7年目も乾いていたAmos Lee
Mission Bell [Import] - Amos Lee
Amos Lee の最初のアルバムは2006年4月にレビューをしていますが,それからもう7年も経ってしまいました.映画のタイトルではありませんが,7年目の何々というのは,ちょうどその時間の長さが何かを変えてしまう,忘れてしまう,あるいは次の何かを始めてしまう,そのような時の長さを意味しているのでしょう.
そしてこの人 Amos Lee ですが,あまり多作な人ではなさそうです.今回のこのアルバムは 2011 年のリリース.最初のアルバムが 2005 年のリリースなので,彼自身にとってはその間に 6 年が経っているのですが,しかし一聴してみてわかるのは,そのような時の流れをほとんど感じさせないというものです.
乾いたサウンドは相変わらず.声の質もほとんど変わっていないように感じます.普通はデビューから 10 年間ほどは,スタイルや音楽性が試行錯誤を続けて落ち着くべきところを探してさ迷うのが普通だと思うのですが,この人の場合はまだそこまで行っていないのか,あるいは初めから自分のスタイルに自信を持って変えようとしないのか,その辺りは良くわかりません.
このアルバムの聴きどころは最後の 2 曲にあります.11 曲目は Lucinda Williams とのデュエット.そして最後の 12 曲目は何と Willie Nelson とのデュエットです.これらの曲を聴くと,このアーティストの類い稀な才能を改めて思い知らされます.特に最後の曲は,アルバムの最初の曲の再録でもあり,アルバム全体が一つの輪のように閉じる,ということを示唆しているように思えます.それも表裏が捻られたメビウスの輪のように.
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