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2011/01/18

30年ぶりのアメリカ自然史博物館

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さらにニューヨーク訪問の記憶をたどります.30年ぶりにニューヨークを訪れた者が,限りある時間でやるべきことは何でしょうか?私にとっての30年前の良い思い出は,メトロポリタン美術館をじっくりと時間をかけて観ることができたこと,そしてセントラルパークの反対側にあるアメリカ自然史博物館をやはり丸一日かけて観ることができたことでした.今回はその両方を見るだけの余裕は無かったので,選択を迫られたのですが,出した結論は後者でした.私が訪ねたのは夜に大雪が降った翌朝だったので,博物館入口はまだ雪がたくさん残っていました.

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まず,海洋ホールのシロナガスクジラとの再会は最も望んでいたものでしたが,見事実現.あの感激を再び味わうことが出来ました.また恐竜の骨格標本は,以前はこれほどの展示は無かった思うのですが,駆け足で見て歩くにはあまりにもったいない内容です.その他,各種の動物や生態系,鉱物や地球科学などの展示は大変充実しています.特に,動物を生態系ごとジオラマで展示するレベルの高さは,30年前に感激したことを覚えていますが,今回も改めて再確認することが出来ました.

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以前は宇宙館など無かったのですが,大変大きなホール "地球宇宙ローズセンター (Rose Center for Earth and Space)" が新設されて,大変見ごたえがあるものになっています.ただし,宇宙関係は "実物" が無く,映像が主体になってしまうのは仕方のない所かも.

ショップが充実したことは特筆できます.どのフロアにもミュージアムショップがあり,膨大な種類のグッズが販売されています.ただし・・・内容は博物館のショップというよりは観光地の土産物店のレベルで,これにはがっかり.化石標本のレプリカや,各種動物のミニチュア・フィギュアなどを売ってもよさそうな気がするのですが,アメリカ人のお気に召さないのか,この手のグッズはほとんどありませんでした.三葉虫の化石のレプリカを期待していた私としては大変残念.日本のチョコエッグの動物フィギュアのレベルの高さを見せつけてやりたい衝動に駆られました.もっとも,海洋堂の恐竜のフィギュアはこの博物館からも注文をもらっているそうです.また,地階にフードコートができたのも大きな変化.入館者がゆっくりと休憩できる場所が増えたことは歓迎すべきでしょう.

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世界中の民族についての展示は,それぞれは通り一遍なのですが,幅の広さは特筆できると思います.カバーしている地域・民族には偏りがあり,何か意図や事情があるのか無いのか.中南米やアフリカに関する展示は大変充実していますし,ユーラシア大陸の各民族にもかなりの面積が割かれています.しかし,内容の深さという意味では,専門の博物館・美術館にはかないません.例えば,アフリカの仮面文化に関して言うと,パリの旧国立アフリカ・オセアニア美術館(現在はケ・ブランリ美術館)の内容の深さとは比べるべくもありません.

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各フロアの展示テーマの順列は一貫した考えかたに拠ってはいないようで,ランダムな順序で現れる各種展示を足を棒にして見て歩くのはかなり疲れます.半日くらい歩き回るのが限度ではないでしょうか?従って,丸一日をかけて全てを見て回るのはほぼ不可能,ということになります.ま,しかし,いずれにせよ,時間をかけて回る価値が十分にある場所であることには変わりありません.

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