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2009年2月

2009/02/28

手漕ぎ和船

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さらに木場の親水公園の続き(*1 *2)です.仙台堀川沿いに歩いていくと,横十間川との交差点に出ます.交差点には島があり,そこは野鳥の森になっているとの事ですが,付近が工事中で様子がよくわかりませんでした.仙台掘川親水公園はここからさらに3kmほども続いているのですが,今日はここから横十間川を北上することにします.

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するとすぐに手漕ぎ和船の船着場に出くわします.この手漕ぎ和船はボランティアの人たちが和船とその手漕ぎの技術を復活させたもので,週末には誰でも無料で乗船することが出来ます.私が通りかかったときにも3,4艘の和船が漕ぎ出していました.Wikipedia によれば,和船の構造は西洋や他の地域の船とは異なり,竜骨が無く,応力外皮構造すなわちモノコックだったのだそうです.船の様式の地域分布とその歴史的発達は,古代の民族移動を知る一つの手がかりですが,日本での船が独特の発達を遂げたことがわかります.縄文時代以前のユーラシア大陸や南西諸島経由の民族の渡来と,弥生時代華中華南からの稲作渡来民と,様々な民族が去来して日本民族が構成されてきたわけですが,日本独特のモノコック構造船の起源がどこにあるのか,大変興味深いですね.

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横十間川沿いの親水公園は大変よく整備された遊歩道で,彫刻などのオブジェも多く,お散歩するにはもってこいです.途中,岩井橋の下をくぐるのですが,そのときに橋に映し出されたる波紋の反射が大変面白かったので一枚.

ほどなく小名木川との交差点にかかるクローバー橋にたどり着きます.この辺りにもオブジェがあったり,凝った形の夜間照明装置があったり,面白いです.私の目を引いたのは,元は青く塗られていたであろう舫い杭.青色があまりに鮮やかで,sRGB色空間では表現できないのではないかと思うほどです.

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2009/02/24

東京大空襲慰霊の千石地蔵

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先日の続きです.木場公園から仙台堀川に沿って東に向かいます.このあたりから親水公園が延々と何キロメートルも続くのには感動しました.すごい社会インフラ投資.さすがは東京都.維持管理にもお金がかかっています.ベンチが置いてあるだけの親水公園のようなところばかりではなく,芸術的なオブジェがそこここ置いてあったり,大きな釣堀まであるのには驚きました.水面にはカモの姿もチラホラ.トイレも適度な密度で配置されています.ちょうど日曜日の午前中だったことも会って,ジョギングする人,自転車を走らせる人,犬の散歩をする人などで,たくさんの人と行き交います.下の写真はあるオブジェのクローズアップ.テクスチャと色が面白いです.

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そんな親水公園の木場公園側の入り口に発見したのが下の写真のお地蔵様.その名は町名をとって "千石地蔵尊".縁起を読むと,東京大空襲の被災者を慰霊するためのものだそうです.東京大空襲はドレスデン爆撃と並び称される第二次世界大戦末期の非人道的絨毯爆撃で,これはもちろん戦争犯罪です.この辺りの東京の下町では,1945年3月10日未明の焼夷弾による空襲で多くの人が焼け出され,大火災により発生した巨大な火災旋風によって一晩で10万人もの人命が奪われました.従ってこの辺りは原爆投下級の犠牲者を出した空襲の被災地です.その慰霊のためにこのお地蔵さんは建てられたのだそうです.もうすぐ3月10日が巡ってきますね.慰霊の法要が行われるとの立て看板が立っていました.

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2009/02/22

木場公園斜長橋のシルエット

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今日はお昼過ぎまでお天気は晴れの予報.当地は朝は冷え込み,真っ白に霜が降りていましたが,昼間の気温はそれなりに上がるとのこと.それならば,ということで再び江戸風情探訪のお散歩に出かけました.

今日の目的地は木場.古くは貯木場があったところで,広重名所江戸百景にも描かれているとおりですが,今では広大な木場公園になっています.しかし周囲には江戸時代から開削され利用されたきた運河が縦横に走っています.江戸は水路の町.物流は水運に頼っていたそうです.都心近くの水路は今では埋め立てられたり,蓋をされて暗渠にされたりと,散々な目にあっていますが,木場の周囲の運河は今でも健在です.特に,横十間川仙台堀川は川の周囲が親水公園として整備され,東京の下町とは思えないほどのどかで心安らぐ空間が広がっています.この季節には渡り鳥のカモ類の姿もちらほら.まるでパリのサン・マルタン運河沿いのよう・・・というのはちょっと言い過ぎか.

