日本鳥類目録第7版の Refsort 辞書ファイルを更新
昨年10月の7日と10日に,日本鳥類目録第7版を Refsort/Ruby の辞書として編集しなおしたものをアップしました.それに対して,わずかにあった誤植を取り除き,またあまり意味のなかった不詳亜種のレコードを取り除き,そして最新の IOC List v3.2 に記載の英名をできる限り取り入れるという改訂を行いました.
最も難しい判断を迫られたのは,IOC List との整合性です.IOC List は種の分割をかなり積極的に認めているので,日本鳥類目録では亜種扱いのものが種として英名も与えられています.この英名を日本鳥類目録の亜種の英名として採用すべきか迷いましたが,採用するという判断を下し,できる限り収録しました.
厄介なのは,分類の学説が定まっていない種や亜種の扱いです.特に古い学説の種に対してすでに和名が付いていて,その種の日本で見られる亜種が新しい学説では種に格上げされたりすると,分岐元の種は日本には分布しないグループが残っているので,これを元の和名で呼び続けることは不合理です.しかし新しく生まれた種には和名を付けるのは・・・学会などの権威付けが無いとまずい.困った私は,以前より "recommended jname by …" という逃げを作ってとりあえずの和名を提案するという立場を取っています.
IOC List の改訂スピードは非常に速いので,こういう種が徐々に増えています.次第に個人の手に負えなくなることは明白です.IOC List とのリンクなど無視してしまうのも一つのやり方ですが,できる限りつながりを保ち,何とか和名の体系との折り合いをつけていきたいと思っています.
さて,今回のリリースでは同時に UTF-8 版と Windows-31J 版をアップしました.UTF-8 版のほうが基準となる版で,Authority に含まれるアクセントやウムラウトなども忠実に収録してあります.Windows-31J 版では,それらのアクセントやウムラウトをそれらに最も近い文字または ? 記号で置き換えた簡易版です.厳密には UTF-8 版が正しいので,必要に応じて参照してください.
ネット上の探鳥記録を見ても,日本鳥類目録第7版に沿ったリストをまだほとんど見かけません.これまで頭に叩き込まれた分類順はそう簡単に崩せないのは当然ですが,新しい分類順になれるためにも,Refsort/Ruby とこの辞書ファイルをご活用いただければ幸いです.
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