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2012/07/22

高画質で堪能できたクレオパトラ

クレオパトラ 製作50周年記念版ブルーレイ・コレクターズBOX〔初回生産限定〕 [Blu-ray] - エリザベス・テイラー(出演),リチャード・バートン(出演),ジョセフ・L・マンキーウィッツ(監督)

いろいろといわくが付いた映画はたくさんありますが,この "クレオパトラ" は横綱格かもしれません.何しろ,計画が次々に変更されて,監督が代わるは出演者が代わるはロケ地が代わるは,ということで制作費がかかりすぎて20世紀フォックスの経営が傾き,同社はビバリーヒルズの広大な撮影所の土地を売却しなければならなくなった,とか,後半の主演であるリチャード・バートンエリザベス・テイラーの不倫スキャンダルが世間を騒がせているさ中の公開となったとか,制作期間中にエリザベス・テイラーがジフテリアにかかって気管切開をしたため胸に手術跡が残ったとか,映画は当初 "シーザークレオパトラ" の3時間ものと, "アンソニーとクレオパトラ" の3時間の合計6時間の超大作だったものが,むりやり4時間5分にカットされてプレミア上映が行われ,一般公開版ではさらに3時間14分にカットされたので,話のつながりがわからない部分が多くできてしまったとか,とにかくエピソード満載.

この Blu-ray 版はプレミア上映と同じ4時間5分版で,それと同じものが NHK-BS プレミアムで放映されたので録画して観た,というのが私の鑑賞動機です.ファンの間では幾度となく幻の6時間版が見つかったのでは?と期待されているのですが,現在でも発掘されていないそうです.

その代りと言っては何ですが,おそらく最新のリマスター技術を駆使したのでしょう,プリントの質は驚くべきものです.つい昨年にでも撮影したのでは?と思わせるほどの高画質.特に出演者が身につけた衣装の色合いや質感の表現は素晴らしいものです.布地のテクスチャまで見事に映し出され,この映画の衣装にいったいどれだけ巨額の費用がかかったのかと計算したくなるほど.エリザベス・テイラーのメイキャップが完璧すぎて,かえって大理石のようなのっぺりとした肌のテクスチャになっているのがわかるくらい.

演出自体はこの時代のハリウッドでは正統だった舞台劇をベースにした演出です.俳優たちが次々と大声でセリフを述べ合う,そのような演出.俳優たちも学校でそのように教育され,舞台演劇で経験を積んでいるので,舞台劇を映画化したような映画になるのは当然のことです.同じエリザベス・テイラーが出演している舞台劇 "熱いトタン屋根の猫" に通じるものがあります.こちらはクレオパトラに先立つこと5年前の作品.

スタジオ内での場面がほとんどなので照明もそれなりですが,後半,アクティウムの海戦の部分の撮影はきわめて秀逸.どの程度の規模のセットと船を用意したのかまでは見て取れませんでしたが,非常によくできた戦闘シーンです.やはり黄金期のハリウッドはすごいですね.こんなことをいくつもやったら,大きな映画会社もつぶれるわけです.

個人的には,アンソニー役はリチャード・バートンよりは,当初起用されるはずだったステーヴン・ボイドのほうが良かったのでは?と思います. "ベン・ハー" では宿敵メッサラを演じた好漢で,アンソニー役にはぴったりなのになぁと思いました.

しかし,さすがに4時間5分は長い.一回の週末だけでは観終わることが出来ず,2週間かけてようやく観終わりました.それでも無理にカットしたので,カエサルの殺害シーンは中途半端だし,話がうまくつながらないカット割りに随所で気が付かされます.やはり当初の3時間ずつ2本というバージョンの復活が強く望まれます.ハリウッドのどこかの倉庫に眠っていないものでしょうか?

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