The Mount Washington Cog Railway
NHK のハイビジョンスペシャルで,世界の SL の特集番組が放映されました.録画して観たのですが,きっと取り上げられるだろうと期待していた Mt. Washington のコグ鉄道 (Cog Railway) が見事取り上げられていました.この鉄道は,世界最初のラック式鉄道としてあまりに有名.以前に NHK の別の番組でも詳しく取材されていて,そちらを見たのが私にとっての最初の出会いです.ラック式鉄道は,スイスの登山電車や,日本のかつての信越本線の碓氷峠越えの "アプト式" で御存知の方も多いでしょう.一口にラック式と言っても,ラック・アンド・ピニオンの形式には数多くのバリエーションがあり,その中の一つがアプト式です.
私が The Mt. Washington Cog Railway にこだわる理由は,それが小さな SL によって運転されているからです.この SL は急斜面を登るために,ケーブルカーと同じように傾斜の勾配に合わせてボイラや煙突が最初から傾けて設計されています.もちろん観光用ではあるのですが,100年以上の長い年月を経ながらも今なお多くの人々に愛され,またこの鉄道で働きたいという人たちを惹きつけている,そこが素晴らしいのです.下の写真は,この鉄道会社の公式サイトにメディア用としてアップロードされている写真を拝借してきたものです.
さて,この山の麓にあるのは,Bretton Woods という高級保養地.ん?ブレトン・ウッズ?どこかで聞いたことがあるような・・・そう "ブレトン・ウッズ体制" という戦後の自由主義世界の金融の枠組みを作ったものがそれです.この高級保養地での会議で "ブレトン・ウッズ協定" が合意され,それにより IMF と IBRD(いわゆる世界銀行)が生まれました.日本も戦後の復興期には大変お世話になったはずです.
こういう大変由緒正しい高級リゾートなのですが,そこに100年以上前に篤志家によってこのような鉄道が作られ,それが今でも営業を続けて人々を惹きつけている,ということを大変羨ましく思います.一度行ってみたいものです.
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