Dan Tyminski の新作アルバム
Wheels [Import] [from US] - Dan Tyminski(アーティスト)
優れたマンドリン弾きであり,ギター弾きであり,トップクラスの歌い手でもある Dan Tyminski は AKUS に無くてはならないメンバーであると同時に,ソロとしての活動にも素晴らしいものがあり,過去にこのブログでも紹介しました.あまり聴いたことがないという人でも,映画 "O Brother, Where Art Thou?" の挿入歌 "A Man of Constant Sorrow" を歌った人と言えば,ああそうかと思い出すことがあるかもしれません.この映画の DVD もこのブログで紹介していますのでご覧ください.
さて,このアルバムは Dan Tyminski のソロアルバムとしては前作に次ぐ二作目.あちこちのセッションに顔を出して歌声をしょっちゅう聴くわりには,自らのソロアルバムは大変少なく,前作が2000年,このアルバムが2008年という感じです.もっとアルバムを出せば売れるのにもったいない気もしますが,それが彼のスタイルなのでしょう.
このアルバムで耳に付くのは,相変わらずのマンドリンの冴え.この人は本当に詩情豊かな美しい音色を奏でてくれます.音楽性の高い現代ブルーグラスを弾かせたら,この人の右に出る人は少ないでしょう.これはアルバムタイトルとなっている第1曲の "Wheels" でも遺憾なく発揮されています.第5曲の "It All Comes Down to You" は AKUS の同僚でもある Ron Block の作曲.AKUS の最高アルバムの一つ "New Favorite" にも収録されていますので,聴き比べると面白いです.第11曲の "Knock Knock!" はバンジョー,ギター,フィドルなどの大変楽しい Instrumental の小曲.これら以外のどの曲も十分に楽しめます.現代 Bluegrass の水準を知ることが出来る大変お買い得なアルバムです.
AKUS の仲間である Barry Bales がバスとヴォーカルで加わっています.彼らが相互のアルバムに互いに脇役として加わっている姿勢はなかなか見事.これは Bluegrass の伝統なのでしょうか?
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