IOC 鳥類リスト v2.7.3 日本語版リリース
今年の2月に "IOC 鳥類リスト 2.7.3" をリリースしましたが,これは IOC が定期的に改定している "IOC World Bird List" をほぼそのまま Refsort/Ruby 用の辞書ファイルに編集しなおしたもので,学名と英名のみのリストでした.和名については追加編集の意思をあいまいにしたままだったのですが,実は密かに作業を続けており,それが約6か月後に完成しましたので,リリースします.
ついでと言っては何ですが,学名と英名のみのリスト ioclist_v273.ref には,元の IOC World Bird List の CSV ファイルに不用意に改行記号が紛れ込んでいるというバグの影響を受けていたので,それを修正した差し替え版もアップしてあります.
注意していただきたいのは,以前にリリースした "世界鳥類リスト" との相違です.世界鳥類リストは,Sibley-Ahlquist 分類体系に基づくリストであり,それに "世界鳥類名勉強会" が付けた和名を Refsort/Ruby の辞書ファイルとして再編集したものです.今回リリースしたものは,従来の伝統的な分類体系に則っている IOC のリストが基になっています.
和名の追加編集は困難を極めました.もちろん,上記 "世界鳥類リスト" は最大限活用しました.まずは IOC World Bird List と世界鳥類リストの学名を照合し,同一のものに関しては世界鳥類リストの和名をそのままコピーしました.しかし,もともと分類体系が異なるリスト同士の比較なので,同一の種であっても学名が異なるものが続出.なかなかうまく一致してくれません.そのため,最後は手作業となり,これが6か月も時間がかかった最大の理由です.
また,IOC World Bird List は日進月歩で改訂が行われているため,亜種が種に格上げされたり,種が分割されるものがあります.そうするとそれに対応する和名を探さなければならないのですが,当然のことながら未だ和名が付けられていないものが多く存在します.Wikipedia 日本語版や Avibase のような資料を当たっても和名が見つからない場合には,最後の手段として私自身が和名を創作しました.これはあくまで緊急避難なので,将来的には日本の鳥類分類コミュニティによる修正を期待しています.
基になった IOC World Bird List はすでに v2.9.13 がリリースされています.このリストに基づく Refsort/Ruby 辞書ファイルはすぐにリリースするつもりですし,日本語版もほどなくリリースできると思いますので,ご期待ください.
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