も改訂版が書き進められており,びっしりと書かれた用法解説を見るにつけ,その言葉に対する情熱に圧倒されます.

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2008/08/17

晩夏のアブラゼミ挽歌

Summerhome_aug2008019m

一昨日,クールダウンの前日のアブラゼミ.夕日の中,庭のヤマボウシの木の幹に4匹がとまって合唱していました.もう彼らが生きていられる日々は残り少なく,まさに挽歌を唄っているよう.

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昨年と同日,一気にクールダウン

8月16日の午後は寒冷前線がゆっくりと南下して激しい雷雨を降らせ,しかも台風が関東の東海上を北上していたので北東気流が強く,一気にクールダウンが進みました.今日は寒冷前線の北側の冷たい空気にすっぽりと包まれているので,日中の最高気温予想は何と26度.ただしまだ小雨が残っており湿度は高いです.実はこの寒冷前線は2日前には北京を通過し,激しい雷雨を降らせた後にさわやかな秋晴れの空をもたらしたもののようです.大陸から着実に秋が近づいています.

このブログで調べてみると,実は昨年も8月17日の記事にクールダウンがあったことを書いています.全く同日なのは奇遇としか言いようがありません.一昨年は8月26日の記事にクールダウンの記述があります.

いずれにせよ,8月後半になると秋の気配が漂いだすということなのでしょう.そういえば,既に各所で鳥たちの秋の渡りが始まったとの便りを聞きます (*1 *2).このまま一気に涼しくなることは無く,残暑も厳しいのでしょうが,それでも少しずつ秋に向かって進んでいく,この季節感は温帯地方の住人が享受できる大切な感覚だと思います.

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2008/08/16

黄金色の予感

盛夏の中,イネの穂がだいぶたわわになってきました.私の住む地方では田植えは4月末から5月初めの頃なので,稲刈りは8月末から9月上旬です.従って,イネが実るのは8月頃ということになります.何もそんな早めに収穫しなくてもいいのではないかと思うのですが,早稲で出したほうが少しでも値段が高いのか,それとも,兼業農家がほとんどなので,5月の連休中に田植えを済ませなければならないのか.稲刈りが早すぎるので,刈った跡から立派に二番穂が育ちます.

今年は梅雨明けしばらくは天気が安定しませんでしたが,その後は毎日高温が続いていますので,稲の生育も順調のようです.全国的にも作況は良好.わが家の眼下の田んぼの夕暮れ時は下の写真のようになっています.あと2週間ほどすればもっと黄金色に色づいてくることでしょう.でも,そうなるとすぐに刈ってしまうので,黄金色を楽しめる期間はほとんどないのが残念なところ.ヨーロッパの小麦畑のような,黄金の海が延々と連なる風景はなかなかお目にかかれません.

Summerhome_aug2008010m

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2008/08/15

暑い,だるい

Nonta_2008047m

タイトルどおりです.ここ数日は本当に暑い.猫は犬と同様汗をかくことができないのですが,犬とは異なり呼吸を速めて口腔内の気化熱で涼を取ることができません.それでも35度の気温の中,どうにかこうにか生きています.でも本当にだるそう.

明日は熱帯低気圧から台風に格上げとなったアジア名 "VONGFONG-08" が関東南海上を通過するので,うまくいけば北東の涼しい空気を関東地方にもたらしてくれるかもしれません.

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台風が少ない

Summerhome_2006020m2

今年の夏の天気の特徴は,北日本でなかなか夏らしい天気にならないと言うことと,台風が少ないことでしょう.前者は,ジェット気流の蛇行パターンが変わって,日本に寒気が入りやすくなっていたという説明がされています.インド洋とのテレコネクションを指摘する研究者もいます.

地球の大気・海洋系は大変複雑なシステムなので,今日でもわからないことだらけですね.とくに海洋系は大陸の配置で様相が全く変わります.典型的な例が南極大陸です.3,000万年ほど前に南極が孤立した大陸になって以来,南極の周囲には南極周回流が発達しました.その結果暖かい水と遮断された南極大陸は寒冷化がどんどん進み,今日見られるような氷床が発達したのです.大陸の配置の変化が気候の大変化をもたらす可能性には本当に驚かされます.

後者の理由を推測すると,基本的には台風の揺りかごである海域の海水温に関係があるのだろうと思います.フィリピン南東の海域の水温が平年よりは少し低く,このため上昇流の温度と湿度が低くて低気圧が発達しにくいのではないか・・・と.あるいは台風が発達しても,それがジェット気流の蛇行パターンなどの理由で日本近海にやってくることができないのではないか・・・

今日は日本の周りは低気圧だらけ.台風になりそこなった熱帯低気圧が日本列島を挟むように北上しています.これで猛暑が和らげられて一服つけると良いのですが.

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2008/08/12

日本航空123便墜落事故から23年目

日本の夏は大変暑いのですが,この暑さとともにいくつかの重苦しいイベントが立て続けにやってきて,苦しさをいっそう辛いものにします.まずは8月6日の広島原爆の日,そして8月9日の長崎原爆の日,それから本日,8月12日の日本航空123便墜落事故の日,最後に8月15日の終戦の日です.

