アマガエルの大変身
ニホンアマガエルは,体の色素細胞を拡張させたり収縮させたりして体表面の色を変えることで知られています.上の写真はわが家の玄関のドアにへばりついて灰褐色に変身しているニホンアマガエルです.普段良く見かける薄緑色の体色に比べると,これはそれこそ大変身!猫だったら,キジトラが三毛になるようなものでしょうし,人間だったら白人が黒人になるようなものかもしれません.
どうしてこのような場所にじっとしているのか,餌となる昆虫が飛んでくるのを待っているのでしょうが,それにしても朝から夕方までじっとしているのは驚異的です.近づいて良く見てみると,のどの辺りを一秒間に数回もヒクヒクと震えさせており,呼吸は人間のそれに比べるとかなり速いのがわかります.いくら変身しているとは言え,これだけコントラストがはっきりしていては,捕食者の鳥にすぐに見つかってしまいそうなのですが,人間の至近距離にいる事で捕食者を遠ざけているのかもしれません.これはツバメの巣が人家の軒先に作られる理由としても推測されており,そのような行動が適応進化してくることは十分にありえることです.
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コメント
蛙は自然環境のバロメターだそうですね。
BBCニュースに、蛙の嬉しい話がでてました。ご覧ください:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7609590.stm
コスタリカは、ブータンと並んで、世界一の環境保護国だそうですが、そんな国に住む蛙たちは幸せですね!
投稿: みえこ | 2008/09/14 20:18
みえこさん,コメントありがとうございました.
カエルの類は環境の変化に大変敏感で,例えば酸性雨の影響をもろに受けるのだそうですが,我が家の周辺のアマガエルは今のところ大変元気.アマガエル以外にも,トウキョウダルマガエル,シュレーゲルアオガエル,ヒキガエル,ウシガエルなどがそこらじゅうに居て,5月に田んぼに水が入ったとたんに,毎晩ものすごい大合唱が聞こえます.
カエルにとって今最も懸念されるのはツボカビ病という伝染病.日本でも大流行の兆しがあるので,大変心配されています.
コスタリカの新種の発見は素晴らしいことですね.哺乳類では新種の発見はもうほとんど望めなくなっているのですが,両生類ではまだまだ新種の発見があるでしょう.これらの生き物たちがこれからも無事に生きていけることを祈ります.
投稿: 俊(とし) | 2008/09/14 21:13