三菱一号館 (2)
先週の続きです.この建物の周囲はほとんどすべてが高層ビルに建て替わっていますので,この一角だけが妙に空間が空いていて開放感があります.もっとも,この建物の向かい側の旧三菱銀行本店には広い前庭があるので,そこも含めて考えなければなりませんね.実はこれらの写真のほとんどはそこから撮ったものです.
さて,この三菱一号館の復元に当たっては,レンガの復元が大きな課題だったと思います.何しろその数250万個.この数のレンガを指定された納期で納められるレンガ工場は現在の日本には無いのではないでしょうか?竹中工務店は中国のレンガ工場を使ったそうです.品質管理には大変気を遣ったらしく,建物に組まれたレンガの一つ一つが実に均質で,大きさや形も揃っています.これも大変日本人らしい几帳面さが出ていると思います.レンガの組み方も図面化して管理したそうですから,レンガ職人さんたちも大変だったのではないでしょうか?
すぐ近くでは,同じレンガ造りの巨大な建築物,東京駅丸の内口駅舎の復元工事が始まっています.こちらはジョサイヤ・コンドルの弟子である辰野金吾の作品で,施工は大林組.レンガの数は800万個ととてつもない数です.レンガを作ったのは日本煉瓦製造.現在進行中の復元工事はドーム屋根の復元が目玉なので,レンガ部分をどのようにするのかわかりませんが,おそらくできる限り再利用するのでしょうね.
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