この墜落事故については,2年前にこのブログで取り上げましたので,今年は特に改めて申し上げることはありません.そこでも引用した Wikipedia の記事はその後も書き進められ,この事件の全貌を知る最も良くまとまった資料であると思いますので,ぜひ御一読ください.

本日のニュースで遺族の方々の慰霊登山の様子が報道されていました.遺族にとっては23年経っても忘れられるものではないと思います.犠牲者の方々の冥福を篤くお祈り申し上げます.

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2008/08/10

カステラ一番,電話は二番

文明堂といえばカステラの老舗の暖簾,なのですが,実は暖簾分けがたいそう複雑だったようで,Wikipedia の記事によれば,現在では文明堂を名乗る企業が,長崎の "株式会社文明堂総本店",神戸の "株式会社文明堂神戸店",浜松の "株式会社浜松文明堂",横浜の "株式会社文明堂",日本橋の "株式会社文明堂日本橋店",銀座の "株式会社文明堂銀座店",新宿の "株式会社文明堂新宿店" と,七つも並立しているそうです.このそれぞれの会社が支店を出しているので,地域によっては一口に文明堂といってもなかなか同定は難しそうです.しかしそうは言っても根っこは同じ,1900年に中川安五郎という人が長崎で創業したものがルーツだそうです.

文明堂のカステラの TV コマーシャルは,私の生まれ育った地方では放映されていなかったので,上京するまでは全く知りませんでした.私の地方ではカステラと言えば "福砂屋" と決まっていましたので・・・底の分厚いざら目砂糖がたまりません.また上記のような事情で,各文明堂企業がそれぞれ独自のコマーシャルを流している地方も多かったそうで,関東地方では常識だったオッフェンバッハの "天国と地獄" の音楽にのって踊る熊のマリオネットの TV コマーシャルは,実はローカルなものだったのです.

さて,このコマーシャルのフレーズの "電話は二番" というのは,実際に文明堂の電話番号は二番だったからのようですが,昔,電話がまだ珍しかった時代には,電話は交換手のパッチボードによる手動交換だったので,受話器を取って "二番をお願いします" と言うと,しばらく経って相手につながるというものだったのです.私の子供の頃でも山の中の温泉宿などでは,電話機に付いたハンドルをぐるぐる回して交換台を呼び出し,電話番号を告げてつないでもらう,というシステムがまだ現役でした.子供心にも,なんという旧式な世界だ,と思ったものです.

Hojo_jun2008072m

長い前置きでしたが,上の写真は6月に紹介したつくば市北条(*1 *2 *3 *4 *5)で見つけた軒先の電話番号表示.きれいなホーロー製でほとんど傷みもありません.素晴らしいことです.このお宅に電話をかけるときにも文明堂と同様 "二番をお願いします" と言っていたはずです.このお宅にはこれ以外にも素晴らしい歴史の宝物が沢山残っています.

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2008/08/09

朝涼み

Summerhome_aug2008004m

朝起きてみると天気は晴れ.熱帯夜だったとはいえ,朝は少し涼しいのが救い.夜を通して晴天だったらしく,放射冷却で朝露が降りていました.そこに小さなアマガエル.二階の手すりの上にちょこんと乗っています.二階の高さまでどうやってやってきたのか,吸盤で登ってきたのでしょうか?気持ちよく朝涼みをしているようにも見えますね.お隣のサルスベリの花が満開.今日も昼間は暑くなるよ!

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なぜ0.1mmをケチるのか?

先日,ニコンの新しいフルサイズ・デジタル一眼レフ D700 のことを書きましたが,今日はその本体,それも中枢の撮像素子について.

このカメラの撮像素子は,いわゆる 35mm フルサイズの CMOS センサです.フルサイズということは,36.0 X 24.0mm の長方形のはず.しかしながら,仕様をよく読むと,ニコンのデジタル一眼レフ用フルサイズ,いわゆる FX フォーマットは 36.0 X 23.9mm であると書いてあります.縦サイズが 0.1mm 小さめ.これはなぜ?

同様の疑問は,ちょうど3年ほど前にキャノンのフルサイズ・デジタル一眼レフ EOD-5D が出されたときにも感じましたので,このブログで紹介しました.EOS-5D は縦サイズも横サイズもわずかながら小さめです.

CCD にせよ CMOS にせよ,長方形のセンサ・チップを円形のシリコン・ウェファから切り出すときに,一枚のウエファから切り出せる数が多ければ多いほどセンサ一個のコストは小さくなります.現在のデジタル一眼レフ用のセンサにはおそらく8インチのウェファが用いられているはずですが,そのときにセンサのサイズを 0.1mm ケチったところで,取り数が増えるものでしょうか?もちろんセンサの周辺には回路部分や電極などもありますから,切り出すセンサのサイズは光学部分よりは大きめになります.従って取り数の問題はより深刻になりますが,それにしてもなぜ 0.1mm 程度をケチるのかよく理解できません.それも FX フォーマットは縦サイズだけ.ひょっとして回路パターンをウエファに転写するステッパの能力の関係があるのでしょうか?