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上の写真は木場公園内にあって葛西橋通りと仙台堀川をまたぐ斜長橋のシルエット.今日は日曜日なので,ジョギングをする人,犬の散歩をする人,フリーマーケットに出かける人などで賑わっていました.続く・・・

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2009/02/21

Martina McBrideのライブDVD

Live in Concert [Limited Edition] [Live] [Import] [from US] - Martina McBride (アーティスト)

Martina McBride はこのブログでも何度も取り上げている (*1 *2 *3) カントリー・ロックの女王的存在です.整ったルックス,パワフルな歌いっぷり,細やかな情感表現,そしてどんなメロディーラインでも,声のどんな強弱でも自分の声のアイデンティティを崩さない安定した歌唱力.そして人々の心に響く数々のヒット曲.カントリーのトップスターに必要な資質を全て備えた彼女の人気は大変安定したものがあります.1966年7月の生まれなので現在42歳.まさに脂が乗り切った冴えを見せてくれる歌手です.

このライブを見るとよくわかるのですが,若い女性の観客が実に多い.彼女たちのほとんどはティーンエージャーでしょう.ステージのまん前に陣取って踊りながら曲を楽しんでいます.しかもその表情たるや完全に Martina McBride の世界に没入している風で,このようなファン層を持つカントリー・ロックの女性歌手となると女性トリオの Dixie Chicks も思い浮かびますね.私はよく理解していないのですが,彼女の歌に込められたメッセージは彼女たちの年齢層の心をうまく掴んでいるのでしょう.

コンサートで歌われた曲は全部で20曲.DVD を全て視聴すると97分以上の時間がかかりますが,それだけの時間をかける価値は十分にあります.私は第3曲の "Wild Angels" から心にスイッチが入って,全編を楽しむことが出来ました.

カントリーのコンサート DVD としての出来ばえもまあまあです.アメリカのコンサート DVD にありがちな派手なカメラワークや画面の切り替えが少ないので,落ち着いてコンサートを楽しむことが出来ます.カメラはゆっくりとしかパンしません.画面の切り替えはかなり多めかな?カントリーのコンサート DVD の金字塔はもちろん2005年に紹介した AKUS の "Live" ですが,これとの違いは録音への配慮ということに尽きるでしょう.

AKUS の Live では,全ての楽器がアコースティックなので,楽器用のマイクロフォンは録音と PA の二つの用途を兼ねなければなりませんが,ステージの上にはラグを敷くなどして,スタジオ録音と同じ程度に気を使って音作りの準備が行われました.それに比べるとこの Martina のコンサートでは楽器のほとんどがピックアップを付けているようで,録音への気遣いはそれほどなされなかったように感じます.

いずれにせよ,画像は鮮明で美しくてノイズは無く,カラーバランスなどもよく調整されていますので,大画面の薄型テレビで見ることをお勧めします.この DVD にはおまけに CD も付いているので,大変お買い得でもあります.

一つだけ気になったのは,最後のアンコール曲 "Over the Rainbow" のメロディーラインの崩し方.実はこのブログでも紹介したダントツの美声 "Eva Cassidy" の歌いっぷりと全く同じだったのです.この崩し方はこの業界で一般的なものなのでしょうか?Eva の崩し方をパクッたとは思いたくないのですが,ちょっと気になりました.

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2009/02/19

今年の寒肥はカニガラ入り

週末に恒例の寒肥(かんごえ)やりをしたのですが,今年選んだのはただの油かすではなくて,何と魚骨粉&カニガラ入り.こういうものもあるのですね.しかし,肥料の三要素である窒素・燐酸・カリの比率で言うと,4.5-6-0 なのだそうです.カリの比率がゼロでいいのだろうか?という疑問が頭をもたげます.通常の "なたね油かす" だとこの比率は 5-2-1 なので,こちらのほうが良いのかも.でもカニガラという言葉に惹かれました.

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このブログを検索してみると,一昨年にもほぼ同じ時期に寒肥やりをしていますね.フキノトウが見つかったのも全く同じです.

