« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

2010/06/20

Adobe Photoshop CS5

フォトレタッチ・ソフトウェアの業界標準である Adobe Photoshop の最新版である CS5 を購入し,使い始めました.

Adobephotoshopcs5

最新版の目玉は,何と言っても 64 bit 版のインストールができること.これにより,大容量の写真や動画を扱うのが楽になります.64 bit 版の Windows を使っている者としては,ようやく 64 bit 版の恩恵を感じられるアプリケーションが出てきたなという思いです.

また,高性能のグラフィックカードを使っている場合には,グラフィックプロセッサの能力を直接引き出せるような工夫も含まれていて,画像の拡大・縮小や回転が格段にスムーズに行われるようになりました.これは直感的にはかなり画期的です.

一方,調整レイヤーを使ってのレタッチ作業では "色調補正" というパネルの中で,レベル補正やトーンカーブ補正を行わなければならなくなり,以前のように独立したパネルとして引っ張り出せなくなったので,これにはちょっと戸惑っています.これまで慣れ親しんできた操作体系を大幅に変えるような改版は,慎重に行ってほしいものです.

選択ツールや修復ツールがより強力になったと聞いています.これらは止む無く写りこんだ電線などを消すには大変便利なのですが,これまでは痕跡を残さず消すのが難しかったので,大いにに期待しています.特に "コンテンツに応じる" というオプション機能により,作業が大幅に省力化できるようです.下の写真は,5月30日にアップした記事 "田植えから3週間プラス" で掲載した写真から,上部にある2本の電線を消したものです.見比べてみると,なかなかうまく消えているように思います.

Earlysummerhome_may2010092m2

これ以外にも,髪の毛やネコの髭など,これまで選択範囲を作ろうとするとクイックマスクモードで膨大な手間をかけて作業していたことが,非常に簡単にできるようになったそうなので,これらもおいおい試していきたいと思います.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イーストウッド渾身の最高傑作

ミリオンダラー・ベイビー [DVD] - クリント・イーストウッド(監督),ヒラリー・スワンク(俳優),クリント・イーストウッド(俳優)

オスカー4本を獲得し,クリント・イーストウッドの最高傑作との呼び声の高い本作品.衛星映画劇場のイーストウッド特集で放映されたので,録画して観るのを楽しみにしていました.そして観た後の感想は,うーん,間違いなく現代アメリカ映画の傑作のひとつ.

イーストウッドらしく,社会の底辺に生きる者たちへの優しい眼差しにあふれています.実家は生活保護を受けるほどの貧しさ.13歳からウェイトレスの仕事を続け,客の食べ残しを持ち帰って飢えをしのぐ毎日ながらも,ボクサーへの夢を捨てきれずにジムに通う主人公.ジムの経営者は彼女のトレイナーになるのを拒むのですが,彼が育てたボクサーで今は住み込みでジムの雑役夫をしている男が見かねて手ほどきを行ったことから,彼女のボクサーとしての道が始まります.

この雑役夫役のモーガン・フリーマンが素晴らしくいい味を出しています.ショーシャンクのときにも,ティム・ロビンスの相手役として素晴らしい演技を見せてくれたのですが,今回はもっと地味で暗い陰影のある雰囲気ながらも,片目の見えない老ボクサーの光と影を見事に演じました.特に,ボクサーにとっての生きることとは何かを語るシーンは最高."片目をつぶされたことを後悔してはいない.ボクサーとしてやるだけのことはやった.それがなかったら死ぬときに後悔が残る." この言葉は後に主人公に対して重みをもってきます.

主人公の女性ボクサー役をやったヒラリー・スワンクの演技がこれまた見事!ボクサーとしての技量がどんどん上がっていくところがうまく演じ分けられていて,専門の演技指導があるのは当然としても,彼女が素晴らしい身体能力を持っている女優であることがわかります.表情や言い回しもベテランの域です.彼女自身,幼いころは貧しくてトレイラーハウスに住んでいた経験があるそうですが,この映画の前半の役作りには一役買ったことでしょう.