36.0 X 24.0mm というサイズは,ちょうど 3:2 というアスペクト比になっており,これが 35mm カメラの標準アスペクト比です.もちろんこの比率をレタッチや印刷のプロセスを通して守り通す必要は無く,作画意図によって周辺を好きなだけトリミングすることは自由なのですが,それにしても,オリジナルのアスペクト比が 3:2 からずれるのは気持ちが悪い.特にデジタル写真では画素数がドット数でカウントできるので,レタッチの際にドット数を縮小するような場合,きれいな整数比になりません.例えば D700 のフルサイズ画素数である 4256 X 2832 を素直に縮小して横サイズを 1200 にしようとすると,1200 X 798 となりちょっと気分が悪い.この点,EOS-5D はよく考えられており,フルサイズの 4368 X 2912 を素直に縮小しても,ちゃんと 1200 X 800 になるようアスペクト比が調整されています.上級機の EOS-1 Ds Mark III も同様です.

ニコンは FX フォーマットを決めるときに,ちょっとマズッたなぁ.ステッパの能力でやむを得ず決めたとすると,ステッパ・メーカとしてのニコンの名が泣くなぁ.

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2008/08/06

マイクロフォーサーズ規格が誕生

このブログで3年前に "デジカメはこう進化する (1)" として予測したことが現実になりつつあります.クイックリターンミラーを廃止し,フランジバック距離を縮小した新しい一眼レフのマウント規格 "マイクロフォーサーズ" が誕生しました.詳しくは上のリンクの解説記事を読んでいただきたいのですが,私が予想したとおりの規格が出来上がりつつあります.

課題の一つは撮像素子です.ライブ・ビュー用の撮像素子と本撮影用の撮像素子を別にするか兼用するのか,しばらくは試行錯誤が続くことでしょう.兼用できればそれが一番望ましいのですが,埃の問題,露出時間を決めるシャッターの問題,撮像素子に強い光が入った場合の過渡特性の問題など,いくつか解決しなければならない技術課題が残っています.

しかし,これらの課題はいずれ解決,あるいは妥協され,実用化が進むことでしょう.何よりも,フランジバック距離が素直に縮小されることで,レンズ設計,特にバックフォーカスに無理が生じず,小型・軽量なレンズシステムが実現できます.しかもそれを搭載する小型ボディとのうまいマッチングが取れれば,かつてのレンズ交換式レンジファインダー機のような世界が生まれるのではないかと期待しています.

フォーサーズ規格の公式 Web サイトはこちら,Wikipedia の解説記事はこちらです.いずれも既にマイクロフォーサーズについて触れられています.

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2008/08/05

落雷

この2日ばかり,関東甲信越地方の上空には寒気が入り,まるで梅雨末期の集中豪雨が戻ったかのような雷雨が続いています.特に東京以西でこの傾向が強く,今日の午前中から昼頃にかけては東京都心でもバケツをひっくり返したような強い雨がひとしきり降りました.

7月26日にポストした記事でも書きましたが,どうも今年は太平洋高気圧の勢力が弱いようです.そのために関東以北では梅雨が明けていないような天気が続いています.このまま行くと,東北地方以北は冷害になってしまうのではないかと心配です.エルニーニョやラニャーニャということでもなさそうで,地球大気の季節変化のちょっとした変調に過ぎないのでしょうが,自然のサイクルに依存して生きる生き物たちにとってはなかなか大変なことです.

今日面白かったのは都心の.建設途中の高層ビルからは高いクレーンが何本も空に向かってそびえ立っていっます.いかにも雷が落ちそうな構造物です.きっとクレーンには避雷針が付いているのだろうなと思ってタクシーに乗って眺めていたら,ちょうどそのときそのクレーンに稲妻が走って落雷しました.クレーンの運転席にいた人は大丈夫だったのでしょうか?最近は若い女性もクレーンの運転をしていると聞きます.

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2008/08/03

ネットワーク障害

先週は残業続きだった上に,木曜日の夜は9時過ぎまで変則的な会議,金曜日と土曜日は朝早くから夜遅くまで大規模な会議の運営が続き,もうへとへとでした.特に昨夜は帰宅が深夜になり,熱帯夜のねっとりと体にまつわりつく湿気の中をもがきながら歩いて帰宅したものの,空腹と蒸し暑さでよく眠れず,今朝も頭がぼんやりしていました.

そういうときに限ってネットワーク障害が起きるものです.午前9時過ぎ,それまで順調だったネットサーフィンが突然フリーズ.あれれ?と思って調べてみると,ルータまでは障害なし,その先が問題のようです.NTT のフレッツ網か,@nifty のアクセスサーバあたりが怪しい・・・と思って,別の手段で障害情報を調べてみると,ありました,ありました,やはり私の住む地域でのフレッツ網から @nifty へのアクセス障害のようです.約2時間後に回復し,今はなんともありません.NTT からはいまだに "FENICS" という名前で呼ばれているのですね.NIFTY-Serve 黎明期には慣れ親しんだ富士通の専用線パケット交換網の名前です.

Networkmalfunction

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