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2009/02/17

この渋さにはグッとくるぜ!

Through the Window of a Train [Import] [from US] - Blue Highway (アーティスト)

この Blue Highway という洗練された本格派の現代ブルーグラス・バンドについてこのブログで紹介するのは2007年3月に続いてこれで2回目になります.大変な実力を持ったバンド.しかも自作の曲が多く,演奏だけではなく曲作りの実力も大変なものです.

彼らの音楽の素晴らしいところは,現代的な叙情を大変ストレートに音楽として表現できていることでしょう.しかもその音楽性を支える演奏テクニックが素晴らしいだけでなく,叙情性の高い音作り,バランス,楽器間のコラボレーションに至るまで,実にプロフェッショナルな配慮が行き届いているところがすごい.全体としては,細かくきっちりとした細工が施された燻し銀の細工物という感じがして,眺めても撫で回してもその感触が楽しめる,という喩えはどうでしょう?その魅力は "渋さ" だと言うこともできると思いますが,そう簡単に一言で言えるようなものではありません.

前回レビューしたアルバムと同様,端正でやや控えめなバンジョーマンドリンのピッキングは美しく,また素晴らしく流麗なドブロは今回も健在.ヴォーカルには改善の余地があるものの,これはそういうメンバーを探して連れてくるしかないでしょう.アルバムタイトルでもある第2曲の "Through the Window of a Train" はそんな彼らの特徴を一曲で表現したような逸品.グッと来てお薦めです.現代ブルーグラスの最高レベルを知りたければ,まずは彼らのアルバムをじっくりと聴き込むことから始めてはいかがでしょうか?

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2009/02/15

フキノトウめっけ!

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今日の午後はこの季節恒例 (*1 *2)の寒肥(かんごえ)やりをやったのですが,庭を隅々まで歩き回るうちに,フキノトウが出ているのを発見しました.一昨日から春一番が吹いて気温が異常に上がり,昨日はこのあたりでも24度くらいにまでなったので,早めに出てきたのかもしれません.こういうときのために胸ポケットに入れておいたデジカメで撮った写真がこれ.フキノトウ以外にもクロッカスの花が咲き始めたり,スイセンの葉がずいぶんと高く伸びてきたことも発見しました.

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週明けからは再び気温が平年並みに下がるので,春の足音はいったん下火にはなると思われますが,全体としては暖冬気味の今シーズンの冬なので,フキノトウはもうどんどんと出てくるように思います.ウメの花もずいぶんと見かけるようになりましたしね.

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ネアンデルタール人の全ゲノムを解読

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ドイツのマックス・プランク研究所進化人類学研究所が,クロアチアで発見された化石からネアンデルタール人の全ゲノムの解読に成功し,その最初のドラフトを2月12日に発表しました.リーダーは古代人骨 DNA 解読のエキスパート Prof. Svante Pääbo.高速 DNA シーケンサとして有名な 454 Life Sciences 社の協力を得て短期間の解読が可能になったようです.記者会見の様子はこちら.かなり長い会見です.

Neandertalgenome

ミトコンドリアの DNA は短いのですでに完全に解読されており,NCBI のデータベースに登録されていますが,核の全ゲノムとなると数十億塩基対のパズルを矛盾なく解かなければならないので,そう簡単ではありません.しかも人間の DNA との相同性が非常に高いはずなので,人間由来の DNA からの汚染を防ぐことにも大変気を使わなければならなかったはずです.今後ドラフトの検証が進んで完全解読が達成される日も近いことでしょう.

昨年末の古代人骨 DNA 解析から日本人のルーツを探る本の書評でもちょっと書きましたが,ネアンデルタール人は,私たちの祖先とつい先ほどまで共存していた人たちです.しかもいつの間にか絶滅してしまいました.私たちの祖先が直接・間接に滅ぼしたのか,あるいは人類の祖先に同化・融合して種としての独立性を失ったのか,大変興味が湧くところです.後者だとすると,私たち,とくにヨーロッパ起源の人たちの遺伝子には,ネアンデルタール人由来のものが含まれているはず.これはもっか大論争中です.思い当たるフシもありますが・・・予断は禁物です.

