Alecia Nugent が放ったブルーグラスの名品
Hillbilly Goddess [Import] [from US] - Alecia Nugent
Alecia Nugent も私好みのブルーグラス歌手の一人.このブログでも過去2回ほど(*1 *2)紹介しています.この人の魅力は,正統派の媚びない歌いっぷりから漏れてくる豊かな情感表現,ということに尽きます.何もテクニックを弄せず,全く正調で歌っているのですが,声の質と,ごく自然な節回しが,豊かな情感表現を生んでいます.これは上記 *2 のデビューアルバムでも,*1 のアルバムでも全く同じ.
そして,このアルバムはその魅力にさらに磨きがかかったという印象を受けます.まず,良い曲が多い.大変洗練されたブルーグラスの逸品が並んでいます.特に,冒頭の第1曲 "Wrteckin' the Train" は素晴らしい名曲.流れるようなアップテンポの曲は Bluehighway の曲のよう.伴奏に流麗な Dobro が加わっていたらさらに良かったでしょう.
曲の良さばかりではありません.彼女の歌いっぷりはもともと危なげないベテランの味なのですが,それにされに磨きがかかり,しかも控えめな情感表現に厚みが増したという気がします.
続く第2曲の "Don't Tell Me" は,彼女のそのような魅力を十分に生かした名曲.長めの曲ですが,終わるのが勿体なく感じるほどです.それから第4曲の "Just Another Alice" や,第5曲の "The Last Greyhound" も名曲です.前半にこれくらい良い曲が集中していると,それだけで何とお買い得なアルバムかと思ってしまいました.
終盤,第9曲の "Wishin' Hard" は Tim O.Brien 作曲の美しいメロディーラインの逸品.これも素晴らしい作品です.
全体として掛け値なしに名品と呼べるアルバム.お勧めします.
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