ビジネスジェット
ブログに書くべき話題に乏しく夏枯れ気味なのですが,一つ変わった話題を.日本ではなかなか馴染みのないビジネスジェットのお話です.下の写真は "Hawker 4000" というビジネスジェットの写真.大変すばらしい機体で,コックピットの計器類もデジタル・ディスプレイ方式の最新のものが搭載されており,大変快適な飛行を楽しめます.
これらの飛行機が,アメリカやヨーロッパの企業の幹部が移動するのに頻繁に使われています.中には大西洋を越えて行けるものもありますから,短距離の移動手段に過ぎないという考え方は当たっていません.特にアメリカ国内では,出張イコール飛行機に乗るということになりますが,空港への移動と待ち時間を考えると時間のロスは膨大なものになります.また出発地と目的地を直接結ぶ便があるとも限りません.企業の幹部にとってこれは大きな痛手です.そこで企業自らが飛行機を所有し,幹部の移動に供するという考え方が生まれてきます.
アメリカは自動車の国であると同時に飛行機の国でもあります.一般の空港以外にビジネスジェットのための小さな空港がそこかしこにあり,幹部たちは車で空港に乗りつけ,そこに待機している自社の飛行機に乗ってさっと出かける,というスタイルが好まれるのは当然のことでしょう.私は最近,運良くこの Hawker 4000 に乗る機会に恵まれました.キャビンはゆったりしたシートが2列.キャビンの中の冷蔵庫にはビールが冷えているので,乗り込むと同時にビールの缶を開けてリラックスできるという次第です.
私は以前の記事で,日本の地方空港をビジネスジェットの空港にすべきだと書いたことがあります.それは今回の Hawker 4000 の搭乗を経てますます強く思うようになりました.日本でビジネスジェットの導入がほとんど進んでいないのは,例によって規制のためで,それは本記事最初のリンク先の Wikipedia の記事に詳しく書いてありますので,ご参照ください.規制緩和が適切に行われ,ハンガーの使用料金などが低廉に設定できれば,余っている地方空港はたくさんありますし,地方にこそ工場などの事業所は多いので,日本でもそれなりの市場に育つことと思われます.また,地方のビジネスジェット空港から直接,韓国,中国,東南アジ各国へ飛ぶということも当たり前のように行われることになるでしょう.
それからもう一つ.実はビジネスジェット自体の市場は大市場なのです.日本では大型旅客機の市場にのみメディアの興味があるようですが,ビジネスジェットの市場も,規模でこそ劣るものの,活発で競争の激しい市場です.日本では三菱重工がこの分野での老舗ですが,ホンダも最近参入を果たしました.日本勢にも頑張ってもらいたいところです.
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