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2009/02/14

広辞苑 第6版 DVD-ROM

もう4年ほど前にこのブログで日本での電子辞書の使い方について分析したことがあります.そこでは,日本は持ち歩けるスタンドアローンの電子辞書ばかりが流行り,パソコンに電子辞書をインストールして文章を書いたり推敲したりしながら電子辞書を引くという,本来の生産性の高いやり方が行われていないと嘆く内容でした.

この傾向は今日に至るまでほとんど変わっておらず,持ち歩く電子辞書は今や入学祝いの贈り物候補ナンバーワンにもなっているほどです.しかし,わずかながら変化の兆しが現れているようにも思います.

Koujien_v6_dvdm

実はつい最近 "広辞苑 第6版" の DVD-ROM 版,しかも EPWING 版を購入することが出来ました.少し説明すると,この電子辞書は24万語を収録し,また図版,写真,動画なども含むため CD-ROM ではなくて DVD-ROM に収められているのですが,それを丸ごとユーザがハードディスクにコピーすることができます.しかもそのフォーマットは電子辞書業界の標準である EPWING ですので,お仕着せの専用閲覧ソフトでなくとも,フリーウェアでこの広辞苑を使い尽くすことができます.つまり,異なる辞書ごとに異なる専用閲覧ソフトを使うのではなく,ある一つの電子辞書閲覧ソフト,たとえば老舗の DDwin や今なお開発が続けられている EBWin を使って,広辞苑や他の辞書を使いこなすことが出来るのです.これがまさにパソコンでの本来の使い方.出版社もようやくこのような本来の使い方をサポートしてくれるようになったと喜んでいます.

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わたしはこれまで,まず15年ほど前に,広辞苑 第4版 電子ブック版を購入して使い始め,その後,秋葉原の路上で売っていた富士通の在庫流れの広辞苑 第4版 EPWING 版を購入して使い続けていました.しかしさすがに版が二つも上がると新しいものが欲しくなります.第6版には汎用の EPWING 版があるという事を知りましたので,早速購入した次第.DVD-ROM から必要なファイルをハードディスクにコピーして使い始めましたが,非常に快適です.DDwin v2.66 でも,EBWin v2.13 でも特に問題ありません.上の画面は EBWin v2.13 で使用中のもの.

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2009/02/13

ウツギは空木

先々週末に家の敷地の外の土手に生えている潅木の剪定をしました.そのうちの一本は元々自然に生えてきたウツギ.とても成長の速い木で,しかも強剪定に耐えるので,数年に一度は株の下のほうから鋸でばっさりと切ってしまいます.しかしそれでも春になるとしっかりと枝を伸ばし,白い卯の花を咲かせてくれます.下の写真はのこぎりで切った切り跡.ウツギの名前の通り,髄に穴が開いています.この写真で茎の外径は30mmほどで,穴の内径は4,5mmほどです.こういう中空構造が進化発達した理由はよくわかりませんが,多少軽量化できたにしてもこの径比では大した軽量化にはなっておらず,むしろ空気を茎の中に通すことに何らかの意味があるのではないかと思います.

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2009/02/11

ラクエル・ウェルチの出世作

ミクロの決死圏 [DVD] - 出演:ステーブン・ボイド,ラクエル・ウェルチ,監督:リチャード・フライシャー

私が小学生の頃に公開された SF 映画の古典です.私は同級生たちが映画館で観て凄い凄いと騒いでいたのを尻目に,50代になるまで実際に観ることは無く,つい最近 NHK の衛星映画劇場で初めて楽しみました.あまりに有名な SF 映画なので,ストーリーはかなり細部にいたるまで知っていました.従って,鑑賞するときには主として出演者たちの演技の細部,周辺的なエピソードに注意を払ってしまいました.

まず観始めて最初に "ほうっ?" と思ってしまったのは原題 "Fantastic Voyage" です.確かにこの映画は同年代の "2001: A Space Odyssey" などに比べると,科学的な考証やリアリズムを指向せずに,むしろファンタジーの画作りをしている点など,"Fantastic" の形容が当てはまる作品になっています.日本語の題名はサスペンスを連想させるのですが,まあこれはどちらが良いとも言えません.

