Martina McBrideのライブDVD
Live in Concert [Limited Edition] [Live] [Import] [from US] - Martina McBride (アーティスト)
Martina McBride はこのブログでも何度も取り上げている (*1 *2 *3) カントリー・ロックの女王的存在です.整ったルックス,パワフルな歌いっぷり,細やかな情感表現,そしてどんなメロディーラインでも,声のどんな強弱でも自分の声のアイデンティティを崩さない安定した歌唱力.そして人々の心に響く数々のヒット曲.カントリーのトップスターに必要な資質を全て備えた彼女の人気は大変安定したものがあります.1966年7月の生まれなので現在42歳.まさに脂が乗り切った冴えを見せてくれる歌手です.
このライブを見るとよくわかるのですが,若い女性の観客が実に多い.彼女たちのほとんどはティーンエージャーでしょう.ステージのまん前に陣取って踊りながら曲を楽しんでいます.しかもその表情たるや完全に Martina McBride の世界に没入している風で,このようなファン層を持つカントリー・ロックの女性歌手となると女性トリオの Dixie Chicks も思い浮かびますね.私はよく理解していないのですが,彼女の歌に込められたメッセージは彼女たちの年齢層の心をうまく掴んでいるのでしょう.
コンサートで歌われた曲は全部で20曲.DVD を全て視聴すると97分以上の時間がかかりますが,それだけの時間をかける価値は十分にあります.私は第3曲の "Wild Angels" から心にスイッチが入って,全編を楽しむことが出来ました.
カントリーのコンサート DVD としての出来ばえもまあまあです.アメリカのコンサート DVD にありがちな派手なカメラワークや画面の切り替えが少ないので,落ち着いてコンサートを楽しむことが出来ます.カメラはゆっくりとしかパンしません.画面の切り替えはかなり多めかな?カントリーのコンサート DVD の金字塔はもちろん2005年に紹介した AKUS の "Live" ですが,これとの違いは録音への配慮ということに尽きるでしょう.
AKUS の Live では,全ての楽器がアコースティックなので,楽器用のマイクロフォンは録音と PA の二つの用途を兼ねなければなりませんが,ステージの上にはラグを敷くなどして,スタジオ録音と同じ程度に気を使って音作りの準備が行われました.それに比べるとこの Martina のコンサートでは楽器のほとんどがピックアップを付けているようで,録音への気遣いはそれほどなされなかったように感じます.
いずれにせよ,画像は鮮明で美しくてノイズは無く,カラーバランスなどもよく調整されていますので,大画面の薄型テレビで見ることをお勧めします.この DVD にはおまけに CD も付いているので,大変お買い得でもあります.
一つだけ気になったのは,最後のアンコール曲 "Over the Rainbow" のメロディーラインの崩し方.実はこのブログでも紹介したダントツの美声 "Eva Cassidy" の歌いっぷりと全く同じだったのです.この崩し方はこの業界で一般的なものなのでしょうか?Eva の崩し方をパクッたとは思いたくないのですが,ちょっと気になりました.
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