Windows 7とJPEG XRに期待します
Microsoft Windows の次期バージョン Windows 7 は,製品版の直前の Release Candidate が5月にリリースされ,11月の感謝祭シーズンの発売が公言されましたので,今年中の発売は間違いないものと思われます.この RC 版は大変完成度が高く,すでに実用レベルだとの評価が多いのも心強いです.さて,私がこの Windows 7 に最も期待するのは,新しい画像フォーマット JPEG XR の大々的なサポートです.
実は,このフォーマットは現行の Windows である Windows Vista でもサポートされているのですが,それは大変控えめなもので,その存在はほとんど知られていませんし,各種のデジタルカメラや画像処理ソフトウェアでのサポートはこれからです.
現在最も標準的な画像フォーマットは JPEG と呼ばれるもので,見た目の画質をさほど落とさずにファイルサイズを 1/10 程度にまで圧縮できるために,ここ10数年ほどは専ら標準フォーマットとして君臨してきました.しかし,最近のダイナミックレンジの広いデジタル一眼レフの画像を格納するフォーマットとしては,1色あたりのダイナミックレンジがたったの 8bit,すなわち 256 階調しかないことが致命的となってきました.現在のデジタル一眼レフの撮像素子は 12bit から 14bit 程度のダイナミックレンジを持っていますので,この階調を生かせるフォーマットが望まれます.これによってより滑らかな階調が得られるだけではなく,撮像素子の感度の上下限での白とびや黒つぶれを大幅に防ぐことが出来るはずです.私の期待はまさにここにあります.
デジタルカメラの撮像素子は,銀塩フィルムと比べると,低輝度側では非常に粘って階調を残してくれるのですが,高輝度側はかなりあっさりと飽和して白とびしてしまいます.ガンマを調整すればもうちょっと何とかなると思うのですが,とにかく現状はこうなっているのです.
画像処理ソフトへの実装は簡単に行われるでしょうが,問題はデジタルカメラの実装です.組み込みシステムだけで対応できる程度の低負荷のアルゴリズムであれば,ファームウェアのバージョンアップだけで済むのですが,搭載されているプロセッサが非力だとハードウェアの演算回路による実装が必要になり,普及するにはある程度の期間が必要になります.
上の写真はバイカウツギの白い花.このような被写体はしばしば白とびを起こす大変厄介な被写体です.上の写真はデジタル一眼レフでアンダーの露出補正をかけて RAW フォーマットで撮影したものを,そのまま Adobe Photoshop の PSD フォーマットに 16bit で書き出し,それからサイズを縮小して 8bit の JPEG に書き出したものです.花びらの白い部分は実はほとんど白とびしていません.ちゃんと階調が残っています.このような素直なダイナミックレンジの保存がカメラ本体から画像処理ソフトまで一貫して行えるようになってくれないかなぁと期待しています.
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