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2013/02/03

戦争の悲惨さと不条理を描いた秀作

ダンケルク [DVD] - ジャン・ポール・ベルモンド(出演),カトリーヌ・スパーク(出演),アンヌ・ヴィルヌイユ(監督)

最初は軽い気持ちで観はじめました.主演がジャン・ポール・ベルモンドの戦争映画と聞けば,ギャング映画の系譜かと思ってしまったのです.しかしこの思い込みは完全に裏切られました.中身は戦争の不条理を描いた硬派の大作です.

ソ連の戦争映画の超大作 "戦争と平和" のような重厚な映像美やスケールはないものの,第二次世界大戦初期に連合軍が大陸から撤退するダイナモ作戦を舞台にして,戦争の残酷さ,人間の狡猾さや救いようの無さ,そしてあらがいようの無い時代の波に翻弄される庶民の姿を描いた作品です.

ダイナモ作戦はドイツ軍に包囲されたイギリス軍とフランス軍30万人を,ベルギー国境近いフランス北岸の町ダンケルクからイギリスに船で撤退させるという大作戦です.イギリスでは民間の船や個人のボートまで徴用され,それはいまでも語り草になっている(はず)ほどです.このエピソードを扱った映画もあり,例えば "ミニヴァー夫人" などはその一つです.

しかし,フランス軍兵士にしてみればイギリス軍を優先した撤退作戦であり,自分たちが後回しにされたという被害者意識は後々まで残ったと言われています.

長大な砂浜に面した巨大なお城,これがダンケルク城らしいのですが,これが誠に見事な建物.その砂浜に繰り返し砲弾が着弾しては兵士たちを殺し,また上空からはメッサーシュミット Bf109 らしい飛行機が機銃掃射を繰り返します.兵士はただ地面に伏せて飛行機が過ぎ去るのを待つのみ.もっと敵機をよく見ながら逃げればいいのにと思ったのは,傍観者の後知恵でしょうか?

この映画ではジャン・ポール・ベルモンドが演じるマイヤという兵士が,海岸の砂丘に置かれた野戦病院のワゴン車で暮らす神父や兵士と交流しながら,一時は撤退船に乗り込むものの.ドイツ軍の空襲を受けて再び元の海岸に戻ってくるという,やりきれない絶望が繰り返されます.

また,地元の民家で見つけた美少女との恋も物語の一つの軸になっているのですが,この少女と結婚して戦地を離れる約束をするものの,ドイツ軍の激しい空襲で瀕死の重傷を負い,そこへこの少女がトランクを提げて現れるラストシーンは,この物語の不条理さを象徴する名シーンと言ってよいでしょう.

私はジャン・ポール・ベルモンドの作品はあまり見たことがないのですが,このような硬派の戦争映画があったことをこれまで知らなかったわが身の不明を恥じるばかりです.

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