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2008/09/05

ダウンバーストの記憶

今週月曜日から9月が始まりましたが,少しはさわやかな天気になるかと思いきや,相変わらず日本の南に停滞している低気圧(中心部に上昇気流を持つ反時計回りの巨大な渦)から暑く湿った空気が日本列島に流し込まれ,ジェット気流の蛇行で大陸から押し出された寒気と反応して各地で集中豪雨を降らせています.

最近では,1時間に100mmを超える雨量と聞いてもさほど驚かなくなったのが,本当は驚きです.バケツをひっくり返したような,と表現されることが多いのですが,こういうときに車に乗っていると,ワイパーをフルスピードで動かしていても視界は極めて悪く,できることならばハザードランプをつけて路肩に停車しているほうが安全かもしれません.でもかえって追突されるか?それで思い出しました・・・

私がこれまでの人生で最もすごい気象現象!と感じたのは,1996年7月15日に茨城県はつくば市から下館市にかけて発生した "ダウンバースト "です.このとき私は筑波の某国立研究所の人とともに車に乗ってつくば市から下妻市に向かって移動中でしたが,途中から急に空が暗くなり,猛烈な下降気流とともに雹が滝のように降ってきました.雹はピンポン玉よりもやや小さいくらいですが量がものすごく,それこそ視界は真っ白になり前は全く見えません.車の屋根を恐ろしい音を立てて大量の雹が叩くので,生きた心地はしませんでした.街路樹の葉が雹でちぎられ,それが猛烈な風に吹き飛ばされてあたり中を舞っています.

このときに観測された最大風速は47m/s程度だったそうですから,やはり猛烈な風だったわけです.雹の降り方は,降るというよりは,強烈な下降気流によって地面に叩きつけられるというほうが正確で,かなりの自動車がボディを傷つけられる被害を受けたはずです.多くの自動車は,ハザードランプをつけて路肩に停車していました.10分ほどでダウンバーストは去り,しばらくすると何事も無かったかのように空には虹がかかっていました.しかし,路面には無数のちぎり取られた街路樹の葉が散乱し,なかなか異様な光景でした.

このときにダウンバーストは,大変幸運なことに,つくば市の気象研究所や成田空港,羽田空港などの近くだったので,最新のドップラー・レーダなどで詳しく観測されており,これらのデータがダウンバーストの発生メカニズムを解明する研究に大いに役立てられています.

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コメント

こんにちは
日本では大きな空港くらいにしかないドップラーレーダーですが
トルネードの本場アメリカでは、いたるところにドップラーレーダーが設置されていて全米がくまなくカバーされています。
トルネードワーニングが出されて、TVにリアルタイムに映るドップラーレーダーの映像で接近するトルネードを見ていると恐ろしくなってきます。ダウンバーストとトルネードは表裏一体の関係のようでトルネードが接近するとダウンバーストが起きたり雹が降ったりします。
日本ではあまり経験することのなかったワイルドな気象現象がアメリカでは毎春、秋に経験できます。
でも日本の気象現象もずいぶんワイルドになったようですね。

投稿: たいちょ~ | 2008/09/11 12:07

たいちょ~さん,お久しぶりです.

そうですね,アメリカの大平原の気象はなかなか荒々しいですね.オズの魔法使いでも良くわかります.

ところで,アメリカのトルネードで出てくる F スケールは,実は日本人の研究者,藤田博士にちなんだものらしいですよ.ツイスターという映画がありましたが,そのモデルになったのが藤田博士.戦後のニホンからアメリカにわたった気象学者です.

投稿: 俊(とし) | 2008/09/11 23:59

こんにちは~
フジタスケールについては知っていましたが、藤田博士が映画ツイスターのモデルとは知りませんでした。
ツイスターではサントラでAKUSがMoments Like Thisという歌を歌っているのですが、映画を見ているときは気づきませんでした。

投稿: たいちょ~ | 2008/09/12 10:02

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