次に感心したのは配役.まずは主役というべき Stephen Boyd です.この人は "Charlton Heston" 主演のキリスト教創成期の大作 "Ben-Hur" で宿敵 "Messala" を演じ,強烈な印象を与えた人です.戦車レースで重傷を負いながらも会話で Ben-Hur と対決する名演技はあまりに有名.あごの先の肉が割れた好漢として大変印象的な人ですが,この人が現れたときには思わず拍手喝さいしました.

しかし,この映画で最も存在感を発揮していたのは "Raquel Welch" でしょう.危険な任務に志願した美人で真面目な科学者の役ですが,体にぴったりと合ったウェットスーツから豊かな胸が突き出しているさまは何ともセクシー.当然のことながら彼女はこの映画で一躍注目されるようになりました.その後 "恐竜100万年" でのビキニ様の原始人衣装のポスターはグラマー女優の代名詞のようになり,傑作 "ショーシャンクの空に" で主人公の独房の壁を飾るようになったのはあまりに有名なエピソードです.ちなみにショーシャンクで主人公の壁を飾ったピンナップ女優は,まず "Rita Hayworth",それから "Marilyn Monroe",その次がこの Raquel Welch です.

映画自体のストーリーについては省略しますが,人体の内部を微視的視点で内的宇宙 (Inner Space) ととらえ,そこで起こる様々な未知の現象や事件を経ながら,その宇宙を旅して任務を果たしていくという,ある意味で Space Road Movie とも言える作品です.血管内で赤血球白血球と共に潜航艇が進む幻想的な風景は,この映画を特徴付ける強烈な印象を与えます.

一方,科学的にはおかしな点が満載で,こんな事あるわけないだろ!と突っ込みたくなるシーンも多いのですが,これは SF というよりはファンタジーなのだと自らを納得させて観ると結構楽しめます.患者の上半身の周りにたくさん置かれてせわしなげに首を振っているミニチュアのレーダーアンテナの動きが何とも滑稽で,これが出てくると思わず笑いがこみ上げてきます.また潜航艇との通信が無線ではあるもののモールス信号なのがとても変!一方,潜航艇からスクーバダイビングで血管内に泳ぎ出た隊員たちどうしは音声で通信しています.潜航艇や管制室の制御卓は無数のランプが点滅するのみで CRT による表示は一切ありません.この映画のわずか2年後に公開された "2001: A Space Odyssey" では,セルアニメとはいえ高度なフル CG スクリーンの制御卓が実にふんだんに使われていたことに比べると,何ともなぁ,という感じで,随所に冷戦時代,特に60年代前半の雰囲気が感じられますが,これは1960年代の作品に共通して言えることですね.

とにかくこの映画は Raquel Welch を鑑賞するために観る,というつもりで観ることをお勧めします.ちなみに彼女は1940年9月生まれなので,現在68才とのことです.

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2009/02/08

パートカラーのお遊び

先日,カマキリの卵の写真を紹介しましたが,そのときの写真をさらにパートカラーでいじってみました.カマキリの卵が付いている枝と剪定ばさみの部分を,Photoshop のクイック選択ツールやペンツールで丁寧に選択してマスクを作り,さらにクイックマスクモードで境界を微修正します.そのマスクかけた状態で背景全体を白黒化して薄青に色を付け,枝とはさみの部分は適当に彩度を落として作ったのが下の写真.やはりマウスで選択範囲を切っていくのは辛いものがあります.ペンタブレットが欲しいです.

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春先の強風

今日は朝から北西の強風が吹き荒れています.天気図を見ると,カムチャツカ半島の南東に台風並みに発達した低気圧がありますが,北海道の南岸にも閉塞前線を伴った低気圧が発達中のようです.これによって東日本では等圧線の間隔が狭くなり,つまり気圧傾度が大きくなって風速が高まっています.

私の住む関東平野のど真ん中の天気予報は "北西の風やや強く・・・" などと書いてあることが多く,きょうもその通りなのですが,実際には風速15m/s以上の強風が吹き荒れ,洗濯物は飛ばされる,土埃がもうもうと立つ,電線はうなる,枯れ草や枯れ葉が道路を舞う,という状況です.

実はこれは春先の関東平野では典型的なお天気.今年はまだ雨が多めなので,埃の立ち方が少なくて助かっていますが,地平線が茶色く霞んでくると,春になってきたなぁと実感します.乾燥がさらに進み,風がより強くなると,霞どころではない砂嵐・土嵐(アメリカではダストストームが有名)になります.これで電車が止まったりもするので,侮ることはできません.