さて,イーストウッド本人の演技ですが,容貌の衰えを隠そうとはぜず,老トレイナーの戸惑いと喜びと苦悩を見事に演じました.イーストウッドは年を取ってから発声法を変えたらしく,しゃがれた声を静かに出すやり方は,この映画でも貫かれています.ラストに近い部分では,苦悩につぶされそうになる一人の男を演じ切りました.

シナリオそのものはかなり予定調和的で,ラストに至る筋書きも読めてしまうのですが,それが非常に高いレベルで演じられ,映像化されているので,これほどの感動と味わいを与えることができるのだと思います.尊厳死に対する誤解を含むシナリオ,ボクシング・シーンが非現実的であること,ゲール語の間違いなどなど,厳密なリアリズムを求める向きには不満だったでしょうが,それらはフィクションに特有のものと勘弁してもらうしかありません.

かねてから,クリント・イーストウッドの最高傑作と言われて久しい作品だったのですが,恐らくそうなのでしょうね.少なくとも,現代アメリカ映画の最高傑作のひとつであることには間違いありません.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/06/13

故宮の中は大混雑

Beijing_jun2010030m

北京の続きです.観光客で大混雑の中を,故宮の中央軸に沿って進んでいくと,いくつかもの建物を経て,太和殿という最も中心的な建物にたどり着きます.映画 "ラストエンペラー" のシーンとしても見覚えがありますが,ここは宮廷の執務場所ではなく,さまざまな儀式が行われたところ.まだ外朝という領域です.

Beijing_jun2010051m

外朝の最も北側にある保和殿という建物北側にある大理石の彫刻が施された階段は見事.しかし酸性雨で浸食されないかとても心配です.

Beijing_jun2010064m

さらに奥へ進むと,内廷と呼ばれる中枢部分に入ります.中心となるのは乾清門清朝皇帝はここで日常の執務を行ったとされます.ここからは故宮の北の出口である神武門はすぐ近く.門の上に掲げられた門札には,漢字とともに満州文字が併記されています.清朝が満州族の王朝であることの表れでしょう.

Beijing_jun2010065m

とにかく中心軸上の建物だけを,他の大勢の観光客をかき分けながら短時間で歩いただけなので,この故宮の全貌を知るには程遠いのですが,とにかく広大な敷地に数々の巨大な建物があることには圧倒されます.中心軸から外れた袖の部分にも多数の建物群がありますので,とても全てを見て回れるものではありません.確かに,広大な中国を統一し支配した権力の中枢にふさわしい装置です.しかしながら,城壁内部,特に外朝部分にはほとんど緑が無く,何か非常に殺伐として殺風景な情景だと感じさせられました.内廷のさらに北側,御花園と呼ばれる領域に達して初めて樹木が植えられた庭園にたどり着き,ほっとしたことを覚えています.緑と湿度に慣れた私たち日本人にとっては,あまり居心地の良い場所ではない気がしました.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スモッグに霞む天安門

ごく短期間だけ北京に行ってきたのですが,巨大で真新しい空港に目を奪われたのもつかの間,北京市内に入るとスモッグで町全体が白っぽく霞んでいます.北京は元々乾燥地帯に近いので,砂塵も多いのですが,この白っぽい霞み方は砂塵でも水蒸気でもなく,排気ガス由来の硝酸塩硫酸塩の個体微粒子からなるものと思われます.とにかく,100m 離れたところが霞んで見えるくらいの濃度なので,長時間こういうところにいると何らかの健康被害を被りそうです.

Beijing_jun2010021m

北京で最も有名な天安門広場に行ってみたのですが,中国国内から団体でやってきた観光客の多さと,スモッグに霞む歴史的な建造物が印象的でした.天安門自体は,の時代に紫禁城の正門として建造されたもの.城塞都市としての北京らしく,門の厚みは半端ではありません.数10mはあります.ここをくぐって紫禁城の中に入っていくことになります.

