熱海,暁の海
久しぶりに熱海に一泊してきました.前回熱海に泊まったのは,もう今から20年以上前です.それ以降も日帰りで熱海を訪れたことは何度かありますので,街の変貌の様子などは知っていたつもりですが,それでも実際に泊まってみると,従来との変化がわかりました.
熱海に限らず,鬼怒川温泉や塩原温泉など都市圏から客を呼び込む温泉街は,団体の宴会旅行を受け入れることを前提として運営されていました.しかし20年ほど前から,企業などの団体旅行は下火になり,かといって個人客を呼び込むための経営ノウハウや差別化の開発は進まず,大変苦しい経営状態に追い込まれました.熱海の海岸通りも廃業になったホテルが目立っていた時期があります.この状態は今でも続いていると言ってよく,九州の由布院や黒川温泉などの一部の例外的な温泉街が活性化に成功しているに過ぎません.
今回宿泊したホテルでも個人客を呼び込むための工夫が様々に凝らされているのはよくわかります.海側の眺望の良いホテルなので,"日本一,月がきれいに見えるホテル" というキャッチフレーズで,主として女性客の呼び込みに努めています.月のリズムで体と心を癒されるというという触れ込みです.当然のごとくエステティックサロンがあったり,プライベートビーチがあったり,バラの花を広げた露天風呂があったりします.驚いたことに,日没時のサンセットハイクや,ネイチャーガイドに引率されたナイトハイクまでプログラムが準備されています.大変充実したコンテンツが用意されていて,一昔前の温泉ホテルとは隔世の感があります.
それでも活気はいまいち.何かもう一工夫欲しいところ・・・そういう思いを抱いてベッドに入り,翌朝窓を開けて見えた光景が上の写真.眺望の良さは本当に見事なものです.遠くに見えるのは初島.ここもバブルの頃には長銀を含むグループがリゾート開発を行いましたが,あえなく失敗.しかしその後エステティックサロンによる個人客の呼び込みには成功したようで,ここをモデルにするホテルも多いとか.
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