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2009/02/07

Newgrassのとんだ掘り出し物

Carrie Hassler & Hard Rain [Import] [from US] - Carrie Hassler & Hard Rain (アーティスト)

このジャケットの写真を見るだけではなかなか購入意欲が湧かないのですが,何故か買ってしまって Amazon.com から届いたものですから,聴いてみようかと思ってプレイヤーにかけてみてビックリ仰天.とんだ掘り出し物に出くわしました.これはお買い得です.

Carrie Hassler & Hard Rain はいちおう Newgrass のバンドということになっており,第1曲の "Restless State of Mind" や,第2曲の "Seven Miles from Wichita" などを聴くかぎりは大変現代的な Bluegrass で,それもかなりのレベルの高さを感じさせるものです.バックバンドの "Hard Rain" の質の高さも相当のもの.ギターもバンジョーマンドリンフィドルドブロも十分以上の水準を持っており,そつのない演奏を安心して聴いていられます.

Carried Hassler 自身のヴォーカルはといえば,ややハスキーで渋めの声質ながら,Patty Loveless (*1 *2 *3) や Alecia Nugent (*1) ほどの恨み節にはなっておらず,かといって Alison Krauss のような清らかに澄んだ美しさでもなく Newgrass を歌うにはちょうどよいくらいなのではないでしょうか?全体としてはテンポの速い曲が多く,軽快なリズムに乗って特急列車のように駆け抜けていくような感覚です.第8曲の "Least That I Can Do" や第10曲の "Now That She's Gone" のような,ゆったり,しっとりとした曲もありますが,彼女の本来の持ち味はどちらなのでしょうか?アルバムタイトルとなっている第9曲の "Hard Rain" は Newgrass そのものの短調の逸品.マンドリンの響きが美しいです.

これまで全くノーマークだったアーティストなので,これから複数のアルバムを聴きこんでいきたいと思います.

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2009/02/03

丸の内にハヤブサ!

昨日のこと,丸の内のとある高層ビルのエレベータホールでエレベータを待っているホンのわずかな間のこと.大手町方面の高層ビル群の上に猛禽らしい鳥影を発見.滑翔しています.と,猛禽特有のパタパタという羽ばたきをしたと思ったら,鳥影が止まったかのように見えました.よく見るとこちらの方向にまっすぐに飛んできているではありませんか.

これはチャンス!これまで,猛禽の鳥影を何度も見かけながら,肉眼ではオオタカなのか,ハヤブサなのか,チョウゲンボウなのか,見極めが付かなかったのです.あっという間に私の上空を至近距離で通過して言った瞬間に見た顔は・・・ハヤブサ!ついに確認できました.

きっと,皇居の森を拠点にして,お堀端や付近の高層ビル群の中を飛び回り,スズメなどを狙っているのでしょう.そう言えば以前,ビルの谷間に食いちぎられて間もないヒヨドリの頭部を発見したこともありました.マンハッタンにもハヤブサ類は住んでいるそうなので,似たようなものですね.

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2009/02/01

日が長くなってきた

昨日は発達した低気圧が関東地方を直撃したので,未明から台風並みの風が吹き荒れ,風雨とも強くて散々な一日でした.今日はうって変わって関東地方の冬本来の好天でした.例年だと12月に庭木の剪定を行うのですが,今シーズンは体調が優れずに放っておいたのですが,さすがに日差しが強くなってきたので体も心もうずうずしてきます.思い立って土手に繁っているハコネウツギウツギの剪定に取り掛かります.

二本とも育ち始めから10年以上経っているので,根本はかなり太く育っており,周辺の枝も広がりもそれなりのものなので,剪定にはかなりの時間と手間がかかります.それでも今日は風が弱く,日差しがたっぷりとあったので,真冬とはいえ体を動かすとポカポカと温まってきました.剪定ばさみと鋸を持って2時間ほどかかって作業を終えます.

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土手から庭に戻ってふと足元を見ると,カマキリの卵があるではありませんか.先週もアップしたばかりですが,見事な卵鞘です.まるでソフトクリームを巻き上げて仕上げたかのよう.春になったら沢山の子カマキリが湧き出てくるのかと思うと,とても不思議な気がします.

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