Beijing_jun2010028m

毛沢東の巨大な肖像画がいやでも目につきますが,これがいつまで掲げられているか興味があります.文革世代がいなくなれば,遠い昔の建国神話を創った英雄という扱いが定着して永らえるかもしれませんが,そうなる前に,中国の発展を阻害し大粛清を行った権力亡者として弾劾される可能性もいまだ否定できません.

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010/06/06

ディック・フランシス再起の一冊

再起(ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-41) - ディック・フランシス(著),北野 寿美枝(訳)

イギリスのミステリー作家として世界中にファンが多いディック・フランシスが今年2月に亡くなったことはこのブログでもお伝えしたとおりですが,このブログでもわずかながら晩年の数作品を扱ってきました(*1 *2 *3).著者は,最愛の妻メアリーに先立たれた後,いったんは執筆活動を停止したのですが,数年を経て復活.息子の手を借りながら新しい作品を生み出すようになりました.しかし日本のファンにとってショックだったのは,ちょうど復活のころに名翻訳家 "菊地光" を喪ったことです.

本作は,著者の復活後の第一作,そして日本の読者にとっては菊地光亡き後で新しい翻訳者 "北野寿美枝" を迎えての第一作,そして,主人公は競馬シリーズでこれまで登場回数の最も多いわれらが "シッド・ハレー (Sid Halley)" という,いろいろな意味で長年のファンには興味深い作品です.

ストーリーの詳細はネタばらしになるので控えますが,再起の作品にふさわしく,競馬シリーズの原点回帰にふさわしい作品です.主人公がシッド・ハレーという競馬専門の調査員ということもあって,今回は競馬界の中だけが舞台.美術家や料理人やガラス職人が主人公ではありません.話の中身も競馬の不正にかかわること.競馬場もチェルトナムが主な舞台.

これまでのシッド・ハレーと異なるのは,前妻とはすでに離婚していて,若いオランダ人の女性と同棲していること.まあなんと羨ましい限りですが,彼女が事件に巻き込まれ,主人公の苦悩は深まります.また,前妻の父親,主人公にとってはかつての義父とは相変わらず親密な交際を続けていて,今回は大いに助けてくれるという設定.狭い人間関係なのですが,その現実にはありえないような展開が大変興味深い.

悪役陣には,今回もお決まりの凶悪な主役がいるのですが,脇役はちょっと変わった小物が多く,中にはほとんど登場せずに舞台裏に押しやられたままの悪役もいて,ストーリー展開に甘さが残る点は残念.まあしかし,全体としてはディック・フランシスのこれまでの水準から大きく外れることのない作品で,読者は質の高いミステリーとして安心して読み進めることができるでしょう.インターネットやグーグルなどの最新の話題もしっかり出てくるのは息子フェリックスの協力があってこそ,ということも考慮に入れる必要があります.

さて,日本語の訳文ですが,菊地光からどう変わったかと問われれば,菊地節を踏襲した禁欲的な名訳,と言ってよいと思います.英語から日本語への翻訳というのは,言語構造も単語のカバーする概念や範囲も異なるものをどう妥協させ,かつ文学作品として読むに堪える質の日本語を作っていくかという,極めて高度で創造的な仕事なのですが,北野寿美枝は,周囲からの期待と疑念という圧力に見事に耐え,この仕事をやってのけました.

菊地光のほかに,私が好きな翻訳家には,伊藤典夫がいるのですが,このような翻訳家はもっともっと評価されて良いように思います.

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010/06/01

東京スカイツリー第一展望台

前回の記事から5週間ほど経った本日の東京スカイツリーです.毎日眺めていますが,日に日に高くなっていくのがわかります.最近では,第一展望台の工事がかなり進み,横にえらを張ったような形状がはっきりしてきました.これからさらに高くなっていくのかと思うと,大変楽しみです.

写真そのものは窓ガラス越しにコンパクトデジカメで撮っていますので,コントラストが悪くなっていますが,これは致し方ありません.

Tokyoskytree_jun2010007m

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »